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妊娠中、胎児由来の胎盤遺伝子を介して、母親に脂質代謝の影響を及ぼす

親から子供に病気というのは伝わる胃法かと思いきや
脂質というのは、胎盤経由で、母胎に影響を与えることとなる。



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Lipoprotein metabolism of pregnant women is associated with both their genetic polymorphisms and those of their newborn children
Journal of Lipid Research, Vol. 46, 2405-2414, November 2005
http://www.jlr.org/cgi/content/abstract/M500223-JLR200
妊娠女性のリポ蛋白代謝に胎盤が寄与するかどうかを研究するため、胎盤蛋白が、胎児ゲノムからencodeされており、525名の妊娠女性の脂質と新生児LPLとアポリポ蛋白E(APOE)の遺伝的多様性の相関を検討した。
母体の多様性を補正したあと、
胎盤で発現したした遺伝子多様性LPL*S447Xは母体の低TG、低LDL、低apoB、高HDL、高いapoA-Iと関連。同様にLPL*N291Sは母体の高いTGと相関、APOE:E2は母体の高LDL-Cと高apoBと関連。この関連は、母体による多様性と独立。

胎盤LPLとAPOEの母体のリポたんぱく代謝の役割を示唆し、胎児遺伝子が母体の脂質代謝異常に関連したリスク、子癇や膵炎、将来の血管疾患に関連することも示唆。
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母親には、胎盤内から迷惑をかけてるのですぞ・・・諸君

by internalmedicine | 2005-10-31 21:07 | 動脈硬化/循環器  

生まれながらのコレステロール低値は頭の働きからいえば良くないらしい

生まれつきコレステロールが低いことは喜ばしいことなのか・・・・実は認知機能に関してあんまり良くないらしい・・・

Serum Cholesterol and Cognitive Performance in the Framingham Heart Study
Psychosomatic Medicine 67:24-30 (2005)
http://www.psychosomaticmedicine.org/cgi/content/abstract/67/1/24
Framingham Heart Studyの内容からTCと認知機能との相関について調査研究。
認知機能試験を4-6年行った。

TCと言語流暢さ、注意・集中力、抽象的な理由付け、多認知領域合成スコアに関して有意な線形の関係が見られた。
パフォーマンスレベルが、<200mg/dLのものは200-239mg/dLや、240mg/dLのものより低い

結論:自然に生じる低TC値は、認知機能測定上の低パフォーマンスと相関し、少々的に理由付け、注意・集中力、言語流暢さ、実行機能上の問題がある。
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18歳での、高コレステロールと知能に関して逆相関の関係である。

これはコレステロールは新生児の脳発達にとって重大な栄養であり、成人でもニューロンの機能に役割を果たす。
高い血中コレステロールは未だ卒中や心疾患のリスク要因と考えられるが、認知機能にとってはベネフィットがあるものと考えている科学者もいる。
http://www.bu.edu/phpbin/news/releases/display.php?id=883



これが、老年期になると・・・

あんまり、コレステロールを下げると・・・頭悪くなるよってことになりそうだが、
実はapoEがらみで、アルツハイマー型老年性認知症に対してスタチン有効性の可能性があり、実験がなされている。結果は否定的なものだったが

若い頃は、コレステロールは頭に良くて、年とると頭に悪い?

by internalmedicine | 2005-10-31 21:01 | 医療一般  

日本特有のスタチン一次予防無効説について


コレステロールはホントに悪いのか・・・という疑問が各所からあがってるようです。コレステロールを下げることのできる薬ができてから・・・一次予防にホントに用いて良いのか・・と

私は、いまのところ、コレステロール一次予防(合併症のない状態での予防)を是とするのに納得できる意見はあっても、否とする納得できる文献に出くわしたことがありません。
 
大規模研究をするためには大金が必要、故に、製薬会社がスポンサーとなる大規模研究は、メーカー有利になる報告をするという疑念があります。そういう疑念を常に持つことは大事なことでしょうし、各製薬会社はそういう疑念を払拭するような客観性あるランダム化試験を行うべきです。

さて、J-LIT研究がアンチ・高脂血症グループの聖典のようですが、これはもともとエビデンスレベルの低い横断調査に過ぎず、どこぞの大学教授たちが検診時にまとめたデータも横断調査に過ぎないのです。
さらに、検診時データをサンプルにして鬼の首をとったように紙面に発表するのも恥ずかしい限りです。・・・こういうことを平気で新聞記事に発表させるのは、功名心・虚栄心なのか、Quackery的な作られた薬物悪者主義への教義のためなのか・・・
一般的な新聞読者というのは残念ながらリテラシーを持ちません。そして、インターネット上の情報へもリテラシーを同様です。
公害報道やワクチン接種禍などの会社・権威団体は悪いことをするという固定観念がメディアにはあるのか、あるいは、そういうことが新聞購読者を増やすからなのかわかりませんが、アンチ薬剤に一辺倒のメディアと、無批判に受容する読者、最近はインターネット・ブロガーがそれを加速しているようです。

