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情報を操作するインフルエンザ報道:読売新聞

たしかに、USではめだたないが、日本では重症のインフルエンザ脳症があるという可能性は否定できません
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5235a2.htm

解熱剤使用を控える傾向にある移行のこのインフルエンザ脳症の疫学がいかなる状況になっているのか検討されている昨今、劇的な経過を有するインフルエンザ脳症を疑う調査がなされました。これ自体の報道価値は重要なものだと思います。

しかしながら、2つの記事を比較すると・・・

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脳症で子ども6人突然死 インフルエンザ

 インフルエンザに感染した子どもの一部に起きるインフルエンザ脳症の中に、意識障害などの神経症状が出る前に子どもが突然死したケースが2002-03年の冬に大阪府で6例あったことが厚生労働省研究班の調査で24日、分かった。
 研究班メンバーの塩見正司大阪市立総合医療センター小児救急科部長によると、大阪府内で1-8歳の子ども6人がインフルエンザ発症後すぐに、寝ている間に突然死した。
 子どもには事前に脳症をうかがわせるような異常はなく、うち3人を解剖すると脳が腫れていた。90年代半ばごろにも同様の死亡例が府内であったという。
 6人のうち4人は抗ウイルス薬のリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)を飲んでい たが、塩見部長は「タミフルの発売前にも症例があり、タミフルが原因ではないだろう」と話している。
(共同通信) - 2月24日13時0分更新
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インフルエンザ脳症に新タイプ、大阪で子供6人死亡

 インフルエンザに感染した後、中枢神経が急速に侵される「インフルエンザ脳症」で、睡眠中などに子供が突然死する新しいタイプが出現、2年前の流行期に大阪府内だけで6人が死亡していたことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 厚労省研究班(班長=森島恒雄・岡山大教授)に同様の急死例が数例報告されたが、詳しい調査は行われていない。ただ、大阪で死亡した6人のうち4人は、抗ウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)を服用、その3―7時間後に死亡していた。

 タミフルは01年2月から発売されたが、製造元のロシュ社(本社・スイス)は、動物実験で大量投与を受けた幼若ラットが死亡、脳から高濃度の薬剤成分が検出されたため、昨年1月、1歳未満には投薬しないよう警告していた。
(読売新聞) - 2月24日3時16分更新
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報道によって、タミフルとの関連性の印象が違います。
読売新聞は、タミフルとの因果関係を示唆する印象をうえつけようとしております。

タミフルとこの脳症の因果関係に関する情報はデータ不足・情報不足なのです。
しかしながら、薬剤憎しの報道です。

HONCODEなどのWeb情報の信頼性のガイドラインでは
http://www.hon.ch/HONcode/Japanese/
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医学的な/健康に関するアドバイスは、医学/健康に関する教育を受け、視覚を持つものが掲示していること。ただし、専門的な教育をうけてないものによるアドバイスであることを明確に示している場合を除く。
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と、かかれてます。


より影響力が高いと、自分たちも思っているであろうメディアの方々はよりWeb情報より さらに自重した書き方が要求されるわけです。

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記者は、素人である自らの考えは記事内容に含めてはならない。
発想の確認は専門家に問うべきである。(最近、専門家以外の風変わりなヒトにわざと専門家面させて、自分の都合の良いように、返事を引き出し、あるいは、一部の都合のいいところだけ記載する方法が目立つようですが・・・)。
新聞記事が問題なのは、その方面の医学教育をシステミックに受けてない記者が、専門医の意見を飛び越して、独断でかかれていることがあることです。一部医療資格を持った人間を採用しているようですが、彼ら・彼女らが果たして、科学的なセンスを身につけているかはだれもしらないわけです。その方面の専門家でないにもかかわらず、判断をくだすわけですから、記事をかく場合には慎重さが要求される。
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共同通信の“塩見部長は「タミフルの発売前にも症例があり、タミフルが原因ではないだろう」と話している。”のような慎重な専門家のコメントを記載してない恣意的な記事です。

メディア上での、ライセンスをもっていないものが主張してはいけないということはないのですが、権威を持ちたいのであれば、BBCやCNNなどのように、専門医のコメントをまとめる形で報道すべきと思います。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/default.stm

健康に関する情報に関して、専門家の意見を聞かず、メディア自身の解釈を報道していいのだろうか?読売新聞の姿勢は、専門家へのリスペクト【respect】 の喪失が主体の日本の世情の鏡なのでしょう。


元朝日新聞記者のお医者さん・・・
“戦争報道にたとえれば、戦場を取材せず、参謀本部だか戦略研究所だかの取材だけで作られた報道だなあ、という違和感を。”




TIPにこの問題が掲載されるという情報をえています・・
http://npojip.org/jip_menu/npojip.htmおそらくは・・・そこからヒントを得たか、あるいは、戦略的な報道なのではないかと・・・。

かれらがこういう情報を流す利点は・・・
1)フジテレビのC型肝炎報道のアワードの再現:個別的もしくは団体の報償目的
2)センセーショナリズム:購読者数増をならう
3)TIPなどの思考偏重型団体との連携強化:センセーションの宝庫
などと想定されます。

読売の勘違いぶりは おそらく 医療ルネッサンス あたりからだと思われるが・・この特集自体はBBCのような専門家情報収集型となっている。 記者がそのうち自らの能力を過信したたため、今回のような私的な意見が入り込んだ可能性もあります。



