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死にたくなったら歩け!

って、ことかな?

運動療法は、瞬時の効果があるよう・・・・


Effects of Acute Exercise on Mood and Well-Being in Patients with Major Depressive Disorder.
Medicine & Science in Sports & Exercise. 37(12):2032-2037, December 2005.
30分ほどの好気的運動と安静は大うつ病を改善する。わずか数週間でその効果が現れる。治療的効果を現す運動の回数は不明だが。

MOD治療を受けている40名で、年齢に応じた最大予測心拍の60-70%の運動を30分行い、30分のその後の安静を行う。
15名の男性、25名の女性にて、PMS(Profile of Mood States)やSEES(Subjective Exercise Experiences Scale)を測定したもの:前、5分、30分、60分
重篤な精神疾患には大きな影響を与えないかもしれないが、1回の運動でMOD治療に有効で、positive mood効果がある。薬物療法が少なくとも2-4週間効果発現するまで必要であり、有意な改善となるまで6-8週間かかることを考えれば、治療的な意義が大きい。
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大うつ病は自殺の20-35%と言われており、その他の気分障害(MOD e.g.bipolar(双極性障害) I & II, dysthymia(気分変調), adjustment disorder with depressed mood (うつをともなう、適応障害))も考慮される必要がある。
むしろ、大うつ病単独より、双極性障害、気分障害、うつをともなう適応障害の方が遙かに自殺リスクが高い。 "depressive disorder"や"depression"と広義に推定すれば全年齢層における自殺者のうちのその頻度は "36%~70%"らしい
参考:http://www.mentalhealth.samhsa.gov/suicideprevention/rates.asp

高齢者ではやはり、自殺に関連する状態として、うつが最も多い、75%ほどと推定されてるとのこと。参考:http://www.nimh.nih.gov/publicat/elderlydepsuicide.cfm

プライマリ・ケア医の自殺予防に関する役割
http://intmed.exblog.jp/2829897/



ひょっとしたら、女・子供は、これに甘いものを食べることも効果があるかも?

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by internalmedicine | 2005-12-30 09:43 | 医療一般  

COPD急性悪化とmtapneumovirus(hMPV)

RSウィルスやインフルエンザウィルス陰性のインフルエンザウィルス疾患の患者みられたり、、小児の下気道感染の原因として話題のmetapneumovirus

これをみるとRSウィルスと違い、インフルエンザ流行時期に一致しており、RSがやや先行して流行し、metapneumovirusがインフルエンザと同時からやや広汎に流行?
 ↓
http://www.cdc.gov/ncidod/EID/vol8no9/02-0084-G1.htm

COPDとの関連は
 ↓
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COPD急性増悪(AE-COPD):3/130:2.3%で metapneumovirus検出
 鼻洗浄液 6.5×10E+5 virus copies/ml 喀痰:1.88×10E+5 copies/ml

65名の安定COPD、34名の喫煙者非COPDも同時検討したが、検出されず

Relevance of human metapneumovirus in exacerbations of COPD
Respiratory Research 2005, 6:150

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関連は無いわけではないが・・・大きからずということか?
インフルエンザと同様、地域的な流行が関与するとすれば、このCOPD悪化との関連はまた悦の考察が必要となるだろう。



インフルエンザ迅速定点を見ると・・・ちょっと気になることがある

この報告基準は・・・
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《 報告のための基準 》
診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の4つの基準を全て満たすもの
突然の発症
38℃を超える発熱
上気道炎症状
全身倦怠感等の全身症状
なお、非流行期での臨床診断は、他疾患とのより慎重な鑑別が必要である。

上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの
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なのだが


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上下の地域が違うのである。なぜこの違いが出るかというと、きっと、インフルエンザ様診断の基準が違う、もしくは、迅速診断キットの入手・使用事情が違うからからなのだろう。流行の先行期にはとくにこのばらつき現象がみられる。
検査上の診断と、症候上の診断が混在しているのであろう。そのばらつきが検査前確率が低いときはばらつくという現象になっているようである。それ以外にmetapneumovirusやRSウィルスがどのように関与しているのであろうか?

by internalmedicine | 2005-12-29 18:37 | 呼吸器系  

市中肺炎のCT所見

以前のよりはましになったが、日本のガイドラインは、外来患者では、非定型・定型の分類に時間が割かれている。

肺炎球菌肺炎と異型肺炎の区別は困難であり、故に、免疫クロマトグラフィー法による肺炎球菌尿中抗原検査にて、肺炎球菌検査が迅速に行われるようになったものだから、臨床の現場が一変してしまった。
そのことを加味した上でもやはり“非定型”と“定型”の鑑別にこだわっているようにもみれる。


