カテゴリ:がん( 215 )

 

ホルモン補充療法と乳がんリスク:Million Women Studyにはバイアスありすぎ・・・と批判

南アフリカのUniversity of Cape TownのSamuel Shapiroによると、UK内で行われた 観察研究Million Women Study (MWS)は適切ないくつかのcausalityに関するクライテリアを満たしてないという・・・information bias、 detection bias、 biological plausibilityが問題。


Does hormone replacement therapy cause breast cancer? An application of causal principles to three studies
Part 4. The Million Women Study
J Fam Plann Reprod Health Care doi:10.1136/jfprhc-2011-100229


WHIはランダム化対照研究、MWSは観察研究
MWSは3年毎マンモグラフィー1966-2001年で、分析は2003、」2004、2006、2011年リリースされ、エストロゲン・プロゲストゲンHRTと乳がんリスクの関連性を報告したもの。
既に乳がんがあった被験者の登録があり、マンモグラフィー推奨により登録推進したことも考えられたと主張。されに、閉経状態変化、閉経からの経過期間、閉経年齢、BMIなどのようなデータが交絡要素として関与したと主張。

by internalmedicine | 2012-01-17 15:56 | がん  

食肉加工品・赤肉: 膵がんリスク増加

膵がんと、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの食肉加工品の関連を明らかにした報告


random-effects modelを用いた検討。
11前向き研究、6643名の膵臓癌症例

red meat 120g/日増加毎、包括相対リスク(RR) 1.13(95%信頼区間 CI=0.93-1.39; Pheterogeneity<0.001)

red meat consumptionは、男性の膵がんリスク正相関  (RR=1.29; 95% CI=1.08–1.53; Pheterogeneity=0.28; five studies)あるが、女性では認めない(RR=0.93; 95% CI=0.74–1.16; Pheterogeneity=0.21; six studies)

加工肉 50g/日増加毎、膵がんRRは1.19  (95% CI=1.04–1.36; Pheterogeneity=0.46)



Red and processed meat consumption and risk of pancreatic cancer: meta-analysis of prospective studies
British Journal of Cancer advance online publication 12 January 2012; doi: 10.1038/bjc.2011.585


Figure 1 - Unfortunately we are unable to provide accessible alternative text for this. If you require assistance to access this image, please contact help@nature.com or the author

Relative risks of pancreatic cancer for a 120 g per day increase of red meat consumption. Squares indicate study-specific relative risks (size of the square reflects the study-specific statistical weight, i.e., the inverse of the variance); horizontal lines indicate 95% CIs; diamond indicates the summary relative risk estimate with its 95% CI. Test for heterogeneity: Q=43.05, P<0.001, I2=69.8%. All statistical tests were two-sided.




Relative risks of pancreatic cancer for a 50 g per day increase of processed meat consumption. Squares indicate study-specific relative risks (size of the square reflects the study-specific statistical weight, i.e., the inverse of the variance); horizontal lines indicate 95% CIs; diamond indicates the summary relative risk estimate with its 95% CI. Test for heterogeneity: Q=7.77, P=0.46, I2=0%. All statistical tests were two-sided.

by internalmedicine | 2012-01-16 10:20 | がん  

ビールと胃癌リスク

Alcohol consumption and gastric cancer risk in the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) cohort
Am J Clin Nutr November 2011 vol. 94 no. 5 1266-1275
ベースライン飲酒 60g/日以上の重度摂取は、極少量(0.1-4.9 g/d)飲酒と比較し、がんリスク  (HR: 1.65; 95% CI: 1.06, 2.58)増加と関連するが、比較的少量のアルコール摂取では増加は見られない (<60 g/d)

アルコール種類による胃癌リスク解析で、ビールが正の相関  (≥30 g/d; HR: 1.75; 95% CI: 1.13, 2.73) 、ワインやリキュールは相関認めず。
男性の重度飲酒・非噴門部・腸上皮組織変化限定的に見られる相関である。
統計学的に有意な線形用量依存関係は見られない。


なんだか、寄与要素が関連してそうな話。

直腸結腸癌に対して逆の報告もある..

