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はじめ医者はインターネットから得た情報をもつ患者に関して恐怖感を持っていた

当方のような田舎でもインターネットで得た情報をもってくる患者さんおよびその家族が増え、それを前提として、診療をすすめないと成り立たなくなりました。
そして、それに伴うトラブルも多く存在します。

事例としては、知人のインターネット検索により、病名・病態に関し薬剤性と信じ込み、薬剤中断し、生命危機に至った事例などや、インターネットで得た情報での思いこみを修正できず、医者・患者関係の修復不可能となり亀裂を決定的にした事例もありました。
もちろん、喘息などに関して、正しい知識をもってくれ、吸入ステロイド治療などいわずもがなでと応じてくれる患者さんたちも多くなり、利点も多いと考えております。
医療上の知識が解放されたのですが、残念ながらそれをあつかうスキルに関して医者・患者とも十分教育や経験がなされてないわけですから、危険な状況もあるわけです。最終的にはよりよい患者・医師関係のパートナーシップがいつの時代でもかかせないはず・・・


インターネットの歴史の浅い時代、医師の心理的機制は危機感をいだいていたということになります。
 ↓

Health and the Internet?changing boundaries in primary care
http://fampra.oupjournals.org/cgi/content/abstract/21/2/189
URL
────────────────────────────────────
インターネットからの情報が比較的少なかった時期(2000年11月から2001年3月まで)であるが、一般臨床家は他の医療専門家より情報提示の機会が多かった。
医療専門家は一般的にインターネットユーザーに対しステレオタイプな見方をしており、インターネットで情報を得た患者あるいはクライアントに対して自分のプロフェッショナル・ステータスに対する危機感をもっている。

by internalmedicine | 2004-03-31 11:38 | メディア問題  

血圧測定方法


昨日(H16.3.30)の内容から派生して、正しい血圧測定法は3回はかって平均値か
それとも低い方をあわせて平均するのかという疑問と臥位が以前正しいとされ、実際にそういう根拠ある論文もありますが、とい疑問が出されました。


以下のごとくわたしは返事いたしましたが・・・


正しい血圧測定は結構難しいし、実際に真の血圧というのは“神のみぞ知る”でわからない、安定値を代表とするしかないと思いますし、決められた方法、臥位の方がただしいと思われても、国際的基準で座位になってますので、それを代表値とせざるえないと考えております。
いろんなところに自動血圧測定器がおかれ、それ自体は悪いことではないのですが、数値だけにとらわれて、不安を煽ることとなり、さらに血圧上昇・・・なんて悲劇?を見聞きします。中には血圧の数字で卒倒して、救急車を呼んだり・・・
JNC-7というガイドラインでも自分が治療しなければならないという動機づけを強調しておりますし、血圧に関する正しい情報が一般にしられることは重要です。
しかし、数値の意味づけに関しては、最終的には専門家である医師の判断が必要となると思います。

<以下 内容>
JNC-7でも、それ以前でも、“適切に測定された2回以上の測定値”とかかれて
ます。


具体的には・・・
───────────────────────────────
初回は両腕で測定。もし差があるなら高い方の腕で測定すべき
1回の受診で2回は1-2分あけて測定
2度目の値が5mmHg以上差があるなら、さらに安定するまで測定
最後の2回の平均値を記録として残すべき
引用
────────────────────────────────────
と、考えているのですが・・


この考えでいくと、先生が測定され、安定していると思われる2回連続した値が
代表値と思うのですが・・
単に機械的に平均値というわけでなく・・・

中には、血圧の値だけにとらわれて測定するほどあがっていき、パニック状態と
いう人もいますね。そういう人は、私の場合は、ゆっくり休んでもらって、再測
定、時にソラナックスを処方する場合もあります。


Anigiotensin-aldosteronなどのhormonalな影響、交感神経など自律神経のトーンなど一定であるはずもなく、真の血圧がピンポイントであるはずもないのですから、5mmHg未満のあんまり細かい数字にまどわされてもなあなどと考えており
ます。


