カテゴリ:呼吸器系( 1103 )

 

喘息と運動トレーニング


Effects of physical training in asthma: a systematic review Br J Sports Med > v.34(3); Jun 2000

こういう古い報告もある・・・

Cochrane reviewなのだが、研究数が少なく苦労してるようだ・・・

Chandratilleke M, et al "Physical training for asthma (Cochrane review update)" CHEST 2011; Abstract 917A.
情報ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/CHEST/29257

Cochrane reviewで、週2回の最低20分継続のセッションの運動プログラム対象

喘息症状二関する運動トレーニング効果みた7研究を検討
FEV1、FVC、PEF量影響なし(P>0.05)
運動能力(最大酸素摂取、最大呼気換気量、work capacity)は運動トレーニングで改善(P≤0.008 for all)

HRQOLを検討した5つの研究で異なるツール使用のため、比較検討できず
2つで行ったところ、total及び運動面の制限改善、症状回数、心理・社会的サブスコアの改善をみた

運動誘発喘息発作と関連する病態では注意が必要というのを付け足しておくべきだろう。
http://www.mayoclinic.com/health/exercise-induced-asthma/DS01040/DSECTION=causes

by internalmedicine | 2011-10-29 09:40 | 呼吸器系  

食事抗酸化成分不足と慢性肺疾患肺機能の関係があるという・・・

The Effect of Antioxidant Intake on Pulmonary Function in Chronic Lung Disease Is Moderated by Gender
Chest October 2010 vol. 138 no. 4 supp 488A

抗酸化不足はの食事のCOPDでは、肺機能悪化が見られる。
ビタミンA、C、D不足が男性でFVC低値と関連するが、女性ではない。

ただ、20名程度の研究

・・・これだけでは何とも言えないような話で、食事成分とライフスタイルとの共役関係もあきらかでないし・・・

by internalmedicine | 2011-10-29 09:02 | 呼吸器系  

モメタゾン/ホルメテロール合剤 COPD有効性安全性治験

fluticasone/salmeterol (Advair) 、budesonide/formoterol (Symbicort)が合剤としてある。
mometasone furoate/formeterolという合剤

Dulera Inhalation HFA Aerosol Inhaler


COPDに関するmometasone furoate/formoterol(Dulera)の26週対プラシーボ治験

・Mometasone furoate/formoterol 200/10 µg twice daily
・Mometasone furoate 400 µg twice daily
・Formoterol 10 µg twice daily
・Placebo

プライマリエンドポイントは12時間後のFEV1(13週目):有意なFEV1増加が高投与量群認められた(P<0.001 for both)。

他のプライマリエンドポイントは、formeterol単独との組み合わせ2群を13週目の吸入前早朝FEV1で比較したもので、同様の効果あったが統計学的有意差は一方のみしか認めなかった(P≤0.029 for both doses)。

副事象に関しては問題なしとのこと


(26週目の治療関連副事象イベント率は、高投与併用群 7.2%、 低用量併用群 4.9%、mometasone単独群 8%、フォルメテロール単独群 7.5%、プラシーボ 5.4%)
The rate of treatment-related adverse events at 26 weeks did not differ betw


Doherty D, et al "Efficacy and safety of mometasone furoate/formoterol in subjects with moderate to very severe chronic obstructive pulmonary disease: results from two phase III 26-week trials" CHEST 2011; Abstract 535A.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/CHEST/29329


COPDの薬物治験ってのは1秒量の改善が主眼。最近は、副作用がないことも重要視されてはいるようだが、ここでの有効性というのは、生存率改善や合併症の改善うんぬんではなく、あくまでも機能的改善効果。
長期にわたる全体の死亡率や合併症・入院率に関しては何も答えになってないことに注意が必要だ。
この領域の薬剤にも、高血圧治験に於けるhard outcomeに関する検討がすべての薬剤に要求されるべきである。

by internalmedicine | 2011-10-29 08:45 | 呼吸器系  

どちらが卵?鶏?小気道vs肺胞 COPD:気腫性破壊出現より前に小気道の狭窄・消失がみられる・・・

鶏が先か、卵が先か? ;小気道が先か、肺胞が先か?