Inverse relationship between moderate alcohol intake and rectal cancer: analysis of the North Carolina Colon Cancer Study.
Dis Colon Rectum. 2011 Jul;54(7):887-94.

by internalmedicine | 2011-12-22 17:44 | がん  

カドミウム、ヒ素、鉛高濃度と 膵内分泌がんの関連

Amaral AFS, et al "Pancreatic cancer risk and levels of trace elements" Gut 2011; DOI:
10.1136/gutjnl-2011-301086.

解説: http://www.medpagetoday.com/HematologyOncology/OtherCancers/30298

カドミウム、ヒ素、鉛の体内高濃度が膵がんリスク増加と関連するという解析

exocrine pancreatic cancer (EPC):最大4分位・有意高リスク観察
・ カドミウム (OR 3.58, 95% CI 1.86 to 6.88, P=5X10-6)
・ ヒ素 (OR 2.02, 95% CI 1.08 to 3.78, P=0.009)
・ 鉛 (OR 6.26, 95% CI 2.71 to 14.47; P=3X10-5)

PANKRAS 2 Study (1992-1995)の118名のEPC、185名の膵がんのうちの63.8%。
対照群として、Spanish Bladder Cancer/EPICURO Study ( 1998-2001)

by internalmedicine | 2011-12-20 15:41 | がん  

降圧剤ARB:癌促進性関連? エポキシエイコサトリエン酸

いくつかのマウスがんモデルにおいて、内皮細胞由来のエポキシエイコサトリエン酸:epoxyeicosatrienoic acids (EETs)は、他臓器転移・休眠腫瘍細胞の活性化させる。
転移部位での癌活動性とEET活性をトレースし、原発腫瘍増殖への刺激を伴わないことを研究し、EET阻害物質により、腫瘍増殖転移は予防するが、EETs代謝酵素の阻害剤はEET値を増加し、腫瘍増殖を促進することを示された。
Epoxyeicosanoids stimulate multiorgan metastasis and tumor dormancy escape in mice
J Clin Invest. doi:10.1172/JCI58128.


"AT2受容体を介する血管拡張にはEETが関与"し”ARB服用例ではAIIが血管拡張物質”として作用している。

(http://mtrib.com/mtnews/2002/M3515041/)



ARB使用が、肺がんに関して、25%もの有意な増加をもたらし、他の乳がん・前立腺癌では認められなかった.(降圧剤ARBと肺がんとの関係:25%増加? 2010年 06月 16日

腎移植レシピエント:ACE阻害剤/ARBは呼吸器系/胸腔内がんリスク増加させる 2011年 09月 29日

火に油?消化剤?: ACE阻害剤/ARB と がん; あらたな報告は全体的には有益性! 2011年 10月 07日

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ARBに関して、がん促進機序の可能性・・・ あらためて、日本でも、考慮する必要があると思うのだが・・・ 

by internalmedicine | 2011-12-20 09:06 | がん  

子宮頚癌:POBASCAMトライアル:ハイリスク型HPV検出キット :30歳以上の女性でも意義がある

4500名女性5年間の検討にて、hrHPV test:ハイリスク型HPV検出キットの有効性エビデンスの報告。

Human papillomavirus testing for the detection of high-grade cervical intraepithelial neoplasia and cancer: final results of the POBASCAM randomised controlled trial
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 15 December 2011

性感染ウィルスの多くは、免疫システムにより消失するが、特定のHPV種は頚がんへつながる持続感染を生じる。この高リスクウィルス種検査がRoche・Qiagen社で開発された。HPV検知として良好な検査で、5年間のPapスメア検査2回より優れていた。
29-56歳でも、HPV検査は前がん病変早期発見に役立つ。CIN grade 2以上、適切な治療がなされれば、CIN grade 3以上・頚部癌治療に役立つ。

by internalmedicine | 2011-12-16 14:55 | がん  

米国75歳以上のがん検診:意義曖昧世代の検診施行率は高く、医師推奨がその要素となっている

75歳以上のがん検診にはあいまいさ(ambiguityと表現)がつきまとうが、半数以上が医師たちががん検診するよう推奨しているという実態が米国であきらかになった。人種・民族などは高齢者がん検診率の予測因子でなく、医師たちの推奨が影響を与えている実態。米国でも高齢化が進み、この世代のコストが最大増加要素とのこと。検診の効率性をより検討する必要性があるという趣旨の解説(http://www.medpagetoday.com/Geriatrics/GeneralGeriatrics/30193)

