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肥満と移動能力とADLの影響調査 : 1990年前後と2000年前後の年代比較で肥満問題がさらに明らかに

高齢者の住民調査内の、1990年前後と2000年前後の年代間比較で、肥満者の移動機能障害は悪化し、非肥満者のADLは改善したという報告で、最近の心血管疾患の進歩・改善効果がある一方、肥満者においては移動能力の低下がある可能性があり、肥満という社会問題をさらに浮き彫りにした。
非肥満患者では、時代とともにADL改善という効果をもたらしていることが明らかになったことと対照的である。


この新しい治験により、さらに、肥満の健康への重大性がさらに明らかになったといえよう。


1960年代の肥満の人たちより現在の肥満の人たちの方が健康ではないかというエビデンスがある。時代とともに死亡率減少し、心血管リスクの減少が明らかとなっている。
AlleyとChangは、健康状態の改善がdisabilityのリスク減少と相関するか評価するため、自己報告による移動における機能制限や3つのADLsのパフォーマンスを分析した。

60歳以上の参加者を対象に1988-1994年と1992-2004年を検討し、著者らは、年代を経たことで、肥満者の移動機能障害は5.4%増加し、ADL障害は変化がないことを発見。逆に、正常体重では、移動機能障害の差がなく、ADL低下減少の改善がみられた。

The Changing Relationship of Obesity and Disability, 1988-2004
JAMA. 2007;298(17):2020-2027.


National Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES III [1988-1994] and NHANES 1999-2004)における60歳以上の2つのwaveのデータ

2つの機能障害ドメインにおけるタスク・パフォーマンス
移動機能制限項目:1/4マイルウォーキング、10ステップまでの歩行、停止、10lbリフト、部屋間の歩行、アームなし椅子からの起立)
ADL制限項目:移動、食事、着衣


肥満者において移動機能障害としては5.4%増加(36.8%-42.2%; P = .03 )と年代により増加。
time 1(1988-1994)では、肥満者は正常体重者の1.78(95%CI 1.47-2.16)倍で、移動機能障害のオッズ比が高い。time 2(1999-2004)では、この移動機能障害オッズ比は2.75(2.33-3.17)倍と増加している。それは、移動機能障害オッズ比は43%増加(OR 1.43;95%CI 1.45-2.88)で、非肥満患者の変化がないためと思われる。


ADL障害に関しては、time 1において、肥満者のオッズは正常体重者に比べて有意に高いわけではない(OR, 1.31; 95% CI, 0.92-1.88)。しかし、time2では2.05(95%CI 1.45-2.88)と増加している。
これは、肥満患者においてADL障害のオッズ比は変化がないが、非肥満者で34%ほど減少 (OR 0.66; 95%CI 0.50-0.88)したためと考えられる。

by internalmedicine | 2007-11-07 09:53 | 糖尿病・肥満