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大腸がん検診における、高齢者検診のリスクとベネフィット

日本の検診というのは、どれもこれも、リスク層別化という概念が全くない。このために、無駄無益、時に、無駄な侵襲的検査をもたらすような結果となっていることも多い。確かに、侵襲的な検査をもたらすような検診というのは、それ自体が、老年者や健康状態の悪い対象者には有益性より有害性がうわまる可能性がある。

古くなったが、近藤氏がのべている検診有害論はすべてが正解ではないが、謙虚に考えるべき部分はある。

Comparing risks and benefits of colorectal cancer screening in elderly patients.
Gastroenterology. 2005 Oct;129(4):1163-70.
余生が限られている患者に、大腸がん検診は果たして有益性上プラスになるのか?
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この評価は、NNT( the number needed to screen)という方法で比較されている


3つの戦略:毎年の便潜血検査、5年ごとのflexible sigmoidoscopy、10年ごとの大腸ファイバー(CF)

潜在性のベネフィットは年齢、期待余命年数、検査方法によりばらつきがあった


1つの癌関連死を防ぐには、
70-74歳の男性では、
CF検診で42名
便潜血検査で178名の検査

健康状態が悪い75-79歳の女性では
CF検診で431名

平均的健康状態の80-84歳の男性では
CF検診で945名


【結論】
生命予後年数の異なる老人患者において、検診の潜在的なベネフィット・リスクは様々
個々の患者において、検診の有害性の可能性は、利益の尤度、特に生命予後年数の短い可能性のある対象者では、重きが置かれなければならない

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ちなみに、過敏性腸症群の患者は、大腸ファイバーしても満足できないらしい
・・・the journal Gastrointestinal Endoscopyの12月号に発表されるらしい

by internalmedicine | 2005-11-30 17:13 | 消化器  

胸痛の原因診断

米国では医療過誤の賠償金に上限を設けられているが、日本の医者に世界的に見てももとも厳しい制度で偉業を続けていることとなったわけであるが、
医者側の保身対応は手ぬるいのではないかと思う。各疾患のマニュアル化をすすめるべきだと私は思う。胸痛診断というのは、心筋梗塞などの心疾患イベント、肺塞栓、肺炎など生命に関わるものも多い。これらを救急センターで如何にリスクを少なく、効率的に診断するかが問題。


最近発表された、アメリカ家庭医学会の記載を一部要約
(AFP: http://www.aafp.org/afp/20051115/2012.html

エビデンス・レベルA
1)Wellスコア<2 と d-Dimer正常なら肺塞栓は否定

2)d-Dimer もしくは Wellsスコアが中等度~高度リスク、ヘリカルCT・下肢静脈超音波検査にて異常がある場合は、PEを除外診断必要

3)Diehr診断ルールは臨床的に肺炎の可能性をする場合の尤度推定に推奨される

4)Dukesトレッドミル・スコアは負荷心電図施行患者の長期予後推定に役立つ


エビデンス・レベルC:
1)2つの設問にてパニック障害を除外すべき
質問:ANS(Autonomic Nervous System Questionnaire)
  2つのゲーティング
   ・直前6ヶ月に不安発作(anxiety attack)
   ・直前6ヶ月に身体症状(動悸、めまい(dizziness)、息切れなど)の説明できない発作(unexplained paroxysm)



2)胸痛を有する患者はST部位の上昇、Q波、伝導障害などの心電図評価すべき。結果は以前の心電図と比較すべき

3)血清トロポニン値検査は、MIの補助診断に推奨し、30日以内の死亡・再発MIの尤度を推測

4)胸痛および初期の心電図評価異常なしの場合、リスクの状態に応じて負荷心電図・血流スキャン、血管造影をすべきである。



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肺塞栓診断のためのWells Model
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DVTの臨床徴候と所見 (i.e.下肢腫張、深部静脈の蝕知する腫張と痛みに関する客観的な測定) 3

他の診断よりPEらしい時 3

心拍が100/分を超える場合 1.5

Immobilization (i.e.3連続日のバスルーム以外のベッド安静、過去4週間以内の手術) 1.5
DVTやPEの客観的な診断の既往 1.5

喀血 1

悪性腫瘍疾患 (過去6ヶ月以内の癌治療もしくは緩和治療) 1
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成人急性咳嗽における肺炎診断のためのDiehr Rule
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所見 点数
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鼻汁 -2
咽頭痛 -1
筋肉痛 1
夜間発汗 1
終日の痰 1
分時呼吸数>25 2
体温>37.8度 2



