カテゴリ:がん( 215 )

 

前立腺癌検診:尿中TMPRSS2:ERG+PCA3

PROSTATE CANCER
Urine TMPRSS2:ERG Fusion Transcript Stratifies Prostate Cancer Risk in Men with Elevated Serum PSA
Sci Transl Med 3 August 2011: Vol. 3, Issue 94, p. 94ra72
DOI: 10.1126/scitranslmed.3001970



PSAに基づいて行われる前立腺生検、アメリカだけで、毎年100万人行われていているが、特異性が低く、死亡率にベネフィットがあるかどうか疑念がもたれて続けている。
膜通過型プロテアーゼ、 serine 2 (TMPRSS2) 、 v-ets erythroblastosis virus E26 oncogene homolog (avian) (ERG) geneの fusion transcript
これの尿中での定量的分析して、1312名の尿酸プルで検討したところ、前立腺摘出の高 Gleason score、腫瘍サイズ、スコアのupgradingを含め検討。
TMPRSS2:ERGと、尿中prostate cancer antigen 3 (PCA3)で、前立腺癌の予測: multivariate Prostate Cancer Prevention Trial risk calculatorの改善をみた
TMPRSS2:ERG+PCA3 score群は、著明分化程度、臨床的意義のあるEpstein criteria、high grade癌で著明。
PCA3とTMPRSS2:ERG、いずれも尿中測定だが、これの組み合わせで、生検時前立腺癌リスクや臨床的意味ある癌の検出を促進する

低、中間、高スコア群 363,、346、 356男性
生検がん診断はそれぞれ21%、43%、69%
低v高の差は有意 P<0.001 
Gleasonスコア6超のがん診断はそれぞれ 7%、 20%、 40%
低v高の差はこれも有意  P<0.001

Epstein criteria決定の情報十分ある966名の男性で生検時癌は、 15%、 33%、 61%
Epstein-criteriaも有意




by internalmedicine | 2011-08-04 14:21 | がん  

食事性繊維分増加するほど乳がんリスク低下

Dietary fiber intake and risk of breast cancer: a meta-analysis of prospective cohort studies
Am J Clin Nutr August 2011 ajcn.015578

11%ほどの違いが出てくるそうな・・・毎日15gの繊維をとりましょう・・と著者ら。

日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の目標量は、18歳以上では1日あたり男性19 g以上、女性17g以上( 「日本人の食事摂取基準」(2010年版) http://www.ishiyaku.co.jp/download/kanei-khp/data/info_pdf/shokuji_kijun_2010.pdf  炭水化物の項目)

・・・だから、これを守ること・・・

by internalmedicine | 2011-07-29 15:25 | がん  

マンモグラフィー検診って実は役立ってない?

Breast cancer mortality in neighbouring European countries with different levels of screening but similar access to treatment: trend analysis of WHO mortality database
BMJ 2011; 343:d4411 doi: 10.1136/bmj.d4411 (Published 28 July 2011)



1989年から2006年に、乳がんによる死亡は、北アイルランド 29%、アイルランド共和国 26%減少し、オランダ 25%、ベルギー 20%、フランダース地方 25%、スウェーデン 16%、ノルウェー 24%。

時間トレンドと年毎の下降傾向は、 北アイルランド、アイルランド共和国、オランダ、フランドルの間に間に類似していた。
どのペアの国も同様な、医療サービスで、乳がんリスク要素頻度であるが、マンモグラフィー検診の導入にばらつきがあり約10-15年の開きがある。

すなわち、国別比較で、マンモグラフィー導入に開きがあるものの、それが死亡率に反映していない。



初回マンモグラフィー検診導入推奨後の年数と年齢補正乳がん死亡率(女性;スウェーデン、ノルウェー)



マンモグラフィー検診被験と年齢補正乳が院死亡率(オランダとベルギー)
各国それぞれ検診率(細い線)が上がってるのに、死亡率はほとんど他国の傾向と変わらない!




検診をうければすべて解決・・・って訳でもなさそう


”乳がん検診”だけでなく”検診”全般に共通するが、”検診”は決してすべてを解決する魔法ではない。”検診”することで”無用な検査”や”治療”がなされる危険性や心理的負担・金銭的負担もついてくる。
検診する前に、検診する側が主体的にインフォームド・コンセントをとる必要があるのだが・・・現実にやられているところは少ない。特に行政主体の検診において・・・

この報告が良いきっかけになればと思うのだが・・・ ”ピンクリボン運動”の強風下、検診リスクに関する意見は吹き飛ばされる・・・

by internalmedicine | 2011-07-29 15:02 | がん  

中年女性での検討:身長高いほどがんリスク高い ・・・人種横断的現象

がん既往無しの中年女性(1996-2001)の身長、他の要因とがんの関連検討

Height and cancer incidence in the Million Women Study: prospective cohort, and meta-analysis of prospective studies of height and total cancer risk
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 21 July 2011
doi:10.1016/S1470-2045(11)70154-1Cite or Link Using DOI