COPDの進展について、“MDCTで、2.0-2.5mmの気道測定し、小気道の狭小化、消失にて末梢気道抵抗増加を説明出来る”ことが判明し、末梢気道病変が先で、肺胞が後ということで片付きそう・・・

1984年の" Division of Lung Diseases at the National Heart, Lung, and Blood Institute funded a workshop”で、肺気腫の定義を “a condition of the lung characterized by abnormal, permanent enlargement of airspaces distal to the terminal bronchiole, accompanied by the destruction of their walls, and without obvious fibrosis.”とした。

今回のNEJMにて、McDonoughらは、肺気腫+COPD患者では終末細気管支の広汎な気道閉塞がみられるという報告がなされた。

肺気腫ということばを聞くとき、多くの人は、肺胞破壊が思い浮かぶだろう。しかし、COPDは、終末細気管支の狭窄、ほとんどの喪失がある状態だが、終末肺実質の破壊の量は少ないという状況を描出している。

COPDの病態は、終末細気管支病変が主体で、気腫性破壊は病期が進んでからのもの・・・という話に。


Small-Airway Obstruction and Emphysema in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
John E. McDonough et. al.
N Engl J Med 2011; 365:1567-1575October 27, 2011
COPDサンプルでのMDCTにて、対照サンプル比較で、2.0-2.5mm径の気道数は、GOLD 病期1 (P=0.001)、病期2 (P=0.02)、病期3、4 (P<0.001)で減少。

切除肺MicroCT検討: GOLD病期4患者切除横断標本終末細気管支領域において、総数 81-99.7%減少、終末細気管支数は72-89%減少 (P<0.001)。
終末細気管支数・気腫性病変分布レベルdimensionでは、終末細気管支の狭窄・消失が、気腫性破壊に先行している(P<0.001)。
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結論:気腫性破壊の出現前に存在する、小気道の狭窄・破壊が、COPD末梢気道抵抗増加の原因ということになる。



下気道抵抗分布直接測定により、COPD患者において、直径2mm未満の小気道が主な閉塞部位であることが判明している(Hogg JC, Macklem PT, Thurlbeck WM. Site and nature of airway obstruction in chronic obstructive lung disease. N Engl J Med 1968;278:1355-1360, Van Brabandt H, Cauberghs M, Verbeken E, Moerman P, Lauweryns JM, Van de Woestijne KP. Partitioning of pulmonary impedance in excised human and canine lungs. J Appl Physiol 1983;55:1733-1742, Yanai M, Sekizawa K, Ohrui T, Sasaki H, Takishima T. Site of airway obstruction in pulmonary disease: direct measurement of intrabronchial pressure. J Appl Physiol 1992;72:1016-1023)。
管腔内気道抵抗は4-5乗のレベルまで気道径減少とともに増加し、気道径と逆相関する。
このレベルの気道の半数が消失しても、平行配列のため、総末梢気道抵抗はわずか2倍な
末梢気道抵抗の増加は4-40の倍数で増加する。

しかし、全般的な気道消失より気道狭窄が主体というのが普通の説明。

MD-CTにて小気道の数・次元そして気腫性破壊を測定。空間解像度が0.6-1.0mmとなっている。さらにmicroCTだと空間解像度が16.24μmまで増加している。


形態的研究が主体だが、これがまた、機能的研究からみるとどうなのだろう?また、持続型抗コリン剤やβ刺激剤などの治療上のニュアンスが変わってくるか・・・なんだか、しばらく、議論が続きそう・・・


NEJMの表紙の要約・・・内容と合ってない!

by internalmedicine | 2011-10-27 09:25 | 呼吸器系  

現行喫煙・重度喫煙既往男性:CTによるCOPD検知感度 63%、特異度88%

Identification of Chronic Obstructive Pulmonary Disease in Lung Cancer Screening Computed Tomographic Scans
JAMA. 2011;306(16):1775-1781.