総得点 肺炎の可能性
-3 0.0
-2 0.7
-1 1.6
0 2.2
1 8.8
2 10.3
3 25.0
?4 29.4
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Dukeトレッドミルスコア:運動時間(分) - (5 * ST低下 [mm]) - (4 * 狭心症スコア)
 
 狭心症スコア:テスト中狭心症症状無し = 0, 典型的狭心症 = 1, 狭心症症状にて検査ストップ = 2



<7年生存率>

スコア リスク 正常心電図 異常心電図
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> 5 Low 95 91
-10 to 4 Medium 91 80
< -11 High 78 78
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by internalmedicine | 2005-11-30 13:45 | 医療一般  

アメリカ心臓病学会 心肺蘇生ガイドライン改定


the 2005 American Heart Association(AHA) guidelines for cardiopulmonary resuscitation(CPR) and emergency cardiovascular care (ECC).
http://circ.ahajournals.org/rapidaccess.shtml



AHA&ACC 心肺蘇生ガイドラインの変更点(一部抜粋)
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1名の場合:30:2の心臓マッサージ:換気
乳幼児もしくは子供多焦の場合:2名の蘇生術施行者の者場合15:2


最近のデータは、VF患者にみな最初に除細動を行うかどうか
除細動前にCPRの時間がある方が予後は改善するというデータもある。
しかし、LOE 2 studyというのでは、CPR、除細動どちらを行うも同等というデータもある。
コンセンサスとしては、除細動禅のCPR推奨は不十分なデータであり、できるだけ早く、AEDを使用することを公衆除細動プログラムでは行うべき

ECCガイドライン2000では、VF/脈無しVTの治療として、いわゆる“stacked” sequence、マッサージ無しの3回ショックを行うことを推奨していた。
以前の3ショック推奨は、低有効性の、単相性のものであり、2相性のものは初回のショック有効性が高く、90%以上である。
1ショック戦略は新しいチャレンジであり、2相性の場合150-200J使用し、rectilinearな2相性の場合は120J。単相性の場合は、初期・連続の量は360J
小児場合は2J/kg(単相性・2相性共)、2回目あるいは2相性の2回目以降は2-4J/kg


メタアナリシスにて、vasopressinとエピネフリンの有意差無し

すべての推奨から昇圧剤を除く提案がされたが、プラセボと昇圧剤比較のトライアル無く、研究室レベルの血行動態への効果と短期生存率のため、認可されなかった。


心停止での抗不整脈剤のルーチン投与のエビデンス無し。一つの不整脈薬である、amiodaroneは、短期的アウトカムの改善あるが、退院時の生存率の改善は、プラセボ・リドカインと比較してなかった。

今回は上記如く、薬剤効果の証拠不足のため、CPR後薬剤投与は協調されていない。

ECCガイドライン2000では脈・リズムのチェックがショック後推奨されていた。
心マッサージ中断を最小にするため、2005AHAガイドラインでは、脈・リズムチェックなしに、ショック後すぐにマッサージが推奨されている。リズムチェック後は速やかに、CRPの途中で、昇圧剤や抗不整脈剤は投与されなければならない。

もっとも重要な部分は、中断は最小にした、高品質な心マッサージであり、約5サイクル、2分間のCPRまでショック後のリズムチェックのため、マッサージを中断してはならない。

心マッサージと電気的除細動の間は最低15秒としなければならない


AEDは2相性とすべきであり、心マッサージの中断までの間に解析できるようにしなければならない。


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このメーカーのは単相性と2相性
・・・http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/products/emergency/01/aed9100.html

こちらは2相性
・・・http://www.fukuda.co.jp/products/aed.html

低医療費のため、安い単相性にしたい気持ちもわかりますが・・・ここは2相性に・・・(つらい)


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ERCガイドライン・サマリー

by internalmedicine | 2005-11-29 18:04 | 動脈硬化/循環器  

乳幼児の細気管支炎のβ刺激剤拡張剤効果

乳幼児の細気管支炎には、ホクナリンテープが多く使われているようだ。
ほんとにそれでいいのか?・・・という疑問がある。
しかし、肺機能がなかなか測定できないから乳幼児では永遠に疑問のままかもしれないとおもってたのだが・・・良い方法があるものだ