欧米では・・・
臨床的にCAP原因に関して臨床的・レントゲン的特徴で正確には予測できない[II].
“非定型”肺炎という言葉は、放棄されるべきである。なぜなら臨床的な特徴所見が“非定型”的原因による感染に生じた患者での臨床的特徴を正確に意味しないからである[II].
・非特異的症状がさらに多いCAP老人患者では若年者より特徴的でない症候を示し、発熱が認められにくい[II].
・レントゲン的な改善は、臨床的改善より遅れることが多く、特にレジオネラ後・細菌性肺炎後の場合特にそうである[III].
・非定型でのレントゲンの変化は細菌性感染より改善が早い[III].
・レントゲン改善は老人で遅く、多葉性の陰影が多い[Ib].
Thorax 2001;56(Suppl 4):iv1-iv64 ( December
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などと、“非定型”には否定的なスタンスである。


ところが、日本のガイドラインでは
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<鑑別に用いる項目>
1.年齢60歳未満
2.基礎疾患がない,あるいは,軽微
3.頑固な咳がある
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない,あるいは,迅速診断法で原因菌が証明されない
6.末梢血白血球数が10,000/μL未満である

<鑑別基準>
6項目中4項目以上合致した場合   非定型肺炎疑い
6項目中3項目以下の合致   細菌性肺炎疑い
 この場合の非定型肺炎の感度は77.9%,特異度は93.0%

5項目中3項目以上合致した場合   非定型肺炎疑い
5項目中2項目以下の合致   細菌性肺炎疑い
 この場合の非定型肺炎の感度は83.9%,特異度は87.0%
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などと・・・“で非定型肺炎と細菌性肺炎が完全に鑑別できるものではない.典型的な非定型肺炎を拾い上げ,マクロライドあるいはテトラサイクリン系抗菌薬で治療するのが狙い”と書かれ、“非定型”にこだわりをもっているのが特徴である。
・・・・ガイドライン作成者も“各国ガイドラインと異なるが、前のガイドラインの支持者が多かったから・・・”という理由でこの分類を踏襲しているそうである。・・・これってぇEvidence-basedといえるのだろうか?


なお・・・・レントゲン検査関連に関しても・・・上記基準にいれてないが、典型的なマイコプラズマ肺炎と肺炎球菌肺炎の例示があり、画像でも区別にこだわりを持っている。




欧米ガイドラインでは・・・
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CAPの診断は、臨床的、検査データ上、レントゲンデータ、理学所見・呼吸音やラ音から行われるが肺炎の検出に感度や特異度は高くない。故に、CXRはCAP患者全例に必要である。CXRは随伴性胸水や肺膿瘍、多葉性陰影などの状態を診断する上でも有益。CTはより肺炎の浸潤影を同定するのに感度が高いが、IDSAやATSではルーチン診断に組み入れられていない。
CXRの異常にてCAPと診断された患者において6-10週毎に繰り返し改善したことを記載されなければならない。それは、隠れている悪性腫瘍が感染性疾患に類似することがあるためであり、それは喫煙老人において特に注意しなければならい。CXRフォローアップは、胸部CTスキャン、療法とも改善のサインが無い患者(たとえば、息切れや発熱)や膿胸や膿瘍の除外のためにおこなわれなければならない。
JAOA ? Vol 104 ? No 12 ? December 2004 ? 521-526
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とのコメントがある。要するに、肺炎の診断と合併症区別のためにレントゲンを使い、むしろフォローアップレントゲンが必要。CTは例外的に使用するというスタンスのようである。


さて、そうは言っても、日本ではCTが多く用いられておりそれを読影せねばならないし、診断の正確性に関して、潜在性の悪性疾患やその他の疾患を鑑別するために有用かもしれないわけで・・・

やはり、日本人の絡んでいる論文で、、クラミジア肺炎のCT所見
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Chlamydia Pneumoniae: Comparison with Findings of Mycoplasma Pneumoniae and Streptococcus Pneumoniae at Thin-Section CT
(Radiology 2005;238:330-338.)
クラミジア肺炎にて、
CT所見
コンソリデーション 20 
すり硝子状(GGO) 13
気管支血管束(BVB)肥厚 17
結節 18
胸水 6
リンパ節腫脹 8
網状/線状陰影 15
気管支拡張 9
気腫化 11
両側肺陰影 12

BVB肥厚(P=.022)と気管支拡張(P=.034)は、肺炎球菌肺炎よりクラミジア肺炎で多い。
網状・線状陰影(P=.017)と、気管支拡張(P=.016)、関連する気腫化(P=.003)がマイコプラズマ肺炎より、クラミジア肺炎にて多い。

結論:thin-section CTにて広範な陰影所見を示し、肺炎球菌肺炎・マイコプラズマ肺炎と類似する。気道の拡張、BVB肥厚が、クラミジア肺炎においてより多く見られる。


そしてさかのぼるがマイコプラズマ肺炎のCT所見
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CT所見:Radiology(http://radiology.rsnajnls.org/cgi/search?qbe=radiology;2381040088&journalcode=radiology&minscore=5000)