情報ソースの確認がメディアリテラシー上重要ですが、背後の団体に思いを巡らし、ステレオタイプの意見に関しては、眉につばをいっぱい塗ってみることが重要です。


読売新聞医療欄が信用できないという事例
ゲーム脳
http://www.pankura.org/archives/001431.php
   米国学会などでガイドラインが模索されているメディア・バイオレンスは報道せず
   ゲーム脳でごまかすことに、森氏と利害が一致したのだろうか?
   暴力シーンなどの垂れ流しのテレビ番組や近年のタイアップした暴力肯定映画
   で、スケープゴートが必要だったのだろうか?

by internalmedicine | 2005-02-28 16:05 | メディア問題  

ロケット打ち上げ

医療と関係ないのですが・・・


携帯のカメラでロケット打ち上げ(H2A ロケット7号機)を写真撮りました。
まあ、携帯なので・・・ご勘弁を

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飛び出したとき


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ちょいと飛んだとき


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分離?

by internalmedicine | 2005-02-26 22:52 | その他  

小児のインフルエンザワクチンは公衆衛生施策として必要か?

ワクチンを含め、インフルエンザ治療に関して、何をもって有効と評価するかが問題になります。

抗癌剤などは死亡率だけで評価する場合がありますが、一般的にはその治療・予防法をやって良かったかどうかはたとえば以下の分析が行われます。
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費用・効果分析(Cost-Effectiveness Analysis)
費用・効用分析(Cost-Utility Analysis)
費用・便益分析(Cost-Benefit Analysis)
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インフルエンザは死ななければ問題なしという乱暴な意見だと以上の検討は不要となります。
それに近い発言をするのを聞くと逆上してしまいます。


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Assessment of the efficacy and effectiveness of influenza vaccines in healthy children: systematic review
Lancet 2005; 365: 773-80
16歳までの子供の生インフルエンザワクチン・不活化インフルエンザワクチンのefficacyとeffectivenessを評価することを目的

14のRCT研究、8つのコホート研究、1つの症例対照研究、一つの皮内使用のRCT

生ワクチンは、2歳未満の子供で、プラセボ・未接種と比較で79%のefficacyと38%のeffecitive

不活化ワクチンではefficacy65%と生ワクチンより有効性低い

2歳以下ではプラセボと同程度。

不活化ワクチンのeffectivenessは2歳超で約28%

ワクチンは長期学校欠席減少に有効(相対リスク:0·14 [95% CI 0·07-0·27])

2次ケース、下気道疾患、急性中耳炎、入院期間へのワクチンの影響を評価する研究ではプラセボと標準ケアに相違がないが、統計学的パワーがかけている。

【解釈】
インフルエンザワクチンは2歳超で有効(特に生ワクチン2回)
efficacyとeffectivenessは劇的に違う。
2つの小さい研究で入院への影響のみ評価され、死亡率、重症合併症、インフルエンザのcommunity transmissionへの検討はなされてない。
もし子供のインフルエンザワクチンが公衆衛生施策として推奨されるなら、大規模研究が差し迫って必要。
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日本では不活化ワクチンだから、これより有効性はさらに低いはず・・・


日本の義務接種はもっとも有効性が低いかもしれない世代から始まってしまったんですねぇ。そして、不活化ワクチン・・・


それでも、このような効果を・・・
The Japanese Experience with Vaccinating Schoolchildren against Influenza
NEJM Volume 344:889-896 March 22, 2001 Number 12
死亡率への影響は日本で大きい。

by internalmedicine | 2005-02-25 18:22 | 呼吸器系  

軽症・中等症肺炎は定型的・非定型的と分類する意味なし・・・? 第1選択薬はβ‐ラクタム系・・・?


非定型肺炎と細菌性肺炎を分けるべきというのが日本のガイドラインの骨子となってます。ところが世の中には“肺炎球菌をはじめとした細菌による定型肺炎(typical pneumonia syndrome)との区別は必ずしも明らかではなく,症状,検査所見からの鑑別も必ずしも容易ではないとする文献が多い”とガイドラインにも書かれてます。
http://www.jrs.or.jp/quicklink/glsm/guideline/seijinsichu/


定型・非定型とわけることに意義をみとめない
http://www.postgradmed.com/issues/1999/04_99/sarosi.htm


この根本は、β‐ラクタム第1選択で、軽中等症肺炎はいいじゃないかという事につながります。
 ↓
結果的に、それをサポートする論文。
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Effectiveness of {beta} lactam antibiotics compared with antibiotics active against atypical pathogens in non-severe community acquired pneumonia: meta-analysi
BMJ 2005;330:456 (26 February), doi:10.1136/bmj.38334.591586.82 (published 31 January 2005)


