カテゴリ:インフルエンザ( 230 )

 

システマティック・レビュー・メタアナリシス:免疫不全へのインフルエンザワクチン

Influenza Vaccination for Immunocompromised Patients: Systematic Review and Meta-Analysis from a Public Health Policy Perspective
PLoS ONE 6(12): e29249. doi:10.1371/journal.pone.0029249

209研究の多くは、不明瞭、バイアス高リスク

メタアナリシスにより、免疫不全ワクチン接種者と、プラシーボ・非ワクチンとの比較で、インフルエンザ様疾患予防は効果 (odds ratio [OR] = 0.23; 95% confidence interval [CI] = 0.16–0.34; p<0.001) 、検査確認インフルエンザも効果 (OR = 0.15; 95% CI = 0.03–0.63; p = 0.01)

免疫不全ワクチン患者に対するインフルエンザ様疾患のオッズに差は見られなかった。

季節性インフルエンザ(H1N1)、A(H3N2)、Bに対し、seroconversionのpooled oddsは、免疫健常対照比較で、やや低下。同様な傾向が、seroprotectionでも見られた。

seroconversionのメタアナリシスで、プラシーボ・非ワクチン群比較で、高オッズ比を示した。しかし、インフルエンザBは有意差を示さなかった。


Forest plot for studies on influenza-like illness and laboratory confirmed influenza.

Legend: (A) = influenza-like illness (placebo or no vaccination comparator); (B) = influenza-like illness (vaccinated immunocompetent controls); (C) = laboratory confirmed influenza (placebo or no vaccination comparator). Note that each of the three plots shown has different scaled x-axes.
doi:10.1371/journal.pone.0029249.g002


出版バイアスは検知せず、ナラティブにも所見が補強された。安全性に関して不変なエビデンスは存在せず。

by internalmedicine | 2011-12-24 22:10 | インフルエンザ  

妊娠母体単回インフルエンザワクチン接種で、母体と新生児に高い血清学的防御反応示す

Maternal Immune Response and Neonatal Seroprotection From a Single Dose of a Monovalent Nonadjuvanted 2009 Influenza A(H1N1) Vaccine
A Single-Group Trial
Ann Int Med. December 6, 2011 vol. 155 no. 11 733-741
107名の妊娠220/7と320/7
非アジュバントH1N1ワクチン 15mcg(HI)

ベースラインから、19%の女性で 1:40以上、seroconversion率は93%、geometric mean titerでの倍加は67.4。day 42、出産、3ヶ月後で98%、92%、90%の1:40以上の抗体状況。

88新生児からの臍帯血試料サンプル95%で、1:40以上の抗体

新生児・母抗体抗体比率中央値は、1.4

結論として、単回の非アジュバントインフルエンザA(H1N1)ワクチンは妊娠女性、新生児への血清防御として高い反応を示す。

by internalmedicine | 2011-12-07 09:59 | インフルエンザ  

2008年季節型インフルエンザ:5歳未満小児;世界で3万~11万名死亡・・・途上国99%しめる

子供の季節性インフルエンザに関するglobal burdenについて不明。インフルエンザ5歳未満患児の下気道感染の頻度・死亡率推定。

Global burden of respiratory infections due to seasonal influenza in young children: a systematic review and meta-analysis
The Lancet, Volume 378, Issue 9807, Pages 1917 - 1930, 3 December 2011

43研究・800万名ほどのデータ

2008年 世界での5歳未満小児の推定

・新規発症インフルエンザ 9研究から、9千万(95% CI 4千9百万-1億6千200万)

・急性下気道感染合併 2千万(1千3百万-3千2百万)(小児急性下気道感染の13%; 6研究データ)

・インフルエンザ関連重症急性下気道感染 1百万(1-2百万)齢(全重症小児下気道感染の7%;39研究データ)

