カテゴリ:感染症( 418 )

 

FDA:食用肉用ウシ・豚・鶏・ターキーへのセファロスポリン系抗生剤投与禁止 vs 日本

FDAは、4月5日から、ウシ、豚、鶏、ターキーへのセファロスポリン使用を禁止するよう命令
ガチョウやウサギは除外(マイナーだからという理由)
ヒトの食事性のサルモネラ、大腸菌感染治療に用いられるセファロスポリン系の薬剤を制限
cefprozilや cepalexin(ケフレックス)などジェネリックを含む製品
予防投与を含む
FDA to protect important class of antimicrobial drugs for treating human illness
Agency issues order prohibiting certain uses in food-producing animals
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm285704.htm

関連記事:http://blogs.reuters.com/timothy-dobbyn/
FDA原文と異なる部分がある


乳・肉などの畜産食品を生産する家畜に使用する際には「動物用医薬品の使用の規制に関する省令」により、抗生物質が使用できる対象動物、用法および用量(注射、飼料添加、飲水添加など)、使用禁止期間が定められている。現在、ペニシリン類、テトラサイクリン類、マクロライド類、アミノグリコシド類などの薬剤が人や動物の感染症の治療や予防に使用される。
http://www.jmi.or.jp/info/word/ka/ka_157.html

「動物用医薬品の使用の規制に関する省令」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S55/S55F03701000042.html

日本では薬剤耐性に関する規制はないようで、”食用に供する・・・日前”という制限だけ。
セファゾリン、セフロキシム等のセフェム系、ペニシリン系、ノルフロキサシン、ホスホマイシン、ストレプトマイシン、ジョサマイシン、ゲンタマイシン・・・てんこ盛り。

薬剤耐性に影響与えない方がおかしい。


by internalmedicine | 2012-01-05 09:30 | 感染症  

研修医: 針刺し事故管理

研修医: 針刺し事故管理

現時点で、full-free になっているので、関心ある方は原文参照されたし!

Management of Needlestick Injuries
A House Officer Who Has a Needlestick
JAMA. 2012;307(1):75-84. Published online December 6, 2011.

by internalmedicine | 2012-01-04 10:20 | 感染症  

レビュー:C difficile治療

Comparative Effectiveness of Clostridium difficile Treatments
A Systematic Review
Ann Int Med. December 20, 2011 vol. 155 no. 12 839-847


バンコマイシンに比べFidaxomicin(フィダキソマイシン)が再発率に関し優れているが、他は差が無い。

by internalmedicine | 2011-12-30 23:20 | 感染症  

我が国の、周回遅れ感染性胃腸炎医療行政

ノロなど感染性胃腸炎が急増-感染研
医療介護CBニュース 12月27日(火)14時35分配信

こういう報道の季節になった・・・ 文面の”ノロなどの”という文言・・・気になる。
野呂さんの指摘されたこと(「ノロって呼ばないで」 野呂さん、ウイルス改称訴え)だけではなく、ノロウィルスと特定できないのに・・・ノロが主体であるかのごとき報道についてでもある。

他の感染症も同様だが、ロタウィルスやノロウィルス感染に関して、学校・保育園や就労事業者から、検査を求められることがある。 最近、”ノロウィルス保険”なるものがあり、集団感染外に関して、医療保険じゃない損害賠償保険契約上の誤解から個別問い合わせがある(これに関しては、基本的には食中毒に関する保険取り扱いの誤解がほとんどだと思う。)

現時点で、POCT (Point of Care Testing)の体外診断:迅速診断
・ロタウィルスに関しては、健保適用 e.g. ディップスティック '栄研'ロタ 、 ラピッドテスタ®ロタ・アデノ、 BD Rota/Adeno エグザマン™ スティック 、イムノカードST ロタウイルス など
・ノロウィルスに関しては、健保適用外 ( 小児科学会からの要望事項の一つ )e.g. 「クイックナビ™‐ノロ」 


感染性胃腸炎を起こす2つのウィルスに関して、公的医療保険上の取り扱いが異なるため、誤解が生じやすい状況にある。ノロウィルス感染チェックを行った場合、混合診療扱いになり、善意で行った医療機関が詐欺扱いされることもありえる。

