カテゴリ:中枢神経( 84 )

 

インターネット依存青年の脳構造変化の証拠;アルコール依存・薬物依存と類似

インターネット依存は、臨床的な疾患とみなされる。
科学雑誌Plos Oneに、インターネット依存の若年者のウェブ依存17名の脳の構造解析がなされ、他の薬物依存・アルコール依存と類似した濃厚増の変化が示された。

中国の研究であり、非依存者に比べ、白質の変化などが報告されている

Web addicts have brain changes, research suggests
By Helen Briggs
Health editor, BBC News website
http://www.bbc.co.uk/news/health-16505521


Microstructure Abnormalities in Adolescents with Internet Addiction Disorder
Yuan K, Qin W, Wang G, Zeng F, Zhao L, et al. (2011)
PLoS ONE 6(6): e20708. doi:10.1371/journal.pone.0020708

internet addiction disorder (IAD) (n=18)をvoxel-based morphometry (VBM) techniqueを利用した形態的検討、diffusion tensor imaging (DTI) を用いた白質 fractional anisotropy (FA)、IAD期間の後続的測定を検討。


VBM の結果、両側 dorsolateral prefrontal cortex (DLPFC)の decreased gray matter volume 、 supplementary motor area (SMA)、 orbitofrontal cortex (OFC)、cerebellum と left rostral ACC (rACC)の減少が見られた。

DTI 解析の結果、internal capsule (PLIC) left posterior limbのFA値亢進、right parahippocampal gyrus (PHG)内の白質FA値減少

DLPFC、rACC、SMAの灰白質容積量、PLIC中の白質FA値は有意にIAD青年のインターネット依存期間と相関。

わたしのようなじいさんのWeb依存の脳はどうなのだろう?老化変化とまざってわからなくなってるかw

by internalmedicine | 2012-01-15 09:29 | 中枢神経  

多系統萎縮症:自律神経機能障害検査の役割 ノルエピネフリン体位性変化

多系統萎縮症:multiple system atrophy

重度アドレナリン・汗腺神経運動不全と臨床的phenotypeを有する重症、進行性の全般性自律神経障害は多系統萎縮症の高度予測要素


Autopsy confirmed multiple system atrophy cases: Mayo experience and role of autonomic function tests
J Neurol Neurosurg Psychiatry doi:10.1136/jnnp-2011-301068


自律神経障害は重症:Composite Autonomic Severity Score (CASS)  CASS 7.2±2.3 (maximum 10)
Thermoregulatory Sweat Test (TST)は 65.6±33.9% で82%で 30% を越える状況
最も多いパターンは、全般性無汗症

正常外ではノルエピネフリン正常 (203.6±112.7)だが、体位性増加(33.5±23.2% )は減少

4つの臨床的特徴(急激な進行、 早期から姿勢不安定 、レボドパ反応不良、 全身性障害)が良く見られる

by internalmedicine | 2012-01-07 23:02 | 中枢神経  

栄養と卒中リスク

個別のビタミンや栄養素が卒中予防することはかなり少なく、全体として健康な食事内容が卒中リスクをへらすというオーストラリアの研究者のレビュー。

抗酸化ビタミンも、ビタミンBも卒中予防としては相関性認めない。しかし、Mediterranean dietはリスクを減少させる。

ビタミン・ミネラル
・ ランダム化トライアルでβカロチンは卒中予防効果認めず、全癌死亡・心血管死亡リスク増加
・ 大規模ランダム化対照トライアルはビタミンCやEは卒中予防的には働かず。このHankeyらの報告でもビタミンEは死亡リスク増加させる。
・ カルシウムは卒中リスク増加の可能性が有り、心発作リスク31%増加の可能性
・ ビタミンBは卒中リスクを減少させるが、低葉酸食の状況においてのみ、その不足治療は卒中リスク減少につながる。
・ ビタミンD欠乏は卒中リスク増加と関連し、高血圧・心血管疾患のような他のリスク要素と同様。
・ 卒中リスクと塩分・カリウムは明らかで、食塩5g/日で23%卒中リスク増加という観察研究。カリウム摂取増加は卒中リスクを減少し、ミネラル高摂取は卒中リスクを21%減少。ベネフィットはおそらく血圧降下作用ゆえ。

大栄養素
・ 脂肪食全体では卒中リスクではなさそう、トランス-、飽和脂肪酸の高摂取量もリスク増加を認めない。しかし、海産物由来 PUFA ω3脂肪酸は、心臓イベント・死亡リスク減少を示す。植物内の成分も卒中リスクを減少させる。
・ 炭水化物の量はアウトカム悪化と関連し、高血糖・体重増加がのような卒中リスク増加と関連するが、食物線維高摂取は血圧・コレステロールのような要素の低リスク。
・ 蛋白と卒中の関連明らかでない。

