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肝性脳症にはラクチュロースが第一と思っていた・・・


昏睡Ⅱ度以下で経口摂取が可能な例では、“ 食事蛋白量の制限(多くは40‐50g)を行い,合成二糖類製剤であるラクツロース⇒あるいはラクチトール(ポルトラック⇒)の経口投与を行いつつ,特殊組成アミノ酸輸液製剤を投与する.”というのが一般的で、肝性脳症の標準治療となっており、これを対照に新薬の治験がなされてさえいます。

ところが、二糖類の肝性脳症へ効果ありのエビデンスが今ひとつということです。

Non-absorbable disaccharides for hepatic encephalopathy: systematic review of randomised trials
BMJ 2004;328:1046 (1 May)
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非吸収性の二糖類は肝性脳症の改善無しのリスク軽減ありと思える(relative risk 0.62, 95% confidence interval 0.46 to 0.84, six trials)(0.92, 0.42 to 2.04, two trials).
プラセボや非介入を比較すると、非吸収2糖類は有意な死亡率改善効果をみとめず (0.41, 0.02 to 8.68, four trials).
非吸収性二糖類は改善無しのリスク軽減に関して抗生剤に劣り(1.24, 1.02 to 1.50, 10 trials)、血中アンモニア濃度低下でも劣る (weighted mean difference 2.35 µmol/l, 0.06 µmol/l to 13.45 µmol/l, 10 trials)。
死亡率の差無し(0.90, 0.48 to 1.67, five trials).
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分枝鎖アミノ酸を多く含有し、芳香族アミノ酸含有の少ない製剤が使われていて、ラクチュロースのような非吸収性の二糖類で下痢気味にすることがよいと、先輩医師から教わってきました。非吸収性のカナマイシンのような抗生物質より優先している処方さえみたことがありますから、信頼性のおかれていた薬剤です。
プラセボとの対照では、改善効果ありそうですから、使っても良いとは思いますが、費用効果的なのか?また、併用で相乗作用ということはないのか?まだ疑問が残りますが・・

by internalmedicine | 2004-04-30 17:27 | 消化器  

食物への放射線照射

ググってみるとやはり、食物の放射線照射というだけで、恐怖を煽る記載だけが目立ちますね。

合理的に考えれば、食物感染症由来の病気というは結構多くて
たとえば、ビブリオ・バルニフィカス感染症、黄色ブドウ球菌やサルモネラ・ビブリオなどの食中毒、O157感染症、A型・E型肝炎など、致命的な病気もいっぱいあります。

日本でも、より冷静に、科学的根拠をもって、放射線照射を考える時期ではないかと考えます。NEJMの一文をみると、日本で紹介されている反放射線キャンペーンは論理のすり替え、対象のミスリード・・・などが多いようです。


The Role of Irradiation in Food Safety
NEJM Volume 350:1898-1901
米国では7600万人の食物による疾患が毎年生じ、32万件の入院、5000名死者が生じている。
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USではハーブやスパイスの10%、果実、肉、鶏肉には0.002%のみ放射線照射していない。
受容性が低いことは、1)放射線そのものが誤解され、警告されている。2)食事由来の疾患の原因・予防がよく理解されていない。3)医療従事者やメディアは放射線を当てることの利点を理解していない。4)食物、放射線、農業経済などについての彼らなりの特定の反放射線キャンペーンがなされている。

高エネルギー放射線、ガンマ線、X線、電子ビームが認可されているが、コバルト60、セシウム137が認可されている。
1Gy(グレイ)は100radであり、

・less than 1 kGy (low dose) for disinfestation and the extension of shelf life
・1 to 10 kGy (pasteurizing dose) for pasteurization of meats, poultry, and other foods
・more than 10 kGy (high dose) for sterilization or for the reduction of the number of microbes in spices.

