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重症敗血症・敗血症性ショックへのコルチコステロイド:システム・レビューとメタ・アナリシス

敗血症や成人呼吸促迫症候群にこだわるかというと、死亡原因としてはかなり比率が高く、かつ、可逆性の可能性が高いと思ってるからですが、この方面のドラスティックな治療法の進歩はなかなかありません。


“敗血症におけるステロイドの生存率やショックへの影響は用量依存的である(メタ・アナリシス)”(http://intmed.exblog.jp/603473/)とほぼ同じ結論のメタ・アナリシスです。
まだHarrisonsonlineでは微小血栓予防薬とともに低用量ステロイドの遷延期への投与例について記載があるだけで記載がまだ無いようですが、そろそろ教科書レベル?



重症敗血症・敗血症性ショックへのコルチコステロイド:システム・レビューとメタ・アナリシス
Corticosteroids for severe sepsis and septic shock: a systematic review and meta-analysis
BMJ 2004;329:480 (28 August),
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16/23トライアル(n=2063)で選択。コルチコステロイドは28日死亡率を変化させず(15 trials, n = 2022; relative risk 0.92, 95% confidence interval 0.75 to 1.14) 、入院死亡率も変化させず (13 trials, n = 1418; 0.89, 0.71 to 1.11)。有意な不均一性が存在。
長期のサブグループ解析で低用量(300mgハイドロコーチゾンあるいは同等量)のコルチコステロイドでは不均一性を認めず。
死亡率の相対リスクは28病日で (5つのトライアル n = 465; 0.67 - 0.95)、退院時死亡率0.83(5つのトライアル n = 465, 0.71 - 0.97)

コルチコステロイドの使用は、重篤な副作用無く、ICUでの死亡率を減少 (4つのトライアル n = 425, 0.83, 0.70 - 0.97)、7日目のショック回復増加(4つのトライアル n = 425; 1.60, 1.27 - 2.03)、28日目の回復増加 (4つのトライアル n = 425, 1.26, 1.04 - 1.52)
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このステロイド投与は、敗血症の患者で、特に治療抵抗性のショックの患者においては副腎不全に陥っている人が多い(50~75%)。こうした患者では、コルチコステロイドの絶対量が不足しているだけではなく、末梢でのステロイドの効果が減弱することへの対策であって、根本治療でないのかも!

8月25日のNEJMに、遺伝子組換えによるプロテインCベースのサーファクタント投与により
生存率、人工呼吸必要日数の減少効果はなかったが、酸素化能の改善などが認められ投与期間延長により予後改善が期待できるかもしれない・・・・ということで、この辺の研究に期待したいですね。

by internalmedicine | 2004-08-27 11:33 | 呼吸器系  

間欠的短期間低酸素呼吸により心疾患の有無に無関係に老人男性で好気的運動能力・運動耐容能増加


短期間低酸素状態で呼吸させたときに、心疾患の有無にかかわらず老人男性でも好気的運動能力・運動耐容能を増加させる、というヨーロッパの研究者たちの報告。


冠動脈疾患の有無に関係なく間欠的低酸素吸入で運動耐容能を上げる
Intermittent hypoxia increases exercise tolerance in elderly men with and without coronary artery disease.間欠的対酸素は、ストレス抵抗性を促進し、酸素運搬脳を改善することを示唆。運動耐容能改善にて老人では死亡率を減じることができるので、間欠的低酸素負荷は予防的な、治療的な方法として有用なのかもしれない。しかし、対照試験が無い。

【方法】16名の男性(50-70歳、事前の心筋梗塞有る群8例、無い群8例)をランダムに2重盲験で割り当て、受動的低酸素負荷の15のセッション(低酸素群)と正常酸素群(対照群)に分け3週間行った。
低酸素群では、各セッションは3-5つの低酸素(14-10%酸素)時間3分間からなる。対照の同様に正常酸素の空気のみを吸入。運動試験は3週間の休プログラム前後で施行。
【結果】
間欠的低酸素3週間後、ピークの酸素消費量は正常酸素下にからべて増加した(+ 6.2% vs.-3%, p < 0.001)。
この改善は、低酸素後の酸素含量増加と強く相関(r = 0.9, p < 0.001)。
ヘモグロビン濃度増加することと動脈酸素不飽和度がすくなくなることにより動脈酸素含量の増加に寄与しているものと思われる。
sub-maximalな運動下(1W/kgのサイクリング)で、心拍、収縮期血圧・血液乳酸濃度や息切れの自覚率は対照群に比較して低下(p<0.05)
間欠的低酸素後の運動の反応の変化は心筋梗塞の既往の如何に関わらず同様。
【結論】3週間の受動的短期間間欠的低酸素暴露は好気的運動能力や運動耐容能を老人男性で、冠動脈疾患の有無にかかわらず、改善する。
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女性マラソン・アテネ・オリンピック金メダリスト 野口オリンピックの練習と同じか・・・