ロタウィルス、ノロウィルスに関して、現時点で、特異的治療法がない以上、外来医療などで意義があるのか? 効用解析、コスト・ベネフィット的考察が必要だと思う。


世界的には、ロタウィルスに対するユニバーサルワクチンが普及し、ノロウィルス感染が問題になってきているという記載。成人例での弧発例・流行例への認識は比較的新しい。年間2100万人、食事由来で550万人という米国の報告に関わらず。
公衆衛生上のとりくみとして、CaliciNet があり、流行早期発見のツールとして用いられているとのこと。
astrovirus、 sapovirus、 Aichi virusというのも下痢疾患として記述されつつある。
現時点では、ノロウィルに関しては、ワクチンの早期開発とともに、流行の早期発見、対策を行うことが重要。
Emerging Infectious Diesease
Volume 17, Number 8—August 2011
Perspective
Control and Prevention of Viral Gastroenteritis



日本の急性胃腸炎の医療の現状・・・ 米国に比べて周回遅れということが分かるだろう・・・
・ロタウィルスに対するユニバーサルワクチン導入の遅れ
・ロタウィルス・ユニバーサルワクチン前提なら、むしろ、ロタウィルスPOCTより、ノロウィルスPOCTの方が重要。


Norovirus: Technical Fact Sheet
http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/revb/gastro/norovirus-factsheet.htm
“Kaplan Criteria” in outbreaks
These criteria are as follows: 1) a mean (or median) illness duration of 12 to 60 hours, 2) a mean (or median) incubation period of 24 to 48 hours, 3) more than 50% of people with vomiting, and 4) no bacterial agent found.




CDC GUIDELINE FOR THE PREVENTION AND CONTROL OF NOROVIRUS GASTROENTERITIS OUTBREAKS IN HEALTHCARE SETTINGS
http://www.cdc.gov/hicpac/pdf/norovirus/Norovirus-Guideline-2011.pdf




腸管感染症でアデノウィルス咽頭部ぬぐい液検査意味があるのだろうか? 2006年 07月 08日



こんな劣性行政やってても、厚生労働省って偉そうなんですよ・・・

by internalmedicine | 2011-12-28 09:24 | 感染症  

豚由来H3N2新種インフルエンザ:H3N2vと呼べと・・・

U.S. finds new human infection with swine H3N2 flu
http://edmonton.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20111223/human-infection-with-h3n2-origin-reported-111223/20111223/?hub=EdmontonHome

US公衆衛生局、新種の、豚由来のH3N2インフルエンザの人への報告

2009年のH1N1パンデミック・インフルエンザの時は、豚肉販売への影響から、名前に対し農業団体の抗議があった。the World Health Organization と UN's Food and Agriculture Organizationは、合議の上、これらのウィルス名称を、"H1N1v"と略すことに同意。
今回問題となっている、H3N2変異株の略称は、"H3N2 variants" or H3N2vとすることになっている。

アメリカの一行政部門とWHOの合議が世界的な呼び方として強制力があるかどうか知らないが、WHOの呼称影響は大きいのかもしれない。

H3N2vは1990年代初頭の循環したヒト・ウィルスと関連もあり、20歳以上では抗体を有していることが多いようであるとのこと。

日本の痴呆新聞の”インフル”というよりは、まともな略称・呼称・・・日本の場合は勝手に新聞が呼称を作り上げる・・・

by internalmedicine | 2011-12-26 08:58 | 感染症  

敗血症死亡患者:免疫抑制状態

重症敗血症において、過剰炎症反応に引き続き、免疫抑制が生じる。敗血症にて死亡した40名の患者からの剖検脾臓・肺組織を29名の敗血症重症疾患患者比較で検討。
Boomerらは、敗血症とホスト免疫変化の関連を評価。
生化学的、 フローサイトメトリー、 免疫組織化学所見を検討


Immunosuppression in Patients Who Die of Sepsis and Multiple Organ Failure
JAMA. 2011;306(23):2594-2605. doi: 10.1001/jama.2011.1829