肉や鶏肉の商用的放射線照射はミルクへの低温殺菌と同じ考え。
熱殺菌は生ミルクの病原を殺菌し、成長を抑制するが、取り扱いによっては非病原性バクテリアの生存がミルクをだめにすることがある。同様に放射線による殺菌は肉や鶏肉のすべての殺菌に及ばず、むしろ病原性微生物全部を殺菌することにあるよりその機会を減らすことにある。。

殺菌に必要な放射線の量は低温殺菌法の約10-30倍必要で、ボツリヌス菌の芽胞をログ対数の12ほど減らす程度が商用の標準レベルである。


ただし、食物の放射線汚染に対する少なくとも3つの議論点がある。
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※第1の議論は、2-alkylcyclobutanones(2-ACB)(照射された食物特有)が動物実験で腫瘍形成性の突然変異を起こす可能性。ただしこのことを警告した著者たちは食物自体を調べたのではなく、食物中に含まれる可能性のある約1000倍の濃度で、化学的に合成されたの2-ACBについての報告してだけであった。・・・・
“The European Commission's Scientific Committee on Food”、 “the World Health Organization's assessment of irradiation safety”も遺伝子毒性は標準的方法では確立したものではない、安全性に関する疑問についてあきらかなものはないとしている。


第2の疑問は栄養の質の破壊である。しかし、炭水化物、蛋白、脂肪は放射線に影響を受けない。Thiamine(ビタミンB1)は、放射線にもっとも影響をうけるが、食事中のthiamineを脅かすほどではない。


第3の議論は、技術的問題点、限界があること。すべての汚染を除去することとはなりえない
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by internalmedicine | 2004-04-30 16:56 | 消化器  

あたらしい骨粗鬆症治療へのヒント・・・?

骨粗鬆症に関しては、
女性ホルモンでないホルモン?:エビスタがもうすぐ発売と
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/di/displayTemplates/displayNewArrival.jsp?documentId=doc_3124


あたらしい骨粗鬆症治療へのヒント・・・?
スタチンが骨粗鬆症へ有効である可能性があるのですが(Arch Intern Med. 2002 Mar 11;162(5):537-40. 高脂血症治療薬が骨粗鬆症薬となれるか?)、大規模研究分のサブ解析が急がれているようです。
ややそれよりつっこんだ治療法へのとりくみが紹介されていました。
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Clues for New Therapeutics in Osteoporosis
NEJM 2004.4.29第11染色体に骨密度と関係のある部位をマウス種を用いた遺伝子解析で同定。
Alox15であり、31megabaseの長さで、12/15-lipoxygneaseをencodeしており、欠損マウスでは骨密度が増加し、“強さ”がます。
12/15-lipoxygenaseが骨密度のキーとなるregulatorである。

stromal cell lineの12/15-lipoxygenaseの一過性の表出で、osteocalcinやalkaline phosphataseを亢進させる。
すなわち、脂肪酸の酸素化させ、13-hydroxyoctadecadienoic acidや15-hydroxyeicosate traenoic acid(lipoxin類の前駆物質)などのような、peroxisome-proliferator-activator受容体へのリガンドを作る。
このperoxisome-proliferator–activated receptorを抑制することで骨粗鬆症を抑制する。

cis,cis-1,4-pentadiene(例.アラキドン酸)→(O2)→hydoroperoxide-containing intermediate→(脱アルコール化)→15S-hydroxyeicosateraenoic acid

付加的酵素transformation?→リガンド・・・→1) 2)へ
1)細胞外表面受容体→サイトカイン減少→骨密度増加
2)peroxisome-proliferator activated receptor→骨密度増加

ヒトでは、15-Lipoxgenase type1(17p13.3)、15-Lipoxygenase type2(17p13.2),12-Lipoxygenase(17p13.1)

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lipoxygenaseはロイコトルエンの5-lipoxygenaseしか注目したこと無かったのですが
この酵素が神経細胞や内分泌細胞そしてマクロファージ多くに存在することからいろいろな生理的機能が推測されています。


単核球やマクロファージで、13-HODE(hydroxyoctadecadienoic acid (13-HODE)や15-HETE(15-hydroxyeicosatetraenoic acid)はリノレン酸やアラキドン酸から産生され、12/15-lipoxygenaseによりTH2由来のサイトカインIL-4によるupregulationされている。PPAR-γへのリガンドの産生に12/15 lipoxygenaseが関与していて新しいサイトカインによる核内受容体の調節因子のパラダイムである。(Nature. 1999 Jul 22;400(6742):378-82.  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?