非重症のCAP(市中肺炎)の成人に対する第1選択はβ‐ラクタムであるべきである。
18のRCT6749名を含むシステミック・レビュー。
Millsらはβ‐ラクタムと他の非定型的な治療と治療失敗に優位な差が認められなかった。(0.97 95%CI 0.87-1.07)。
サブグループ解析では否定形的原因に対してβ‐ラクタム抗生剤に対するadvantageは市中肺炎全体の治療失敗のリスクとしては認められなかった。
非典型的な抗生剤はレジオネラ属に対してのみ有効であったが、含まれるトライアルのなかでは原因としてまれ。
全原因のCAPの治療失敗の相対的リスクは、抗生剤のアクティブな非典型的な原因に対する治療のadvantageをβ‐ラクタム抗生剤比較で行っても見いだせない(0.97, 95% confidence interval 0.87 to 1.07)。
非定型的病院に対する抗生剤においては、レジオネラ属の治療失敗の有意な低下が見られた (0.40, 0.19 to 0.85)。マイコプラズマ(0.60, 0.31 to 1.17)・クラミジア肺炎(2.32, 0.67 to 8.03)ではequivalentであった。
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でも、経験から、オウム病などのケースをみてると“?”という気がします。
初期から悪化するので特に問題はないのか?重症スコアの評価が必要なのでしょうか?
レジオネラなどは比較的軽症から始まるケースがあり、初期治療が重要ということの裏返しか?“循環水を利用した風呂、エアロゾルを 発生させる人工環境(噴水等の水景施設、ビル屋上に立つ冷却塔、ジャグジー、加湿器等)との接触の聞き取り”が重要か?

by internalmedicine | 2005-02-25 15:46 | 呼吸器系  

花粉症に対する筋肉注射に関する考察:"difficult asthma"に対するステロイド筋注の論文から・・・


花粉症の時に問題となるのは、花粉症に対するステロイド注射の事です。

なぜ、注射をする医者が少ないか・・・それは問題点を知っている医者が大多数だからです。
慎重な使用を心がけるべきだと思います。花粉症単独ではは生命に関わることはきわめてまれです。副作用が全くない薬剤なら問題ないと思いますが、ゆゆしき副作用のある薬剤だから問題なのです。

さて、“difficult asthma”すなわち、通常の治療で困難な事例に、ステロイド懸濁の筋肉注射(triamcinolone acetonide:TA)が、有効かを問うた論文
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difficult asthmaの小児に対してtriamcinolone acetonide筋肉注射施行
後顧的レビュー
Pediatric Pulmonology Published Online: 21 Jan 2005
治療期間・フォローアップ期間の重症マーカーを治療前と比較(paired t-test)
単回投与の5名の子供(5-13歳)と多数回投与の8名の子供(12-15歳)
多数回投与(n=3-5)では、治療期間・フォローアップ期間とも、喘息急性悪化の回数は減少(P<0.01)で入院回数も減少(P<0.01)
単回投与は悪化を減少する(P<0.05)が、入院は減らさず

triamcinolone筋注はdifficult asthmaに有用な短期治療法
その有効性は経口ステロイドとの比較においてコンプライアンスの改善、抗炎症効果の改善故であるか未だ不明
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とても危険な論文だと思われ、副作用、特にHPA(視床下部・下垂体・副腎)軸への影響や白内障などの眼科的分野の副作用記載がありません。ただし、この事例は喘息そのものが生命に関わるから使用が許されているわけです。かなりの重症患者で、コンプライアンスの非常に悪い患者とか特殊事情にて通常治療困難な事例が適応と考えられます。

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TA筋注を3ヶ月から3年使用した5例。HPA軸の機能をメチラポンでテストし、投与期間中と投与後10ヶ月の副腎抑制。レンズ透過性が5例中2名低下。
故にTA筋注患者ではストレス時のコルチコステロイド投与を考慮すべきで、眼科検診3ヶ月から6ヶ月毎おこなうべき
Arch Dermatol. 1975 Dec;111(12):1585-7.

Assessment of adrenocortical function in asthmatic patients on long-term triamcinolone acetonide treatment. Ann Allergy
42,41-43, 1979

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副腎不全などHPA軸低下が生じていると知らない場合特に外傷・手術などのストレス時に生命の危機に陥る可能性があります。

Informedがなされているか・・・きわめて疑問です。たとえば、眼科チェックを定期的に受けなさいとか・・・手術時はTA筋注を受けたことを告げなさいとか知らされているかどうかの問題です。

by internalmedicine | 2005-02-24 23:56 | 呼吸器系  

インフルエンザの診断のEBM的考察

陽性適中率:Positive Predictive value (%) はある検査が陽性の結果が出た場合に本当にその疾患に罹患している確率を意味し、ほんとは、神のみぞ知る値だが、想定して行われる。



当方の、本日のインフルエンザ迅速キットの陽性率は8/20程度で40%程度・・・
一応、38℃以上、あるいは、家族・コミュニティーに感染が疑われる場合など適応を絞っているつもりなのだが・・

それに引き替え全国の先生方はすごい・・・
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迅速キットを使用する場合の判断基準としては、PPVの方がありがたくて・・・
http://www.aafp.org/afp/20030101/111.html
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一つの研究では・・・
咳嗽・発熱(38度以上)のPPVが86.8%、NPV 39.3%、感度77.6%、特異度55%

他の研究では・・・
咳嗽・発熱のPPVがもっとも良好で、79%
さらに高い発熱はより良いPPVを示す。

筋痛と咽頭痛の存在はPPVを改善せず

38度以上の発熱、咳嗽、筋痛の同時存在はインフルエンザシーズンに限れば77-85%とする研究もある。
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でも、今回、メタ・アナリシス・・・これは尤度比(LR)で検討
PPVで検討されておらず、LRで検討
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Does This Patient Have Influenza?
JAMA. 2005;293:987-997.
インフルエンザワクチン接種はインフルエンザのリスクを低下はするが、根絶はできない。信頼性のある、迅速の臨床診断をなすことが適切な患者マネージメントにとっても、抗ウィルス薬の需要増大による不足の間に特に重要となるかもしれない。