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細気管支炎の乳幼児に対して、サルブタモールによる気管支拡張効果は年齢と相関し得見られなかった。気管支拡張剤が小児に使われているが、その有効性に疑問が書字、議論有る内容となった。2-18ヶ月の乳幼児41名にて、raised volume rapid thoracoabdominal complression technique(http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/reprint/161/5/1760)にて拡張剤前後で呼吸機能をみたもの。
11名の乳幼児にて有意に肺気量の増加が認められ、3名が減少、27名が有意な変化無し。
肺機能の変化のあった一群と無かった一群は年齢差がない。年齢と気管支拡張効果の相関もない。気管支炎群のサブグループにて有益性が見られる臨床的に意義有る所見であったが、臨床的に注意深い観察で、気管支拡張剤の使用が効果有るかどうかによって中断するかどうかを判別する必要がある。

Does Bronchodilator Responsiveness in Infants with Bronchiolitis Depend on Age?
http://www.jpeds.com/article/PIIS0022347605005020/abstract

J.pediatrics Volume 147, Issue 5, Pages 617-621 (November 2005)

by internalmedicine | 2005-11-29 15:36 | 呼吸器系  

PTSD:Evidence-based research

PTSDは実は3世紀めの歴史があるそうで・・・ただこの用語は、他の外傷性の概念と同様にベトナム戦争で確立したというところか・・・


表題は、Evidence-basedとあるが・・・他のpsychiatry diseaseと同様かけ声だおれ?

Post-Traumatic Stress Disorder: Evidence-Based Research for the Third Millennium
http://ecam.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/2/4/503


PTSDのterminologyはベトナム紛争後比較的すぐに観察されたもので、心理生物学的特徴をしめす場合が急増したことではじまったもので、新しいものではない。さかのぼれば、"Da Costa's Syndrome"というアメリカの内科医がPTSD様の病態を報告している。
ABR Myersは1870年、運動時疲労感、呼吸困難、努力呼吸、動悸、発汗、振戦、左胸部疼痛感覚、易疲労感、時折完全な失神などを生じるものとして記載。

外傷的イベントからのストレスはpsychoemotional(心理情的)・physiopathological(心理病態的)アウトカムを急激に変化させる。
PTSDは、精神疾患であり、外傷・生命を脅かすイベントの経験やwitnessingにより生じるものである。
PTSDは個人の生活を傷害し、生命危機となる可能性を有する心理学的な因子と深く関係する。
戦闘域の拡大、テロリズム、環境的毒性など、現在のイベントにより、PTSDの診断が今後も急増する見込みである。

Allostasisは、心理生物学的な調整過程であり、状態を変化させて、引き続くストレスへの対応に安定性をもたらす過程である。

心理-情緒的ストレスは、知覚されない、知覚能力の欠如による、ものと定義づけられ、内的世界や周りの環境の要求
個人の自覚能力と、内的世界もしくは周囲の環境の要求との、適合性の欠如もしくは認識されてない不足であると定義される (i.e. person/environment fit)。
PTSDは、現状と向き合うことのできない人に、意識・無意識下に、完璧な例である。

heterostasisは、内的な生理的な許容範囲内を超えた器官によるストレスの研究から発した言葉であり、SterlingとEyerは、ストレスからの回復の身体システムの調整の障害を意味している。

allostatic reglulationというのは環境変化に対する齟齬バランスや・変化に対するストレスへの回復や維持に関して重要。行動的な、生理的な機能の範囲を逸脱した時に、適応の障害である。

この反応にも2種類あるらしい
http://ecam.oxfordjournals.org/cgi/content/full/2/4/503/FIG1

Type 1 allostatic responseは、ベストコンディションの混乱を可能な限り生き抜き、正常の生命サイクルに正常化する目的にある場合
Type 2 allostatic responseは、過剰で、維持性、持続性に、慢性的にalostasisを示し、効果的なストレスからの逃避を不可能にする場合



Allostatic Load and Allostasis
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生物学的ファクターである、“ストレス”という言葉を頻繁に使うが、これは“ストレス”やライフスタイルや日々の経験、行動、日内昼夜の変化など多くの要因を含みすぎているのに単純に“ストレス”と言い過ぎている。一般大衆文化においても“ストレス”という言葉が広まっているため、心理・社会的、環境的、身体的な曝露に対して、曖昧性の要因が多くなった。