医療機関での血圧測定に限界を感じることも多く、当てにならないなどとする論文まである始末です。
引用



ABPMを開院当時からもっておりますが、保険適応でないので、私の方のモチベー
ションが低くなっている時期はほとんどなされず、最近はSAS関係で興味をもちはじめてますので、またぼちぼちはじめてますが・・・

by internalmedicine | 2004-03-31 11:17 | 動脈硬化/循環器  

積極的高血圧治療で脳卒中1/3減少へ 日本の高齢者高血圧のガイドラインは間違い

高血圧ガイドラインは医療の道しるべです。その道しるべはあたらしい知見とともに変化するのが当たり前です。その知見は公平・正確なものでなくてはなりません。残念ながら、日本のガイドラインは臨床家にとってそのまんま信用していいかどうかわからないものが多くあります。そのポイントのひとつが高齢者の高血圧の治療指針です。

Blood Pressure and Stroke  An Overview of Published Reviews
Lawes et al., Stroke 35 (3) 776-785.
コホート研究で、北米、西ヨーロッパ、アジア太平洋地域とも、収縮期血圧10mm水銀柱下がるごとに、60-79歳において約1/3のリスク軽減
最低115/75へ向けて降圧により連続的にリスクは減少し、性別・地域、卒中のタイプ、致命的・非致命的事象であるかどうか無関係にすべてその傾向がみられる。
この比例相関は年齢に独立しており、80歳を超えてもこの傾向は強く確実に存在する。RCTのデータから、イベントの平均年齢は70歳、収縮期血圧10mm水銀柱減少で卒中を約1/3減少することが示唆。収縮期血圧mm水銀柱あたり、卒中の相対的benefitは各薬剤間で同等、またbaseline血圧ごとでも、その心血管疾患の既往があるかどうかでも同等。しかし、血圧減少が大きいほどbenefitが大きいというエビデンスがあった。
────────────────────────────────────

日本の高血圧ガイドライン“JSH2000”は、“高齢者高血圧については高血圧専門家のコンセンサスに基づいて,年齢別に治療対象血圧値および降圧目標値を定めた”とかかれておりまして、つまり“Not Evidence based! Consensus based”であって、高齢者の血圧降下を甘めにするようにしてあります。
(JSH2000に基づく高齢者高血圧の解説)
上記論文の内容と相反する部分があるわけで、今後修正されるのでしょう。
JNC-7の方がやはり現状の診療にあっているような気が私はします。



【JNC-7の骨子】 (ref)
────────────────────────────────────
☆ >50歳 収縮期血圧140mmHg(水銀柱)を越える場合は心血管リスクが高い。収縮期血圧より拡張期血圧より影響が大きい。
☆ 心血管リスクは、115/75mmHgからはじまり、20/10mmHg毎にリスクが倍になる。55歳で正常の血圧の人は高血圧になる可能性は90%。 収縮期血圧120-139mmHgあるいは拡張期血圧80-89mmHgは前高血圧(prehypertension)として、心血管疾患の予防する健康増進生活スタイルの改善を考慮すべき。
☆ 合併症のない高血圧の患者の多くはサイアザイド系降圧利尿剤が、単独若しくは多剤と併用で使われるべき。特定の高リスクにより降圧剤の分類を考慮する状態もある(ACE阻害剤、ARB、β遮断剤、カルシウム拮抗剤)
☆ 多くの高血圧患者では以下の目標値をみたすためには2種以上の薬剤治療が必要となる。<140/90mmHg(130/80mmHg:糖尿病、慢性腎疾患) もし血圧が20/10mmHg+なら、開始薬を2剤にすべきで、1剤はサイアザイド系利尿剤が含まれるべき。
☆ 動機付けが重要。ポジティブな経験をして、医師を信頼したときに動機付けも改善する。共感が信頼を形成し、モティベーションを促進する

by internalmedicine | 2004-03-30 09:25 | 動脈硬化/循環器  

・堕胎は乳ガンリスクにならない ・自己血輸血で手術や失血後免疫不全改善

今日は2題 Lancetから

K突然の妊娠中断(要するに堕胎)は乳ガン発症のリスクにはならない
Pregnancie
s that end as a spontaneous or induced abortion do not increase a woman's risk of developing breast cancer.

Lancet 2004; 363: 1007-16
米国の特有の問題もあり、堕胎に関する有害情報のあらさがし失敗?