敗血症と対照患者の平均年齢は  71.7 (SD, 15.9) and 52.7 (SD, 15.0)
敗血症ICU日数中央値は 8 (range, 1-195 days)、一方対照の方は 4日以下
敗血症期間中央値は、4 日間 (range, 1-40 days)

対照と比較して、5時間時点で、抗-CD3/抗-CD28-刺激脾臓細胞によるサイトカイン分泌減少を認めた。
・ tumor necrosis factor, 5361 (95% CI, 3327-7485) pg/mL vs 418 (95% CI, 98-738) pg/mL
・ interferon γ, 1374 (95% CI, 550-2197) pg/mL vs 37.5 (95% CI, −5 to 80) pg/mL;
・ interleukin 6, 3691 (95% CI, 2313-5070) vs 365 (95% CI, 87-642) pg/mL
・ interleukin 10, 633 (95% CI, −269 to 1534) vs 58 (95% CI, −39 to 156) pg/mL; (P < .001 for all)

5時間のLPS刺激サイトカイン分泌減少は同様

敗血症患者のサイトカイン分泌は、一般的に対照より10%減少し、年齢、敗血症期間、ステロイド使用、栄養状態とは独立した関係であった。

脾臓と肺の間に差があるが、フローサイトメトリー解析にて、選択的な抑制性受容体・リガンドの過剰発現、suppressor cell populationの増加が両臓器で見られた。
敗血症 vs がん患者 vs 移植ドナーから分離された免疫細胞内のcellular inhibitory molecular expressionのユニークな差が存在した。
免疫組織化学染色により、脾臓のCD4、CD8、HLA-DR細胞の広汎な消失と、肺上皮細胞の抑制系受容体のリガンド発現が見られた。


敗血症ICU死亡患者は他原因死患者比較で、免疫抑制状態に一致した生化学的、フローメトリー的、免疫組織化学所見である。
ターゲット化免疫促進療法が敗血症患者で有効な治療方法となるのかもしれない。

by internalmedicine | 2011-12-21 23:30 | 感染症  

Eculizumab(C5補体へのモノクローナル抗体):大腸菌関連溶血性尿毒症症候群治療

発作性夜間血色素尿症に対するEculizumab(C5補体へのモノクローナル抗体) 2009年 01月 14日


モントリオールSainte Justine University Hospital Center (Sainte-Justine UHC)の医師研究者たちにより致死性大腸菌感染に対し、上記薬剤の有効性が報告された。

大腸菌感染と関連する溶血性尿毒症症候群治療の有効性。

Eculizumab in Severe Shiga-Toxin–Associated HUS.
New England Journal of Medicine, 2011; 364 (26): 2561 DOI: 10.1056/NEJMc1100859

Shiga-toxin–producing Escherichia coli (STEC-HUS)・c3低下、C3d上昇故の血漿交換3歳の子供、中枢神経症状激しいための血漿交換例、3例目の詳細不明

eculizumabを7日間隔投与
1例目と3例目は2回、2例目は4回投与

経過:figure 1 :http://www.nejm.org/action/showImage?doi=10.1056%2FNEJMc1100859&iid=f01

劇的、急激な改善が見られた。

by internalmedicine | 2011-12-20 14:01 | 感染症  

新型インフルエンザ2009H1N1パンデミック中抗ウィルス薬耐性

Storms AD, Gubareva V, Su S, et al. Oseltamivir-resistant pandemic (H1N1) 2009 virus infections, United States, 2010-11. Emerg Infect Dis 2011 Dec 19 [Full text]


3642名から分離2009H1N1株で、oseltamivir耐性は、35(1.0%)
抵抗株による死亡年齢中央値は33歳、一人を除いて情報入手され、9名が感受性試験前にoseltamivir暴露。ケースフォーム完成33名の内67%(22)が少なくとも薬物一つは使われており、24%(8)が免疫抑制状態、42%(14)が入院、9%(3)が死亡。
多くが独居、同じ住居の2名の兄弟が同じ株に感染、どちらもoseltamivir処方されず。
パンデミック中、oseltamivir耐性は少なく、6740試料中37(0.5%)。しかし、oseltamivir暴露報告が多くなると、2009-10で89%、2010-11で26%と増加。
2009H1N1はadamantaneの感受性既に有さず。
筆者らは、oseltamivir耐性患者が少ないこと、データ限界もあり、今後監視必要。