日本なんか、検診実施主体や行政までもが、高齢者まで、義務とかんがえて、がん検診をごり押ししている実態がある。

Bellizzi KM, et al "Prevalence of cancer screening in older, racially diverse adults: still screening after all these years" Arch Intern Med 2011; 171: 2031-2037.
【序文】 若年・中年成人でのがん検診行為や傾向に関してかなりの知見があるが、様々な人種背景を有する高齢者の検診行為に関する知見は少ない。このゴールは、75歳以上、人種的ばらつきのある老人の医師推奨を含む、がん検診の頻度推定と関連性を確立すること。

【方法】 National Health Interview Survey-年次、個別、国家的調査:米国市民の健康傾向追跡からのデータ。データサンプルは49575名、うち 1697名は75-79歳、2376名は80歳以上。検診行為を 乳がん、頚部癌、直腸結腸癌、前立腺癌検診について調査。

【結果】 75-79歳でのがん検診比率
・ 直腸結腸がん 57%
・ 乳がん 62%
・ 頚部癌 53%
・ 前立腺癌 56%

80歳以上では、検診率は頚部癌で38%、乳がんで50%低下などの開きがある
人種/民族での検診頻度非補正だが、多変量ロジスティック回帰補正による獲得教育レベルが低いことでの差であった。
それぞれの検査に関する医師推奨が検診の大きな予測要素。
75歳以上では50%超の男女が医師が検診推奨し続けていること報告されている。

【結論】 高齢者の検診は、この年齢群の推奨の曖昧さに直面しながら、高めに推移している。

日本でも ”年齢、受診間隔で対象者を限って、受診勧奨しやすくすると、 限られた予算・資源の中で最大限の効果(受診率UP、未受診者を減らす)が得られる”
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/training/text/kensyu_ito.pdf
こういう当たり前の考えが主体となることを願う。

これを、弱者切り捨てだの、高齢者蔑視だの言うのはお門違いも甚だしい。

日本のような、対象者をしぼらない検診で得するのは”検診事業者”(及びこの事業を天下り先とする役人)のみ、損するのは検診対象者、国民・日本国法人(税金)・・・など多数。

by internalmedicine | 2011-12-14 09:13 | がん  

前立腺癌抗アンドロゲン治療:超過死亡リスクとの関連認めず、全原因死亡率低下

前立腺癌のホルモン関連治療である、androgen deprivation therapy (ADT) と心血管超過死亡との関連についての検討の結果、心血管死亡に関しては超過リスクと関連性を認めず、前立腺癌特異的リスクや全原因死亡率低下と関連性が示された。

Association of Androgen Deprivation Therapy With Cardiovascular Death in Patients With Prostate Cancer: A Meta-analysis of Randomized Trials
JAMA. 2011;306(21):2359-2366.doi:10.1001/jama.2011.1745

8つのランダム化トライアル4141名
心血管死 ADT vs 対照に有意差無し  (255/2200 vs 252/1941 events; incidence, 11.0%; 95% CI, 8.3%-14.5%; vs 11.2%; 95% CI, 8.3%-15.0%; RR, 0.93; 95% CI, 0.79-1.10; P = .41)
ADT3年間超のトライアルで、ADTと心血管超過死亡の関連認めず (11.5%; 95% CI, 8.1%-16.0%; vs 11.5%; 95% CI, 7.5%-17.3%; RR, 0.91; 95% CI, 0.75-1.10; P = .34)
ADT6ヶ月以下のトライアルでも同様 (10.5%; 95% CI, 6.3%-17.0%; vs 10.3%; 95% CI, 8.2%-13.0%; RR, 1.00; 95% CI, 0.73-1.37; P = .99)