K手術や失血による免疫抑制はnatural killer cell precursor (NKp) の減少とインターフェロン‐γの減少による。免疫抑制は自己保存血の輸血により回復するところをみると、免疫刺激作用を要すると考える。
Effect of autologous salvaged blood on postoperative natural killer cell precursor frequency
Lancet 2004; 363: 1025-30
こういうので、また変な商売を始める奴らがでないことをねがうのです。
自己血輸血なんで、金さえ出して品質保持できれば、まあ問題はないと思いますが、もちろん当該手術などもすべて自己負担で・・・

by internalmedicine | 2004-03-27 11:22 | 内科全般  

慢性頭痛に鍼(はり)有効

慢性頭痛に対する鍼治療にエビデンスあり、しかも、cost-effectiveだそうです。
ちと、対照のとりかたに疑問で、プラセボ効果は完全否定できないようですが、まあ、効果があればよろしと・・・

Acupuncture for chronic headache in primary care: large, pragmatic,
randomised trial
BMJ 2004;328:744 (27 March), doi:10.1136/bmj.38029.421863.EB (published 15 March 2004)
エンドポイントである12ヶ月後の頭痛スコアは、鍼で対照より少ない。SF-36
でも鍼が有用。15%薬物治療を現象し、GP受診を25%減らし、15%病日を
減らした。

“randomly allocated to receive either up to 12 acupuncture treatments
over three months from appropriately trained physiotherapists or usual
care alone”
ということで、どうも対照の取り方が疑問の気がします。
議論の中で、プラセボ効果について触れてますが、

http://www.update-software.com/abstracts/AB001218.htm
など、sham-placeboなどを対照とした論文を根拠に否定しているようです。

・鍼はhealth related quality of life (HRQoL)を改善したが、医療費を増加させた。
・コスト効果的ではある。
鍼による健康に対する好影響0.021QALYsで、£9180/QALY。感度分析でも不変



鍼(はり)のエビデンスをまとめてみました。
Cochraneから拾ってくると
慢性頭痛が唯一Evidenceがありそうというとこでしょうかねえ(×、△、○は独断)
────────────────────────────────────
慢性頭痛 △~○
http://212.49.218.202/abstracts/ab001218.htm
喘息 ×
http://212.49.218.202/abstracts/ab000008.htm
禁煙 ×
http://212.49.218.202/abstracts/ab001218.htm
腰痛 ×
http://212.49.218.202/abstracts/ab002123.htm
腰痛 ×(電気刺激TENS)
http://212.49.218.202/abstracts/ab003008.htm
月経不順 ×
http://212.49.218.202/abstracts/ab002123.htm
Bell麻痺 ×~△
http://212.49.218.202/abstracts/ab002914.htm
膝OA △(電気刺激:TENS ・AL-TENS)
http://212.49.218.202/abstracts/ab002823.htm
肘痛 ×~△
http://212.49.218.202/abstracts/ab003527.htm
妊娠早期嘔気・嘔吐 ×
http://212.49.218.202/abstracts/ab000145.htm

by internalmedicine | 2004-03-26 18:29 | 内科全般  

やっぱり経験数の多い病院で手術は受けた方がよい

 やはり手術となると、病院はスタッフの種類・数とも多く、専門化され、その施設内の経験数が多いほどやはり手術成績、この場合は術後死亡率は良いというのがやはり常識的だと思うのですが、
 やはりそのとおりで、しかもある種の手術後の死亡例はその手術手技の種類に特定した者ではなく、別の手術数にも・・・簡単に言えば手術全体の経験数が多いほど、ほかの手術による死亡率も少ない。だから、手術は一極集中しちゃえってことになります。
 日本の外科医は優秀と思いますが、一医師の技量より一極集中的な設備・スタッフがこと外科手術に関しては重要で、ぱらぱらと少ない症例を経験してもしかたがない。
 このへんはこの国の外科手術に方向性をどうするかだとおもうのですが・・
 “hospital volume”ってのは、簡単に言えばその病院での症例経験数です。前々回医療報酬改訂の時、経験数で医療報酬を規定するという項目ができたのですが、地域医療の情勢にあわないということなどいろいろあったようです。
http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/SinryouHousyuSenmoni.shtml

利用者側からいわせると、「過疎地などでは基準に達する病院がない」や「医師の移動に伴う新設施設」の問題などは各論的であり、やはり症例数の少ないところは多いところに淘汰され、結果的に効率の良い医療がなされるべきだと私は個人的に思います。
民間であれ、公的病院であれ、ちまちま症例をこなすのではなく、一定規模以上の病院に収斂させるような方向性が必要なのではないでしょうか?
医療機関合併促進法のような・・・ちと言い過ぎかな