2008年 5歳未満のインフルエンザ関連急性下気道感染寄与死亡は推定2万8千名から11万1千5百名で、99%が発展途上国

頻度・死亡率とも年毎のばらつきが大きい


WHO :http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_peer_reviewed/en/index.html

by internalmedicine | 2011-12-03 11:19 | インフルエンザ  

インフルエンザ2009H1N1関連急性壊死性脳炎

Resident and Fellow Section
Teaching NeuroImages: Acute necrotizing encephalopathy during novel influenza A (H1N1) virus infection
Neurology November 22, 2011 vol. 77 no. 21 e121
2009年新型インフルエンザA(H1N1)流行以来、様々な神経学的合併症が報告されている( Chen YC, Lo CP, Chang TP. Novel influenza A (H1N1)-associated encephalopathy/encephalitis with severe neurological sequelae and unique image features: a case report. J Neurol Sci 2010; 298: 110– 113. )。
2ヶ月齢の急激進行例の報告


日本で”acute necrotizing encephalopathy”(急性壊死性脳炎)と報告されていた致命率・合併症率の高い病態( Ng WF, Chiu SC, Lam DS, et al. A 7-year-old boy dying of acute encephalopathy. Brain Pathol 2010; 20: 261– 264.)について解説がなされている。


日本の報告でなく、香港の症例の報告なのが、なさけない。語学力の壁だろうか・・・ 日本の臨床力は世界的に評価されない理由の一つなのだろう。
症例提示など英語でプレゼンテーションする癖があればいいのだが、アホ役人どもが”カルテは日本語で・・・”などとするアホ通達のせいでそれもできない日本。

こういうケースも、ある特定の団体が・・・”タミフル脳症”と騒いでたわけだが・・・

by internalmedicine | 2011-11-26 10:21 | インフルエンザ  

CDC:新型豚インフルエンザ と 今夏南半球インフルエンザ状況

CDC confirms cases of new swine flu virus
By Liz Szabo, USA TODAY
http://yourlife.usatoday.com/health/story/2011-11-24/CDC-confirms-cases-of-new-swine-flu-virus/51384636/1

新しいブタインフルエンザ:アイオワの3名の子供で、ヒト・ヒト感染を確認

感染は2次以下で止まっており、現時点で、流行が広がる恐れはないということ

2年前に、S-OtrH3N2というインフルエンザA新種18例をCDCは経験しているとのこと



http://www.cdc.gov/flu/weekly/index.htm#OISmap

そういえば、今年の夏、南半球のインフルエンザ状況はどうだったんだろう?
 ↓

Weekly rate of ILI reported from GP ILI surveillance systems from 1 January 2008 to 16 October 2011

さほど流行していなかったようだ・・・内容は、インフルエンザA、パンデミックH1N1、H3N2が多い

by internalmedicine | 2011-11-26 08:38 | インフルエンザ  

毎年のワクチン接種はウィルス特異的CD8陽性細胞の交叉抵抗性を呼び起こす

CD8陽性T細胞はウイルス感染細胞などを破壊するCTL(キラーT細胞)として機能するわけだが、毎年ワクチン接種すると、交叉抵抗性に働くという話

インフルエンザ・ワクチンに関する有効性に疑念をもっておらず、この時期に、この話を書くのははばかれるが・・・一応、流れてきた情報なので・・・。そして、”inner proteinへの配慮したワクチン開発が求められる”(http://www.sciencedaily.com/releases/2011/11/111116192801.htm)というポジティブな話も記載する


毎年季節型インフルエンザワクチンをうけていると、killer T細胞へcross-reactiveな影響を与える可能性がある。具体的に言うと、毎年ワクチン接種していると新型インフルエンザのときかえってかかりやすくなるのではないかという懸念が浮き上がってきた。

Annual Vaccination against Influenza Virus Hampers Development of Virus-Specific CD8 T Cell Immunity in Children
J. Virol. November 2011 vol. 85 no. 22 11995-12000