適応と非適応における、生物学的なmediatorの役割を、よりcomprehensiveな用語を探そうとしているのである。

環境や心理・社会的状況を扱うすべての事を“ストレス”と呼ぶより、新しい用語である、“allostasis”と“allostatic load”を用いる方法を提唱している。
Allostasisiは、“変化する環境において、安定(or homeostasis)を維持する”ことを言語上意味しており、SterlingとEyerが提唱したもので、心血管系が安静から活動する状況までに対応して補正する心血管系システムが以下に対応しているかで記載している。
この意味を他の身体的メディエーターにも適応し、コルチゾール、カテコラミンなどにも適応した。そして、“allostatic load"は、繰り返す"allostasis”により、反応の不十分な対応や、遮断できないことによる、疲労、恐怖として提唱されている概念である。

allostatic loadの具体例は、牡猿のその地位が不安定な状況である時に、血圧の持続的上昇を生じ、動脈硬化粥状プラーク形成を促進することが報告されている。血圧は社会的な直面とカテコラミンによりその急上昇を示す。血圧とカテコラミンが動脈硬化を促進する。


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ストレスという言葉の、曖昧性は、以前指摘していた

by internalmedicine | 2005-11-29 15:00 | 医療一般  

Difficult Patient



http://www.aafp.org/afp/20051115/2063.html
(Am Fam Physician 2005;72:2063-8. Copyright c 2005 American Academy of Family Physicians.)
すべての医師は、医療に関わる行動的な情緒的な要因ゆえ治療困難を感じる患者に対しても医療を行わなければならない。

治療困難は、患者側要因、医師側要因や、医療システム要因に起因する可能性がある。

患者側要因としては、精神的疾患、パーソナリティー障害、subclinicalな行動特性

医師側要因としては、過重労働、コミュニケーション・スキルの貧困さ、経験不足、曖昧さによる不快

医療システムとしては、生産性の追求圧力、医療全体への不信、受診中断、外的情報の活用により医師の権威の変化(ほとんどの医師は権威失墜し、一部の医師の権威上昇:それが正当かどうかは、テレビ番組出演常連組の質の低さから推測すればかなり疑問)

患者は未治療の精神病理に関して注意深く評価されなければならない。
医師は、職業的なケアを追求し、peerにサポートしなけれならない。

特異的なコミュニケーション技術と医療のの過程の患者の関わりを多くすることがその関係を改善するのかもしれない
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このAFPの記載には具体的方法も書かれている。

医師側からいろいろ書きたいこともあるが、まぁ・・・ぼちぼちと書くことにして

患者側の問題点が主たる、多大なる医療資源や医療機関の効率悪化を生じるDifficult patientの存在がいることだけは理解される必要があると思う

by internalmedicine | 2005-11-26 11:49 | 医療一般  

NSAIDsはBarrett食道の癌進展を抑制

とやかく いわれているNSAIDsです。
アスピリンの大腸癌発生抑制効果
消炎鎮痛剤の大半はやさしさでなく・・・心筋梗塞リスクを増加させる作用を有する
膝関節症に対して痛み止め(非ステロイド性消炎鎮痛剤:NSAIDs)は短期的使用のみにすべきという論文
など、種類も好作用も、悪化作用の報告いろいろです。

バレット食道(http://www.aafp.org/afp/20040501/2113.html)に関して、その前癌状態ということで、NSAIDsが、下部消化管と同様に、癌進展抑制効果がみられたとLancet Oncology Early Online Publication, 8 November 2005(http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470204505704319/abstract?isEOP=true)で発表になっていたようです。

アスピリンと他のNSAIDsは直腸結腸癌のリスクを減らす可能性があるとされているが、食道腺癌に関する問題は未解決であった。
NSAIDと食道腺癌、前癌状態といえるバレット食道・metaplastic disorderを調査。

前向き350名のBarrett食道の20770人年の検討

平均65.5ヶ月(3.1-106.9)フォローアップ期間。

非利用者に比較して、
NSAIDs利用者のHRは0.32(95%CI 0.14-0.76)
かつての利用者のHRは 0.70(0.31-1.58)