Mycoplasma pneumoniae Pneumonia
Radiographic and High-Resolution CT Features in 28 Patients
AJR 2000; 174:37-41

CXR:気腔性陰影 24 (pathyもしくは区域性 9 非区域性 15)

CTにて:
GGO 24(86%)
コンソリデーション 22(79%)
粒状影 25(89%):CTにおいてCXRより多く見られ、小葉中心性所見が主
BVB肥厚 28(82%):CXR 18%よりかなり多い
結論:小葉性分布、小葉中心性分布、間質性所見
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レントゲン所見にこだわると・・・禅問答のようになる・・・呼吸器疾患

by internalmedicine | 2005-12-28 16:14 | 呼吸器系  

加齢黄斑変性と抗酸化ビタミン

抗酸化作用と称しているもので、効果の確立しているものってどれくらい有るのだろう・・・

最近はビタミンEをはじめ否定的なトライアル結果が多いと思う。

その中で、加齢黄斑変性(http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/011.htm#):AMDに対しては肯定的な方向に固まってきているようである。

たとえば、Cochrane Review

今回もJAMAも同様の傾向であった・・・
Dietary Intake of Antioxidants and Risk of Age-Related Macular Degeneration
JAMA. 2005;294:3101-3107.

AMDは、発展途上国では最も多い失明原因。最近、βカロチン、ビタミンCやE、亜鉛などの高用量サプリメントがAMD進展を遅くすると説明。
食事性の評価(Rotterdam Study 1990-1993)の半定量化食事アンケート調査。2004年までフォローしAMDの頻度調査。55歳以上の居住者のpopulation-based cohort study
5836名のうち、4765名が信頼できるデータで、4170名をフォロー
メインアウトカム:AMDの頻度
8年フォロー後560名にAMD
ビタミンE、亜鉛の摂取とAMDは逆相関
ハザード比(HR)/SD
 ビタミンE:0.92 95%CI 0.84-1.00
 亜鉛:0.91 95%CI 0.83-0.98

4つの栄養素(βカロチン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛))の中央値以上摂食は、35%リスク軽減:HR 0.65 95%CI 0.46-0.92
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もともと、
AHAステートメントの“科学的データからは、心血管疾患への予防・治療のための抗酸化ビタミンサプリメントの使用を正当化できない”
もあるわけで、理論は立派でも・・・実際は・・・ということが多いこの分野

ビタミンE使用は・・・心不全悪化、入院増加 from the Annals of Internal Medicineというのが今年重要な論文として呈示された。

量的にも、高用量(≥400 IU/d)ビタミンEサプリメントは全原因死亡率を増加させるため控えるべきというのがかなり重要とおもわれたが、
American Journal of Clinical Nutrition (vol 81, no 4, pp736-745)で、ビタミンEサプリメント1600IU、ビタミンC 2000mgまでほとんどの成人で安全との報告もあるようである。


・・・さて、実際、高齢者にはどう指導すべきか?
AMDの文献も食事性の抗酸化ビタミンの分析であり、決してサプリメントに関するものではないということから考えれば、
食事性のビタミンとして摂ることが重要であり、サプリメントとして摂取するのは量的に控えるべきというのは共通していると思うのだが・・・

by internalmedicine | 2005-12-28 11:52 | 医療一般  

肺炎予防に肺炎球菌ワクチンだとぉぉぉ・・・・?

情報ソースがはっきりしないのだが、NHKで、肺炎球菌ワクチンの啓発番組があったとのこと数人たてつづけに肺炎球菌ワクチンを希望してきた。いずれもが肺炎にならないためのワクチンを希望とのこと・・・これが肺炎球菌ワクチンの事なら、誤解である

読売とか、共同通信とか・・・、こいつらが、肺炎予防に肺炎球菌ワクチンだとかいって・・・誤報を継続表示!
・・・訂正する気もないのだろうか?


肺炎予防に関しては、否定的な代表的論文の存在
Jackson LA
et al. Effectiveness of pneumococcal polysaccharide vaccine in older adults.  N Engl J Med 2003 348: 1747-55.
 )がある。


何に対して有効かというと、侵襲性の肺炎球菌感染(IPD)などの血中に入り込むような肺炎感染の重篤な感染発症に対して効果である。完全ではないが、IPD予防に関する有効性は老人で約50-70%である(Fedson DS. The clinical effectiveness of pneumococcal vaccination: a brief review.Vaccine 1999 17: S85-S90.Butler JC et al. Pneumococcal polysaccharide vaccine efficacy: an evaluation of current recommendations JAMA 1993; 270: 1826-31.)という見解なのである。


 最近立て続けに、肺炎球菌による敗血症の患者さんの搬送があり、月に2回ほどあったときもある。いづれも基礎疾患を有する患者さんたちである。それを考えれば・・・IPD予防にワクチンはやはり重要であることは間違いない。・・・ただ、誤解をうけたままワクチン接種されてはたまらないし、浜六郎などのオンブスなんたらを召還する元となるだろう。