季節性インフルエンザAウィルス感染は、他のサブタイプのパンデミックインフルエンザAウィルスへの免疫も誘導する(heterosubtypic immunity)
季節性インフルエンザワクチンで、インフルエンザA/H5N1ウィルスへのheterosubtypic immunityを誘導することを筆者らは示した。ウィルス特異的CD8+T細胞反応と関連せずに生じる反応。毎年のワクチン接種が推奨されているが、ウィルス特異的CD8+T細胞免疫のインパクトは不明な部分もある。

毎年ワクチン接種するのう胞性線維症のこどもと非ワクチン健康対照の子供でインフルエンザAウィルス特異的細胞・液性免疫を比較。
同様なウィルス特異的CD4+T細胞と抗体反応が見られた。しかし、年齢依存的にウィルス特異的なCD8+T細胞反応が非ワクチン健康成人ではみられたが、のう胞性線維症児では見られなかった。

結論としては、毎年インフルエンザワクチン接種することで季節性インフルエンザへの効果が認められるが、ウィルス特異的CD8+T細胞反応形成の邪魔をする可能性がある。



by internalmedicine | 2011-11-17 11:32 | インフルエンザ  

インフルエンザワクチン有効率:65歳未満で59% それ以上では倫理的に治験行われず・・・


Efficacy and effectiveness of influenza vaccines: a systematic review and meta-analysis
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 26 October 2011
doi:10.1016/S1473-3099(11)


季節性インフルエンザワクチンお予防効果について70-90%と推定値が長年上げられている。
しかし、The Lancet Infectious Diseaseでは、この情報に関して変更が必要ではという内容。

RCTだと、65歳未満で59%
鼻スプレー(弱毒化生ワクチン LAIV)は6ヶ月から7歳まで効果があり、それ以降の年齢なるとエビデンスを欠く。高齢者ワクチンの有効性は倫理的観点からワクチン有効性に関するRCTが行われてない。


解説:
Flu vaccine efficacy: Time to revise public messages?
Robert Roos
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/general/news/nov0411messages.html


高齢者へのインフルエンザワクチン接種に関する臨床知見、もともと乏しいことを認識すべきである。

一部メディアで、上記記事の解説があったが、生ワクチンだけの報告と勘違いされた記事が垂れ流されている。注意されたい。

by internalmedicine | 2011-11-05 11:51 | インフルエンザ  

インフルエンザ・アジュバントワクチン:ベル麻痺、知覚麻痺、炎症性腸疾患超過リスク

パンデミックインフルエンザA(H1N1)ワクチン接種の神経学的・自己免疫疾患リスク検討

ストックホルム 2009年10月1日からの調査、1998年1月1日から居住中の住民
102万名のワクチン接種者

GlaxoSmithKlineのPandemrix、NovartisのFocetriaはアジュバントとしてそれぞれ、AS03、MF59を含む、アジュバントの安全性懸念として、自己免疫刺激的に働くのではないかという懸念が持ち上がっている。


Neurological and autoimmune disorders after vaccination against pandemic influenza A (H1N1) with a monovalent adjuvanted vaccine: population based cohort study in Stockholm, Sweden
BMJ 2011; 343:d5956 doi: 10.1136/bmj.d5956 (Published 12 October 2011)
Cite this as: BMJ 2011; 343:d5956


ワクチンによる超過リスクは
ベル麻痺: ハザード比 1.25 95% 信頼区間 1.06 - 1.48
知覚異常: 1.11, 1.00 to 1.23
(性、社会経済状況、医療機関受診補正)

ギラン・バレー症候群、多発硬化症、1型糖尿病、関節リウマチでは変化認めず


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ワクチンキャンペーンの始まりの、ワクチン早期相(2009年10月1日から45日以内)では、知覚異常・炎症性腸疾患のリスク有意に増加、ワクチン接種後6週間以内でリスク増加

早期相でのワクチン接種は、ワクチン非接種より軽度死亡リスク減少 (0.94, 0.91 to 0.98)
しかし、後期相でのワクチン接種は包括的に死亡率減少  (0.68, 0.64 to 0.71)


