カテゴリ:医学( 241 )

 

RCTタグでランダム化対照治験が検索されない危険性: Medline検索時注意

ランダム化対照化トライアル記載されそうな報告が時々RCTとMedicineにインデックス化("tagged")されてないことがある。

Understanding why evidence from randomised clinical trials may not be retrieved from Medline: comparison of indexed and non-indexed records
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7501 (Published 3 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:d7501


2005年の結果をベースにすると、少なくとも、ランダム化対照化と記載されている3000で、RCT [pt] とインデックスかされてないものが有り、2006-2011年にMedlineに入れ込まれるだろう。

”RCT [pt]”を頼りに、検索すると、研究者・医療関係者の意思決定に重要なエビデンスを見逃すこととなる。
特に、デザイン、メソッド、ベースライン特性、長期フォローアップ、二次データ解析において注意が必要。

by internalmedicine | 2012-01-06 11:28 | 医学  

メタアナリシス:レビュー者は、出版バイアス、選択バイアス、データ採用バイアスを意識して記載してるか?

最近公表されたメタアナリシスに於ける、出版バイアス、data availability bias(データ利用(採用)バイアス)、reviewer selection biasを調査し、著者がこれらの問題を意識しているかどうかを検討。


Assessment of publication bias, selection bias, and unavailable data in meta-analyses using individual participant data
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7762 (Published 3 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:d7762


メタアナリシス 31のうち9(29%)のみが"grey literature"(無出版研究)を含み、 出版バイアスの可能性が記載されたり、検討されたのがわずか10(32%)のみ。

メタアナリシス 16/32(52%)が個別被験者データを入手しておらず、これらのうち5つ(31%)はこのための検討の限界にも触れてない状況で、わずか6(38%)が個別データがないトライアルが結論にいかに影響を与えるかについて言及しているに過ぎない。

メタアナリシスレビューアーのうち、selection biasの9(29%)は問題があり、トライアル同定方法が記載されてないか、故意選別的で、非システマティックアプローチであった。

10トライアル以上からなる4つのメタアナリシスの検討により、出版バイアスに合致する非対称性のfunnel plotを示すものが一つ、個別被験者データ無しの研究を追加することでさらにトライアル感のheterogeneityが加わった。


結論から言うと、メタアナリシスのuncritical viewingに対し警告されるべき問題点が浮かび上がる。
レビューアーは、すべての研究からの個別被験者データを検索すべきである。
インパクトがあるだろうと考えられる個別被験者データ無しの集積データを可能なら集積し、直近のガイドラインと非対称性であるか検討が必要。


上記バイアスの存在を意識して、メタアナリシスを評価する必要がある。

by internalmedicine | 2012-01-06 11:03 | 医学  

FDAは薬物開発トライアルを公開せよ!;未出版データによるメタアナリシスへの影響は様々

FDAから得られた無出版トライアルデータ("grey literature")を含むデータを、薬剤トライアル・メタアナリシスに加えたときの影響を検討

Effect of reporting bias on meta-analyses of drug trials: reanalysis of meta-analyses
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7202 (Published 3 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:d7202


無出版FDAトライアルアウトカムデータの影響は薬剤毎、アウトカム毎にばらつき有り
無出版FDAトライアルアウトカムデータは利用されるべきもので有り、メタアナリシスに加えるべきものである。
データへのアクセス容易性を担保することは特に重要で、無出版データによる影響がばらつきが存在することがその根拠である。

by internalmedicine | 2012-01-06 10:09 | 医学  

NIH基金による ClinicalTrials.gov登録研究 レビューアー論文報告率 

ClinicalTrials.gov登録したNIH基金トライアル文献

最近、文献発表のタイミングは改善の傾向はあるものの、NIHによる基金トライアルにおいて、半分弱しか、トライアル完遂後30ヶ月以内にMedlineでindex化されているpeer reviewed biomedical journalに掲載されてない。
さらに、51ヶ月後では、まだ、1/3が未出版。

Publication of NIH funded trials registered in ClinicalTrials.gov: cross sectional analysis
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7292 (Published 3 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:d7292