※某関西の一流電器メーカーが、極低濃度の酸素投与器具を販売し、ばんばんCMを流してます<参照>が、前記論文とまったく逆のことを主張しているのですが・・・
酸素吸入下トレーニングvs空気吸入下トレーニングの二重盲験研究がなされておれば酸素吸入下のトレーニング効果が、運動耐容能などを増加させるといえるのでしょうが・・・疑問にもっておりますし、第一、市販の酸素療法器具の酸素濃度の増加程度が理論的に考えてかなり少ないこともあり、意味無しと考えております。
拙文参照

も ひとつ、呼吸器内科をsubspecialityとしているわたしには結構ショッキングな文献。
これが慢性呼吸不全患者にも適応されるのかどうかが知りたいところです。
在宅酸素療法のエビデンスとなった持続的酸素投与群(COT)と夜間酸素投与群(NOT)の死亡率の差<参考>で、慢性呼吸不全患者は運動療法の時も酸素療法をさせているわけですが、短期間で身体の受容性があるなら酸素をはずしても良いのかもしれません。

by internalmedicine | 2004-08-26 15:30 | 内科全般  

糖尿病や空腹時血糖異常は認知機能衰退につながる

どちらが原因なのか、血糖コントロールが悪いから認知機能減少するのか、認知機能の異常があるから血糖コントロールが悪くなるのか?

他の研究のサブ解析という制限があるのでしょうが、糖尿病や空腹時血糖異常は認知機能衰退につながるようです。

原因は、脳の微小血管の障害による小梗塞と直接のニューロンへの悪影響が考察されているようです
日本の文献でも同様に糖尿病では認知機能低下があり、特にインスリン投与で著明とのことです。同一原因ならやはり微小血管障害説が有力か(←勝手な想像)


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糖尿病、IFG(空腹時血糖異常)と高齢女性の認知機能障害
Diabetes, impaired fasting glucose, and development of cognitive impairment in older women
NEUROLOGY 2004;63:658-663

【方法】
7027名の閉経後骨粗しょう症女性(平均年齢66.3歳)・4年のRCT raloxifeneのデータ
・糖尿病:空腹時血糖126mg/dL、経口血糖降下剤使用
・IFG:空腹時血糖<126mg/dLで、>110mg/dL
・NG:それ以外

主なアウトカム:5つの認知機能試験、臨床的に優位な障害(痴呆、軽度認知機能障害、低認知スコア)
【結果】
・女性の3.8%が糖尿病で4.2%がIFG
・IFGは、NGに比べベースラインの認知スコアが悪いが、糖尿病よりは良好なスコア
(age-adjusted composite z score based on five tests: NG 0.40, 95% CI 0.30 to 0.49; IFG 0.14, 95% CI –0.36~0.64; diabetics –0.78, 95% CI –1.23~–0.33; p < 0.001)
・糖尿病で4年減衰がより大きかった
(age and treatment-adjusted composite z score: NG –0.05, 95% CI –0.16 to 0.05; IFG 0.11, 95% CI –0.53 to 0.75; diabetics –1.00, 95% CI –1.50 to –0.50; p = 0.001)
・教育、人種、うつによる補正でも同様な結果。
・IFGや糖尿病の女性の認知障害の悪化リスクはほぼ2倍
(age and treatment-adjusted OR = 1.64; 95% CI 1.03 ~ 2.61 for IFG; OR = 1.79; 95% CI 1.14 to 2.81 for diabetics).
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by internalmedicine | 2004-08-25 15:27 | 内科全般  

砂糖甘味飲料が成人の体重増加・2型糖尿病に関与

ペットボトル症候群というのはだれが名付けたのかしりませんが、"pet bottle syndrome"や"plastic bottle syndrome"とGoogle検索しても日本人の関係したものしか検索できません。“症候群”と名付けたがるのが日本の医者の特徴かもしれません。

こういうのを“症候群症候群”と名付けたいと思います(笑)



砂糖甘味飲料は食事性の糖を付加するもとであり、その摂取は小児の肥満と関連することは確立していて、日本では前記ごとく“ペットボトル症候群”という造語が生まれているようです。