これらの関連は現実であり、一部、他の寄与要素にて、部分的、あるいは、全部、説明可能なものである

フォローアップ8-10ヶ月間で、Pndemirixの安全性を再確認、特にギラン・バレー症候群、多発硬化症、1型糖尿病、関節リウマチでのリスク増加認めないということ。
ベル麻痺、知覚異常、IBSの相対リスクは、有意に、相対リスクとして、ワクチンキャンペーン直後の早期に見られる。
ナルコレプシー子供・青年のリスクは、少数のため、結論づけせず

ベル麻痺、異常知覚、炎症性腸疾患の超過リスクが、H1N1ワクチン後、影響としては少ないが、有意に見られた。しかし、早期ワクチンを高リスク群にのみ施行したこと、それがこのようなリスク増加現象を示したのだろうと・・・結論。


反ワクチングループなら、この論文記載の一部を元に、ワクチン接種禍と騒ぐだろうなぁ
なんせ、”反ワクチン”ドグマに とらわれて、バランスの良い判断を下せない人たちの集まりだから・・・

by internalmedicine | 2011-10-13 16:25 | インフルエンザ  

小児インフルエンザワクチン:水中油型エマルジョンアジュバントの有効性

小児への有効性論文

MF59アジュバントにより非アジュバントより有効性アップ
絶対的有効性は86%で、対し非アジュバントは43%

6ヶ月から36ヶ月齢: 79% v 40%
36ヶ月から72ヶ月齢: 92% v 45%

一般的に、副作用は若年群でも同等で、年長小児では全身性反応がやや多い (63% versus 44%)
ただ、対照群でも50%。

Oil-in-Water Emulsion Adjuvant with Influenza Vaccine in Young Children
Timo Vesikari et. al.
N Engl J Med 2011; 365:1406-1416October 13, 2011

水中油型アジュバント 不活化インフルエンザワクチン TIV:adjuvant MF59

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在阪反ワクチン運動家たちの動きが気になる

by internalmedicine | 2011-10-13 08:17 | インフルエンザ  

インフルエンザワクチンと全身性エリテマトーデスの関係

ワクチンと全身性エリテマトーデスの関連
・血液異常クライテリア、疾患クライテリア、プレドニゾロン使用と関連
・インターフェロンα基礎値と関連
・disease flareとの関連
以上が明らかになった。


Influenza vaccination responses in human systemic lupus erythematosus: Impact of clinical and demographic features
Arthritis & Rheumatism
Volume 63, Issue 8, pages 2396–2406, August 2011


high responderに比べ、ワクチンlow responderはHematologic disorder (血液異常)クライテリアの尤度が高く(P=0.009)、SLEに関するアメリカリウマチ協会分類クライテリア尤度が高いE (P = 0.05)、そして、プレドニゾロン使用尤度が高い (P = 0.05) (P = 0.04)

興味有ることに、ヨーロッパ系アメリカ人はアフリカ系アメリカ人為比べlow responderとなりやすい (P = 0.03)
さらに、low responderは、disease flareとなりやすい (P = 0.01) 、そして、抗核抗体抗体値高い  (P = 0.04)
ベースラインの血中インターフェロンαは、病状再燃(フレア)を経験したことのない患者に比べ、ワクチン後flareを生じた患者で高い (P = 0.04)


全身性エリテマトーデスとインフルエンザワクチンの関係

Hematologic disorder (血液異常)
・網状血球増加を伴う溶血性貧血
・白血球減少:2回以上 4,000/mm3未満
・リンパ球減少:2回以上 1,500/mm3未満
・血小板減少:薬剤と関連のない 100,000/mm3未満



関節リウマチ : 2010 ACR-EULA分類基準は早期治療対象者を多く検知するが、治療過剰例も多く検知する 2011年 04月 14日

ワクチンの是非に関しては、当該ワクチン推奨記述に注意が必要だろう。


by internalmedicine | 2011-08-08 09:31 | インフルエンザ