<   2005年 06月 ( 32 )   > この月の画像一覧

 

抗生剤が変形性関節症に有効?


動物実験や人の組織実験で、軟骨の破壊を抑制するという減少がみられ変形性関
節症の治療に有用ではないかと期待があった。


米国の6つの臨床研究センターでなされた初めての長期トライアルの報告があっ
た。




Effects of doxycycline on progression of osteoarthritis: Results of a
randomized, placebo-controlled, double-blind trial
Arthritis & Rheumatism Volume 52, Issue 7 , Pages 2015 - 2025
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/110549612/ABSTRACT
─────────────────────────────────
肥満女性(n=431)45-64才で、片側のレントゲン上膝OAがある例を30ヶ月100mg
doxycyclineとプラセボを1日2回割り当て
n

脛骨大腿骨関節腔狭小化(joint space narrowing (JSN))を測定。16ヶ月、30
ヶ月。関節痛重症度は6ヶ月後と記録

完遂71%、30ヶ月時レントゲン85%を獲得。レジメンへのadherenceはper
protocolで91.8%。

関節腔幅の平均±SD減少は
doxycylcine群ではプラセボ
16ヶ月後:0.15 ± 0.42 mm 対 0.24 ± 0.54 mm:doxycline群では40%少ない
30ヶ月後:0.30 ± 0.60mm 対 0.45 ± 0.70 mm

Doxycyclineは平均関節痛重症度を減少させず、ベースラインで両群ともその疼
痛スコアが低いためで、floor effectだったのではないか。

しかし、指標関節の疼痛が20%増加したときのフォローアップ受診頻度は、以前
と比べてdexyclycline群では減少。一方、doxyclineは対側関節のJSNや疼痛に影
響を及ぼさなかった。
─────────────────────────────────

by internalmedicine | 2005-06-30 16:04 | 医療一般  

自然気胸の再発ファクター

発症要因はCOPD69.7%、結核、再発は背の高いもの、低体重ほど、二次性自然気胸で多い。化学的胸膜癒着術を施行した患者では再発リスクが減少。胸腔内のテトラサイクリンとゲンタマイシンと有意差はないので、ゲンタマイシンが化学的癒着術で推奨される。

Factors related to recurrence of spontaneous pneumothorax - Respirology Vol 10. Issure 3 pp 378-384
─────────────────────────────────
Gentamicinに関して・・・初耳

by internalmedicine | 2005-06-30 12:20 | 呼吸器系  

ケーススタディー:肺癌低リスク対象者のCT希望をどうするか・・・・・


60才女性20年前禁煙。以前は10年間1箱。他に病歴無し。健康状態は良好で運動も定期的に行っている。彼女の夫は少なくとも30年1日1箱のたばこを吸い、10年前に禁煙。彼女は彼女と夫が肺癌CT検診を受けるべきかと尋ねてきた。あなたはどうするか?
New Engl J Med Volume 352:2714-2720 June 30, 2005 Number 26 James L. Mulshine, M.D., and Daniel C. Sullivan, M.D.


<専門学会のガイドライン>
・ アメリカ肺癌学会は無症候性リスク患者に対するCT検診を引き続き推奨しない。  自身が検診を希望している重度喫煙歴を有する多くの患者がいるということが認識されていて、アメリカ癌学会は医師と検診に関して話し合い、診断・フォローのための集学的研究グループと結びつく多くの専門家のいる経験のあるセンターで行うことが望ましいとしている。

・U.S. Preventive Services Task Forceも2003年1月のレビュー(www.ahrq.gov/clinic/uspstf/uspslung.htm)で検診に対する早期推奨に反対して、肺癌を示唆する症状のない対象者CTを使用することに推奨しない

─────────────────────────────────
* 今後4-5年現在進行形のランダムトライアルで利用できるデータはない。
* 高リスク患者(たとえば、重度喫煙歴)のCT検診の観察研究の結果は病期I(比較的治癒可能性の高い病期)では肺癌の診断確率が高いことを示唆
* CT検診が非石灰化結節陰影を見出すが、肺癌であるのはそのうちの一部にすぎない
* 重大なリスクを伴うコスト的に侵襲的手技が結節性陰影評価のため必要となる
* 診断的workupはこのような評価に経験ある医師が行うべきである
* 集学的研究な分野(胸部外科・肺疾患など)で経験を多くもち信頼性のある医師のいる施設での選別が最適なアウトカムにとってcriticalである。
* 喫煙者にその健康を改善するもっとも有効な方法は禁煙である。
* 治癒切除後の継続する肺癌リスクの増加は続き、サーベイランスは必須である。
* 検診マネージメントトライアルがCT検診の評価のため用いられている
─────────────────────────────────


肺癌CT検診は重度喫煙者の肺癌ケースの病期Iの診断パーセンテージが増加しているように見えるが、ランダムトライアルではまだ死亡率を減少させるかどうかの評価に耐えられる結果が未だ出ていない。ほかの状況でも熟練したセンターでも有望な報告がでてきていない。上記ケースでは20箱×年に到達していないケースで、肺癌リスクが少ないケースでは、検診によるbenefitより医原性有害性リスクの方が高い。この点で、著者らはCT検診を上記ケースでは推奨しないと結論づけている  。

─────────────────────────────────
<PET関連>
PET導入による検診戦略も提案されている。これも高リスク対象者のみ・・
1035名の高リスク患者で42名の結節疑診例で、20例で陽性、18例で肺癌の確定:Early lung-cancer detection with spiral CT and positron emission tomography in heavy smokers: 2-year results. Lancet 2003;362:593-597.

