カテゴリ:糖尿病・肥満( 331 )

 

環境要素に対し臓器特異的に表現型可塑性を左右するFOXO : 2型糖尿病などの病態へのヒント

環境要因により体の部位がセンシティブに変化する現象解明が、2型糖尿病を含む疾患への対応に役立てないか?栄養・他の環境要素・非遺伝的問題があってもフルサイズに成長するショウジョウバエの遺伝子研究。

環境要因により臓器毎に感受性があったり、無かったりするメカニズムは不明であった。飢餓状態のような環境的要素でその感受性を調整する要素がわかり、それを調整できれば、たとえば、2型糖尿病などのインスリン感受性低下の病態解明、治療への手がかかりになるだろう・・・という報告らしい。

FOXO Regulates Organ-Specific Phenotypic Plasticity In Drosophila.
Hui Yuan Tang, Martha S. B. Smith-Caldas, Michael V. Driscoll, Samy Salhadar, Alexander W. Shingleton.
PLoS Genetics, 2011; 7 (11): e1002373 DOI: 10.1371/journal.pgen.1002373

phenotypic plasticity・表現型可塑性とは、環境要素により様々な表現型に変化を生み出す単独のgenotypeで、生物学的ユビキタスを示す。可塑性反応の程度を調整する、発達メカニズムについて、あまり知られてない。遠くに、個別徳栄や個体がどうあってもより環境にセンシティブに反応する現象の存在。
筆者らは、表現型可塑性に関わる特に重要な携帯発現調性の発達メカニズムについて明らかにした部分がある。臓器サイズの栄養の影響であり、発達栄養は、インスリンシグナル化経路を通した臓器発達へのシグナル化されたものである。ショウジョウバエの臓器は、発達栄養の反応によりそのサイズが異なり、それは、臓器特異的インスリン感受性も異なるためである。
インスリン感受性がforkhead transcription factor: FOXOのレベルで調整される。これは、栄養・インスリンシグナルが低いときに活動させるnegativeな成長調整因子となる。FOXO発現が臓器的に減少することで、各臓器は低栄養での成長抑制が減弱し、栄養学的可塑性が減少する。FOXO発現は臓器特異的な栄養可塑性・インスリン感受性にとって必要で、臓器がFOXO発現により自立的に応答することとなる。

FOXOは、大きさ、免疫、および長寿発達栄養の変化、ストレス、および酸素レベルの応答のキープレイヤーである。

by internalmedicine | 2011-11-22 08:52 | 糖尿病・肥満  

メトホルミンは前糖尿病状態での運動によるインスリン感受性改善効果を鈍化

気になる報告

前糖尿病状態という条件だが、運動によるインスリン感受性改善効果を、メトホルミンが台無しにする可能性

Independent and Combined Effects of Exercise Training and Metformin on Insulin Sensitivity in Individuals With Prediabetes
Diabetes Care, 11/21/2011

プラシーボ(P)
2,000 mg/day metformin (M)
exercise training with placebo (EP)
exercise training with metformin (EM)

インスリン感受性は、3介入群とも、プラシーボに比べ増加(P < 0.05)
運動トレーニングのみが、メトホルミン2群より25-30%増加、有意差はない

小児部分を削除(H23.11.23)

by internalmedicine | 2011-11-21 20:44 | 糖尿病・肥満  

体重減少介入:遠隔介入と対面介入は効果有り 

くだらないメタボ検診なんて即刻やめて、減量介入プログラムを公的にやればいいのに・・・

対面的でも、遠隔介入でも差がないのなら、ネット・サービスで効率的にやれるかも・・・

Comparative Effectiveness of Weight-Loss Interventions in Clinical Practice
Lawrence J. Appel et. al.
NEJM November 15, 2011 (10.1056/NEJMoa1108660)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1108660

2つの行動的減量介入
・ weight-loss support remotely — through the telephone, a study-specific Web site, and e-mail.
・ in-person support during group and individual sessions, along with the three remote means of support
・ 対照群は自己管理

415名の肥満

アウトカムは、介入群と対照群比較
ベースラインでBMIは36.6、体重は103.8kg

対照群のベースラインからの変化は-0.8kg
remote supportのみでは -4.6kg(P<0.001 対照群比較)
in-person supportでは -5.1kg(P<0.001 対照群比較)

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5%以上の体重減少比率は、対照群で18.8%、remote support群で 38.2%、in-person supportで41.4%