医師会は反対でしょうか?違うと思いますが・・・


Does it matter what a hospital is “high volume” for? Specificity of
hospital volume-outcome associations for surgical procedures:
analysis of administrative data
BMJ, doi:10.1136/bmj.38030.642963.AE (published 12 March 2004)
手術死亡率は忙しい病院のほうが少ない。手術件数(high volumes of the procedure)は多い方がいくつかの複雑な手術では良好であり、ほかの手術も多い病院の方が良好であるとカナダの31632名の5つのメジャーな手術の解析で判明。。
直腸結腸切除をのぞいて、30日死亡率は同じ手術方法のhospital volumeだけでなく、ほかの手術のhospital volumeでも逆相関(要するにその手術手技の施設内経験数だけでなくほかの手術手技の経験数も治療成績の関与する)
異なる手術のvolumeの影響は同じ手術volumeより大きかったりする例もある。
たとえば、膵管切除の死亡率はその手術手技のvolumeより肺切除のvolumeに相関している。
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 日本では、“日本では一般病院のベッド100床に対して医師数は13人、看護師は44人以上が施設基準ですが、アメリカでは医師は72人、看護師は221人にもなり、アメリカでは日本の5.5倍の医師と、5倍の看護師がいると言うわけです(1998年OECD統計)。”(かかりつけ医通信から引用させていただきました)。手術を主体とする急性期病院だと、看護師数の比率が上がると思いますので、この場合の検討には当たらないのかもしれません。
 日本では諸外国に比べこの施設内の手術数、経験数が少ない、というのは病院数が多すぎ、特に地方では200床以下の病院が多く、このレベルの病院が地域の中核となっているところがほとんどではないでしょうか?このレベルだと、収益性が悪く、結局、地域住民の囲い込みすべく、サテライトクリニックや隣接地に同一法人の外来棟だけつくったり、地域医療機関との連携どころか、単なる競争相手となっているところをみます。
 肝心の急性期医療は中途半端なところが多い・・かも

by internalmedicine | 2004-03-26 12:05 | 医療一般  

入院するほどの肺炎は起炎菌同定なんていってられない・・・4時間以内抗生剤投与すべし

“Empiric thrapy”:本来,化学療法は細菌培養検査にて起炎菌を同定してから,最も適した抗菌剤を用いるべきである.しかし,起炎菌の培養,同定には2日以上を要し,止むをえず起炎菌を同定しないまま化学療法を開始する場合がある.”という教え方をするWebサイトもgoogle検索するとあるようです。


たしかに軽症の気管支炎などは抗生剤そのものの投与の是非が問われておりますが、どうもこの方面との混同があるのではないかと考えております。


特に入院を必要とする肺炎の場合は“起炎菌同定のため治療を遅れさせてはならない”という原則もあるのです。“initiated promptly and should not be delayed in an attempt decisions based on the identification of microbial pathogens to obtain pretreatment specimens from microbiological studies.”

ということで、抗生剤投与が遅れると死亡率を高め、入院期間も延長するという考えれば当たり前の結論ですが、めやすが4時間とかなり短いということが驚きでした。

市中肺炎のメディケア入院の抗生剤投与のタイミングとアウトカム
Timing of Antibiotic Administration and Outcomes for Medicare Patients Hospitalized With Community-Acquired Pneumonia
Arch Intern Med. 2004;164:637-644.
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肺炎でのメディケア入院は60万件以上がある。ガイドラインは入院8時間以内の抗生剤投与を推奨している。
市中肺炎で入院した65歳以上のメディケア患者18209人のサンプルをランダム化サンプルで後顧的に検討。アウトカムは重症度による補正死亡率、30日以内の再入院、入院期間
外来にて抗生剤投与を受けていない13771名の患者のうち、入院後4時間以内の抗生剤投与は院内死亡率、30日以内の入院時死亡率、入院滞在期間の短縮につながる。
(6.8% vs 7.4%; 補正オッズ比 [AOR], 0.85; 95%CI, 0.74-0.98)、(11.6% vs 12.7%; AOR, 0.85; 95% CI, 0.76-0.95)、(42.1% vs 45.1%; AOR, 0.90; 95% CI, 0.83-0.96)
4時間以内の抗生剤投与は遅れた場合より0.4日入院期間短縮。タイミングは再入院と相関しない。入院後4時間以内の抗生剤投与は全患者の60.9%、病院の特徴にかかわらず50%以上であった。
入院後4時間以内の抗生剤投与は死亡率減少、入院滞在期間と関連し、4時間以内の抗生剤投与がメディケア対象者の死亡を予防し、入院のコストを下げ、多くの入院患者にとってうけいれやすい。
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感染症治療に関してはどうもいくつかのピットフォールがあるようで、近隣疾患との混同や、かつて先輩に教わったからといってそれ以降知識をアップデートせずにいることがとても危険だと考えます。

by internalmedicine | 2004-03-25 10:16 | 医学  

『赤ひげ』ってお役人から強要されるものなのか

『赤ひげ』というのは私は知らないのですが、名誉にも金にも縁遠くなっても、一生この養生所で、医術にいそしむことを誓った。そうですから、功名心なく、患者のため寝食忘れてがんばったかたなのでしょう。