日本厚労省の科研費による生物科学・医学研究は、どの程度の比率で、peer reviewerによる生物化学雑誌に掲載されているのだろう?まさか、お手盛りの厚労省内の研究班での発表と記事記録だけですましてるはずはないはず・・・ 

by internalmedicine | 2012-01-06 09:56 | 医学  

コンプライアンス: ClinicalTrials.govの1年内結果報告義務は2割しか果たされない

Food and Drug Administration Amendments Act (FDAAA) 登録調査 ClinicalTrials.gov 部分の臨床試験結果報告義務(トライアル終了後1年以内)コンプライアンス調査

Compliance with mandatory reporting of clinical trial results on ClinicalTrials.gov: cross sectional study
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7373 (Published 3 January 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:d7373


ClinicalTrials.gov registry 介入トライアル83 579 エントリー、うち5642がtimescale内で完遂。

FDAAA(薬剤、デバイス、生物学的製剤、US内最低1カ所、 pII以降)によりカバーされてるか、既にFDAにて承認されている薬剤なら、報告義務ルール違反かどうかを調査。

これらのうち、 義務的報告のないトライアル(76/727 (10%))に比べ、完遂1年以内報告完成したのは163/738(22%) (比率差 95% 信頼区間 7.8% to 15.5%; χ2 test, P=2.6×10−9)

後期phase trialはレポート報告がなされやすい (P=4.4×10−11), 製造会社基金の場合特に報告がなされやすい(P=2.2×10−16)



意外と、ちゃんとしてない臨床トライアル報告義務。自らにとって都合の悪い臨床トライアル報告先延ばしするってことなのだろうか?一方、金になる都合の良いトライアル結果は迅速に報告することになるのかも?

by internalmedicine | 2012-01-06 09:55 | 医学  

臨床薬物トライアル:報告種類で異なる記録正確性 出版文献は不正確 レジストリ・レポートと相互補完を

今週のBMJでは、医学論文に関する問題点が特集されている・・・

Impact of document type on reporting quality of clinical drug trials
Published 3 Jan 2012
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d8141 (Published 3 January 2012)

臨床トライアル報告に関する3つのタイプの報告、publications、 study report、 registry reportがそれぞれ、トライアル評価に関する十分な情報がそれぞれに得られているか検討
registry reportとpublicationは臨床トライアルを十分に記録しているとは言えないが、相互補完的である。
reporting質の改善度にはresult registrationの適正なるスタンダードの世界的導入が必要。

by internalmedicine | 2012-01-06 09:53 | 医学  

伝統的産婆へのトレーニング・サポートにより周産期・新生児死亡率減少

Traditional Birth Attendant、略号として、TBA

定義:World Health Organization. Coverage of maternity care, a listing of available information. 4th ed. WHO, 1996.

 SBAとは専門の技能を持つ分娩介助者のことをいう。医師、助産師、看護師等のように、正常な妊娠・出産・産褥期において、その管理に必要な熟練した技術を修得した者であり、社会的に認められ、妊産婦や新生児の異常時の管理、緊急移送など、ヘルスプロフェッショナルとして公認された者である。これに対しTBA(Traditional Birth Attendant)とは伝統的産婆のことをいう。WHO(世界保健機関)は、TBAとは専門的訓練を受けていないが、伝統的に、しかも自立して地域で妊娠・出産・産後の世話をしている者と言及している。
wiki:http://p.tl/KOPF
他参考:http://share.or.jp/health/library/knowledge/tba.html


途上国において、周産期死亡は35万8千名の母体600万の赤ちゃんの死亡がある。
2015年までにミレニアム・到達目標として、goal 4 (reducing child mortality)とgoal 5 (improving maternal health)が上げられている。
この目標のための介入として、TBAへのトレーニング介入が考えられる。

メタアナリシスにより、伝統的産婆へ、トレーニング・サポート介入をすることで、周産期・新生児死減少することを示した。母体死亡率に関して、有意減少は明らかではなかった。

Effectiveness of strategies incorporating training and support of traditional birth attendants on perinatal and maternal mortality: meta-analysis
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7102 (Published 1 December 2011) Cite this as: BMJ 2011;343:d7102

by internalmedicine | 2012-01-06 08:49 | 医学  

肺がん:腫瘍倍加時間と非小細胞肺癌組織型

日本のリスク層別化されてない肺癌検診ってのは有害と私は思っているが 日本外ではリスク選別下肺癌検診有用性は確定的(現行喫煙・重度喫煙既往男性:CTによるCOPD検知感度 63%、特異度88% 2011年 10月 26日、 低用量CT喫煙者肺癌検診は通常のレントゲン検診に比べ死亡率を減少させるが・・・ 2011年 06月 30日 )になっているため、日本で野放図なCT検診が広がるだろうなぁ・・・と予想している。