PPAR-gamma
http://www.cas.psu.edu/docs/CASDEPT/VET/jackvh/ppar/pparrfront.htm

PPARγと骨代謝
https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/clin/doc/2004-02/043tokusyuu.htm

by internalmedicine | 2004-04-30 14:53 | 運動系  

喘息患者のインフルエンザワクチン フルタイドは他の薬剤の半分量でよろしいようで・・


◎インフルエンザワクチンは喘息に悪させず・・・でも有益性は・・・
Vaccines for preventing influenza in people with asthma (Cochrane Review)
From The Cochrane Library, Issue 2, 2004
インフルエンザワクチン接種は多くの国で喘息患者に推奨されているが、それ自体が呼吸機能悪化を引き起こす危険性を指摘されている。インフルエンザワクチンそのもののの利点はないという報告もあるが、文献のシステミックな検索がなされていない。

※結論としては、インフルエンザワクチン接種直後に喘息急性悪化を有意に増加させることはない。しかし、インフルエンザ感染に関係する喘息の急性悪化に予防的効果がある不確かさが残る。
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◎フルタイドは他の薬剤の半分量でよろしいようで・・
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Inhaled fluticasone versus inhaled beclomethasone or inhaled budesonide for chronic asthma (Cochrane Review)
The Cochrane Library, Issue 2, 2004.
フルチカゾン(Fluticasone propionate (FP) )はベクロメサゾン(Beclomethasone dipropionate (BDP) )やブデソニド(budesonide (BUD))に比べ、生体外(in-vitro)ではより強力な薬剤である。
実際に生体内でつかってどの程度の効果なのか?
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48研究(11479名の参加者)がクライテリアに合致。FP:BUD/BDP 1:2で比較して、有意にFEV1(1秒量)(0.11L 95%CI:0.01-0.20L)、朝方のPEF(ピークフロー)(13L/min 95%CI:5-22L/min)、夕方のPEF(11L/min 95%CI:1-20L/min)がFPの方が高い。
すべての薬剤料、年齢群、投与デバイスを通して適応できる傾向である。サブグループ解析ではより多くの吸入ステロイドを使用している重症の患者ではFPの相対的効果はより大きいとの報告もある。
トライアル中断はFP,BDP,BUDとも差異無し。
症状やrescue治療使用は広く報告されているが、分析に値するトライアル自体は少ない。咽頭炎の尤度はFPでBDP/FPの2倍 (Peto Odds Ratio 2.16; 95% CI 1.43 to 3.24)、ただしトライアルのheterogeneityがある。口腔カンジダの尤度比には差異がない。
血中コルチゾール・24時間尿中コルチゾールは頻回に測定しているが、データ提示は限定されている。
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結論としては、FPはBDP/BUDの1/2として処方すれば、気管支腔改善効果が優るが、副作用である咽頭痛に関しては2倍


最近、非フロン:Hydrofluoroalkane-134a:HFA-134aが使用されたキュバールは400μgで以前のChlorofluocarbon主体のベコダイドなどの800μgと同等という報告がなされ、さらにFPもHFA-134aを使用したフルタイド50・エアーが発売され、FPのドライパウダー製剤のさらに半分の用量設定となっております。
小児では非フロンとフロンと同用量で同等と気になる論文があります。また、成人でも同様ですので・・・
この辺疑問が残ります。
この方面の咽頭痛はどうなのかという問題も・・・

by internalmedicine | 2004-04-28 16:54 | 呼吸器系  

出産前の歯科レントゲン撮影と新生児低体重

出産前の歯科レントゲン撮影と新生児低体重
Antepartum Dental Radiography and Infant Low Birth Weight
Philippe P. Hujoel, PhD; Anne-Marie Bollen, PhD; Carolyn J. Noonan, MS; Michael A. del Aguila, PhD
JAMA. 2004;291:1987-1993.
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高用量・低用量放射線とも低体重児出産と相関があるとさえるが、視床下部-下垂体-甲状腺軸、間接的に出生児体重に放射線が影響を及ぼすかどうか不明だし、直接の生殖器に関係するかどうか不明。

Design A population-based case-control study.