ベースラインからの変化は2つの介入群で差は認めない


コーチ
・ 減量のためのPCPと共同作業的介入
・ キーとなる減量行動(DASH dietのカロリー制限、運動量増加、研究webサイトの定期的ログイン、食事記録)
・ 動機づけインタビュー技術(e.g. open-ended question、アンビバレントな感情を探る、変化に関して楽観性を、行動変容へ方向付けする会話)
・ ウェブサイトへログインしないときは、再度約束(ログイン無しの場合、7-10日後e-mail message自動送付、14日以上ログイン無しでは電話)

ウェブサポート
・ 学習モジュール(目的、教育的内容、クイズ、ワークシート)
・ 自己モニターツール・グラフ(体重、日々の運動量、日々のカロリー摂取量)、週毎の体重記録への推奨つき
・ 体重減少に関するフィードバック(e.g. 最終ログイン後の体重減少と体重の変化傾向)

PCP
・ 通常受診時毎減量進行に関する1ページ報告
・ 介入参加を勧める
・ 介入被験者の患者の能力への影響評価報告イベント
・ 被験者へのレター送付(非参加者に対する長期間再参加促進戦略の役割)
・ 糖尿病患者に対し、血糖自己モニタリング・薬物補正補助

by internalmedicine | 2011-11-16 15:39 | 糖尿病・肥満  

チーズ:血中脂肪に影響を与えない! 機序は不明

医師や栄養士は動物性脂肪を避けることを勧めてるが、デンマークの研究によると、チーズは少なくとも脂肪に関してはさほど影響を与えないのではないかという報告。ただ、カルシウムによる脂質便中排泄促進効果は認めなかった。

Cheese intake in large amounts lowers LDL-cholesterol concentrations compared with butter intake of equal fat content
First published October 26, 2011, doi: 10.3945/​ajcn.111.022426
Am J Clin Nutr December 2011 ajcn.022426


飽和脂肪酸含量が多いが、チーズは、他の同等なバターからの摂取に比べ、総・LDLコレステロールを増加させないと考えられていたそうだ。チーズ中のカルシウム量が多いための影響で、多くが便中脂肪として排泄されるからと考えられていた。

この研究は、食事介入ランダム研究クロスオーバー6週間(14日のrun-in period)の研究

6週後チーズ介入は、バー他介入に比べ、総・LDL、HDLを下げ、血糖を増加させた。チーズ摂取で、総・LDLコレステロールは、総死亡・飽和脂肪酸が少ないrun-in periodに比べても、増加しなかった。
便中脂肪排泄はチーズ・バターでも差はない。

結論として、同量脂肪摂取バター比較しても、チーズは、LDLコレステロール値低下をもたらす。そして、食事習慣で比較した場合、LDLは増加させない。

by internalmedicine | 2011-11-15 09:56 | 糖尿病・肥満  

メタアナリシス:糖尿病 主要栄養成分と減量の関係 ・・・ コンプライアンス悪く研究毎の差が出ない現状

低炭水化物 v 低脂肪 など、議論はあるが、結論を言えるような、現状の研究結果はない・・・という事実。

Primary source: World Congress on Insulin Resistance, Diabetes, and Cardiovascular Disease 2011
Source reference:
Boaz M, et al "Macronutrient composition in weight loss diets -- a meta-analysis" WCIR 2011.
ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/WCIR/29471

Boazらは、メタアナリシス施行:低炭水化物 v 低脂肪食
2009年以降出版報告で4つの研究1878名、941名が低炭水化物食、937名が低脂肪食
プライエンドポイントは2つで体重減少、2つで肉食置換食使用による体重維持
コンプライアンスは悪く、脱落率は研究毎のばらつき多い

random effects model二基づき、食事戦略毎の有意な差は認めなかった (standardized difference in means -0.07, 95% CI -0.3 to 0.4, P=0.7).

Boaz はmacronutrient contentレベルでの群間差がかなり少ないと説明。
動機づけやフォローアップ構造化・助言にかかわらず、コンプライアンスは低く、脱落率も高い。

減量方法はやはり検討を続けるべきだし、将来、腫瘍影要素のタイミングがアウトカムに影響を与えるか、現行にて筆者らは検討中とのこと。

by internalmedicine | 2011-11-07 08:34 | 糖尿病・肥満  

2型糖尿病:減量成功でQOL、self-esttem、健康状態改善

2型糖尿病 2969名を含む2008年からのデータ(14921名からのデータ)

Study to Help Improve Early evaluation and management of risk factors Leading to Diabetes (SHIELD) study