目的:インフルエンザの症状・徴候の系統的precisionとaccuracyをなレビューするため
二次的目的は(30分未満で結果判明する)迅速診断テストのoperating characteristicsをレビューすること


インフルエンザの尤度が減少する場合・・・・
熱なし(LR, 0.40; 95% confidence interval [CI], 0.25-0.66)
咳嗽なし(LR, 0.42; 95% CI, 0.31-0.57)
nasal congestion なし(LR, 0.49; 95% CI, 0.42-0.59)
だけが、尤度比0.5未満の所見

60歳以上に限定した研究では、
発熱・咳嗽・急性発症(LR, 5.4; 95% CI, 3.8-7.7)
発熱・咳嗽(LR, 5.0; 95% CI, 3.5-6.9)
発熱だけ(LR, 3.8; 95% CI, 2.8-5.0)
全身不快(malaise)(LR, 2.6; 95% CI, 2.2-3.1)
chill(LR, 2.6; 95% CI, 2.0-3.2)
ある程度のインフルエンザの尤度増加となる


老人の“くしゃみ”の存在はインフルエンザと考えにくい
(LR, 0.47; 95% CI, 0.24-0.92).
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まとめると、
発熱・咳嗽が、インフルエンザ診断上、きわめて重要な所見と言うこととなります。
咽頭痛・筋痛は役立つ所見ではない
老人では、くしゃみあがれば否定的、悪寒・振戦などが有れば考慮すべきとなるでしょうか?

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タミフル(Oseltamivir)コスト解析・・・
http://www.annfammed.org/cgi/content/full/2/1/33/F2
http://www.annfammed.org/cgi/content/full/2/1/33


日本の文献だが、予防投与:7日・
http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/124_4/pdf/207.pdf


utility解析を行っておらず、正しいコスト・利益分析ではないが、三日投与を推奨。
http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/123_10/pdf/887.pd
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日本の現状にジャストフィットするものはないが、30-50%のPPVがあれば、タミフルを私用してもいいのかという判断になりますが・・・


一方検査確定を重視する報告もあり・・・・
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3591名のランダム化の場合、検査上確定されたインフルエンザの68%、インフルエンザAが88%の場合、
・LRTCs(気管支炎、下気道感染、肺炎で定義):10.3% vs 6.7%、特に、気管支炎 8.2% vs 4.4%、55%減少。
・インフルエンザ様疾患(検査上確定できてない場合)は、oseltamivirとプラセボ群のLRTC率の差異なし。
・ハイリスク患者でのLRTCs減少は健常者に比べ成功するとはいえない
・包括的に、医師診断上気道炎に抗生剤投与を行った群に、oseltamivirとプラセボを使用しても有意な差異はない。しかし、oseltamivirは抗生剤使用量を検査上確定したインフルエンザ患者で使用する場合はそれを減少させる。
・Oseltamivirは検査上確定したインフルエンザ患者の入院を59%減少させた。oseltamivir治療による入院NNTは100人。Oseltamivirは検査上確定したインフルエンザのハイリスク患者の入院を50%減少。
・Oseltamivirはインフルエンザ様症状に対しては、入院を減らさない。
AFP(http://www.aafp.org/afp/20010301/clinical.html)
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PPV40%程度ならタミフルつかっちゃえという考えと、やはり検査上確定診断の上タミフル投与は行われるべきという考えにわかれてしまいますね。

厳格にはユーティリティー分析など正確なコスト・ベネフィット研究が行われなければならない・・・と思います

by internalmedicine | 2005-02-23 17:29 | 呼吸器系  

COPD患者・・・戸外アクティビティーとの関係



COPDの患者さんは、在宅酸素療法の有無にかかわらず、労作性呼吸困難だけでなく、予後はアクティビティーの低下進行と関連が深いのです。戸外へ患者さんをさそう医療行政施策がなくて、なんの医療といえるのか?・・・と、以下の論文から考えた次第です


Exacerbations and Time Spent Outdoors in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/171/5/446

COPD患者は、その時間的スケール・急性悪化への寄与度は不明だが、徐々に活動性の減少を伴っている。147名(101名の男性,88.5歳平均年齢、%FEV138.4%)の参加コホートを中央値1044日(4分位 685-1779日)で8年フォロー
毎日の呼吸器症状の増加、戸外で過ごす時間の時間の記録をしてもらった
St. George's Respiratory Questionnaireを毎年検討。
1464回の悪化と-0.16時間/年の戸外時間の減少があった。
頻回な急性悪化事例でこの減少が早い。
悪化前に、屋内に終日いる平均は週2.1日(自宅で34.1%d)、だが、急性悪化後5週間は2.5/週自宅ですごす(p<0.001)
St. George's total activity impact scoreは独立して戸外の時間と相関(p<0.005)だが、症状スコアは相関しない。

【結論】屋外で過ごす時間は時とともに減少し、急性悪化で減少。
頻回の急性悪化を有する患者はhouseboundとなりやすく、リハビリテーションプログラムでこれを目標とする必要性がある。
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介護保険や医療保険の正しい使い方は、保険費用を適正配分し、結果的に、QOL改善し、トータルコストの費用軽減効果が有ればさらによろしいとなるとおもうのですが、日本の介護保険・医療保険行政ではこういう科学的な調査がなされず、単なる思いつき行政、結果、いびつな医薬行政がなされてます。