“日本ではハイリスクグループ(脾摘患者、脾機能不全者、鎌状赤血球症、心・呼吸器系の慢性疾患患者、免疫抑制を受けている者)を対象”とIDSCでは書かれてるが、一方では添付文書に高齢者も含んでいる。・・・・当局に、ぶれがあるようである。早急に、統一した見解を示すべきである。


・・・・もう一つ、誤解を生じる原因として、2種類のワクチンの存在がある
・23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine (PPV)
・7-valent pneumococcal conjugate vaccine (PCV):米国では、7価の血清型(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)の多糖体と不活化ジフテリアトキシン(Diphtheria CRM197 Protein)を結合させたワクチンが実用化され、小児に使用されています。この結合型ワクチンは、肺炎球菌の多糖体も1血清型あたり2マイクログラムと少量ですみ、副反応も少なくなっています。この結合型ワクチンの最大の特徴は、2歳以下の小児に対しても十分な免疫を付与でき、ワクチンに含まれる型の肺炎球菌による髄膜炎などの重篤な感染予防に有効であるとされています。(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/cQA014.html)


もちろん日本で主に利用されているのは、ニューモバックス(PPV)
23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養・増殖し,殺菌後に各々の型から抽出,精製した莢膜ポリサッカライドを混合した液剤


"日本で発売されている肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌感染症の八〇%をカバーしている。ワクチン接種により抗体価(免疫力)は接種前に比べ、平均四・四倍になる。ワクチンによる抗体価の持続期間は約五年。ただし現在、日本では再接種できない。副作用発現率は二四・七%(注射部位局所反応二一・七%、倦怠感三・九%、筋肉痛三・六%など)。副作用は三日程度で消滅することが多い。"(http://www.fukumi.co.jp/mm/add/1061_ad2.htm

あくまで、抗体の維持期間であり、それが臨床的な効果とは別問題なのである。そのことを誤解している向きが多い。



新聞・テレビなどの放送媒体で仕事をする連中は言わば情報の輸送屋である。その荷物の内容に関して、知識があるはずがないのである。しかし、その圧倒的な情報呈示能力により、誤解が流布されることが多く、そのうち、医療関係者でさえ、肺炎球菌ワクチンが肺炎に対する予防方法であると誤解すると・・・非常に困る。医療関係者は情報を常に正しくアップデートする能力が必要なのである。なにより、マスメディアは自分たちは素人であることを自認し、常に、補正を専門家に求めるべきで、そのように法制化すべきである。



ちなみに・・・肺炎球菌ワクチン希望者に以下のパンフレットを渡すこととした。

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by internalmedicine | 2005-12-27 11:13 | メディア問題  

アメリカ心臓病学会 2005年研究進展 トップ10

年末になると、今年を振り返りたがり、ベストテンを決めたがる。
アメリカ心臓病学会(AHA)も例外でないようである。・・・他の分野でもやれば結構おもしろいと思うのだが・・・
タバコ関係、肥満関係、社会経済的な問題が、このアカデミックジャーナルでも重要視されているのも特徴か?

確かに、stem-like cell注入と、卒中後の寒冷・温暖の交互刺激による機能回復は大変おもしろい。



http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=3036310


PREPAIR-AMI study; ドイツの研究:
自らの骨髄から得たstem-like cellを心臓発作後の生存者に注入してプラセボに比較して心臓ポンプ能力が約2倍改善


“Intracoronary Infusion of Bone Marrow-Derived Progenitor Cells in Acute Myocardial Infarction:A Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Multicenter Trial (REPAIR-AMI) ・・・(pdf

下肢末梢動脈疾患でも・・・

Source: American Heart Association Scientific Session 2005;

Varenicline:禁煙を助ける期待の新薬
http://health.yahoo.co.jp/column/detail?idx0=w05051103

脳内でニコチン受容体に結合して、ニコチンが受容体に結合するのを防ぐ。ニコチンが受容体に結合するとドパミンが放出され快感をもたらすことになるが、同薬によりその作用が阻害される。

ニコチンの報酬的、習慣形成性を生じる脳の受容体を刺激する薬剤の研究

α4β2ニコチン受容体部分的アゴニスト
“Smoking Cessation Efficacy and Safety of α4β2 Nicotinic Receptor Partial Agonist ? Results From Varenicline in Cessation Therapy: Optimizing Results.”