総死亡データ11トライアル4805名のうち、ADTは 前立腺癌特異的死亡率:prostate cancer–specific mortality (PCSM)低下  (443/2527 vs 552/2278 events; 13.5%; 95% CI, 8.8%-20.3%; vs 22.1%; 95% CI, 15.1%-31.1%; RR, 0.69; 95% CI, 0.56-0.84; P < .001) 、 全原因死亡率低下 (1140/2527 vs 1213/2278 events; 37.7%; 95% CI, 27.3%-49.4%; vs 44.4%; 95% CI, 32.5%-57.0%; RR, 0.86; 95% CI, 0.80-0.93; P < .001)と関連。



by internalmedicine | 2011-12-14 08:21 | がん  

肺非小細胞癌:喫煙とp16INK4α遺伝子プロモーターhypermethylation

Cigarette Smoking and p16INK4α Gene Promoter Hypermethylation in Non-Small Cell Lung Carcinoma Patients: A Meta-Analysis
PLoS ONE 6(12): e28882. doi:10.1371/journal.pone.0028882

19の横断的研究:喫煙と p16INK4α Gene Promoter Hypermethylationを手術摘出標本で検討
2×2 cross-table
非喫煙者より、喫煙者NSCLC患者で、p16INK4α Gene Promoter Hypermethylation頻度多し  (OR = 2.25, 95% CI = 1.81–2.80)

喫煙と、p16INK4α Gene Promoter Hypermethylationの正の相関が腺癌・扁平上皮がんでも見られ、よりアジア人患者で関連が強い。

proof-of-concept studyでは、gene-specific promoter methylationが肺がん早期の生じ、例として、cyclin-dependent kinase inhibitor 2A, CDKN2Aとして知られる、"hypermethylation of p16INK4α"や、O6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT)が喀痰中に見られ、予後との関連性などは明らかだが、epigenetic な検討はまだまだとのこと。

診断治療に関し、今後発展性が期待される分野である。

by internalmedicine | 2011-12-14 07:23 | がん  

乳がん検診:開始後7-10年は、ネットでは有害性の方が大きい

乳がん:カナダ予防医学・特別委員会:40代のマンモグラフィー検診行うべきでない 2011/11/22
マンモグラフィー検診って実は役立ってない? 2011/07/29

さらに乳がん検診に関してネガティブな報告。

UKの乳がん検診をリードしていたForrest報告(1986)は乳がん死亡率を1/3ほど減らし、低コスト・有害性小というのであったが、検診に関する多くの有害性、特に偽陽性、過剰診断に関わる問題。最近のCochraneレビューで、死亡率減少効果が少なかったことなど再検討がなされている。
Rffertyらは、50歳以上、8つのトライアル、10万人のデータを用いて累積QALYsgained(20年)が推定より半分程度(3310→1536)で、Forrest報告の死亡率化粧効果からCochraneレビュー報告に基づき推定すると、さらに834へ減少した。さらに、検診によるQALYsは7年でnegativeで、 10年で70QALYsのみ。

Rafferty J, Chorozoglou M "Possible net harms of breast cancer screening: updated modelling of Forrest report"
BMJ 2011; DOI: 10.1136/bmj.d7627. (pdf)


20年間ネット累積QALYs gained推定で、3301から1536となり、半減よりやや多い程度。
Cochraneレビューのベスト推定にて、検診開始7年ほどnegativeなQALYsとなり、10年後に70QALYs、20年後に834QALYs。Sensitivity analysis で、10年ほどまでは十分な根拠であることが示された。


この解析では、乳がん検診開始10年間では、ネットでの有害性を生じる可能性がある


QALYs 質調整生存年(Quality Adjusted Life years):経済評価を行う際に、評価するプログラムの結果の指標として用いられる。単純に生存期間の延長を論じるのではなく、生活の質(QOL)を表す効用値で重み付けしたものである。QALYを評価指標とすれば、生存期間(量的利益)と生活の質(質的利益)の両方を同時に評価できる。効用値(utility)は完全な健康を1、死亡を0とした上で種々の健康状態をその間の値として計測される。たとえばAという治療をうけた場合、5年間生存期間が延長すると仮定し、その後の効用値0.8とすると、QALYは5(年)×0.8=4(QALY)となる。 (http://canscreen.ncc.go.jp/yougo/08.html)

QALYの算出など・・・
医療経済評価《第3弾・実践編》(福田敬) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)
無断リンク:http://www.csp.or.jp/cspor/upload_files/arch_71.pdf

by internalmedicine | 2011-12-09 11:06 | がん