在宅酸素療法患者の介護保険でのケア時間はわずかで、かつ、施設介護のケア時間で推定されている一次判定ソフトをほったらかし・・・これでは正確な判定ができるはずがない。役人に聞けば、介護保険は、脳血管疾患・認知症・整形外科疾患の保険であると・・・開き直りが多く聞けます。

by internalmedicine | 2005-02-22 10:17 | 呼吸器系  

低体温症における死亡診断

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救急で「死亡」と判断の女性、生きていた…北海道

 北海道北見市で20日、河川敷で倒れていた市内の無職女性(27)が北見消防署の救急隊員により「死亡」と判断され、「変死体」として道警北見署に搬送されたものの、約1時間20分後の検視で心臓が動いていることが判明し、病院に再搬送されたことがわかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050220-00000414-yom-soci
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アメリカ家庭医学会に以下の警告が掲載されてます。
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警告:
低体温症で生存した小児の最小記録は 14.2°C (57.6°F)で、 成人では13.7°C (56.7°F)
この事実は、保温後死亡確認するまで死亡はないという格言になる。
コア体温が30℃(89.6°F)~32℃で、死亡しているように見える場合でも蘇生を中止すべきでない。明らかな致死的な外傷や“蘇生禁止(DNR)”状態、救助作業者が避難で危険にさらされる場合は死亡宣告可能である。
http://www.aafp.org/afp/20041215/2325.html
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・Back from the dead: extracorporeal rewarming of severe accidental hypothermia victims in accident and emergency.
J Accid Emerg Med. 1997 Jul;14(4):255-7.


・Severe hypothermia associated with prolonged cardiorespiratory arrest and full recovery.
J Am Board Fam Pract. 1993 Nov-Dec;6(6):594-6.



マニュアル通りとしたら、マニュアルの不備ですね。



日本救急医療財団監修の指針の低体温症の一部項目
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 救急患者は,蘇生に成功してもそのあとに呼吸・循環障害,中枢神経系障害,凝
同系障害(DIC),肝不全,腎不全,消化管出I血,さらには多臓器不全(MOF)な
どの重篤な合併症を残すことが多い。このような合併症の発生を最小限度にとどめ
るためには,蘇生法開始時からつねにその予防に心がけ,蘇生後も集中治療を行う
必要がある。
 集中治療の内容は,基礎疾患,重症に至った原因,蘇生までの経過,救命手当・
処置・治療に伴う合併症の有無などにより異なるが,一般に呼吸・循環系を中心と
したパイダルサインの持続的モニターのもとに行われる。
 このためには,高度な専門治療のための高価な設備,器械,器具に加えて,各領
域の専門医,訓練された看護婦,放射線技師,検査技師など多数の医療従事者を必
要とする。医療資源の効率的活用という見地からは,各地域の需要に応じて,地域
医療の拠点となるべき医療機関を選択して,そこに救急集中治療部門を併設するの
が得策と考えられる。蘇生後の集中治療での最近の知見では,体温管理としては循
環が安定化して自然経過として中等度の低体温(>33℃)になったときには積極
的な加温は不要であり,これにより蘇生後の脳保護作用が期待できる。しかし心停
止蘇生後には積極的な低体温の導入はすべきでないとされている1`。
・・・・・・
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やはり、注意事項としてかかれてない

by internalmedicine | 2005-02-21 11:46 | 医療一般  

メディアバイオレンスのレビューとガイドライン Lancet

メディア・バイオレンスに関して、以前ふれましたが
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200406100910000000074854000
http://intmed.exblog.jp/1583224/


あいかわらず、小児・ティーンエージャー・若年者の、猟奇的な事件が続き、“ゲーム脳”なんてコメントを出してる方もいますが、かなりあやしい論評だというのが主流だとおもうのですが、

長崎県のアンケート調査が結構興味深くてこれをみると、ゲーム特有の問題でなく、メディアや“人の話”・コミュニケーションの問題が大きいだろうと想像されます。
 ↓
http://www.pref.nagasaki.jp/cgi-local/koho_cgi/kensei_news.cgi?mode=detail_disp&yymmdd=20050124&year=2005&month=01&day=24&dno=09&pno=12&key=

Lancet( The Lancet 2005; 365:702-710 )にメディア・バイオレンスのReviewが記載されてます。
Birminghamの研究者はメディアの暴力への公衆衛生的対策を要求  18/02/2005
Birmingham大学のForensic and Family Psychologyのセンターの研究者たちは、メディア・バイオレンスへの公衆衛生アプローチと、子供やティーンエージャーに対する暴力像の影響を減じるためのガイドラインが公表された。
家庭内でのビデオフィルム、衛星、ケーブルテレビが利用されることがこの年代への不適切なバイオレンス・メディアへ、子供のアクセスが可能ということを意味する。近年、インターネット、インターラクティブ・ビデオ、コンピューターゲームに暴力性が含まれることは両親のコントロールの有効性の限界を意味する。

研究では、メディア暴力の子供の行動への影響は、コンドーム使用がHIVウィルス拡散に役立つのと同程度の強さであり、肺癌における受動喫煙の役割と同程度ということが判明されました。