喫煙者はタバコを吸わない男性の13.2歳ほど早死にして、女性では14.5歳ほどである。
(U.S. Surgeon General’s Health Consequences of Smoking report from 2004)

bupropionとプラセボの比較では、varencicline群では約44%、bupropion群では30%、プラセボでは17.7%



AHAステートメント:小児肥満
・すべての子供は体重、身長、BMIを計算し、毎年プロットすること
・BMI 85から95パーセンタイルの子供は過体重リスク。注意深いフォローアップが必要
・過体重の子供(95パーセンタイル超)は体重を維持して、体重増加を防ぐよう努力をもとめる。思春期の体重減少は、BMIパーセンタイル減少を示唆、医療従事者の助言だけに限定しない。
・過体重の子供、医学的問題を有する場合、月2Kgの体重減少を目標にする

Source: Circulation. 2005;111:1999-2012;


RAVELからの薬剤溶出性ステントの有用性が判明し、3年。
その後、MACE(major adverse cardiac events)が半減とのこと。


Source: Circulation. 2005;111:1040-1044;


3月15日AHAにて、民族的・人種的格差にハイライト

・Kaiser Family Foundation/ACC報告にて、血栓溶解治療の人種差、白人に比較してアフリカ系アメリカ人に50%未満しか治療されてない。さらに、マイノリティーは心カテを白人ほど受けていない。“主な寄与因子は医療供給システムを含む医療上の不均衡である”。cultural sensitivityを欠いており、非英語患者のコミュニケーション障壁・保険・経済的限界をによる問題が寄与している。
・リサーチにおけるマイノリティーの参加も問題であり、信頼性を増す必要がある。
・クオリティーの高い医療へのアクセスのギャップを同定するよう、QOLの改善の政策レベルの研究、肥満などのリスクファクターにフォーカスをあてた基金化をadvocateすべきである。一次予防が重要。学校・職場などコミュニティーアウトリーチプログラムも

Source: Circulation. Mar 2005; 111: 1332 ? 1336; Circulation. Mar 2005;


間接喫煙は喫煙と同程度の有害性
最近10年の29の研究のメタアナリシスにて、
冠動脈疾患リスクは、喫煙者では約80、間接喫煙者の30%増加。

公衆衛生における間接喫煙のインパクトは、戸外の大気汚染の影響よりは大きい。
間接喫煙の影響は急性で広範囲。この影響は血液、血管、心臓の調律に数分で出現する。
AHAは、すべての人に喫煙と無縁であり、それを欲する人たちの権利を支持する。


Source: Circulation: 2005;111:2684-2698;

心不全に対するICD

心不全の通常の治療+ICD、通常治療+amiodarone、通常治療+プラセボで比較
2004年ACCミーティングで発表され、心不全+左室機能低下の患者のICDの予防的治療の有用性が示された。2521名のClass II or III心不全n+駆出率35以下の患者で検討されたもので、非虚血性心筋症患者と虚血性心筋症患者も含むもの
Source: N Engl J Med 2005:352:225-37


卒中生存患者、hot and coldが下肢機能回復を高める。
卒中リハビリテーションの温度刺激の効果が評価され、温冷の繰り返しが、急性卒中患者の麻痺上肢機能の回復を促進する。
温度刺激は、上腕や手の感覚や運動機能を数週間の治療で改善する。卒中85%まで上肢機能の改善がみられるが、回復は悪いことがしばしば。この研究では46名の急性卒中患者が参加し、2回の繰り返しで温/冷、冷/温で1週間に5日6週間行ったもの、それぞれのセッションは20-30分。サーマルパックを2つのタオルでラップし、患者の手や手首に掛ける。
温パックは75度で冷パックは0度。包んだタオルで、直接の組織障害を避ける。
(Stroke. 2005;36:2665.)
http://stroke.ahajournals.org/cgi/content/abstract/36/12/2665
Facilitation of Sensory and Motor Recovery by Thermal Intervention for the Hemiplegic Upper Limb in Acute Stroke Patients
Funding: Supported by the National Science Council (Taiwan) and the intramural fund of Tzu Chi University.

β2アドレナリン受容体遺伝子型が予後を推測。
ADRB2というgenotypeがあるなら、β遮断剤の治療で予後良好

Source: JAMA 2005; 294:1526-1533



高血圧前症にて心臓発作リスク3倍
研究者たちはFramingham Studyからのデータで、高血圧前症にて心臓発作3倍、心臓疾患が1.7倍ということを発見した。

Source: Stroke: 2005;36:1859


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ちなみに2004年は・・・・
American Heart Association's top 10 advances for 2004

①FDAが植え込み型人工心肺を認可
The New England Journal of Medicine, Aug. 26, 2004.

②NO-boosting drugが黒人の心不全生存率を改善
:BiDil
The New England Journal of Medicine, Nov. 11, 2004
(黒人専用・・・と紹介:http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/colm16/389573

③tPAが急性の虚血性卒中に有効だが、cotinuous transcranial Doppler経由の超音波にてよりこの改善が見られる。
The New England Journal of Medicine, Nov. 18, 2004.

④改良された血管形成術が、脂肪塞栓による高いリスクを有する患者に有益
The New England Journal of Medicine, Oct. 7, 2004.

⑤人工血管が現実のものとなってきた:2つの細胞、血管内腔の血管内皮細胞と血管外側の細胞をcollagen gelを通してマウスに移植し、長期可能に。
Nature, March 11, 2004.