低出生体重児(<2500 g)
満期低出生体重児(1501-2499g 37週)


妊娠中0.4mGyより高い被爆の場合21名(1.9%)の低出生体重児の母体で、歯科レントゲンを取らない女性に比較して低体重児の補正OR2.27(1.11-4.66)
0.4mGyより高い被爆の場合満期低出生体重児妊娠は10(3%)で、対照と比較して3.61(1.46-8.92)。

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“胎内被爆者の10歳から18歳にかけての身長、体重などを毎年測定する調査では、被ばく線量に関連して、成長速度の減少と成人時(18歳)の身長、体重に全体的な減少が示されました。”
http://www.rerf.or.jp/nihongo/radefx/uteroexp/physment.htm
ということもあり、わかるとおりやっぱり放射線被曝はできればさけた方が良いのですが、緊急性や有益性が上回る場合はやはり撮るべきということになるのでしょう。
歯科レントゲンでもということは、他のレントゲン撮影でもということになるのでしょうが・・・

こういう面でも、結核検診・住民検診・職場検診上のレントゲン撮影というのは危険だと考えます。


“劣化ウラン”というので世間は騒いでますが、α崩壊が主体の機序ですのでレントゲンとは関係なしということで・・・

by internalmedicine | 2004-04-28 16:35 | 医学  

コレステロール値は季節変動する・・・その理由は・・・

コレステロールの季節変動というのはあまり意識してませんでした。
一つの研究課題になっているようですね。職場検診など1年1回ですから、冬場の多く見つかり夏場はすくなくみつもってしまう・・・危険性がありますね。

その原因はというと・・・循環血漿量で説明されると結論づけてるんですが・・・ちょっと疑問なのと別の仮説があるようです。

Seasonal Variation in Serum Cholesterol Levels
Treatment Implications and Possible Mechanisms
Arch Intern Med. 2004;164:863-870
血中脂質の季節性変動があることは知られているが、冬場に多くは診断されているというようなそのメカニズムは不明。
脂質値の季節変動の縦軸研究を517名の健康ボランティアで行った。
12ヶ月間のデータ:基本統計・1/4期毎の身体計測、脂質、食事、身体運動、光暴露、行動パターン
男性平均総コレステロール値は222mg/dL、女性213mg/dL。季節変動の程度は男性で3.9mg/dL、12月がピーク、女性では5.4mg/dlで1月にピーク。季節変動は高コレステロール血症患者でとくに大きく、血漿量の季節性変動が観察された変動とほぼ比例している。
全体的には、夏より冬に被験者の22%以上が240mg/dlを越える。

この研究で、血中の脂質の季節性変動は、女性で大きく、高コレステロール血症患者ほど大きくplasma volumeによる変化を伴うことが示された。夏の循環血漿量増加は、温度や身体運動との増加と関連しているように見える。この所見は検診ガイドラインに含まれるべき。冬場の相対的血液濃縮の影響に関してさらなる研究が必要。


違う視点からの研究もされているようですが・・・
http://www-unix.oit.umass.edu/~seasons/mth-des-hypotheses.html
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1)コレステロール値の季節性変動はある
2)LDLとHDLの季節変動はパラレル:TGやapolipoprotein(Lp(a)を含む)もまた季節変動?
3)食事、身体活動の変化で説明できる部分もある。しかしながらこの要因と季節変動の相関を示す研究は少ない。
4)季節性変動はまた、ホメオスタシスとも関係。フィブリノーゲン、PAI-I、factor VIIと関連性があり、コレステロールの季節変動の程度とパラレル。
5)体重・BMI、血圧、心拍などの身体的要因の程度とパラレル。
6)生化学因子の季節変動(抗酸化、ビタミン、hemostatic factors)はmood、エネルギー、睡眠時間を含めた心理学的要因の変動とパラレル。食事・身体活動コントロール後、重要な要因として説明(すなわち..約25%)
7)季節性変動への影響の程度
個々の季節変化が少なければ少ないほど、コレステロールや身体的要因の変動は少ない。(具体的には室内の温度、戸外での時間、自宅・仕事場・移動時のエアコン使用、仕事場での窓の有無)
自然光、昼間の時間の長さが最も重要な要因で、50%以上のコレステロールの変動、気分障害がこれで説明がつく。
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これって、おもしろい仮説だと思います。