でもお役人が、“赤ひげ”を強要するのはどうなんでしょう。

赤ひげバンク

僻地・離島医療に一定の自信をもち、一人総合診療科なんてきどり、そういう医療こそ今最先端!と自負して、医師として地域につくそうと考えても・・・

お役人から“あんたたち、名誉もなく金も縁遠くがんばりなさい”って強要されたら、私だったら絶対行きたくないです。

あほなネーミングだと、つくづく 思うのであった。

馬鹿役人ども・・・そうおもってるんだったら、自ら、その僻地・離島とやらに今の地位をなげうってから言え!・・・そしたら、情にほだされる医者は出現する。

県庁の中から、医師としての信条に関して、命令される筋合いはない



奴隷的労働強要というのは、医者個人の心身両面の多大なる悪影響を及ぼすものであり、基本的人権を無視した施策であり、憲法違反と考える。行政官がそういう影響がないというのなら、彼らがまず、その医療に赤ひげに付き添うべきだし、現場を知って初めて行政官として、まともな施策ができるだろうに・・・空調の効いた県庁からコーヒーを飲みながら、考えたそこの浅いキャンペーンなんてだれのこころも動かさないのだよ>アホ役人

by internalmedicine | 2004-03-24 17:08 | 医療一般  

膝関節関係のEBM・・・関節注のエビデンスすくないんですよねえ

Lヒアルロン酸の関節内注射はほとんど意味がない、高分子ヒアルロン酸は意味あるかもしれないがまだ不明
Intra-articular Hyaluronic Acid in Treatment of Knee Osteoarthritis
A Meta-analysis
JAMA. 2003;290:3115-3121

ついでに変形性関節症と運動療法も調べ・・・
J運動は変形性関節症の悪化要因ではない。でも、変形性膝関節症になった後の運動は?若干よいのか?今後検討が必要。
J1つの研究では疼痛に関しては、エアロビック運動の方がレジスタンストレーニングより有効で、2つめの研究はストレッチとROM運動と機能訓練の組み合わせで評価し、疼痛の効果が高かった。機能的には質の高い報告がなされ、好気的運動で自己申告と歩行観察機能評価で良好であった ということで、一部整形外科医が批判している歩行もだめってことではないと思われます。


LL鍼はここでもエビデンスがない
鍼が腰痛・頚部痛に有効であるというエビデンスはない。副作用がある。


すべてが偽薬効果ではないのでしょうが、やはり、効果のあるもののみ保険医療としなければいけないのではないかとかんがえるのですが・・・


効果の立証できないもの、ほかの手段に比べ著しく効果のすくないものはドラスティックに保険適応からはずさなければ、ゼロサムの現状では新規の有用な治療法がいつまでも認められません。間接的に迷惑を被っている治療法がいっぱいあるのですから。


整形外科領域のEBMソース
Bone and joint section of Bandolier a journal of evidence-based medicine. 1994 to present


Clinical Evidence

CMA (Canadian Medical Association) Infobase : Clinical Practice Guidelines

Cochrane Library

DARE (Database of Abstracts of Reviews of Effects)

EBM Reviews

Edinburgh Orthopeadic Trauma Protocol Registry

National Guideline Clearinghouse (U.S.)

TRIP Database ('Turning Research Into Practice')

by internalmedicine | 2004-03-24 15:59 | 運動系  

日本人はほんとにある特定の薬だけに特異的な人種なのか?