ところが、驚くべきことに、“砂糖甘味飲料が体重増加・2型糖尿病に関与するかは成人では不明"であったそうで、今回、8年フォローアップで、砂糖甘味飲料が体重増加や2型糖尿病と関連することを発表されてます。



若年・中年女性の砂糖甘味飲料、体重増加、2型糖尿病の頻度
Sugar-Sweetened Beverages, Weight Gain, and Incidence of Type 2 Diabetes in Young and Middle-Aged Women
JAMA. 2004;292:927-934. 安定した糖甘味飲料の消費パターンでは体重増加そのものは違いはないが、
糖甘味飲料1日1ドリンク以下と1日1ドリンク以上とを比較すると、多変量解析による検討では4.69kg(1991年→1995年)、4.20kg(1995年→1999年)と増加
ライフスタイルや食品消費補正後、摂取量が最も少ない群ではもっとも体重増加が少なく1.34kg(1991年→1995年)、0.15kg(1995年→1999年であった。

フルーツパンチの摂取も、最小摂取量群にくらべ体重増加あり、相関がある

関連する要因補正後、1日1回以上の糖甘味飲料で、月1回以下に比べ2型糖尿病の相対リスク1.83 (95% CI 1.42-2.36; P<.001)
同様に、フルーツパンチ摂取で相対リスク2.0(95% CI, 1.33-3.03; P = .001)
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暑い夏で、飲料水売り上げもかなり多いと聞いてますが、取りすぎにも注意が必要でしょう。もちろん、熱中症には注意が必要でしょうけど、エアコンの効いた部屋にずーと居るくせに、甘い飲み物を飲み続けるのはさけるべきでしょうね

by internalmedicine | 2004-08-25 10:55 | 内科全般  

冠動脈バイパス手術だけ米国でも例外的・・・結局中小規模で手術をやっている現実

procedure volumeというのはやはりその手術が多ければノウハウの蓄積がものをいい、良好な手術成績となるものですが、日本では、根拠も乏しく、厚労省が最小手術必要数を決め、なんの施策誘導なのか、一方的に手術にかかわる診療報酬を減額し、齟齬を生じ、後退しているようです。

しかも、米国でも大部分の手術で最小手術必要例数を見てしていないということが判明したようです。

マスメディア露出のたかい分野であるCABG(心臓の冠動脈バイパス手術)だけが例外のようで、これで米国医療のすべてをかたるというのが如何に愚かしいことだと思われます。

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外科手術後の死亡率が病院の質の指標として使われているが、質の違いを同定する手術例数の十分な量がすべての病院であるかは不明である。
質のindicatorとして提唱されている7つの手術手技の劣ったperfoming hospitalを同定するための最小数を決める目的でDimickらは、国家的な退院データベースからデータをreviewした。
冠動脈バイパス手術を除き、病院の質を適切科するには、手術数とそのイベント率は少なすぎるということを見出した。


Surgical Mortality as an Indicator of Hospital Quality
JAMA. 2004;292:847-851.
股関節置換0.3%から開頭術10.7%までの7つの手技の国際的な平均死亡率を検討

死亡率倍加を予防する必要な最小の病院のcaseloadは開頭術64例、食道切除77例、膵臓切除86例、小児心臓手術138例、腹部大動脈195例、CABG手術219例、股関節置換2668例
わずか一つの手術だけが最小caseloadを大部分の病院で越えていて、CABG手術219以上のcaseloadを90%がクリアしている。残りの手術では、わずかの病院しか最小caseloadをクリアせず:開頭術(33%)、小児心臓手術(25%)、腹部大動脈(8%)、膵臓切除(2%)、食道切除(1%)、股関節置換(<1%)

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by internalmedicine | 2004-08-18 15:59 | くそ役人  

肺炎球菌と黄色ブドウ球菌の競合的コロナイゼーションの関係・・・・ワクチンで問題に

この話題はどっかで訳したような気がするんですが・・・

肺炎球菌と黄色ブドウ球菌は小児気道感染で通常の病原菌である。相互競合的な関係にキャリアとして存在する両細菌があり、もし肺炎球菌ワクチンが広まれば小児の上気道細菌叢に多大なる影響をあたえることとなる。米国では小児肺炎球菌ワクチン戦略上問題になっているようである。小児におけるセフェム乱用の影響が少ない成人ではこのような関係は見出せない?