インスリン依存性糖尿病小児のHbA1cなんてのも季節変動あるようですが、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Display&dopt=pubmed_pubmed&from_uid=2629718

by internalmedicine | 2004-04-27 11:58 | 動脈硬化/循環器  

COPD患者の労作性呼吸苦に対する利尿剤吸入!

PD患者の労作性呼吸苦に対するラシックス吸入!
Effects of Inhaled Furosemide on Exertional Dyspnea in Chronic
Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 169. pp.
1028-1033, (2004)
COPD患者の運動に伴う呼吸困難感furosemideの吸入の効果を検討。
二重盲検、ランダム化、交差試験。スパイロとconstant-load exerciseテストを
施行。100mm VASを用い呼吸苦評価。
平均FEV1・FVCは有意に改善(p = 0.038 and 0.005)。
平均呼吸困難VASは吸入後改善:(33.7 ± 25.2 vs. 42.4 ± 24.0 mm,
respectively, p = 0.014)
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“呼吸困難を改善”
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/full/161/6/1963

という報告があり、治療法のなかなかないCOPDには、ほんとなら、良い知らせと
いうことになりますね。

a0007242_165625.jpg


でも↑をみると、今ひとつかなと考えたり・・・

以前、フロセミドの吸入療法は、喘息の治療法としてNEJMに以前報告され、わた
しも知識だけはあったのですが、その後の検討で、副作用はないものの、効果に
関していまひとつはっきりしたものが無く、“?”のままです。日本でも特定の
先生方が使われていると又聞きしているのですが・・あくまでAlternativeであ
り、ちゃんとした治療してからはじめてつかえってなもんで・・
http://www.chestjournal.org/cgi/content/full/123/4/1254
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furosemideのプロスタグランジン合成促進、Na-Caポンプブロックの結果、平滑
筋弛緩作用・神経のNeurokiniA誘起性反応の低下をもたらす可能性
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12323126

・lysine acetylsalicylate moleculeから遊離されたlysinのcorticosteroid-sparing効果
・IL-6,IL-8,TNFの産生・遊離抑制効果
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12115021
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などが、作用機序として考慮されております。



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も、ひとつ

ACE阻害剤の肺炎抑制効果は人種差あり!

Effects of an Angiotensin-converting Enzyme Inhibitor?based Regimen on
Pneumonia Risk
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/169/9/1041
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 169. pp. 1041-1045, (2004)
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中央値3.9年のフォローアップで、269名肺炎。

すべてでは、積極的治療で肺炎のリスクを19%下げたが有意差がなかった。
アジア人種で、有意に肺炎リスクを下げた(47%, 14?67%; p = 0.01)。

しかし、非アジア人参加者においては有意差が無かった(5%, ?27 to 29%; p =
0.7) (p for homogeneity = 0.04).
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※もし、喘息・COPDの患者さんたちがみられている場合、この治療法は現時点ではあくまで、論文報告だけですので、治療に関しては主治医などと相談してください。海のものとも山のものともわからない状況です。

by internalmedicine | 2004-04-24 11:29 | 呼吸器系  

ある薬剤の薬効は偏った研究発表により誤評価されている

SSRIという抗うつ薬を若年者・子供に使うとかえって自殺が増えるという報告があり、一転、否定されましたが、また、論文をまとめて再考査すると、危険性のほうが薬効を上回ることが判明され、その一原因として都合のわるいデータは表に出さないという・・インセンティブが働いているわけで・・・という論文が発表されました。