肺癌:PETと低放射線量CTによる倍加時間  2011年 04月 11日



Doubling Times and CT Screen-Detected Lung Cancers in the Pittsburgh Lung
Screening Study
David O. Wilson, Adam Ryan, Carl Fuhrman, Matthew Schuchert, Steven
Shapiro, Jill M. Siegfried, and Joel Weissfeld
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;185 85-89


63名のNSCLC

Doubling times (DT) を3群に分ける
・ rapid (DT < 183 d)
・ typical (DT 183–365 d)
・ slow (DT > 365 d)

slow DT群の86.7%が腺癌/気管支肺胞上皮がん
rapid DT群の20%が腺癌/気管支肺胞上皮がん

rapid DT群の60%が扁平上皮がん
slow DT群の3.3%が扁平上皮がん

slow DT群では、prevalent cancer 28/42 (67%)、 nonprevalent cancer 2/21(10%)(P < 0.0001; Fisher's exact test)
slow DT群では、prevalent 腺癌 24/32(75%)、 nonprevalent 腺癌 1/11(9%) (P < 0.0002; Fisher's exact test)

結論としては、CT検知肺癌のvolumetric anaysisは、一部 腺癌/扁平上皮がん(AC/BAC)にとって重要。CTスキャン検診検知した場合の肺結節の管理にも影響を与えル知見である。

by internalmedicine | 2012-01-04 09:06 | 医学  

あらためて科学を問う...

東日本大震災と原発事故問題に関し、安全性を担保できず、”想定外”、”未曾有”などとの賜り続けた東大・東工大・長崎大学・・・の学術専門家たち

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 中間報告書
2011年 12月 26日 21:04 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_366026



「一般市民は科学や技術の知識が欠如しており、専門家が正しい知識をわかりやすく伝えることが重要だ」という「欠如モデル(deficit model)」が、この問題後も実は確たる地位を占めている。

一般市民の上記学術専門家たちへの不信感は高まり、安全性に疑問を呈していた(いる)専門家(別分野の専門なのに専門家を装う学術専門家)にすがりたい一般市民の心的動きは、この「欠如モデル」で説明出来るのかもしれない。悲観的であればあるほど、それを信じようとする「信頼の危機」は、別の信頼元を探しているのである。
参照:http://hideyukihirakawa.com/docs/20110518costep.pdf

トランス・サイエンス(科学に問うことはできるが、科学(だけ)では答えることのできない領域があること)の問題は、前述の古典的権威たちの立場からは相矛盾する話である。彼らが科学という権威により、その信頼性が担保されていたのだが、"信頼性欠如”のため、彼らの意見は悉く疑問を持って一般市民に受け止められることとなった。

英国のBSE問題で、「専門性(expertise)」が行政施策や社会的選択上重視される一方、その妥当性や信頼性がますます厳しく問われている「専門性のパラドクス」の問題。英国では、この問題の解決には、専門的意見作成プロセスの透明化、アカウンタビリティー(説明責任)、「専門の民主化」(Democratization of Expertise)が必要であるという結論に達している。専門の民主化とは具体的には絶えざる専門家・市民・行政施策策定者対話重視である。
(日本の原発事故後の行政は真逆のことを行い続けた)


もうだまされないための「科学」講義
http://amzn.to/tnBl6p
・・・ってのを読んだ。良著だと思う。

だが、”エコナ”問題の部分には、意見を異にする部分がある。臨床医学的なアウトカムが念頭にない著者のようで、”有益性”に関するエビデンスのなさ、トランス型脂肪酸高含量問題を無視して、発がん作用だけを議論のテーブルにおいて、消費者がいちゃもんつけているような記載になっており、問題の狭小化と、責任を一部メディアの方に振り向けている。遺伝子組み換え作物の環境への影響に関しても”人類が長く食べ続けて安全師を証明してきた食品など存在しない...遺伝子組み換え作物だけが批判されるのは不公平..”というのが規制への反論というのは・・・ちょっと。この項の執筆者の記述には同意できない部分が多かった。