食道腺癌の5年累積頻度は
非喫煙者:14・3% (95% CI 9・3?21・6)
以前使用者:9・7% (4・5?20・5)
現行の利用者:6・6% (3・1?13・6)
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予後に関する検討は記載されてない。

by internalmedicine | 2005-11-26 09:05 | 消化器  

ペットを飼うことと健康

BMJに掲載のこの ペット は  かなり 扱いにくそうだが・・・(笑)
そして、表紙は・・・BMJ流遊びかな(そういえば、毎年恒例、BMJ流悪ふざけまで1ヶ月弱)



2-3年前にペットを無くした私の母は自分の平均余命とペットの余命を考え、ペットはかわないと言っている。だが、老人ほどペットは重要なようである。・・・ちょっと説得してみるか


Pet ownership and human health: a brief review of evidence and issues
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;331/7527/1252
BMJ 2005;331:1252-1254 (26 November)

<Summary points>
・イギリスでは、90%以上の飼い主が、ペットを家族として見なしている。
・ペットと分かれることを嫌うことで医療のコンプライアンスの妨げとなる可能性がある
・ペットは、老人・大きな疾患や病気からの回復期にある患者には特に価値があり、
・ペットの死は飼い主に大きな苦悩をもたらす、特にペットが配偶者が鋳なくなったり、以前のライフスタイルと関連が深かった場合
・多くの人々は、ペットの飼い方を満足する方法、管理する方法を、喜んで助言をし、サポートする


McNicholasらは、ペットがその飼い主に対する影響を以下に与えるかの検討を行った。
1980年代の研究では、心筋梗塞後の予後改善など多くの利点が示唆されたが、最近の研究ではその事象を再現できなかった。しかし、飼い主とその健康は広い観点からみると、著者らはペットが良好な健康状態を、心身共に与え、社会的なインテグレーションを与えるとのべている。

ペットをほしがる、持ち続けるべきかの疑問はベネフィットと潜在的問題とのバランスである。UKでは半数の家がペットをもつ、家族としての価値感を有している。
健康問題とペットを飼うことの葛藤が健康への遵守性に障害を与えることもある。アレルギー故にペットから離れると言うことを70%の人は拒否。老人の中には、入院をペットと離れるという理由で拒否するものもいる。
動物による問題は、アレルギーと人畜共通感染症の問題などもある。
けれども、West Virginia大学の研究者たちは、単純に、日々の消毒、ペットのケアで95までアレルギー反応を抑えられるとのべている。

最近では老人保健施設でのペットは包括的な健康問題として考えられ、ペットとの同居問題も解決されようとしている。

ストレスイベントの自覚を減少、不安関連の疾患に対して予防的ともなり、ストレスを扱う上で良好ととなる信頼感が生じ、脳卒中、心筋梗塞、癌などの重篤な疾患からの回復を早める。喫煙、血圧、高脂血症、肥満、運動不足といったリスク要因に防御的に働く。

by internalmedicine | 2005-11-25 15:53 | 医療一般  

特発性間質性肺炎進行抑制にアセチルシステインが有効

肺線維症・間質性肺炎というのは、治癒するための画期的な治療法もなく
癌となったら聞き慣れているので、納得してもらえる部分も多いのだが、生半可な知識でこの病気に対応するものなら、強力なしっぺ返しがある病気である。
特にこわいのは電撃的急性悪化・・・トイレで急変というのはたくさん経験する。診断時にとにかくこのことだけは家族・本人に説明しておかなければならないというのが経験上他医にすすめることである。


IFIGENIA(Idiopathic Pulmonary Fibrosis International Group Exploring N-Acetylcysteine I Annual)研究


特発性肺線維症(IPF)は慢性の進行性の間質性肺炎のことで、予後不良である。IPFの病理メカニズムは繰り返す肺損傷であり、繊維化の進行を特徴とする。ステロイドと免疫抑制剤が軽度だが、治療的利益がみられる唯一の治療法である(参考論文:末尾)

酸化・抗酸化不均衡がIPFの疾患進行に関与している、acetylcysteineは、majorな抗酸化グルタチオンであり、1日最大1800mgまで投与できるものであり、繊維化性胞隔炎を統計的に肺機能を12週治療で改善させたという報告もある。