⑥ショッピングモール、スポーツ会場や他の公衆的な場所における除細動器が心臓発作患者の生存率を2倍にした可能性
The New England Journal of Medicine, Aug. 12, 2004.

⑦重症の心臓異常のリスクを子宮内で検知:低形成左室症候群(HLHS):胎児性の大動脈狭窄によるもので、大動脈弁の狭窄も生じる。24ヶ月にて子宮内で治療。14例で性交。
Circulation, Oct. 12, 2004

⑧MEF2A、心臓発作に関連する遺伝子:プラーク形成する動脈壁を予防する役割
Human Molecular Genetics, October 2004.

⑨人の心臓は自らを治す:2002年、人の心臓は新しい心筋細胞を作ることができるという発見により人々は驚いた。この年、stem cellを含む人の心臓が筋肉と他の細胞をも作ると発見。このcardiac stem cellは心臓発作後心臓組織内で再生する
American Heart Association Scientific Sessions, November 2004. www.scientificsessions.org

⑩rimonabant:肥満と喫煙の薬剤
American College of Cardiology meeting, March 2004. American Heart Association Scientific Sessions, November 2004.


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2003年
:この年はガイドライン、AEDなど・・

2002年
:移植デバイス、ロボット手術、ACLSガイドライン

by internalmedicine | 2005-12-26 12:34 | 動脈硬化/循環器  

運動不足、GERD、ED

休日・午後テレビをみてると、特定保健食品の宣伝がいっぱい・・・で、嘘の嵐

たとえば、運動ではコレステロールは下がらないと断言(())されていた。東海大学の教授様が解説していた部分も、そして東京大学他の大学の名前も出てたから・・・その方々がアホなことを・・・とおもわれてしまいますぞ(この会社の製品→

resistance trainingの効果は結論づけできないが、好気的運動などはコレステロールへの効果もあるわけだし・・・

特保関係の宣伝に関わるのがリスキーだとわかってない大学関係の先生方が多すぎる・・・


日本でも家事や仕事の自動化、交通手段の発達により身体活動量が低下してきたことは明らかとのこと。
運動不足がUSでは増えている・・・

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Prevalence and Cardiovascular Disease Correlates of Low Cardiorespiratory Fitness in Adolescents and Adults
Mercedes R. Carnethon, PhD; Martha Gulati, MD, MS; Philip Greenland, MD

JAMA. 2005;294:2981-2988.


運動不足:思春期の子供の33.6%、成人の13.9%

成人においては女性(16.2%)の方が男性(11.8%)より運動不足の比率が高い。

非ヒスパニック白人系より非ヒスパニック系黒人・メキシコ系の方が運動不足。
すべての年齢-性群において、BMIとウェスト周囲径は運動と逆相関し、
年齢・人種補正的なオッズ比は過体重・肥満において2.1-3.7である。
低運動群で総コレステロール・収縮期血圧は高い、HDL値は低い。

アメリカにおいて思春期・成人でも運動不足の人が多い。そして、運動不足はCVDリスクファクターの頻度と相関する。
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次は、GERD(gastroesophageal reflux disease:胃食道逆流症)と狭心症との関係

Does GERD Affect the Heart?
GERDは酸誘起性血管収縮と冠動脈還流の問題を生じるため、虚血性胸痛を生じる可能性がある。International Journal of Cardiologyにて、GERDとCADを合併している患者の虚血の影響を報告したもの。
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CAD患者でpHモニタリング施行し、食道pHと病的逆流(PRs: pathologic refluxes)をpH metryにて測定
GERDクライテリアを満たす患者にopeprazone治療(20mg/day)7日間施行。ST低下のエピソード218エピソードの内、45(20.6%)で、PRsと関連。GERD患者はTIBs(total duration of ischemic episodes, expressed as total ischemic burden (TIB))をが大きく、ST低下が大きい (P <.015 and P <.035, respectively)。
omeprazole治療は食道pHモニタリングのすべてのパラメーター減少し (P <.0022)、ST低下の回数も減少 (P <.012)、TIBsも減少(P <.05)。
短期的omeprazole治療にて正常の食道pHとなり、GERD+CAD患者の有意に心筋虚血を減少した。
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Pharmacy Times - December 2005




EDとその後の心血管イベントは関連があるとのこと
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Erectile Dysfunction and Subsequent Cardiovascular Disease
JAMA. 2005;294:2996-3002.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/23/2996
関連因子補正後、ED頻度とその後の心血管イベントのHR:1.25(95%CI 1.02-1.53)
非補正下心血管イベント後、EDなしの男性では0.015人年、ED有りの場合、0.024人年である。この相関は現行喫煙による影響と心筋梗塞の家族歴による影響が大であった。
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by internalmedicine | 2005-12-24 10:55 | 動脈硬化/循環器  

お酒は細く背の高いグラスで・・・(BMJ名物年末論文?)