身体的健康、家族との関係、仕事パフォーマンス、同僚や友人たちのと関係、社会的活動性、日常生活活動性、self-esteem(自尊心)、情緒的健康、包括的QOLの9項目に関して検討(SF-12,SHIELD WQ-9)

体重増加 16%、体重減少 30%で、体重不変を除外

体重増加群比較で、体重減少群は、身体健康状態(44% v 3.1%)、self-esteem(39.94% v 4.9%)、QOL(34.2% v 4.9%)著明改善



Primary source: World Congress on Insulin Resistance, Diabetes, and Cardiovascular Disease
Source reference:
Grandy S, et al. "Impact of self-reported weight change on quality of life among individuals with type 2 diabetes mellitus" WCIR 2011.
medpage:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/WCIR/29467

by internalmedicine | 2011-11-07 08:19 | 糖尿病・肥満  

肥満・糖尿病は隣人から感染する? : 高貧民地域から低貧民地域への引っ越しで糖尿病・肥満減少

マスコミ的に表現すれば、タイトルのごとくなる

環境的要素として、肥満・糖尿病など隣人環境が悪い場合、悪影響がもたらされることとなるらしい。
不法移住者が深刻な社会問題化しているアメリカの状況での特殊な問題が研究主題で、医療コスト増大など公衆衛生上の問題として対策できることを探ってる状況が伺われる。

高貧民地域から低貧民地域への転居政策は確かに効果有りそうだが、コストの割に見合うかどうか?



1994-1998、国勢調査上の高貧困地域・公営住宅居住・小児をもつ4498名の女性をランダム割り付け
・貧困者10%未満の低貧民地域への転居出来、転居の相談可能場合、住居保証をうけるよう割り付け:1788
・特別な転居カウンセリングせず、無制限・従来貸し付け:1312
・対照群:上記機会を与えない:1398


Neighborhoods, Obesity, and Diabetes — A Randomized Social Experiment
Jens Ludwig et. al.
N Engl J Med 2011; 365:1509-1519October 20, 2011

長期調査として、BMI、84.2%、糖化ヘモグロビン 71.3%のデータ

各値の応答は各ランダム化群同等。

BMI ≧35 、BMI ≧40、 糖化ヘモグロビン ≧ 6.5の頻度は 対照群より低貧民地域への移転受け入れで低下し、絶対的変化は 4.61%(95% 信頼区間  −8.54 to −0.69)、 3.3%(95% CI, −6.39 to −0.36)、4.31%(95% CI, −7.82 to −0.80)

”従来どおりの自由転居貸し付け方針群”と”対照群”との差は有意ではない。


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体重、BMIへの社会的影響;肥満者は肥満者をパートナーに選び、家族も友人も肥満  2011/01/12


幸せは感染する - しかし、不幸な友達を見捨てるな 2008/12/05

喫煙習慣・禁煙状態は社会的ネットワークで広がる:配偶者>友人>同僚>兄弟>・・・・>隣人  2008/05/22

肥満は大規模社会ネットワークを通じて“感染”し広がる 2007/07/26

by internalmedicine | 2011-10-21 08:53 | 糖尿病・肥満  

膵臓β細胞若返り:PDGFおよびその受容体が鍵を握る

PDGF signalling controls age-dependent proliferation in pancreatic β-cells
Hainan Chen et. al.
Nature (2011) doi:10.1038/nature10502

ヒトは加齢とともに、β細胞の分裂能、新しいβ細胞数も減少する。再生能力は10-12歳以降衰退し、β細胞が破壊されたら、そのまま糖尿病となる。
スタンフォード大学の研究者たちが、再若年化の可能性につながる加齢関連の能力減退の経路を見いだした・・・というメディア報道


PDGF ( platelet derived growth factor)とその受容体は、β細胞の核内の2つの蛋白濃度を左右する難解な経路を介して細胞分裂開始。若年マウスで、PDGFはβ細胞表面の受容体と結合し、細胞分裂調整蛋白の濃度を調整性に働く。一方老いたマウスでは、PDGF受容体を喪失し、加齢関連変化によりβ細胞の分裂を抑制する。
さらに、筆者らは、人工的にPDGF受容体を増加させることで、β細胞分裂能回復し、新細胞増殖性に働く。
ヒトの細胞でも同様に子の加齢関連β細胞増殖経路が存在することを示した。

ただ、PGDFによる若年ヒトラ氏島β細胞増殖は発見されたが、成人ヒトラ氏島β細胞はPDGF受容体減少レベルと対応していないのが気にかかる。
最近、他方法で加齢β細胞の分裂能改善研究を行ったが、挑戦段階。増殖してもその細胞がβ細胞としての機能を失っている可能性があるとのこと。
・・・・