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N-Acetylcystein 600mg×3回/日

プレドニゾロン 0.5mg/KgBW/日で開始→0.4mg/KgBW/日(2ヶ月)→0.3mg/KgBW/日(3ヶ月)→10mg/KgBW/日(4/5/6ヶ月にて減量し12ヶ月まで維持する)
azathioprine(2mg/kgBW/日)をATS/ERS国際カンファレンス(2000年2001年)()の推奨による通常ケアに加える
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High-Dose Acetylcysteine in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
http://content.nejm.org/cgi/content/full/353/21/2229
NEJM Volume 353:2229-2242 November 24, 2005 Number 21
182名割り当て:92名のacetylcysteine群と90名のプラセボ群
UIP(HRCTと組織学的所見にて専門委員会のレビューに合致した症例)

57名の患者でacetylcysteine
51名の患者にプラセボ

acetylcyteine群は肺活量や拡散能低下を抑制
12ヶ月後絶対的変化は肺活量で、絶対量で0.18L(95%CI 0.03-0.32)、相対的相違で9%
0.75mmol/min/kPaskal(95%CI 0.27-1.23)
拡散能に関しては、0.75 mmol/min/kPa(95%CI 0.27-1.23)、24%

アセチルシステイン群で死亡率は9%、プラセボ群で11%と有意差無し

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副作用に関して有意差無し、ただし、骨髄毒性が若干減少傾向がacetylcyteine群ではみられた(P=0.03).

結論としては、1日3回600mgのactylcysteineは、プレドニゾロンとアザチオプリン併用にあわせ使うと肺活量とDLCO低下を予防し、肺機能予後を標準治療より改善する



<参考文献>
Douglas WW, Ryu JH, Swensen SJ, et al. Colchicine versus prednisone in the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis: a randomized prospective study. Am J Respir Crit Care Med 1998;158:220-225.
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/full/158/1/220

Raghu G, Depaso WJ, Cain K, et al. Azathioprine combined with prednisone in the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis: a prospective double-blind, randomized, placebo-controlled clinical trial. Am Rev Respir Dis 1991;144:291-296.


Selman M, Carrillo G, Salas J, et al. Colchicine, D-penicillamine, and prednisone in the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis: a controlled clinical trial. Chest 1998;114:507-512.


Johnson MA, Kwan S, Snell NJC, Nunn AJ, Darbyshire JH, Turner-Warwick M. Randomised controlled trial comparing prednisolone alone with cyclophosphamide and low dose prednisolone in combination in cryptogenic fibrosing alveolitis. Thorax 1989;44:280-288.




肝心の薬剤が使えないのは、日本の特徴だが、これものである。

COPDなどもエビデンスがあるのはこのAcetylcysteineのみと考えて良さそうだが、
CarbocysteineやAmbroxolはまだエビデンスが少々あるので許せる
が、
外科・麻酔科出身医者に多いビソルボン医者は頭悪いのでは?

by internalmedicine | 2005-11-24 11:04 | 呼吸器系  

強度の運動時の飲水は危険(食道括約筋機能の低下)

運動中だけでなく、運動後も食道括約筋機能低下するようです。
いろんなスポーツアスリートの飲水シーンを見る昨今ですが、できるだけ時間をかけて飲水をするように指導する必要がありそうです。



Function of the Lower Esophageal Sphincter during and after High-Intensity Exercise.
Medicine & Science in Sports & Exercise. 37(10):1728-1733, October 2005.


娯楽の自転車乗り7名(うち男性5名)を4つの5分自転車運動を90%最大酸素摂取量の負荷で、1-3分運動を繰り返す。
運動前、運動中、運動後、食道圧(Pes)、LES圧(Ples)、胃内圧(Pg)

LESバリア圧(Pb)をPlesとPgの差と定義。2、3運動後、対象者はスポーツドリンクを600ml、200mlをそれぞれ飲ませる。

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運動前のPbは、13.1 ± 5.2 cm H2O

4回の強度運動中、6.5 ± 4.6 H2O減少

運動後 7.4 ± 3.5 cm H2O減少する(P < 0.05)
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強度の運動では、運動中、無症状対象者のLES Pbを減少させる。このLES機能異常はスポーツドリンク飲用において安全とはいえない程度である。



マラソン競技の低ナトリウム血症 : のどが渇く前に飲む ~> のどが渇いたら飲むへ
http://intmed.exblog.jp/1863505/

by internalmedicine | 2005-11-23 11:09 | 運動系