現行喫煙者・重度喫煙既往者男性において、low-dose吸気・呼気CTは肺がんスクリーニングにておいてCOPD(FEV1/FVC定義)の検診感度 63%、特異度88%である。

研究方法としては、同日の吸気・呼気CTと、気管支拡張剤投与前のスパイロメトリ比較(厳格に言えばCOPDの一般的定義に合致しない
1140名の男性の検討

CT肺気腫定義: percentage of voxels less than −950 Hounsfield units (HU), and CT air trapping was defined as the expiratory:inspiratory ratio of mean lung density

単なるLAAの比率でなく、低密度HUボクセル比率とエアトラッピング指数であることに注意

CT肺気腫診断、CT air trapping、BMI、pack-years、喫煙状態はoveroptimism (internal validation) 補正診断モデルにて area under the receiver operating characteristic curve of 0.83 (95% CI, 0.81-0.86)
point of optimal accuracyにて、COPD274名で、85の偽陽性、感度 63% (95% CI, 58%-67%)、特異度88% (95% CI, 85%-90%)、PPV 76% (95% CI, 72%-81%)、NPV  79% (95% CI, 76%-82%)

診断モデルでは、有症状患者ではAUROC  0.87 (95% CI, 0.86-0.88)、無症状では0.78 (95% CI, 0.76-0.80)




放射線被曝リスクを凌駕するベネフィットがあるかどうか?医療コスト的には見合う話なのか?
今後の課題であろう


COPD通院中の患者から、他疾患疑いである病院でCT施行され、”COPD”でいいだろうと・・・上からコメントという話を聞いた。COPDの診断基準さえ知らないアホから言われたくはないわ・・・患者さんからの又聞きだから正確ではないかもしれないけど

http://www.gold-jac.jp/support_contents/copdguideline3point.html

上記論文だけ読んだアホがCOPD診断の誤解をもたないことを願う・・・

by internalmedicine | 2011-10-26 08:32 | 呼吸器系  

特発性肺線維症:プレドニゾン・アザチオプリン・Nアセチルシステイン組み合わせで予後悪化? 治験中断

PANTHER-IPF (Prednisone, Azathioprine, and N-acetylcysteine: A Study that Evaluates Response in Idiopathic Pulmonary Fibrosis)

情報ソース:http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-10/nhla-cut102111.php


NIHの一部門、National Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI)は、特発性肺線維症治療の3群のうち一つのアームを安全性の問題から中断。

プレドニゾロン、アザチオプリン、N-アセチルシステインの3剤はプラシーボや不活性物よりアウトカム悪化させたという報告をうけて、独立機関であるData and Safety Monitoring Board (DSMB)が推奨し、NHLBIが決定。

特発性肺線維症で広く用いられてきた組み合わせであるが、プラシーボとの直接比較は未だ検討されてなかった。

3剤組み合わせにより死亡率増加  (11 percent versus 1 percent)、入院増加(29 percent versus 8 percent)、より重度の副事象 (31 percent versus 9 percent)増加を示した。
また、肺機能検査も変化認めず。
割り付けられたアドヒアランスも悪い  (78 percent adherence versus 98 percent adherence)


他の2群である、NAG(尿)単独 v プラシーボ比較は続行とのこと。


インパクトある報告。
対象が安定期IPFなのか、不安定なICUなのか?どの程度の混在だったのか?
どの組み合わせが問題だったのかが今後の課題になると思う。

by internalmedicine | 2011-10-22 09:00 | 呼吸器系  

COPDウィーニング:ASVの有用性

ASV(Adaptive Support Ventilation) : ASVはHamilton社Galileoに搭載された新しい概念の換気モードで、患者の肺メカニクスを呼吸毎に計測して理想換気回数を決定し、次に目標分時換気量をこれで除して目標1回換気量を決定する。最少の呼吸仕事量と最少の強制を、換気能力の大小に関わらず、あらゆる患者に滑らかに提供するのを目的とする。
引用元:http://lungventilator.com/Lungventilator2005/ASV.htm