諸外国には一次予防に対するスタチンのメタアナリシスやその文献が偏ってるかどうかのfunnel methodの報告がすでになされております。
その結論は一様に、“funnel plot で非対称性は認め、特にQualityの乏しい、小さい研究においては過大評価があるが、小規模研究を除いた感度分析でも総括的な結論は変わらない一次予防効果がある”ということです。少なくとも、諸外国においては、スタチンの虚血性疾患に対して疑念を抱く研究は少ないのです。疑念をいだくのは例の薬害啓発グループと、そのやり口が未だに批評できない表層的な考えしかできない医師たちです。このグループに最近、コンピュータ分析を得意とする先生が援軍として参入したようですが、あの文献も、検診ベース・・・これでは・・・諸外国のhigh quality studyを批判しようがない。
まともな、Qualityの研究で批判してほしい・・・・と思うのです。

by internalmedicine | 2005-10-31 21:00 | 動脈硬化/循環器  

アスリートは激しい運動で感染症増加(open windows theory)・趣味程度なら心配いらない


Infectious episodes before and after a marathon race
Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
自己申告感染症エピソード、マラソン前感染症エピソード(pre-IE)とマラソン後感染症エピソード(post-IE)の頻度をチョウサし、トレーニング状態、ランニング時間、社会経済的、地理的な要因との関連をしらべたもの。
2つのアンケート、感染症エピソード頻度に関わる重要な質問を含むもので、1694名のストックホルム・マラソン2000のランナー関してコホートをかけた
マラソン前感染症エピソードは17%で、男女差無し
マラソン後感染症エピソードは19%で、これも男女差無し

マラソン前感染症無しのランナーにおけるマラソン後感染症の頻度は16%で、マラソン前感染症エピソードと有意差無し。
マラソン前感染症エピソードを有するグループで33%がレース後感染症エピソードを有した(レース前感染症エピソード頻度と比較して有意差あり P<0.05)

ロジスティック回帰分析で、若年、レース前健康状態、男性だけ、レース前後の吐気の経験がレース後自己申告感染症頻度増加の独立した要因であった。

若年ランナーはレース前後のとも感染症エピソードの経験が多い。
レース前6ヶ月のトレーニング量、着タイム、社会経済的、地理的影響、レース前・レース後自己申告感染症エピソードとに相関関係は無かった。

この研究にて、消耗性の長距離走後に感染症率が増加するという理論である「the Open Window Theory」を、趣味のランナーに見出すことはできなかったが、アスリートにおいては感染症率を増加させることが感染症直後の強力な運動によって生じる可能性は存在した。
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この“Open Window Theory”って・・・
なにやらDavid Niemanという運動と免疫システムの専門家が、激しい運動中あるいはその後に上昇するストレスホルモンの増加に関連する疾患原因・・・"open windo2”と呼ばれる期間に、疾患のリスクが増加すると主張。この免疫的な不備を有する“open window”が高度トレーニング・アスリートでは3-72時間続くとしているらしい・・
http://sportsmedicine.about.com/library/weekly/aa050101a.htm

google scholarで検索





わたしは、こちらしか知らなかった・・・>“Broken Windows Theory”(破れ窓理論
googleにて検索

こちらは、治安がわるいままほっとくと、益々ひどくなる・・・という話
心の窓が破れている若者~中年が多くなってますが、誰か注意しないとますます・・・日本は悪くなると・・・(良いこと言ったような気になっている・・・私)

by internalmedicine | 2005-10-30 18:19 | 運動系  

うがいのエビデンス


風邪の予防には水でうがいを ヨード液では予防効果なし
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051028-00000045-kyt-l26
風邪の予防には水でうがいすることが効果的であることを、京都大保健管理センターの川村孝教授(内科学・疫学)らが全国調査で確かめた。水のうがいで風邪の発症率が4割低くなったが、ヨード液のうがいには明確な予防効果はなかったという。
・・・・・・(中略)・・・・・・・・
川村教授は「古くから言われてきた水うがいに予防効果が確かにあった。海外にはうがいの習慣はあまりないようだが、その予防効果を世界に発信したい」という。一方、ヨード液のうがいについて「風邪をひいたあとの消毒効果は否定していないが、予防効果が認められなかったのは意外。粘膜細胞への作用なども考えないといけないのかも知れない」という。
また、風邪をひいた人への抗炎症薬(ロキソプロフェン)の効果も別の集団で調査。初期の重い症状を和らげる効果は認められたが、投薬しない人に比べ治癒が遅くなる傾向も見られ、「早く風邪を治したいから薬を飲み続けるのは考え直した方がいいのでは」(後藤雅史助手)という。