日本人にだけ効いて、外国では今ひとつという薬の代表にカルシウム拮抗剤という種類の血圧などの循環器系の薬があります。

"Evidence based medicine"といいながら、日本人のエビデンスというのは非常に限られており、高血圧なんて対象患者も多いのだから、もっともできるはずなのですが、なかなか進みません、これはスポンサーである製薬メーカーが金をだすかにかかってるわけで、形勢不利な製薬メーカーが売り込みをはかるため、有利な地域で治験をおこなうことはもっともなわけで、日本人にはカルシウム拮抗剤が有効というテーゼがありますが、これを信用すれば、国際的なカルシウム拮抗剤メーカーはいままでなぜ日本で大規模治験をしなかったかの方が不思議です。

逆に言えば、治験なんてそんなもので、やすい薬のエビデンスを必死でもとめようなんて製薬メーカーも大学教授もいないので、サイアザイド系少量投与を弁護する人がめだたないのですよね。だから私はおかしいといいつづけているのですが・・

で、そのカルシウム拮抗剤が日本では悪名高いβ遮断剤と遜色なかったぞ・一部はよいかもしれないぞという論文があるそうです。

長時間持続性のカルシウム拮抗剤(CCBと略)は心筋梗塞発症に悪影響という欧米のデータがあり、しかも用量依存的であるなど、心血管イベントに関して分が悪いというのが一般的で、、昨今、メタアナリシスではCa拮抗薬の予後改善効果は総じて従来の降圧薬(利尿薬,β遮断薬)と差はなく,”脳卒中の抑制効果は大きいが,虚血性心疾患の抑制効果は少ないと報告”が主です。
日本では諸外国よりCCB使用が多いのですが、日本人の特異性をその根拠とするところがあったようですが、β‐遮断剤に比べ急性心筋梗塞患者での心不全を減少させたという諸外国と不一致な治験がでております。

ちょっとまえの外国の権威ある論文では、“全種類CCBの24トライアルのメタアナリシスで心筋梗塞の患者の死亡率を有意差がないが4%増加させた所見があり、ランダム化試験の有益性の根拠なく急性心筋梗塞患者に用いられてきた。“the National Registry of Myocardial Infarction”で、240989名の患者のうち30-40%にCCBが使用されていた。すくなくともCCBは急性心筋梗塞の死亡率を軽減しないため、標準治療としては推奨しない。短期作動型ニフェジピンに関してはリスクを増加させる可能性があるが、CCB全般も非DHP系もメタアナリシスでは有害・利益性のエビデンスを見いだすことができなかった。”としております。

日本で冠動脈疾患(CAD)合併高血圧患者でのCCBの有用性をしめす治験が公表されています。

JMIC-B研究(The Japan Multicenter Investigation for Cardiovascular Disease-B Hypertension Research, 27:181-191, 2004)
宣伝サイト
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CAD合併症高血圧患者に対するACE阻害剤 vs CCB(ニフェジピン持効錠)
(一次エンドポイント) 心臓死または突然死,心筋梗塞の発症,入院を要する狭心症の発症(初発または増悪),血行再建術の施行(PTCA,CABG,ステント),入院を要する心不全の発症,重篤な不整脈

○血圧・心拍:ほぼ差なし
○心事故の発症率:有意な差なし
○心筋梗塞既往例に対する層別解析では,入院を要する狭心症が長時間作用型ニフェジピン製剤群で有意に抑制(相対リスク:0.42,p=0.01).
○全イベントの発症率:有意差なし
心事故を含むすべてのイベントの発症率についても,3年間を通じて両群間に有意な差は認められなかった(p=0.9381).
このことから,心事故以外のイベントの発症予防に対しても,長時間作用型ニフェジピン製剤がACE阻害薬と同様に有用であることが示された.
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JMIC-B研究では落ち着いているCAD合併症を有する高血圧患者が対象なので、前項心筋梗塞後のアジュバント治療としての立場と微妙に対象が違います。
現在“The Lesser The Better”というのが高血圧治療の基本ですが、これは薬剤特異性より下げればよいのか、あるいは薬剤によって治療効果が異なるのかという面で、製薬メーカーが必死になって自社製品のピーアールのため、治験をたくさんつくりあげているのですが、“The Lesser The Better”以上の結論をまだわたしはしりません。
今回の、JMIC-Bもせいぜい日本人の虚血性心疾患を有する患者にはCCBが比較的安全に使えるかもしれない程度の結果しかもたらさないとおもいますが・・・



β‐遮断剤に勝ったから、今後 ARB vs CCB というテーマなのでしょうか?

ARB vs CCB
CASE-J


個人的には値段の安いCCBにがんばってもらいたいのですが、なんで国際的な標準降圧剤サイアザイド系利尿剤を対象にしないのでしょう。・・・不思議

by internalmedicine | 2004-03-24 12:03 | 内科全般