メディアの暴力が思考や情緒に対する影響が短期間であるが、小児・ティーンエージャー、特に男児に対する攻撃的行動の尤度が増加することが証明された。小児・若年者のメディアバイオレンスの影響に関するいくつかの研究で、結果として恐怖感の増強が示されている。この関連は、2001年のWTCのテロリスト攻撃のような災害を描くニュース番組で特に明らかである。

Kevin Browne教授、Director of the Centre for Forensic and Family Psychologyは、「年齢機制を映画などで家庭内で組み込むことはより困難。私たちは、家庭内での薬物や化学物質で行われるように、両親と世話するものが、暴力的なメディア娯楽にも同様に注意するよう勧めることで、子供たちの視聴習慣への大きな責任を両親たちに問うている。極端な暴力と性的な画像を含む内容に対する注意不足は情的なこどもへの育児過誤の一形態と考えられる」

「メディア中の暴力が政策メーカー、および以前より明示的な猛烈な像を備えた時間以上の公に、より好ましくなったことを示唆する証拠があります、しかし、研究は見解を支援しません‥‥それはメーカーを薄膜で覆う‥‥猛烈な像の縮小により収入を失うでしょう。プロデューサーは、キャパシティーあるいは物語のコンテキストで暴力を見る意志を持ってはならない脆弱な聴衆への暴力の潜在的な影響を認識する必要があります。

「メディアにおけるバイオレンスは政策メーカーにとってより寛容で、暴力シーンが以前より年ごとにより過激になっていることの証拠があるが、研究者は映画制作者が暴力シーンを減少することによって収入減少になるだろうという考えを支持しない」

制作者は、キャパシティーをもたない、あるいは、ストーリーの内容の暴力をみようとする医師をもつ脆弱な聴衆への暴力の潜在的な影響を認識する必要があります。

親は検閲的なアプローチより年齢に適切な暴力素材を子供とともにみる教育的なアプローチの方が望ましく、リアリズム、正当化、結果という観点から彼らがみることをクリティカルに評価することを助けるべきである。
※ Centre for Forensic and Family Psychologyの推奨は以下の通り
親への推奨
1. 親は、それが攻撃的姿勢、反社会的な行動、恐怖および感受性低下を促進するとともに、暴力的なイメージを見ることと関連するリスクを知るべきです。
2. 親は、見る前に彼らの子どもたちに利用可能なメディア中のバイオレンスの特徴、範囲および内容を検討すべきです。
3. 親は、子どものそれらの発達上のレベルに適切な暴力的なイメージについての理解を支援するべきです。

専門家への推奨:
1. 情緒的なabuseやneglectの一形態と思えるので、不適切な極端な暴力的なイメージへのアクセスがsuperviseされてない子供へ、親を支援と助言を提供するようにしてください
2. リアリズム、正当化およびその結果から、クリティカルな映画の評価を若年者の教育に含めてください
3. 確かな機関で、若年者へ不適切なバイオレンスメディアエンターテインメントへのアクセスをコントロールする運動を行うべき。
4. ガイダンスの下で、anger management programで暴力映画素材を使用する


メディア制作者への推奨
1. メディア制作者は暴力的な内容を縮小し、反暴力的なテーマおよび宣伝活動をプロモートするべきです。
2. 暴力場面が存在する場合、それは筋書きの上のもので、後悔、批評、ペナルティーを伴うべきものである。
3. 暴力行為は正当化されるべきではありませんし、その重大性は過小評価されるべきでない。


行政者への推奨
1. 政策メーカーは、すべてのメディア形態において、その暴力の特徴、範囲および内容をモニターし、適切なガイドライン、スタンダードおよび罰則をインプリメントするべきです。
2. メディア意識中の教育は優先事項および学校カリキュラムの一部であるべきです。


UNESCO Global Media Violence Studyでは、23カ国の調査で、学校へ行く子供の93%がテレビ視聴に50%の余暇を費やすという知見を見いだした。
Independent Television Commission's research surveyで、子どもの46%が寝室にテレビを持ち、わずか43%が不適切なこどものテレビ視聴をモニターしたり、予防したりしているにすぎないと述べている。








なお、かかりつけ医通信のバックナンバーが消滅しているため、再掲いたします。

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1)“メディア・バイオレンス”という考え

 同級生を意図的に殺傷した佐世保の女子小学生の事件は、メディアからの影
響があることが報道されております。残虐シーンが社会問題化した映画「バト
ル・ロワイアル」になぞられた表現がこの問題の小学生の書き残した記述にみ
られ、前日のテレビ番組で殺害手段の選択につながった可能性など、メディア
からの影響が示唆されております。

 米国では、メディアによる暴力的表現・映像・音声が原因となる小児に対す
る身体・精神・心理的側面悪影響(メディア・バイオレンス)に関する研究が本
格的になされおり、後述のごとく各学術団体が統一した見解・コメント・警告
がなされております。対して、日本では個別的あるいは集団としても散発的な
警告しかなされておらず、メディア規制に関する表層的討議は医学的学術団体
から無縁な議論であり、その肝心な活動自体停止しているように思えます。