<元文献と思われるもの>

より豊かな生活に貢献する医療技術に関する研究 系統的無作為割付対照試験による感冒の予防・治療体系の確立
Author:川村孝(京都大学保健管理センター), 里村一成, 後藤雅史, 北村哲久
Source:医科学応用研究財団研究報告(0914-5117)22巻 Page42-45(2005.02)
Abstract:日常の予防医療~初期診療において既存資料では満たされない感冒医療に対する素朴な疑問を解決するため,全国多数のプライマリケア医や産業医・学校医を結んで,エビデンスとして最上位に位置する無作為化対照試験を系統的に実施した.封筒法によって「水によるうがいを励行する群」「ポビドンヨードによるうがいを励行する群」「特に介入しない群」の3群に無作為に割付けた.ポビドンヨードを用いたうがいには有意な感冒抑制効果が認められなかった.水うがいにはさらに感冒罹患時の気管支への波及を抑制する可能性も示唆された.非ステロイド系抗炎症薬(ロキソプロフェン)の感冒治癒過程の及ぼす影響に関する無作為化対照試験を行った.風邪日記の記載が不完全な1例を除く113例分のデータをコンピュータ入力し,データ・クリーニングを行った


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うがいといえば、ヨード含有のものというのが、宣伝のため流布してしまっていることへの反撃であり、意義有る論文と評価した上で、個人的な感想を書く・・・

1)“特に介入しない群”はプラセボではないのでは?”ということだが、大した問題ではない。ただ、“感冒抑制効果”での比較というのが論文の質を下げていると思う


普通感冒の発症率とあるので、自覚症状だけの比較であり、ワクチンなどの有効性確立の時の証明には

・主観的症状の軽減なのか、期間の減少
・ウィルス消失のマーカーの検討
・合併症(肺炎など)や入院率、死亡率へのインパクト
などの必要性がある。

このような臨床的インパクトを明記されてないことがこの文献の質をさげている。

たとえば、ワクチンの有効性指標として自覚症状での比較では根拠としてとぼしいとされている。入院率や死亡率、合併症の検討が有れば国際的文献となった可能性があった。
 ・・・これでも、酔狂なLancetのまぐれ文献となった可能性もあったのだろうが・・・

2)インフルエンザにうがいは有効か? というより安全性も考えて使うべきで書いたが・・・

・組織傷害性>殺菌性 の 可能性
・ヨード中毒の可能性
・ヨード過敏症という禁忌の存在


が、問題になり、今回の論文で、イソジンうがいをするよりは水でしたほうがよいというのが結論になると思われる。


3)お茶でうがいが有効 というのは、無理矢理カテキンと結びつけるという水商売にすぎない印象があった。
今回の研究は、多施設であり、はるかにエビデンスレベルが高い。その点でインチキ商売と決別されている。


うがいの臨床的インパク(合併症、入院、死亡率・・・)が不明であるが、水によるうがいは有害性が考えにくく、うがいをするのであればPVPのようなヨード含量よりははるかにすすめられるという結論に成ると思う。・・・メディアの記事はそこまで踏み込んでないし、あいまいな結論がめだつ。

by internalmedicine | 2005-10-29 10:33 | 呼吸器系  

β遮断薬は本態性高血圧第一選択から脱落?

Should β blockers remain first choice in the treatment of primary hypertension? A meta-analysis
The Lancet 2005; 366:1545-1553
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673605675733/abstract

β遮断剤は、16%(95% CI 4-30%)卒中リスクを他の薬剤より高くした。心筋梗塞の相違はなかった。
β‐遮断剤の影響をプラセボ・無治療と比較したとき、卒中の相対リスクはすべてのβ遮断剤で19%(7-29%)減少し、以前の高血圧トライアルから期待されたものの半分程度であった。
心筋梗塞・死亡率について相違はなかった。

結論として、他の降圧剤に比べβ遮断剤はoptimum未満であり、卒中リスクを増加。故に、本態性高血圧治療においてβ遮断剤を第一選択薬とすべきでなく、将来の高血圧対照治験の参照薬剤とすべきでないと思うと著者は結論づけ
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β‐遮断剤は少なくとも本態性高血圧第一選択でなくなりそう・・・術前投与(http://intmed.exblog.jp/2130393/)、心不全投与(http://intmed.exblog.jp/2265575/)や不整脈、褐色細胞腫などに限られてくる印象。