食物
・ チョコレート、コーヒー、紅茶などの特異的な食べ物との関連少ない
・ ココアは、降圧、抗炎症作用
・ INTERSTROKEトライアルは、魚・果物が卒中リスク減少と関連し、観察研究では、肉類多く摂取で虚血性卒中リスク増加を示した。肉の種類、red meet、processeなど特異的な影響がリスクと関連するかは不明
・ 卒中リスクに直接関連しないが、糖化飲料はいくつものリスク、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、心疾患と関連が有る。 whole grainは心臓イベント防御的。

ダイエット
・ "healthy" dietの定義によりばらばらな結果
・ Women's Health Study: 高繊維・ω3摂取増加/悪脂肪減量は10年において卒中リスク増加 vs Nurses' Health StudyとHealth Professionals' Follow-Up にてフルーツ・野菜・繊維が多く、脂肪・red meatの少ない場合卒中リスク低下と関連。
・ 他の研究では、unhealthy "Western" dietは卒中リスク増加と関連。
・ 2つのhealthy dietの代表、DASH diet (降圧主体)と Mediterranean dietは卒中リスク減少。後者は特に心疾患・死亡リスク減少効果有り。

栄養不良
・ 栄養過多は卒中リスク増加と関連するが、栄養不良も関連し、女性初年の栄養不良は特に子供の卒中リスク増加とかなり関連が有り、子供の頃の栄養不良は卒中リスク増加と関連性がある。


Nutrition and the risk of stroke
The Lancet Neurology, Volume 11, Issue 1, Pages 66 - 81, January 2012


母体1年間、子宮内、乳児期、子供期、成人期の栄養不良が後年の卒中傾向と関連するが、メカニズムは不明。栄養過多は、肥満・高血圧・脂質異常・糖尿病発症促進のためリスク増加。
サプリメント内の抗酸化ビタミン、ビタミンB、カルシウムは卒中リスク減少させない。
信頼性の低いエビデンスだが、Mediterranean やDASH (Dietary Approaches to Stop Hypertension) diet、減塩・付加糖分低下、高カリウム、肉、過剰でないエネルギーといった食事により卒中は予防可能かもしれない。ビタミンD・海由来のω3脂肪酸サプリメントの影響は検討中。

参照:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Strokes/30188

ビタミンEに関しては、ここでも、死亡リスク増加の可能性が言及されている。

参照:
・ ビタミンEは出血性卒中を22%増加させ、虚血性卒中を10%減少させる。 2010年 11月 06日
・ 高用量ビタミンEは寿命を短くする 続編 2004年 11月 17日


ビタミンDとカルシウムと、卒中の関連はちょっとややこしく感じる。
・ 高齢者女性:カルシウム・サプリメントで、心血管イベント(心発作、卒中)増加 2011年 04月 20日

by internalmedicine | 2011-12-13 16:37 | 中枢神経  

ラットの共感・向社会的行動

ネズミは仲間見捨てない…米大学チーム確認 読売新聞 12月9日(金)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111209-00000528-yom-sci
【ワシントン=山田哲朗】自分は得するわけでもないのに、困っている仲間を助ける。他人の感情を共有するそんな「共感」の能力をラットも備えていることが、米シカゴ大学チームの実験でわかった。

 人以外では、これまでサルでしか確認されていなかったという。9日付の米科学誌サイエンスで発表した。(後略)



Empathy and Pro-Social Behavior in Rats
Science 9 December 2011: Vol. 334 no. 6061 pp. 1427-1430




なんで僕だけ?ネズミも他者と共感したりねたんだりすることが判明(慶応大研究)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52035053.html

by internalmedicine | 2011-12-09 18:16 | 中枢神経  

乗り物酔いなど動揺病管理エビデンス

乗り物酔いの時はトラベルミンなどのジフェンヒドラミンサリチル酸塩(抗ヒスタミン)とジフェンヒドラミンサリチル酸塩(キサンチン系)の合剤が用いられることが多いと思う。欧米でも子供を中心に抗ヒスタミン剤がよく用いられているらしい(http://www.medscape.com/viewarticle/406451_8)。副作用が少なく、効果が長時間であるためらしいが、あくまでも鎮静作用が主作用で、実際、sedation作用、CIS作用の少ない抗ヒスタミン剤では効果が少ない。