PET検診ツアーなどリスク層別化されず、リスクのない対象者に半分遊びの“人間ドック”なるもので発見された場合、貴重な保険資源が利用されるリスクがあることを行政者は理解すべきだし、対処すべきである。
─────────────────────────────────


日本のいわゆる“人間ドック”は節操が無く、リスクの層別化なしで、その意義に関してやりっぱなしなのだが・・・<骨粗しょう症に関する検診:http://intmed.exblog.jp/1437674/

by internalmedicine | 2005-06-30 11:32 | 呼吸器系  

ビタミンCは感冒予防・治療に有効か?


ノーベル賞学者を馬鹿呼ばわりしたくないのだが、Linus Paulingってやつは、その後の悪影響を考えればやはり馬鹿と呼びたい。

1970年ビタミンCと感冒について著作、多くの人々を信じ込ませたがこれは民衆の熱狂を呼び起こしたが、正当な者ではなかった。
オーストリア国立大学のRobert M Douglas、フィンランド・ヘルシンキ大学のHarri Hemiläが過去65年にわたるビタミンCと感冒の質の高い研究をレビューした。

ダミー錠剤(プラセボ)とビタミンC200mg/日の比較である。23の研究で、2g/日までのもので、ビタミンCはそのリスクを減少させなかった。結論としては、“ビタミンCサプリメントの予防的効果は普通一般のひとへの感冒に対しては認められなかった”

ビタミンC投与してたもので、感冒を経験したとき、プラセボに比較して期間減少が少し見られた。“この最小の効果は純粋に生物学的効果の一致性が見られるが、臨床的な意義は疑問視される。”と著者らは述べている。
極度の身体的な運動や寒気にさらされているときに感冒の予防効果が見られるというエビデンスを見出している。これは寒気にさらされているマラソンランナー、スキー、軍隊で6つの研究で認められている。平均的に感冒発生率を50%減少させる。
著者らはこの結果は主にマラソンランナーのものであり、一般に適応するときは、重大な警告をもってすべきであるとしている。



罹患後の感冒にビタミンCは有効か?7つの研究で、ビタミンCを罹患時使用して期間短縮となるか評価した。ビタミン摂取にて有益性を認めなかった。しかし7つのトライアルの内ひとつ、8g/日という高用量でプラセボと比較して症状短縮の結論のものがあった。単一の研究であり、検討の余地が残ると結論づけている。このサマリーはCochrane Library (see www.cochrane.org)に掲載される。([[ScienceDaily 2005-06-28:http://www.sciencedaily.com/releases/2005/06/050628064753.htm]])

by internalmedicine | 2005-06-29 16:43 | 呼吸器系  

心筋梗塞既往の無い患者ではバイアグラ心筋梗塞は稀


既往のない患者のバイアグラ服用後心筋梗塞は稀 
Acute Myocardial Infarction After Sildenafil Citrate Ingestion The Annals of Pharmacotherapy: Vol. 39, No. 7, pp. 1362-1364. DOI 10.1345/aph.1E665
- ACSでなく、AMIを問題にする論文も少なくなりましたねぇ・・・

そういえば、視力障害の可能性の記事がありましたねぇ・・
--2005年5月米国FDAは、sildenafilが視力障害を生じる可能性に言及。調査中である。数名nonarteritic ischemic optic neuropathy (NAION)となり、恒久的視力障害を生じる可能性がある病態である。過去の報告とあわせると、14例のsildenafil関連NAION例となる可能性。.[[wikipedia:http://en.wikipedia.org/wiki/Sildenafil]]