Association Between Carriage of Streptococcus pneumoniae and Staphylococcus aureus in Children
JAMA. 2004;292:657.
790名のスクリーニングしたなかで、43%が肺炎球菌、10%が黄色ブドウ球菌キャリア。
肺炎球菌キャリアの中で黄色ブドウ球菌キャリアは6.5%で、肺炎球菌非キャリア中の黄色ブドウ球菌キャリアは12.9%。
黄色ブドウ球菌キャリア中の肺炎球菌キャリアは27.5%で、黄色ブドウ球菌非キャリア中の肺炎球菌キャリアは44.8%。
両病原菌の共生はわずか2.8%で、予測値4.3%より少ない(P=.03)
肺炎球菌キャリアのリスク要因である、託児所・若年例の兄弟の存在・は黄色ブドウ球菌キャリアと負の相関。
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小児におけるセフェム乱用が少ない成人ではこのような関係は見出せないが、コミュニティーでの影響は否定できない。まご→じいさん・ばあさんという関係もあるわけで・・・日本ではワクチン行政はサヨクにより引っかき回されてるわけで、それどこではないとおもいますが・・
黄色ブドウ球菌ワクチンはまだコマーシャル化しないのかな?

by internalmedicine | 2004-08-11 12:05 | 感染症  

vCJDの医原性感染

イギリスではvCJDが市中に多く存在する可能性があり、ヒト→ヒト感染が問題になってるわけです。

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プリオンはその除去するには他にないほど抵抗性であり、医療機器により医原性に伝播する可能性がある。

Guillaume Fichetらは、革新的な物理的・化学的手法によりプリオンの非活性化の有効性を検討した。3つの浄化方法がfragileな手術器具が標準的な化学的方法より有効であることを見出した。


In a Research Letter,Alexander H PedenらはvCJDの臨床前nのケースを剖検で見出し、進行したドナーからの輸血後の患者であった。


In a second Research Letter, Luisa Gregoriら
白血球除去によるドナー血液からの感染性のスポンジ脳症の感染性除去の有効性を考察し、単独では不十分であることが示唆された。



Kumanan Wilson and Maura N Ricketts はv輸血によるvCJDの伝播の可能性について議論して、その伝播を防ぐためには決定的な証拠不足のためアクションを排除してはならないとした。
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by internalmedicine | 2004-08-09 12:12 | 感染症  

変形性関節症への外用消炎鎮痛剤の長期投与を否定するメタアナリシス結果

Efficacy of topical non-steroidal anti-inflammatory drugs in the treatment of osteoarthritis: meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2004;329:324 (7 August)
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NSAIDs局所投与はプラセボよりすくぐれていたのは2週間のみ。そのeffect sizeは1,2週で0.41 (95%CI 0.16 - 0.66) と 0.40 (0.15 - 0.65)。
3、4週ではプラセボ以上のbenefitはみとめられなかった。
同様の傾向が、機能、stiffness、臨床的反応率、NNTでもみられた。
第1週のNSAIDs局所投与は経口NSAIDsより劣り、皮疹、痒み、熱感のような局所副作用が多かった(反応率 5.29, 1.14 - 24.51).
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結論として、短期間(4週未満)のランダム化対照試験でNSAIDsの効果を評価しつつある。2週後プラセボより優れたというエビデンスがない。OAに対する局所NSAIDsの長期投与を指示するデータがない。


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久*製薬や整形外科真っ青とばかりいってられず、変形性関節症患者では今後の薬物療法・理学療法に関していかにすべきなのか・・・・

by internalmedicine | 2004-08-06 12:22 | 運動系  

カリウム保持性利尿剤+ACE阻害剤にてかえって再入院率・死亡率悪くなる・・・? カリウムを測れ!


RALES試験日本語訳しているところ)にてACE阻害剤にスピロノラクトン使用併用で死亡率・再入院率を減少させるという発表がありました。
そのため、一般住民レベルでも同じこと、すなわち、死亡率・再入院率減少が図られるかと思いきや・・・・

スピロノラクトンや他のカリウム保持性利尿剤とACE阻害剤の併用は外来の高カリウム血症のリスクを増加させるわけで、一般大衆レベルでそのインパクトはどの程度かを調べたもの。



“心不全に対する効果より、高K血症による入院や死亡率増加の方がめだつ論文”

Rates of Hyperkalemia after Publication of the Randomized Aldactone Evaluation Study
NEJM Volume 351:543-551 August 5, 2004 Number 6