以下の解説をみると、薬物治療は、スコポラミンが主体のようだ。副作用について十分注意が必要なようだが、実際、貼付剤はよく用いられているようだ。スプレーなどは・・・OTCなんかになったら怖い薬だと思う(ネットで変な情報が・・・)。日本でも、スコポラミン含有OTC(http://search.jsm-db.info/main2.php で ”スコポラミン”で検索可能)を見かけるが、作用時間が短いことと、認知機能に関する問題や瞳孔への影響など注意点の多く、薬局側での十分な説明が必要だろう。

Managing motion sickness
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7430 (Published 2 December 2011)

・ 乗り物酔い(動揺病:motion sickness)は、日常生活に影響を与える問題で、前庭機能のsensory conflictあるいはミスマッチ
・ 習慣などの行動学的方法によるマネージメントは有効で、副作用が少ないが、おもしろいものでなく、時間がかかる。
・ Hyoscineは経口・経皮パッチとして予防的な方法で有効。hyoscine鼻腔スプレーが乗り物酔い予防として有効
・ 他の薬剤使用を支持するエビデンスは弱い:有効性と副作用のtrade考察
伝統的手法、gingerとかacupressure bandは有効性が証明されてない


Driving Simulator Sickness: An Evidence-Based Review of the Literature
American Journal of Occupational Therapy March/April 2011 vol. 65 no. 2 179-188

by internalmedicine | 2011-12-09 16:22 | 中枢神経  

メタボリック・リハビリテーション


Editorials:Metabolic Rehabilitation
Science Gathers to Support a New Intervention to Prevent Stroke
Walter N. Kernan, Silvio E. Inzucchi
Stroke. 2011; 42: 3333-3335


Thackerらの”Gutt insulin sensitivity index”・食後2時間ぶどう糖によるインスリン抵抗性は虚血性卒中の発症と関連という論文(Fasting and post-load measures of insulin resistance and risk of ischemic stroke in older adults. Stroke. 2011;42:3347–3351.)のエディトリアル

糖尿病・糖尿病前症を虚血性卒中患者ではスクリーニングし、運動・栄養管理の構造的プログラムを構築する必要があるという話。



Gutt insulin sensitivity index : insulin sensitivity=m/(G×I)
(8時間夜間絶食後、75-gぶどう糖負荷2時間、インスリン、ぶどう糖)
Stroke. 2011; 42: 3347-3351

by internalmedicine | 2011-12-09 14:46 | 中枢神経  

睡眠呼吸障害は対処できる学業上の障壁:肥満・睡眠障害・学習能力の関連

扁桃腫大とか肥満による睡眠呼吸障害は、学業上の成績だけでなく、それからもたらされる積極性など一見性格上の問題とされる要素と関連がある。
にもかかわらず、現場の教師はもちろん、行政である文科省・厚労省などは、この問題に対して積極的に対処しているとは思えない。猛烈な高齢化により次世代にかかる期待が高まる中、この問題を放置していて良いのだろうか?


子供の学業は学校での認知機能スキルが大事だが、学業パフォーマンス低下は睡眠障害による睡眠中断との関連があり、良眠が得られないことが肥満のリスク、体重管理問題は、推敲能力障害など関連し、この睡眠呼吸障害と肥満の関係は修正しうる問題であり、それによって神経認知機能改善につながる可能性がある。

子供の認知機能は、肥満・睡眠呼吸障害といった健康関連により悪影響がもたらされる。さらに、integrative mental processingは健康上の大きな問題を子供に与える。

6-10歳の主に白人子供のサンプル調査

睡眠呼吸障害は認知機能、体重のアウトカムを0.55~0.45倍増幅
体重は睡眠呼吸障害、認知アウトカムに対し0.39~0.45倍増幅
複合mental processing function能力低下により体重・睡眠呼吸障害アウトカムのリスク増加を2.9、7.9倍それぞれ増幅する

A Mediation Model Linking Body Weight, Cognition, and Sleep Disordered Breathing
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2011, doi:10.1164/rccm.201104-0721OC

by internalmedicine | 2011-11-28 08:30 | 中枢神経  

REM睡眠は情緒的経験による扁桃体活動性を減弱させる

REM Sleep Depotentiates Amygdala Activity to Previous Emotional Experiences
Current Biology, 23 November 2011
Copyright © 2011 Elsevier Ltd All rights reserved.
10.1016/j.cub.2011.10.052