高血圧治療第一選択薬として評価されていた時代から・・・変わったものだ!

by internalmedicine | 2005-10-29 09:19 | 動脈硬化/循環器  

エッセンシャル・メディスン≠エッセンシャル・ドラッグ


WHOによるエッセンシャル・メディスンの定義は,2002年の第 12版モデルリスト作成時の「人口の優先度の高いヘルス・ケア・ニーズを満たすもの」(Essential medicines are those that satisfy the priority health care needs of the population.) だそうである(日本医師会雑誌 http://www.med.or.jp/cme/)

薬害至上主義グループは、エッセンシャルドラッグといまだに称して、“日本は医者が処方できる薬の多さが世界有数。その8割以上は、認可のデータ的根拠がうすいか、あいまいで、半面、副作用はしっかりある。つまり日常診療の場で医者が処方している薬の大部分は無用であったり有害なものである”との主張に利用している。これ自体に情報の非対称性が存在するのはあきらかである。

WHOのエッセンシャル・メディスンはポジティブに大多数の人対象であり、逆に言えば、少数の例外のきりすてでもある。一部薬害団体が曲解させているエッセンシャル・ドラッグという概念は彼らの団体の勝手な評価による一部薬剤の推奨である。専門性からみればかなりおかしいところが多いし、ちっともアップデートされてない我が儘な一部集団の主張にすぎないのである

具体例は当方のブログを見ればわかると思うが・・・たとえば降圧剤に関しても、心不全に関しても・・・日々、その知見により変わってきているのである。

・・・エッセンシャル・ドラッグの日本語訳と称している連中は偏狭かつ固定的な主張をくりかえす集団にすぎないと私は思うのだが・・・・メディア受けはするようである。


cf.
根拠無き反ワクチン・キャンペーンがどの程度の有害性を国民にもたらすか? 3-8万人の死者を生む

by internalmedicine | 2005-10-29 09:15 | 医療一般  

転換性障害・ヒステリーと診断してしまったケースの誤診率の歴史的推移

以前“ヒステリー”、今、“転換性障害・症状”と診断され、その後、誤診と判明して率は、1960年代後半には数%まで減少したが、その後変化がないとのこと。


転換症状:“conversion symptom":転換性障害では、心理的な葛藤によって引き起こされた身体症状が無意識の中で転換され、神経障害に似た症状として現れます。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec07/ch099/ch099c.html



<論文>
Systematic review of misdiagnosis of conversion symptoms and "hysteria"
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;331/7523/989
BMJ 2005;331:989 (29 October)

<解説>
転換症状と診断された患者のうち、卒中のような精神的疾患でない疾患を精神的な疾患(ヒステリー)が1950年代に約1/3で、1970年代に4%と誤診されているが、それが今も続いている。
StonesらのSRで、1500名の運動・感覚徴候を有する約1500名の成人、27の研究で中央値5年のフォローアップで診断されたものを対象。誤診は主に歩行・移動異常で、精神的疾患の既往がある場合に生じやすく、CTの診断では診断正確性を改善させなかった。

疾患によって説明不能である---麻痺・けいれん・視力障害などの運動感覚症状を有する患者は入院・外来にて1-9%神経学診療においてみられ、まだcommonplaceである。
現代の精神診断分類、DSM-IVやICD-10では、神経学的診断を示唆するが疾患やmalingering(仮病)ではないとされる疾患は“conversion disorder”という言葉を使用する
“心理的要因による(psychogenic)”、“器質的でない(non-organic)”、“ヒステリー性(hysterical)”、“医学的に説明不能(medically unexplained)”、時に“機能的(functional)”と呼ばれ、転換症状と神経学専門家は呼ぶ。
転換症状の診断をすることは容易でないと医師たちは感じている。
誤診が容認できないほどcommonであると示唆する研究が一部にある。
1965年Slaterらの研究がよく知られており、“ヒステリー”とされた患者の33%の誤診率と報告。この診断は“欺瞞・わな”意外な煮物でもないと警告をもって結論づけている。