Adaptive support ventilation for faster weaning in COPD: a randomised controlled trial
C. Kirakli et. al.
Eur Respir J 2011 38:774-780; published ahead of print 2011,

ASVがCOPD患者のウィーニングにも有効かもしれない

PSVに比べ、ASVはウィーニング時間短縮(median 24 (interquartile range 20–62) h versus 72 (24–144) h, p=0.041) し、成功率は同等(35 out of 49 for ASV and 33 out of 48 for PSV)。
ICU滞在期間短縮化につながった。

by internalmedicine | 2011-10-21 19:49 | 呼吸器系  

日本人無呼吸症候群:無呼吸は喉頭の位置が低くなるほど重症

喉頭下降: laryngeal descent

日本人での検討

喉頭が吻側へ移行するほど、上気道のコラプスしやすい部位が長くなる。ここが長いほど閉塞型無呼吸の可能性があるのではないかという仮説。

CTによる測定:upper airway length to the level of the vocal cord、 horizontal and vertical segment of the supralaryngeal vocal cord tract (SVT)

Is laryngeal descent associated with increased risk for obstructive sleep apnea?
Yoshihiro Yamashiro
CHEST October 2011 103238


男性の方が女性より喉頭の位置が低い。加齢とともに喉頭の位置が低下する。
声帯までの気道長:airway length to vocal cord (ALVC)が長いほど、OSA重症度と相関する。

by internalmedicine | 2011-10-21 15:30 | 呼吸器系  

Reversed halo sign : 特発性器質化肺炎だけとは限らない・・・

"reversed halo sign" (RHS) : 巣状円形のガラス状陰影で、周囲を完全な或いはほぼ完全なコンソリデーションで囲まれたもの

COP(cryptogenic organizing pneumonia)に特異的と考えられてきた。しかし、臨床的なさまざまなentityでも未あれ、特異的なものだけとは限らないことが分かってきた。



Reversed halo sign: high-resolution CT findings in 79 patients
Chest published October 20, 2011, doi:10.1378/chest.11-1050

感染性疾患:真菌感染 :paracoccidioidomycosis 、 zygomycosis 、 invasive pulmonary aspergillosis、カリニ肺炎(Pneumocystis jiroveci pneumonia (PCP)) 、 histoplasmosis 、
cryptococcosis] と結核

非感染症:器質化肺炎、肺塞栓、サルコイドーシス、肺水腫、lepidic predominant adenocarcinoma
[formerly bronchioloalveolar carcinoma (BAC)] 、Wegener granulomatosis

二次性器質化肺炎はインフルエンザA感染・放射性肺臓炎、薬物副作用、膠原病、肺炎球菌肺炎





Reversed Halo Sign on High-Resolution CT of Cryptogenic Organizing Pneumonia: Diagnostic Implications
AJR May 2003 vol. 180 no. 5 1251-1254

by internalmedicine | 2011-10-21 14:59 | 呼吸器系  

COPD:動物モデル チオトロピウムはLPS誘導気道リモデリングを予防する

COPDにおける主たる構造的変化である、”気道リモデリングと肺気腫”、それに加え、肺血管構造の変化が合わさる。
肺の炎症、リモデリングに於けるアセチルコリンの役割を検討sるため、LPS処理モルモットでのLABA:チオトロピウムの効果を示した報告。

Tiotropium inhibits pulmonary inflammation and remodelling in a guinea pig model of COPD
T. Pera et. al.
Eur Respir J 2011 38:789-796; published ahead of print 2011, doi:10.1183/09031936.00146610

LPSによる気道・肺実質の好中球誘導、杯細胞数増加、肺のhydroxyproline量増加、気道壁コラーゲン増加、気腔サイズ拡大への影響があり、さらに軟骨性気管支外膜の筋性微小血管数増加がみられた。
チオトロピウムは、LPSによる好中球・杯細胞・膠原沈着・筋性血管数増加を打ち消した。
しかし肺気腫への影響認めず

by internalmedicine | 2011-10-21 13:05 | 呼吸器系