 日本でも昭和30年代“プロレスごっこ”で相手を死なせてしまった事件、
“漫画的ヒーローごっこ”で転落事故などが生じましたが、本格的学術的研究
に基づく見解がまとめられることもなく時代が経過しました。その後、質の高
い画像・音声処理などメディア技術の発展に伴い、仮想的世界と現実的世界を
区別しがたいメディア表現が氾濫する状況となりました。メディア・バイオレ
ンスの影響は、それを阻害する知性を圧倒するようになってしまったわけです。
対抗する武器としては、批判的、客観的にメディアからの情報を処理する能力、
すなわち、メディア・リテラシーの学習なのですが、学校教育ではほとんど形
をみておりません。人生経験が少なく、ものごとを客観的な視野で批評する能
力が確立していない小児に対して、全く無防備な状況で、今日に至ってしまっ
たわけです。

 2001年NHK報告によると、首都圏の1500名の小学5年生の調査では、
22%が暴力シーンで恐れるが夢中になったと答え、55%が正義のための暴
力を許容し、29%が暴力シーンを漫画的効果のため使用することを許容する
という報告があります。

 平均的アメリカの子供は週に28時間ほどテレビを視聴、少なくとも1日
1時間はテレビゲームやインターネットを利用。週に数時間映画やビデオ、
音楽を視聴しています。そして、NHK(2002年調べ)によると、日本の
テレビ視聴時間は週平均1日あたり2~6歳では2時間34分、中学生2時間9分、
高校生2時間10分でした。

 NHK(2000年の報告)によると、1日15分以上テレビ視聴するひとが90
%以上で、暴力的内容が多いとされる漫画や映画番組が多いとされる週末のテ
レビ視聴平均時間は3時間25分、土曜日は4時間13分でその比率が高くな
ってます。
 テレビ、映画、テレビゲームなどが問題視されてましたが、近年になりイン
ターネットを介した動画やインターラクティブなゲームなどそのメディアの種
類が増してきております。特に日本の子供のテレビ視聴時間はほぼアメリカと
同じですが、他の電子メディア装置やメッセージ機能づけの携帯電話を多く使
う傾向があります。

 米国心理学会の報告(1993年)によると、「マスメディアは青少年の暴
力傾向と攻撃的な態度に対して 影響を与えており、重要なファクターである。
暴力番組視聴は他人に対する暴力傾向が増加し(攻撃者効果)、暴力の犠牲者に
なることへの恐怖心をあおり(犠牲者効果)、他人が振う暴力に対して無関心
になり(傍観化)、暴力の危険度を過度に評価してしまう(暴力肯定化)可能
性がある」と報告されております。逆の、メディアの暴力描写・表現がもたら
す唯一のポジティブな影響としての抑圧された感情や体験を言葉や行動として
外部に表出して、心の緊張を解消するというカタルシス効果は一般的に否定さ
れてます。

 メディア・バイオレンスの研究の歴史は、米国では1945年テレビ放送が
開始されすぐに検討がなされ、1972年米国公衆衛生局が“…テレビの暴力、
実際、我々の社会に悪影響を及ぼしている”とコメントするまでの認識があり
ました。そして、2000年6月、米国の同様な科学的学会、特に6つのメジャー
な学術団体、アメリカ心理学協会、米国小児科学会、米国児童精神医学、アメ
リカ医学協会、家庭医アメリカンアカデミー、米国精神医学会合同宣言で、
“メディア暴力と子供の暴力的行為のその原因としての関連がある圧倒的根拠
がある”と結論づけています

 米国公衆衛生局、米国国立精神保健研究所や医学・公衆衛生学などが指導的
に行った合同報告を含む1000以上の研究で、メディア暴力と子供の攻撃的
な行為に関連があることが判明しております。

 合同報告の要旨は以下の通りです。
1)多くの暴力シーンをみた子供は他人と対立したときに有効な方法として暴
力を考えて傾向にある。暴力シーンをみることになれた子供は、暴力行為に許
容性が高い。
2)暴力シーンをみることは、現実社会における暴力に情緒的な感性が低くな
りやすい。暴力行為が行われたときの犠牲者側の立場で考えなくなる。
3)娯楽における暴力がこの世界は暴力的であるのが普通という考えを生み出
す。暴力シーンをみることは暴力の犠牲者になることへの恐れを増し、その結
果自己防衛的行為と他人への疑惑を増す。
4)暴力シーンをみることは現実社会の暴力につながる。若いときに暴力番組
をみることになれている子供はそうでな子供と比較して後年暴力と攻撃的傾向
になる。

そして、最終的に、以下の具体的警告がなされてます。
放送・映画などが青少年へ与える悪影響:
http://www.aap.org/advocacy/childhealthmonth/media.htm
────────────────────────────────────
・メディア・バイオレンスは子供の攻撃的行動を引き起こす。1000以上の
 研究でメディア・バイオレンスと子供の攻撃的行動の関連は明瞭。

・18歳まで平均的アメリカの子供はテレビだけでも約20万もの暴力シーン
 をみていると推定される。

・暴力のレベルはプライムタイム中より土曜朝の漫画の方が高い。プライムタ
 イムは1時間に3-5つの暴力シーンだが、土曜朝は1時間に20-25
 シーンある。

・現実社会とファンタジーとの間を容易に理解できないため、メディア暴力は
 特に若年(8歳まで)にダメージを受けやすい。テレビや映画での暴力イメ
 ージは小さい子供へリアルにうつるようである。この画像をみることにより
 心理的トラウマが生じることがある。

・メディア暴力は子供へ影響を与える
  攻撃的・非社会的行為の増加
  犠牲者になることへの恐れ
  暴力の感受性低下、暴力の犠牲者への感受性低下
  娯楽や現実社会での暴力への欲求