--ファイザーはバイアグラとは関係NAIONと・・・

by internalmedicine | 2005-06-29 11:40 | 医療一般  

糖尿病患者にとって大量飲酒が動脈硬化促進となる根拠


研究対象が日本ということに意味があるのかもしれない。日本人にとってはALD表現型の問題もあり貴重な論文と思われ・・・

Heavy alcohol intake, homocysteine and Type 2 diabetes
Diabetic Medicine Volume 0 Issue 0 - July 2005 doi:10.1111/j.1464-5491.2005.01653.x
─────────────────────────────────
中程度のアルコール摂取は一般にはそして糖尿病患者では動脈硬化を抑制するが、大量摂取は動脈硬化を促進する、ことに糖尿病患者においてという報告が示唆されている。横断的研究にてエタノール消費量カテゴリーと糖尿病における血中総ホモシテイン(tHcy)、動脈硬化リスク要因を中年男性において検討。
糖尿病患者では大量アルコール摂取は血中tHcy値と相関し、非糖尿病患者では相関せず。大量アルコール飲酒(平均エタノール消費>30ml/day)では血中tHcy増加と相関するが、非糖尿病患者では相関せず。糖尿病サブグループ中で大量飲酒者血中tHcyは非飲酒者より高い(10.25 ± 3.39 vs.8.88 ± 1.94 μmol/l, P < 0.05)、しかし非糖尿病サブグループでは大量飲酒者と非飲酒者のtHcyは同等(9.36 ± 2.52 vs.9.12 ± 2.10 μmol/l, NS)
2つの要因anovaで、エタノール消費量影響と糖尿病におけるtHcy値の関連が観察される(P < 0.01)
葉酸、ビタミンB12,クレアチニン、年齢、喫煙を含む要因はこの関連に寄与せず。糖尿病患者において大量アルコール摂取と動脈硬化の関連が比較的単純に説明できる。

by internalmedicine | 2005-06-29 10:40 | 動脈硬化/循環器  

子宮摘出による性的な機能の変化

子宮摘出は経腹・経膣的療法で、42%が卵巣摘出しエストロジェン補充
性的興奮性は24%で減少、11%で改善。オルガスムの強度は15%で減少。14%で増加。
乳房の刺激の効果は通常保たれている。性的満足は有意に増加。7名の女性は性的機能が明らかに低下。結論としては、総子宮摘出は性的満足度を増加し、乳房刺激効果に影響を与えない。性的満足度が低下する例が少数いる。
[[American Journal of Obstetrics and Gynecology  Volume 192, Issue 6 , June 2005, Pages 1922-1927]]
─────────────────────────────────

内科でも相談されることが結構あるのです。子宮などの臓器に関しては特別な悩みがあるのは当然で・・・いいだしにくいのでしょうが。

by internalmedicine | 2005-06-28 16:03 | 医療一般  

水痘ワクチンは老人帯状疱疹合併症を減らす

水痘ワクチンは老人帯状疱疹合併症を減らす
VZVの細胞性免疫の減少と老人の帯状疱疹に頻度は相関。多施設・ランダム化・前向き研究で部分的にそれが確認された。1998年11月から2001年11月まで38546名の60才以上のimmunocopletent subjectに1回VZVワクチンを投与。プラセボと比較。平均観察期間3.1年で、1000人年で5.4 vs 11.1と減少。帯状疱疹後疼痛0.45 vs 1.38エピソード/1000人年。副作用はワクチン後42日で、ほとんどがminorであり、58% vs 34%。帯状疱疹発症957名のうちPCRテストで894例が野生株でワクチン株由来は無かった。[[NEJMVolume 352:2271-2284 June 2, 2005 Number 22:http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/352/22/2271]]

ステロイド治療などのハイリスク患者ではどうなのか・・・可能性の記述は数年前から有り・・・journal watchでも認可を臭わせている
Inoculation with varicella vaccine in patients between ages 55 and 65 may prove to boost cell-mediated immunity sufficiently so that recrudescence of the varicella virus can be relegated to the annals of history.(http://www.postgradmed.com/issues/2000/06_00/landow.htm)

by internalmedicine | 2005-06-28 14:45 | 感染症  

たばこ、肥満ともテロメア短縮と関連するのだが

ちょっと前の話・・・肥満、喫煙と加齢現象の影響を数値で表現・・・

Obesity, cigarette smoking, and telomere length in women [[he Lancet Early Online Publication, 14 June 2005:http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673605666305/abstract]]
18-76歳の1122名の女性を調査し、WBCのtelomereの長さとの関係を調査。
-''telomere長は27 bp/年で縮小''
-''肥満女性はやせた女性より240bp短い''
-''喫煙による容量依存関係が報告、パック×年毎5bp短くなる''
喫煙と肥満の加齢との関係を表現するものである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

肥満はこわくないけど、たばこはこわいという禁煙運動家がいました・・・たんなる印象で話をするなとおもいましたが・・

by internalmedicine | 2005-06-25 23:25 | 動脈硬化/循環器  

抗癌的善玉ウィルス?


adeno-associated virus type 2 (AAV2)というウィルスが多くの人々に感染しているが、感染による疾患の影響は出ていない、これが他種類の癌細胞をを殺し、正常の細胞に影響を与えないかもしれない・・・そういう報告が、6月20日の24回“he American Society for Virology”で発表。Craig MeyerというPenn State College of Medicineの教授らしい・・・抗癌剤開発に影響を及ぼす可能性を示唆・・・


この辺がヒントか?
Altered Biology of Adeno-associated Virus Type 2 and Human Papillomavirus
during Dual Infection of Natural Host Tissue
Virology 287, 30±39 (2001)
http://www.milkpa.idv.tw/PDF/HPV/0224/Virology_287_1_30.pdf

by internalmedicine | 2005-06-24 14:26 | 感染症