”科学の定義”と、”科学と科学で無いものの”

mode 2
Mode 2 is a concept that is often used to refer to a novel way of scientific knowledge production, (or rather its "co-production"), put forth in 1994 by Michael Gibbons, Camille Limoges, Helga Nowotny, Simon Schwartzman, Peter Scott and Martin Trow in their book The new production of knowledge: the dynamics of science and research in contemporary societies(Sage). It is also the nickname of a graffiti artist born in Mauritius 1967.
http://www.edurite.com/kbase/difference-between-mode-1-and-mode-2


科学技術のありようを2種類に分け、伝統的な(正統派の)科学技術のほうをMode 1と名づけ、Mode 1で説明できない科学技術のほうをMode 2と名づけて科学研究のシステムを文化多元主義的に論じた書物が、話題になっている
http://stsnj.org/nj/essay96/kankyo.html

"mode 1"は、academic, investigator-initiated and discipline-based (アカデミックな、研究ベースの、学問分野的知識産物をもたらすもので、従来、学問領域として基本的なもの
e.g.) 物理学、生物学

"mode 2"は、problem-focused and interdisciplinary(問題起点、学際的)なもの研究。
e.g.) 環境学、情報学



local knowledge
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/030106localknow.html

Rather, all communities possess local knowledge - rural and urban, settled and nomadic, original inhabitants and migrants. There are other terms, such as traditional knowledge or indigenous knowledge, which are closely related, partly overlapping, or even synonymous with local knowledge. The term local knowledge seems least biased in terms of its contents or origin. As it embraces a larger body of knowledge systems, it includes those classified as traditional and indigenous.
http://www.fao.org/docrep/007/y5610e/y5610e01.htm


伝統とか、多くの経験の中で獲得されてきた知識というニュアンスで、記載・言及されるようだ。



CUDOS
http://www.enotes.com/topic/Mertonian_norms
In the original article from 1942, Merton defined CUDOS in a somewhat different way as: Communism, Universalism, Disinterestedness, Organized Scepticism. However, in contemporary academic debate the modified definition outlined above is the most widely used (e.g. Ziman 2000).

共有主義(Communalism)、普遍主義(Universalism)、利害の超越(Disinterestedness)、組織的懐疑主義(究極の知識との主張を鵜呑みにしない不信仰的態度)(Organised Scepticism)
http://kamakura.ryoma.co.jp/~aoki/paradigm/ethos.htm


神経神話(neuromyth)
「ヒト脳機能の非侵襲的研究」の倫理問題などに関する指針改定に当たっての声明(2010年1月8日)
http://www.jnss.org/japanese/info/secretariat/100115.html
"脳の働きについて、一般社会に不正確あるいは拡大解釈的な情報が広がり、科学的には認められない俗説を生じたり、或いは脳科学の信頼性に対する疑念を生じたりする危険性が増大している。... 脳科学の発展と進歩の礎は、被験者やさまざまな関係者を始めとする社会からの信頼を獲得し、研究の社会的有用性と意義を十分に認識してもらうことにある。特に、非侵襲的脳研究は人の尊厳に直結した「心」の領域をも研究対象とすることから、例えば、“心を操作されるのではないか”といった、危惧や懸念を社会に引き起こすことのないよう充分な配慮が求められる。 "
→ neuromyth: http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20100427/182212/



by internalmedicine | 2011-12-29 15:30 | 医学  

こどものあそびの重要性:貧困問題からの考察

子供の遊びは、社会的、情緒的、知的、身体的健康にとって重要。貧困により遊びが阻害されると、健康な社会・情緒的発達に影響を与えることとなる。
両親・教育者・小児科医は、子供の遊びから得られるベネフィットの重要性を認識することが重要。

Milteer R, et al
"Clinical report: the importance of play in promoting healthy child development and maintaining strong parent-child bond: focus on children in poverty"
Pediatrics 2011; DOI: 10.1542/peds.2011-2953.
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2011/12/21/peds.2011-2953.full.pdf+html?sid=eff21a33-2475-4743-a652-52aa75082044

by internalmedicine | 2011-12-27 08:28 | 医学