Randomized Aldactone Evaluation Study (RALES) により重症心不全のアウトカムの改善を有意にもたらすことを示した。ACE阻害剤もまたこの患者への適応があり使用されている。しかし、ともにこれらの薬剤を使用する場合生命危機をもたらす高カリウム血症が生じている。
【方法】1994-2001年住民ベースの経時的分析でスピロノラクトン処方率と救急にて高K血症による入院率をRALES発表前後で施行。130万超の66歳以上のカナダ・オハイオ州での処方判明データと入院記録をリンクしてみた。
【結果】
心不全で入院したACE阻害剤治療患者のなかで、スピロノラクトン処方率は1994年34/1000、2001年後半149/1000(P<0.001)
高K血症による入院率は1994年2.4/1000→2001年11.0/1000(P<0.001)で、死亡率0.3/1000→2.0/1000と増加 (P<0.001)。

イベント予測数と比較するとACE阻害剤治療の心不全老人の間で2001年の間に
560(95%CI 285 - 754) の付加的高K血症関連入院
オンタリオにおけるACE治療されている心不全老人の間で73(95%CI 285 - 754) の付加的入院死亡があった。
RALESの公表は心不全による再入院率・全原因死亡率の有意な減少との関連はない

【結論】
RALESの出版はスピロノラクトン処方率を急激に増加させ、高K血症関連合併症・死亡率を増加させた。厳格な検査モニタリングとより適切なスピロノラクトン使用がこの合併症を減らすだろう。
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EBMの実践ということで、エビデンス重視のため、大きなランダム化試験(RCT)がなされるけど、その影響は益々大きくなっています。一般大衆レベルでの薬剤の正負のインパクトというのはあまり考慮されてないわけで、RCTだけで左右されるのも考え物で、すくなくとも、薬剤起因性の致死的な副作用だけは考慮されなければならないわけです。RCTの場合は治療中の検査まで考慮されているわけですが、一般になされる場合は検査が不十分なことがある・・そういうことではないのかなと思います。

RCTそのままの効果が目の前の患者さんに当てはまるわけではない。そのような努力をしなければ・・・

by internalmedicine | 2004-08-05 14:19 | 動脈硬化/循環器  

バイアグラの肺高血圧症への応用・・・・COPDはまだ報告例少ない

Sildenafil(バイアグラ)の肺塞栓にともなう肺高血圧や原発性肺高血圧症が主体でしょうか?

NEJM Volume 343:1342 November 2, 2000 Number 18 あたりが最初の表明?


・Sildenafilはヒト・マウスとも低酸素血症性肺高血圧症に影響をあたえ、目新しい治療法となる。eNOS-cGMP経路はsildenafilにより反応するが、他の生化学的cGMPソースもあり得る。eNOS活性が傷害されたときにさえ、Sildenafilは低酸素血症性肺高血圧に有効
ソース:Circulation. 2001;104:424.)


Sildenafil Increased Exercise Capacity during Hypoxia at Low Altitudes and at Mount Everest Base Camp
http://www.annals.org/cgi/content/abstract/141/3/169
Annals of Internal Medicine 3 August 2004 | Volume 141 Issue 3| Pages 169-177
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低地で、急性低酸素血症は安静時動脈血酸素飽和度72%(95% CI, 66.5% to 77.5%) 、最大運動耐容能時60.8% (CI, 56.0% to 64.5%)


収縮期肺動脈圧は、安静時30.5 mm Hg (CI, 26.0 to 35.0 mm Hg) → 運動時42.9 mm Hg (CI, 35.6 to 53.5 mm Hg) :プラセボ投与中

Sildenafil50mgで運動時動脈血酸素飽和度増加し (P = 0.005) 、安静時・運動時の収縮期肺動脈圧減少(P = 0.031)

注目すべきは、Sildenafilは最大運動負荷の増加:最大負荷(172.5 W [CI, 147.5 → 200.0 W]) vs. 130.6 W [CI, 108.8 → 150.0 W]); P < 0.001)と最大心拍出量増加 (P < 0.001)をプラセボとの比較で認める。

高地条件ではsildenafilは、安静時・運動時とも動脈中酸素飽和度とプラセボと差異無し。
しかし、sildenafilは安静時(P = 0.003)・運動時(P = 0.021) とも、肺動脈収縮期血圧減少し、最大運動負荷増加、心拍出量増加 (P = 0.015)。

高地条件では、2名に頭痛の悪化。

通常の運動耐容能でのsildenafilの効果は調べてない。

【結論】
Sildenafilは安静時・運動時ともにガス交換・全身血圧維持しながら、低酸素性肺高血圧症を減少させる。
水面下でも高地でも、sildenafilは極度の低酸素血症時の運動耐容能増加を示した最初の薬剤であると著者はのべている。
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COPD患者でバイアグラ使用で息切れが改善したという報告があります・・・(Chest. 2001;120:305-306.)

by internalmedicine | 2004-08-04 15:10 | 呼吸器系