SSRIに限らず、すべての薬剤は薬効を誇示しなければまあ売れないわけで・・・

薬剤評価のためエビデンスがもとめられ、エビデンス・ヒエラルキー(参照)の最上段階としてのメタ分析・システムレビューがありますが、その前提はやはりランダム化試験です。それが出版されてなければ、知ることはできないわけです。

自社製品に都合の悪いデータは出さない、これは会社としては当然の行動でしょう。莫大な開発費用をかけて、やっと上市した薬剤の市場をひろげるというのは会社としては当然のインセンティブでしょう。
で、結局、薬効のよろしいというものしか、出版されない自体になってしまいます。これを出版バイアスと呼びます→24ページあたり

私のウェブサイトもご参照ください。→http://intmed.exblog.jp/m2004-12-01#1460683">製薬会社のはEvidence Biased Medicneだ

このバイアスの検討として、いくつかのツールが発表されてますが、とくにFunnel plotが有名です。(参考文献


・抗うつ剤[Paxil](paroxetine hydrochloride)の小児への使用に関するFDAの見解
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly/12030627.pdf(2003.6.19)
“FDAは[?Paxil’]による大うつ病の治療で,自殺念慮や自殺企画のリスクが増
加するという報告を評価中であるが,児童期および青年期の大うつ病に[?Paxil’]
を用いないよう勧告した。”


その後、
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・若者のSSRI使用と自殺に関連は認められない/アメリカACNPの見解
http://www.researchprotection.org/infomail/04/01/21.html

・EXECUTIVE SUMMARY
PRELIMINARY REPORT OF THE TASK FORCE ON SSRIs AND SUICIDAL BEHAVIOR IN YOUTH
http://www.acnp.org/exec_summary.pdf
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というので一段落した形にはなっていたようですが・・・




直近のLancetで、SSRIの小児うつへの投与のbenefit:riskの検討について、出版
バイアスが検討されております。結局、都合の悪いデータはださないという・・
ANCPへの強烈な反論となっているのではないでしょうか?



Selective serotonin reuptake inhibitors in childhood depression:
systematic review of published versus unpublished data
Lancet 2004; 363: 1341-45
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小児うつに対するSSRIの安全性の疑問があり、出版・未出版データにおけるリスクbenefiの検討


2つの出版されたトライアルからは良好なrisk-benefitを示し、出版されていないデータでもその傾向が示唆された。出版されたデータparoxetineの一つ、sertralineの2つのトライアルではequivocalあるいは弱いrisk-benefitを示した。しかし、両ケースともcitalopramやvenlafaxineの未出版データを加えると好ましくないrisk-benefitが示される。

小児・若年層では、出版データから特定ののSSRIsの良好なrisk-benefitが示されるが、未出版データを加えるとfluoxetineを除いて、リスクの方がbenefitより大きいことが示される。

臨床ガイドラインや治療についての臨床決定は大きく、出版されたpeer-reviewedジャーナルに基づくエビデンスに大きく依存しいる。トライアルの未出版、理由の如何を問わず、出版トライアルからの重要なデータの省略は誤ったrecommendationを導く可能性がある。すべての介入研究で、公開性・透明性が必要。
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paroxetine:パキシル
sertraline:Zoloft ゾロフト
citalopram
venlafaxine:エフェクサー?

fluoxetine:

マレイン酸フルボキサミン
・デプロメール錠25、ルボックス錠25:60円50銭
・デプロメール錠50、ルボックス錠50:107円20銭


フルボキサミンを扱う会社が、これでプロモーション活動したら、うつだ・・Evidence自体が・・・

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今後、ガイドラインなどを出すときは Funnel plotなどの検討をかならずくわえるべきです。日本のガイドラインの質が低すぎ、結局、consensus-basedなのと、evidence-basedなのが混在しすぎ・・・・


出版バイアスの極端な例は、健康関連食品のテレビ宣伝で・・
最近、小さな文字で“これは個人の経験であって、効能効果とは異なります”なんてのがあれですね。ありゃ、Quackというより詐欺に近いと思いますが・・・

by internalmedicine | 2004-04-24 10:37 | 医学  

いわゆる温湿布の効果の程度・・・ほんとはたいしたことない!!!