1297124名、1億1700万人年(9.4年中央値、IQR 8.4-10.2)で97376のがん発症

総がん相対リスクは、身長10cm増加毎、1.16(95% CI 1·14—1·17; p<0·0001)
リスクは17の部位中15の部位で、統計学的有意なのは、直腸 (1·14, 1·07—1·22)、悪性黒色腫  (1·32, 1·24—1·40)、乳がん (1·17, 1·15—1·19)、子宮内膜 (1·19, 1·13—1·24)、卵巣 (1·17, 1·11—1·23)、腎臓 (1·29, 1·19—1·41)、中枢神経 (1·20, 1·12—1·29)、非ホジキンリンパ腫 (1·21, 1·14—1·29)、白血病 (1·26, 1·15—1·38)
身長10cm毎のがんリスク増加は、社会経済的地位や他の10の個別特性に関して有意でなかったが、非喫煙者より現行喫煙者が有意に少なかった(p<0.001)
この研究と他の前向き研究のメタアナリシスによると、身長関連のがん全体のリスク比はヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、アジアにおいてばらつき少ない。


身長が高くなくてもたまにはいいことがあるもんだ・・って、なんか寄与因子が分からない。

by internalmedicine | 2011-07-22 12:11 | がん  

EGFR変異陽性非小細胞肺癌第一選択第Ⅲ相ランダム化トライアル: エルロチニブ v 化学療法

EGFR mutation-positive NSCLC(非小細胞肺癌)に対し、第一選択薬として、タルセバ錠;エルロチニブ (Erlotinib) vs 化学療法のopen-label, randomised, phase 3 trial


Zhou C, et al "Erlotinib versus chemotherapy as first-line treatment for patients with advanced EGFR mutation-positive non-small cell lung cancer (OPTIMAL, CTONG-0802): A multicenter, open-label, randomized, phase III study" Lancet Oncol 2011; DOI:10.1016/S1470-2045(11)70184-X.


oral erlotinib (150 mg/day) v gemcitabine plus carboplatin4サイクルまで

ランダムに割り付け、83名をerlotinib 、 82名をgemcitabine + carboplatin
プライマリエンドポイント解析に前者 82名、後者 72を登録

無進行生存期間中央値はerlotinib治療で化学療法より長い (13.1 [95% CI 10.58—16.53] vs 4.6 [4.21—5.42] ヶ月; hazard ratio 0.16, 95% CI 0.10—0.26; p<0.0001)

化学療法はerlotinibよりgrade 3、4の毒性増加と相関 ( neutropenia 30 [42%] /72、 thrombocytopenia 29 [40%]  vs 0 )
最も多いgrade 3、4の毒性はALT増加( (3[4%] / 83))、皮疹。 (2 [2%] )

化学療法はまた治療関連副作用増加と関連  (10 [14%] / 72 [血小板数減少, n=8; 好中球数減少, n=1; 肝障害n, n=1] vs 2 [2%] / 83 [both hepatic dysfunction])


現在日本では、分子標的治療薬として、タルセバ錠は、”切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌”がNSCLCでは適応、一方、イレッサ錠は、”手術不能又は再発非小細胞肺癌”である。承認追加があれば、EGFR変異陽性の非小細胞肺癌患者にとって治療選択が広がる。


それにしても、中国からの治験報告が質量とも目立つようになりましたね・・・

by internalmedicine | 2011-07-22 08:41 | がん  

肺腫瘍の直径評価変動はよくあることで、個別患者評価・臨床とリアルで注意が必要

Variability of Lung Tumor Measurements on Repeat Computed Tomography Scans Taken Within 15 Minutes
JCO Jul 5, 2011:JCO.2010.33.7071; published online on July 5, 2011;


1-2mm程度の腫瘍径の変化は直後でもよくあることで、10%前後の増減は再検査では十分あり得る。
個別患者内の腫瘍サイズの小さい変化に注意されるべきで、徳雄に臨床トライアル上の評価において注意がはかられるべきである。


直径10%の差でも、三次元で考えれば、1.1^3=1.33となり腫瘍容積では3.3割の違いになる・・・

by internalmedicine | 2011-07-09 08:12 | がん  

LuCED :3D細胞画像化、いわゆる Cell-CTによる肺癌検診補助診断はいかが?