膵臓ラ氏島β細胞増殖能再獲得・若返りへのとっかり判明の段階で、まだまだ・・・

by internalmedicine | 2011-10-13 08:47 | 糖尿病・肥満  

構造化した認知行動療法介入指導が糖尿病コントロールには重要 個別患者から遠いほど効果無し



The Effect of a Structured Behavioral Intervention on Poorly Controlled
Diabetes: A Randomized Controlled Trial
Katie Weinger et. al.
Arch Intern Med Published online October 10, 2011.
NCT00142922

222名の糖尿病成人  (49% type 1) (平均 [SD] 歳, 53 [12] 歳; 平均期間 [SD] 18 [12] 年; 平均 [SD] hemoglobin A1c [HbA1c] 濃度 9.0% [1.1%])

(1) 認知行動戦略によるセッション・マニュアルによる指導者リードの構造化グループ介入(構造化行動群)
(2) 指導者リードの啓発対照群教育プログラム(グループ啓発対照群)
(3) 無制限の個別ナース・栄養士教育セッション 6ヶ月 (個別対照)
ベースライン、3-、6-、12ヶ月アウトカム

線型mixed modelingにて、全群HbA1c改善

しかし、 structured behavioral arm はグループ群、対照群より改善  (3-ヶ月 HbA1c値変化: –0.8% vs –0.4% , –0.4% (P = .04 for group x time interaction)

さらに、1型より2型糖尿病でより改善 (P = .04 for type of diabetes x time interaction)

QOL、血糖モニタリング、糖尿病自己決定頻度は介入群により時間推移でも差認めず

病歴の長い糖尿病患者の血糖改善において、構造的認知行動療法は2つの対照介入より効果的
教育は補正心理・行動戦略的な方法を用いるのがよい



Evaluation of a Behavior Support Intervention for Patients With Poorly
Controlled Diabetes
Dominick L. Frosch et. al.
Arch Intern Med Published online October 10, 2011.
201名のコントロール不良2型糖尿病
ランダム割り付け
・ワークブックを用いた24-分のビデオ行動サポート介入と5セッションの訓練された糖尿病ナース電話指導
・20-ページのパンフレット (National Diabetes Education Program開発)

両群多くで介入期間のレビュー、73%が実験群割り付け電話指導5セッション完遂
ベースラインからの平均(SD)HbA1c減少 9.6 % [2.0%])から6ヶ月で 9.1 %[1.9%]改善 (P < .001)で、両群差認めず

脂質・血圧の臨床値、糖尿病知識、自己管理行動も有意差認めず

by internalmedicine | 2011-10-11 09:11 | 糖尿病・肥満  

糖尿病指導は個別指導が基本:グループ教育より個別指導で、血糖・心理・行動アウトカム改善

Comparative Effectiveness of Patient Education Methods for Type 2 Diabetes
A Randomized Controlled Trial
JoAnn Sperl-Hillen et. al.
Arch Intern Med. Published online October 10, 2011.

HbA1c 7%以上の2型糖尿病患者(ミネソタ・ニューメキシコ)623名

(1) グループ指導 (using the US Diabetes Conversation Map program) 参考
(2) 個別指導
(3) 通常ケア (UC; ie, no assigned education)
ランダム割り付け

ベースラインから6.8ヶ月で、一般線型mixed-model解析によるHbA1cを評価

平均HbA1c濃度は全群で減少
だが、有意なのはグループ指導や通常ケアより個別指導(–0.51% v –0.27% P = .01、 UC 比較–0.24% P = .01)

フォローアップHbA1c濃度7%未満比率は、個別指導で、グループ、通常ケアより低下 (21.2% v 13.9%, 12.8%) (P = .03)

通常ケア比較で、個別指導(非グループ)はSF-12 身体コンポーネントスコア改善 (+1.88) (P = .04)
Physical Activity (PA, min/wk) (+42.95 min/wk) (P = .03)改善
Recommended Food Score (RFS), (+0.63) (P = .05)改善

グループ指導比較で、個別指導は Problem Areas in Diabetes (PAID)改善 (–3.62) (P = .02) 、自己評価増加  (+0.1) (P = .04)


個別指導は非適正域糖尿病患者の個別指導はグループ指導より血糖コントロール良好で
心理、行動的アウトカムも改善

by internalmedicine | 2011-10-11 08:17 | 糖尿病・肥満