いわゆる温湿布というのは、どうも最初から抵抗があって、カプサイシン入り湿
布だろって、いちゃもん、つけてました。

厚労省なぜいいかげんな薬剤名を許可するのかと・・・

“温湿布”?(カプサイシン局所投与)の効果に関するシステムレビュー

Systematic review of topical capsaicin for the treatment of chronic pain
BMJ 2004;328:991 (24 April),
6つの二重盲験(656名)のプール分析。カプサイシン(0.075%)はプラセボに比
較し 1.4(95%CI 1.2-1.7)でNNT 5.7(4.0-10.0)。三つの二重盲験(368名)にてカ
プサイシン(0.025%)は1.5(1.1-2.0)でNNT 8.1(4.6-8.1)。局所性の副作用1/
3で経験。

結論:慢性筋肉痛、神経痛などに対して局所的カプサイシン治療は中等度からあ
まり効かないレベルだが、他治療で耐えられないあるいは反応のないアジュバン
ト的、唯一の治療かもしれない。


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MS温湿布:0.004%カプサイシン含有ということでちょっと少なすぎるのでは?

ゆえに、効果にぎもーーーーん!

誰か、RCTされたらいかがかしらん・・・・

by internalmedicine | 2004-04-23 15:12 | 運動系  

肝機能検査ALT(GPT)、AST(GOT)も30程度以上から異常

韓国からのデータで、ALT(GPT)が40以上で異常というのはおかしいということで、これはC型肝炎などでいわれていたことです。むしろ日本の医師では常識では・・・?

日本でも、26以上で引っかけなければならないというろんぶんもありますし・・
参考)。

どこをもって正常・異常の区分けとするかというカット・オフ値についてはこのへんで研究の羅列があるようです。

http://www.jsh.or.jp/guide/guide.htmlでは、“肝機能正常例(GPT正常例)の対処としては 基本は定期検査のみで十分である.GPTが異常となり,肝病変が進展するようになってから治療を開始する.例外的には,C型肝炎で抵ウイルス量,感受性ウイルスを対象にIFN投与を行うこともあり得る.”とかかれておりますが、カットオフ値に関してはかかれておりません。

#誤字がそのままなのはおいといて・・(おそらく 抵→低))


一般的な検査センターの異常・正常の値は
ALT:5~45
AST:10~40
あたりのpopulation-basedな統計学的数値が用いられているのでは無かろうかと思います。

これは非常に検診上危険です。なぜなら、“正常範囲であってもaminotransferaze濃度(35-40IU/l)と肝疾患死亡率は相関”するという病的な意義がAST、ALTとも30程度から生じるからです。


Normal serum aminotransferase concentration and risk of mortality from liver diseases: prospective cohort study
BMJ 2004;328:983 (24 April)
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正常範囲であってもaminotransferaze濃度(35-40IU/l)と肝疾患死亡率は相関

・AST
<20IU/L未満との比較で、補正相対リスクは、
男性:20-29:2.5(95%CI 2.0-3.0)、30-39:8.0(6.6-9.8)
女性:20-29:3.3(1.7-6.4)、30-39:18.2(8.1-40.4)

・ALT
男性:2.9 (2.4 to 3.5) 、30-39:9.5 (7.9 to 11.5)
女性:20-29:3.8 (1.9 to 7.7)、30-39:6.6 (1.5 to 25.6)

ROC分析では、男性ではAST:31 IU/L、ALT 30 IU/Lがよい。
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ところで、ALT,ASTとも肝機能検査ではありませんよ。これは細胞から逸脱した酵素をはかってるわけですから、現時点で肝臓の細胞がいかに壊れているかだけをしめしているにすぎない・・
総コレステロール、蛋白あるいはアルブミン、コリンエステラーゼ、ヘパプラスチンなどを総合的に判断しなければなりません。もっともこの真の肝機能はより進行した肝硬変に近い状態から肝硬変までの病態で考えるべきですけど・・・
ALT,ASTは肝関連酵素というべきでは・・・・

by internalmedicine | 2004-04-23 12:16 | 消化器