低用量CT喫煙者肺癌検診は通常のレントゲン検診に比べ死亡率を減少させるが(2011年 06月 30日)、”1/4が引っかかり、95%が偽陽性という状況”で、その結果、侵襲的な検査や放射線被曝を誘発することとなる。


なら、補助手段として、下記画期的喀痰ベースの検査を使ってはどうかという話。


LuCED :VisionGate開発の自動化 3D cell imaging platformで、いわゆる Cell-CT ™で3D高密度バイオ画像化で喀痰サンプルを検査する

International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC) 第14回 World Conference on Lung Cancer (July 7, 2011 from 9:30am-12:30pm)発表予定とのこと


http://www.visiongate3d.com/diagnostic-tests


by internalmedicine | 2011-07-04 15:01 | がん  

NLST:低用量CT喫煙者肺癌検診は通常のレントゲン検診に比べ死亡率を減少させるが・・・

表題通りだが・・・

対照が、年次通常胸部レントゲン写真であることに注意が必要であり、喫煙者・喫煙既往者に限定した知見ということも大事だ。、1/4が引っかかり、95%が偽陽性という状況による、そのコストや心理的ストレスを含めた被験者側負担などの検討も必要

Lung-Cancer Mortality and Low-Dose CT Screening
The National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J. Med. June 29, 2011 (DOI: 10.1056/NEJMoa1102873)


National Lung Screening Trial研究者たちは、低放射線量CT年次検診にて、通常の年次胸部レントゲンに比べて20%の肺癌死亡率を減少させたと報告。

登録時被験者は55-74歳の喫煙歴30パック・年もしくは喫煙既往の場合は15年内の禁煙歴

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検診adherence率は90%超。
3ラウンド後の検診陽性率は低放射線量CTでは24.2%、通常のレントゲンでは6.9%
検診異常陽性の96.4%、通常レントゲン群の94.5%は偽陽性

10万人年あたり肺癌発生頻度は CT群で645例、通常レントゲン群で572例 (rate ratio, 1.13; 95% 信頼区間 [CI], 1.03 to 1.23)

肺癌死亡に関しては、10万人年対 CT群で247例、通常レントゲン群で309例
これは低放射線量CTで20.0%の死亡率減少 (95% CI, 6.8 to 26.7; P=0.004)を示すことを表す

全体的癌死亡率は低用量CT群で、通常レントゲン比較で、6.7%減少(95% CI, 1.2 to 13.6; P=0.02)


某県で行われているような、放射線被曝リスク説明せず、喫煙者云々無視のリスク層別化なしの検診だけはごめんだ!

このレポートはしっかり読み込まないと駄目! 
“表面的に死亡率減少させた → 良かった。じゃぁ 検診推進” これじゃ だめ!

by internalmedicine | 2011-06-30 08:27 | がん  

ランダム化トライアル:日焼け止めとメラノーマの関連証明

CLINICIAN'S CORNER
ONLINE FIRST
JAMA. Published online June 28, 2011. doi: 10.1001/jama.2011.990
Prevention of Melanoma With Regular Sunscreen Use
JAMA. Published online June 28, 2011. doi:



定期的日焼け止め使用はメラノーマ予防となるというRCTで示された。
Green AC, Williams GM, Logan V, Strutton GM. Reduced melanoma after regular sunscreen use: randomized trial follow-up. J Clin Oncol. 2011;29(3):257–263.

今まで、RCTのデータはなく、症例対照によるばらつきのある結果のみであったから、重要な報告となった。

1621名の成人をランダムにsuscreen定期使用と、任意使用(ほぼ使用しないケースを含む)に割り付け
SPF (sun protection factor)16の広域スペクトラムsunscreenの無限界提供使用と、毎朝、頭・首・腕・手に朝つけてるかを聴取。重度発汗・入浴、長時間日照被爆の場合、再度使用を促した。







気になるのは、人種に関して記載が見あたらない。
盲検化されてない検討で、プラセボ使用していない。



日焼け止めクリーム:効果の少ない製品が多く販売されている 2011/01/19
...日焼け止めクリーム 6種類は、UV-1A防御の成分含まず、23製品はUV-A1防御成分を含む 23製品のうち7つはzinc oxideで、3つのみ5%以上の濃度である(Zinc oxide は、無機UVフィルターで、...

日焼け止めが珊瑚礁を破壊 2008/02/18
...日焼け止めの影響を検討 日焼け止め、2 mg cm-2/体表1m2あたりで20g/1回使用と計算。25%が海に流れ出すと、1年にその沿岸に4000-6000トン流れ出すことと推定される。 20以上の化学物質が日焼け止めには含有され、...

by internalmedicine | 2011-06-29 08:52 | がん  

HPVワクチン・オーストラリア :導入後前がん病変発生比率低下

HGAとは "grade 2以上の子宮頚部上皮内腫瘍もしくはin situ 腺癌"

18歳未満で、080%→0.42%と絶対頻度差0.38%(95%CI 0.61-0.16)と発生頻度減少、ワクチン導入前と線形の変化を示す。だが、より年齢が進んだ群でのLGA(low grade 細胞診異常)では差がなかった。

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Early effect of the HPV vaccination programme on cervical abnormalities in Victoria, Australia: an ecological study
The Lancet, Volume 377, Issue 9783, Pages 2085 - 2092, 18 June 2011
Julia ML Brotherton et. al.


これは、ワクチンにより約50%ほど頚がんとつながる病変を減少させたことになる


やはり18歳未満で変化が出ることをみると、疫学的には、現行の年齢接種の合理性が示されたことになる。

by internalmedicine | 2011-06-17 15:59 | がん