BMJのおふざけ論文てのは恒例

これが最高だろう
     ↓
Magnetic resonance imaging of male and female genitals during coitus and female sexual arousal BMJ 1999;319:1596-1600 ( 18 December )
この論文の新知見
性交中の男女のMR画像
・性交中のペニスの形はブーメラン状
・性交しない時の女性の絶頂期には至急の位置が上昇し、膣前壁が長くなるという形態的な変化をもたらす
・子宮サイズは絶頂期でも変化しない

以前のBMJ立派でした。


でも、最近レベル下がってる・・・昨年の分


気を取り直して・・・

グラスの種類ってのはいっぱいあるんですねぇ・・・参考


背が低く、円筒形に近い面積の広いタンブラーのようなものと、トール・グラスのような背の高く面積の狭いグラスとで、どれくらいアルコールの量を正確に告げるかという試験

Shape of glass and amount of alcohol poured: comparative study of effect of practice and concentration
BMJ 2005;331:1512-1514 (24 December)
198名の大学生と86名のバーテンダー
背が低く断面積の広いものと、背が高くスレンダーなグラスを比較
結果:アルコールの1ショット(1.5オンス、44.3ml)を注ぐときに、学生もバーテンダーも短く広いグラスの方が、長く細いグラスより多く注ぐ(46.1ml vs 44.7ml 54.6 vs 46.4ml)
経験6年に関わらず、バーテンダーは短く・幅広いグラスに20.5%ほど多く注ぐ傾向にある。

結論としては、アルコール過量にならないためトール・グラスのような背の高く面積の狭いグラスでお酒は飲みましょう。


焼酎好きは私は、タンブラーで飲むことが多いけど・・・背の高いのを探そうかなぁ



Editorialで・・・・幸福論を展開中(・・・後でまとめるつもり)
方針が変わったのかなぁ・・・

by internalmedicine | 2005-12-23 13:04 | 医学  

Googleが医療に及ぼした・及ぼす影響(BMJ)

Googleにとっては提灯記事だなぁ・・・と、思いつつ、やはり、商用的な検索エンジンの欠点もあり、その危惧も一部ぼかして書かれている。

Googleが医療に及ぼす影響・・・BMJ 2005;331:1487-1488 (24 December)
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医療系ポータルは論理的なネクスト・ステップ
A medical portal is the logical next step

世界の情報風景の変化をもたらした一年であった。昨年のクリスマス以来、突風が走った。世界の図書館のデジタル化が真剣にはじまったのである(著作権問題はあるが)。国際的に多くのニーズに支持されたオープンアクセス出版;Google、MSN Search、Yahooはデスクトップやモバイルへのカスタマイズされたツールを多く提供し、podcast、blog、Videaoサーチを提供。

Googleの影響とパワーは、大きく、医療ライブラリーに何をもたらしたか。

いかなる新しい有益なテクノロジーでも、不安をもたらすものである。NEJMにも、NYのリウマチ医が、診断に到達するまでの過程を呈示したフェローに教授が答えるシーンがあり、IPEX (immunodeficiency, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked)というレアな症例をぴたりと当てている。

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"William Osler," I offered, "must be turning over in his grave. You googled the diagnosis?"
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の一文

・・・・もはや医師はいらないのであろうか? 

Google後の世界では、エビデンスベースの教育が先行するところでは誰もが推測をする。診断をgoogling、治療法をgoogling、すべてをリードしてくれる・・・・

Googleはサーチエンジンのバトルの勝者である、少なくとも現時点では。
Google Scholarがまた加わった。この一年でさらに多くの生医学的なジャーナルウェブサイトが出現し、PubMedより多くが訪問することとなった。これ以降、多くの医師・医学生たちはGoogle Scholarを好み、よりpeer reviewed reseach化され、特に高い引用アイテムが素早く検索でき、枯れ山の針を探す如く検索が可能となった。


BMJにどこから到達したか?

Source Number
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Google 345 756
Google Scholar 105 185
Yahoo 57 967
PubMed (Medline) 14 522
PubMed Central 9 616
HighWire Portal 8 617
MSN 2 336
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Google&Google Scholarが他を圧倒している・・・・


科学系学会などはジャーナルをオープンアクセスへの移行にあるので、Google ScholarやElsevier's Scirus(www.scirus.com/srsapp/) はこの情報のゲートウェイとしての役割をさらに深めることとなろう。Scholarの特徴は引用数により上位にくるという特徴がある。これはペーパーで閲覧・引用されていることによるランキングである。故に、有益性が高い。library link programを通して各所のlibrary catalogueにリンクされ、WorldCatと呼ばれる国際的なデータベースを通して行われている。

臨床トライアル・システミックレビューする検索の場合、Scholarはもちろん分離して利用できない。PubMedCochrane他の信頼されているソース(TRIPUpToDate database、優秀な図書館員)を加えることで使用することで有用。政府・カンファレンスペーパーを検索することが困難だが、Googleも検索することを忘れてはならない。

有益だが、疑問が残る。Googleは“学術的”をどうとらえているのか?
Googlehaデータベースとは何であるかを我々に答えたことがあるのか?
検索トップに示されるという現在のGoogleアルゴリズムはもっとも有益な検索であるといえるのだろうか?
データベースのアップデートはどの程度の頻度でなされてるのか?