REM睡眠生理学は前の情緒的経験への扁桃体活動の一夜消失がみられ、機能的結合変容をもたらし、翌日の主観的情緒活動を減少させる。

中枢性アドレナリン作動性神経伝達物質REM睡眠中劇的抑制がREM睡眠時見られ、顕著な出来事を記憶する扁桃体・海馬ネットワークの活動性とともに、情緒的経験を再構築、脱感作し、情緒的強度を減ずる。
一方、REM睡眠中のアドレナリン作用が生じない場合、持続する高頻度脳波活動性(>30Hz)が持続し、不安疾患で見られる現象が見られる。過覚醒・扁桃体活動性過剰化と関連すると考えられる。


正常なREM睡眠を有する十分な睡眠で、情緒的記憶も軽減・・・という
プラスの情緒的なのも、マイナスな情緒的なものも一緒なのだろうか?

by internalmedicine | 2011-11-25 10:38 | 中枢神経  

筋萎縮性側索硬化症治療第2相トライアルDexpramipexole (KNS-760704)

dexpramipexole : ミトコンドリア機能障害を予防する新しい新薬の第2相トライアル

The effects of dexpramipexole (KNS-760704) in individuals with amyotrophic lateral sclerosis
Nature Medicine (2011) doi:10.1038/nm.2579


Slowing ALS symptom progression
Novel ALS drug found to also reduce mortality in phase 2 trial 

http://news.harvard.edu/gazette/story/2011/11/slowing-als-symptom-progression/

ALS進行はばらつきがあり、診断から数十年生きる人もいれば、1年で死に至る場合がある。p2トライアル開発はかなりのチャレンジで、two-stage studyを開発し、102名の直近ALS診断患者のランダム化4群(プラシーボ、dexpramipexol 50, 150, 300 mg)12週間投与
プラシーボ被験者は4週後再ランダム化し、50, 300, 24週投与に割り付け
最初のステージの結果、ALS Functional Rating Scale と 肺機能による評価
300mg群で、症状進行を30%緩徐化、 50mgでは効果少なかった。
セカンドステージでも同様の結果で高用量ほど、死亡リスク減少、進行緩徐化。
小規模・短期間という条件のため、有意差は認めなかった。


p3臨床トライアルが許可され、今年開始されるとのこと


http://www.knoppneurosciences.com/index.php?section=products&subsection=KNS760704
Both dexpramipexole and pramipexole demonstrate neuroprotective properties independent of dopamine receptor interaction, but dexpramipexole exhibits greatly reduced dopamine receptor affinity. This makes it possible to clinically evaluate the potential neuroprotective activity of dexpramipexole over a much broader dose range than pramipexole.

by internalmedicine | 2011-11-21 08:28 | 中枢神経  

新しい脳波技術:ベッドサイドで可能な植物状態の意識検出法

ベッドサイドで可能なhigh-tech magnetic resonance imaging scannerにより、意義のある脳の活動性を捕まえることが出来た。

Bedside detection of awareness in the vegetative state: a cohort study
The Lancet, Early Online Publication, 10 November 2011
doi:10.1016/S0140-6736(11)61224-5Cite or Link Using DOI




fMRIの使用が試みられ、コスト・スキャナーが利用しくにいなどあり、movementアーチファクトも多く生じ現実的になれなかった。一方脳波は皮質ニューロン群の活動性を頭皮電極で測定したに過ぎないが、コストやメンテナンスがMRIに比べれば安い。MRIより金属の影響を受けにくいなどの利点がある。
μ波(7-13 Hz付近)、β波(13-30 Hz付近)のevent-related desynchronisations [ERD]でパワー減少がmotor imageryで見られ、運動皮質、具体的には外側運動前皮質で手の動き、かかとの動きが内側前運動皮質など。ERDは、対側運動野やその周囲のevent-related synchronisations [ERS]増加を伴なう。意識のある人で、分類技術を検討し、正確な分類を行った。

その上で、16名の植物状態と診断の16名、対照12名で評価。
3名(19%)で、2つのコマンドでの、繰り返しの、再現性ある脳波応答が見られたが、行動の完遂的応答は不能 (classification accuracy 61—78%)
臨床病歴(年齢、外傷後経過時間、原因、行動スコア)とコマンド応答能力に有意な関連無し
原因別にしたところ、5名の外傷後2名(20%)、11名の非外傷後1名(9%)でタスク完遂に成功

十分な臨床的検討でも植物状態は誤診されている。
この脳波診断法は、安価で、ポータブルで、汎用性がが高く、客観的な検査となりえる。


by internalmedicine | 2011-11-10 09:54 | 中枢神経