・メディア暴力は暴力によりどうなったか結果を示そうとしない。このことは
 漫画、玩具コマーシャル、ミュージック・ビデオで多い。結果子供たちは暴
 力行為に伴う影響がほとんど無いものと思いこむ。

・親はメディア暴力への影響を減らすため
  1日1-2時間にテレビ視聴を制限
  子供のみる番組をモニターし、暴力番組をみるのを制限
  暴力シーンを伴うミュージックビデオや映画をみることを制限、
  視聴する音楽も同様。
  子供に暴力に代換するものを教える。

・親はメディアリテラシー技術を身にづけさせること
  ファンタジーと現実社会との区別
  現実社会での暴力の結果生じたことを教えること
  子供とテレビをみて、放映された暴力行為・画像について議論する。
  子供に同じことが現実社会で生じたら、なにが生じるか聞くこと。
  だれが死ぬ?だれが刑務所へ行く?だれがかなしむ?暴力で問題が解決するか、
  新たな問題を作るか?
  テレビ、映画、ミュージックビデオをみた後にどう感じたかを親が聞くこと
────────────────────────────────────
以上参考になれば幸いです。

 メディア各機関、行政、それに関わる学術団体がこのメディア・バイオレンス
の問題に真摯に対応することを求めます。
 カードによる年齢別の視聴規制、暴力的シーン・音声にかかる規制強化など 
早急に対策が必要です。要求が受けいられるべき要求だと思いますが、その
結果が具体化するまで時間が必要でしょう

 その間にもメディア・バイオレンスによる犠牲者が増加します。そこで各家
庭に関しては、上記提言を参考にされ、メディア・バイオレンス対策を各家庭
で行い、メディアの情報に対して客観的・中立的に考える姿勢を持つよう心が
けください。

【参考URL】
1)http://www.nhk.or.jp/bunken/media-diary-region/ur-r-2001-jpn.html
2)http://www.nhk.or.jp/bunken/nl/n052-yo.html
3)http://www.pta.org/aboutpta/pressroom/pr030321.asp
4) http://niigata.cool.ne.jp/greenchem/s2002/15031.html
5)http://phsc.jp/dat/rsm/2003.matsukawa.pdf
6)http://www.aap.org/advocacy/releases/jstmtevc.htm

by internalmedicine | 2005-02-20 22:24 | メディア問題  

吸入ステロイドのGHRH刺激GH反応への影響

やはりICS(吸入ステロイド)は最小量へというのは以前と変わらない方針だとおもいますが

ただ、内分泌系の試験と生体内への真の影響がパラレルなのか・・・?
もうちょっと研究が必要なのでは・・・?

と、下の論文をみてそう思いました・・

Growth Hormone Response to Growth Hormone-Releasing Hormone Is Reduced in Adult Asthmatic Patients Receiving Long-term Inhaled Corticosteroid Treatment*
(Chest. 2005;127:515-521.)
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/127/2/515
27名の成人(軽症-中等症持続喘息、1年以上長期ICS、20名はICS naive、7名は対照)
ヒトGHRH(1μg/kg)注射後0,15,30,45,60,90分でGH測定
IGF-1と血中尿サンプルを採取

GHRHのGHレスポンスは有意にICS患者で減少
IGF-1値は同等。血中osteocalcin(骨形成マーカー)は有意に減少

結論:GHRH反応GHは有意にICS長期治療成人喘息で減少し、骨代謝にネガティブな影響を与える。
─────────────────────────────────

ほんとに、こんな結論でいいのか?
よくわかりません・・・

─────────────────────────────────
GH分泌能評価のために成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)を外因性に投与することの意義は確立していない。正常者にGHRHの1μg/kgを15~30秒かけて静注するとGHはばらつきはあるものの最大反応を示し,典型的な反応ではGHRH注入後60分でピークに達する。GHRH負荷に対するこの下垂体の反応性のばらつきは,視床下部からのソマトスタチンの間欠的な分泌が,下垂体からのGH分泌を調節しているという仮説を支持するものである。おそらくGHRH刺激に対するGH分泌亢進反応の欠如や低下によって, GH欠乏の診断は可能であるが,反応パターンで原発性視床下部疾患と下垂体疾患とを鑑別できるかどうかは不明である。GHRH欠乏によると思われる二次性 GH欠損症の小児では,GHRH刺激に対する多彩なGH反応がみられたとの報告がある。
─────────────────────────────────
http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?c=%C0%AE%C4%B9%A5%DB%A5%EB%A5%E2%A5%F3%CA%FC%BD%D0%A5%DB%A5%EB%A5%E2%A5%F3&url=02/s007.html#x06

とかかれてるので・・


【参考】
Growth hormone-releasing hormone: synthesis and signaling.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=7740167&dopt=Citation


Growth hormone-releasing hormone and growth hormone-releasing peptide as therapeutic agents to enhance growth hormone secretion in disease and aging.
Recent Prog Horm Res. 1997;52:215-44; discussion 244-6.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=9238854&dopt=Citation

Ghrelin is a growth-hormone-releasing acylated peptide from stomach
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nature/journal/v402/n6762/abs/402656a0_fs.html&dynoptions=doi1108772333

by internalmedicine | 2005-02-19 09:30 | 呼吸器系