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この“ヒステリー”という言葉は、解離性障害と身体表現性障害に分類され、姿を消したはずですが、“一般用語のヒステリー”などが残存しており、まぁ いづれにせよ病院ではヒステリーという言葉は避けた方が良さそうである。

by internalmedicine | 2005-10-28 10:09 | 医療一般  

小児肺炎球菌ワクチンにて、高齢肺炎減少

日本では、国際的に珍しいぐらい反ワクチングループの意見が政策に影響を与えてるので・・・世界的に珍しいワクチン後進国である。

小児へのインフルエンザ義務接種という国際的に先進的なことをしており、後顧的に見ても地域への多大なる好影響をもたらしていたにもかかわらずである。

今度は、欧米で小児の肺炎球菌ワクチンが世代を超えて地域的予防に役立つという、日本における児童インフルエンザワクチンの効果の、肺炎球菌版といえる。
特に肺炎球菌は、肺炎のうちでも、重要な位置づけであり、耐性菌が問題となっている現今、反ワクチングループが変な活動をしないでくれと言いたくなる。

小児に対する肺炎球菌ワクチン接種で全年齢の発症が激減
http://bizns.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/search/wcs-bun.cgi?ID=364973&FORM=biztechnews
“Atlantaで低年齢の小児に対する7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)の接種が開始される前と後の侵襲性肺炎球菌感染症の罹患率を比較した。その結果、予防接種によって、侵襲性肺炎球菌感染症患者が激減したほか、マクロライド耐性菌の感染も大きく減少したことが明らかになった。”という内容がLancet誌に掲載されたとされるが、
Incidence of macrolide resistance in Streptococcus pneumoniae after introduction of the pneumococcal conjugate vaccine: population-based assessment
The Lancet 2005; 365:855-863


アトランタでの続報のようで・・・

Changing Epidemiology of Invasive Pneumococcal Disease Among Older Adults in the Era of Pediatric Pneumococcal Conjugate Vaccine
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/16/2043?lookupType=volpage&vol=294&fp=2043&view=short
JAMA. 2005;294:2043-2051.

50歳以上の成人男性における侵襲性の肺炎球菌感染症は28%(1998-1999)→29.4%(2002-2003)/10万対
65歳以上で、2002-2003の比率(41.7cases/10万人)は2010年目標(42cases/10万人)より低い
7conjugated vaccine serotypesによる疾患頻度は10万対22.4→10.2例と55%に減少
対症的に、16serotypeのポリサッカライドワクチンによる疾患は変化無し、若干他のワクチンのセロタイプは若干増加(6.0→6.8/10万対 13%;95%CI 1-27%)
1998-1999と2002-2003の比較で、HIV感染は1.7%→5.6&と増加し、肺炎球菌ポリサッカライドワクチンの適応状況は62.3%→72.0%と増加した。(P<.001)
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“小児に対して侵襲性の肺炎球菌をターゲットにした7価結合型肺炎球菌ワクチンであり、
成人に対しては23価だが、その勧告にかかわらず、肺炎球菌全般、双球菌肺炎など特定のアウトカム減少、高リスクや高齢者への有効性に関して議論がある”とのコメント
(Cochrane Database Syst Rev. 2003 (4):http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=14583920)
で、世間が肺炎球菌ワクチンで騒ぎ始めたころ、わたしは消極的に・・・・

読売をはじめとする馬鹿新聞が、肺炎球菌ワクチンを普及させない医者は低レベル
だとか
朝日新聞をはじめとする反ワクチングループ共闘が、ミソも糞も一緒で、すべてのワクチンに反対をして、政策を狂わしている日本のワクチン行政・・・(一番悪いのはいったいだれ?)


・・・橋下弁護士が“たかじんのなんとか委員会”で言ってた通り・・・新聞社や新聞記者は自分の考えを書くな!と・・・真の専門家からのコメントや客観的事実のみを掲載しろ・・・同感である。新聞の意見を見聞きすると馬鹿がうつる・・・(新聞記者どもの妄言を聞けなくするワクチンはないのか!

by internalmedicine | 2005-10-27 11:23 | 感染症  

周術期高濃度酸素療法はやはり術後創部感染症を減少させる

大腸・直腸手術患者の手術創感染の減少に酸素投与は有効である。
術中は全身麻酔だから簡単だが、術後のFIO2 80%6時間ほど継続にて効果があるようである。


Supplemental Perioperative Oxygen and the Risk of Surgical Wound Infection
A Randomized Controlled Trial
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/294/16/2035

JAMA. 2005;294:2035-2042.
周術期、30%酸素投与143名と80%酸素投与148名
SSIは30%FIO2群で35名 24.4%、80%にて22名 14.9%(P=.04)

SSIのリスクを30%FIO2に比べ80%FIO2では39%減少 (RR 0.61; 95% CI 0.38-0.98) vs the 30% FIO2 group)

有意な因子補正後、酸素付加患者の感染RRは0.46(95% CI, 0.22-0.95; P = .04)
2つの治療群で二次アウトカムは有意差無し。
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by internalmedicine | 2005-10-26 15:17 | 医療一般