Hurt AC, Chotpitayasunondh T, Cox N, et al. Antiviral resistance during the 2009 influenza A H1N1 pandemic: public health, laboratory, and clinical perspective. Lancet Infect Dis 2011 Dec 19 [Abstract]
2009年4月以降、neuraminidase 耐性2万7千超のサンプルで、447の耐性を検知。
免疫不全状態を含む、治療患者で獲得。患者との接触がなかった14%ほどが治療を受けてない場合に検知されている。臨床症状や重症度と未耐性株との差は報告されてない。
2009 H1N1感染入院患者は抗ウィルス治療前、治療期間中、治療後検査すべきであると著者らは述べている。専門家は第一推奨薬の閾値コンセンサスを形成すべきで、患者の状況、薬歴などに基づく検討が必要。
臨床的マネージメント上、リスク群に応じた耐性検査のための低閾値を考慮し、免疫状況によりニューラミニデース阻害剤に反応しない重症・悪化感染への薬物治療が考慮されなければならない。併用療法なども行われているが、zanavivirなどの注射なども上市されておいる状況なのに、RCT不足のため有効性のエビデンスを欠いている。

by internalmedicine | 2011-12-20 11:47 | 感染症  

ペニシリン:大きい子供は成人の半分、小さい子供はその半分、赤ん坊はその半分・・・でよいか?

タイトルに入らなかったが・・・

BMJクリスマス企画2011

Christmas 2011: Oral Traditions
Dosing of oral penicillins in children: is big child=half an adult, small child=half a big child, baby=half a small child still the best we can do?
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7803 (Published 15 December 2011)
Cite this as: BMJ 2011;343:d7803



・ 経口ペニシリンの薬物投与量レジメンのエビデンスは少ない。BMJ(1963)の報告がそのまんま使われているのが実態

・ 多くの子供では投与不足の状況にある。

Fig 2 Actual dose of oral penicillins received as both mg/kg/dose (top) and mg/kg/day (bottom) based on age bands recommended in the 2010-11 BNF for Children and current weights of children from 2009 Health Survey for England. (The lowest dose of Amoxil for children under 40 kg in the summary of product characteristics)


・ 成人では投与量年次的に増加しつつある。

Fig 1 Changes in the single oral dose of penicillin V for children and adults

by internalmedicine | 2011-12-17 10:31 | 感染症  

スタチンによる入院死亡率減少効果 vs 感染症一般には予防効果無しのエビデンス

スタチンによりインフルエンザ入院患者の死亡率減少効果を示した報告が発表されている。
Vandermeer ML, Thomas AR, Kamimoto L, et al. Association between use of statins and mortality among patients hospitalized with laboratory-confirmed influenza virus infections: a multistate study. J Infect Dis 2011 Dec 14


CIDRAP解説記事:Study suggests statins reduce deaths in severe flu infections
Lisa Schnirring * Staff Writer
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/general/news/dec1511statin.html

米英では多くのメディアで報道されているので、日本でも一部報道されるかもしれない。
Google news


一方で、感染症一般では、システマティックレビュー・メタアナリシスにおいて否定的な報告が先日なされている。

Statins and prevention of infections: systematic review and meta-analysis of data from large randomised placebo controlled trials
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7281 (Published 29 November 2011)
Cite this as: BMJ 2011;343:d7281


632トライアル検討し、最終的に、総計30947名、11トライアルを検討。

4655名(スタチン 2368、 プラシーボ 2287):期間中感染症
メタアナリシスにて、スタチンは感染リスクに対して影響与えず  (relative risk 1.00, 95% confidence interval 0.96 to 1.05) 、感染症関連死亡率に影響を与えず (0.97, 0.83 to 1.13)。



Fig 2 Meta-analysis of statin treatment and risk of infections in randomised controlled trials



Fig 3 Meta-analysis of statins and risk of infection related mortality in randomised controlled trials

by internalmedicine | 2011-12-16 08:24 | 感染症