今後のGoogleはなにをなそうとしているのか?

Googleを利用することに興味をもつFounderは、医学への進展に興味を持ち、Googleのデータ最小化技術は遺伝子sequence分析にも適しており、自信の遺伝子をgoogleする可能性さえ示唆するとFounderが答えている。

Googleはまだビジネスであり、“do no evil”であり、“humanityのためにベストをつくす”ということではない。しかし医学上必要とするものが有れば、Googlehaおそらくmedical portalを形成すべきである。インターフェースを医療的フィルターを用い、アルゴリズムの向上を図るといった場合、Google Medicineと呼べるかもしれない、情報伝達の悪い、発展途上国にも適するのかもしれない。

Google Medicineを作れ! 医療上の有益性は計り知れない。
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EBMジャーナルというところに、google.comがサービス開始したばかりの時に、べたほめの記事を書いたことがあったなぁ・・・・と しみじみ・・・
あのころは、Yahooなどの登録型and/orディレクトリー型検索エンジンが最盛期で、それは検索順の便利さ故、よく利用されていたと思う。あのころのgooなどは必要とするウェブを見つけるためズーと下位まで検索せざる得なかった。引用順による検索エンジンというのが受けたと思う。
この順位が純粋なら良いのだが、広告収入というファクターや、要望により順位が変更されるという危険性がある。だから、純粋なGoogle Medicineというのが望まれるのだろう。

国家関与の、公的なデータベース整備もやはり必要だと思うのだが、それは触れられていない。また、日本の学会は、ガイドラインまで商用的に売りつけており、広くあまねく、普及するというもともとの目的を失っている学会が多すぎる。・・・厚労省あたりが指導してほしいものである。医療情報系のあつまりってのは、データベースの構築方法や変わった使い方だけの議論で終わっており、真のinformation techonologyの議論が乏しいと私は思うのだが・・・情報の質の問題、S/N比など・・・

by internalmedicine | 2005-12-23 12:22 | 医学  

新型インフルエンザ(H5N1)のタミフル耐性化事例

新型インフルエンザ(H5N1)は、以下の症例報告をみると
タミフル耐性がかなり早く出現するかもしれないと恐怖が実感がわく


母親から感染し、1人を介しただけで、ニューラミニデース遺伝子変異というのは、驚愕!

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Oseltamivir Resistance during Treatment of Influenza A (H5N1) Infection
NEJM Volume 353:2667-2672 December 22, 2005 Number 25

13歳ベトナム女性、体重28Kg!
1月22日、1日の発熱・咳嗽発症。この前日に母親がH5N1ウィルス感染で死亡。母親は1日のみのOseltamivir治療を受けた。母親からの採取したウィルスではoseltamivir耐性mutanceは判明しなかった。初診時すでに75mgのoseltamivirを開始し、小児科病院へ搬送、入院時40.3度、脈搏106/分、呼吸回数36/分で、WBC 4800/μl、リンパ球、12%、血小板数18.3千/μL、血液培養陰性

2回目のoseltamvir、初回から6時間後に投与。入院後24時間で3回目投与
cdftriaxone+amikacin投与
・・・・・
1月25日 oseltamivir投与4日めで、呼吸状態悪化し、高濃度酸素+CPAP療法
Vancomycin、ciprofloxacin、amikacin投与

WBC 1800/μL リンパ球 41%、ALT 144、AST 279 U/L
1月28日 右全肺と左下肺の肺炎陰影広汎で、同日死亡。剖検されず。

nueraminidase遺伝子のsequence analysisにて、アミノ酸排列274番目にてhistidineがtyrosinに置換(H274Y)が判明。

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同じNEJMの号で、個人のpill-stockingが批判されてます。





さて、この記事おもしろくて、医師の存在意義はここにあるのだろう・・・と思っている部分が記載されていた。
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医者が科学的エビデンスと職業専門家としてのスタンダードに基づいて医療を実践するものであり、少なくとも患者に利するものが合理性をもって存在する場合、有益性と有害性の比重をもって自己判断する場合、患者の要求に従うべきだが、もし、その範疇に有らざる場合、医師はその要求を拒否するのは正しい。
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個人の要求だけに従って、安易に患者への迎合することばかりを考えるな、科学的信念と職業的誇りを持って診療にはげもうではないか!


実際にpandemicが生じた場合は、(個人的に小泉はきらいだが)国民として、行政の命令に従わねばならないらしい・・・というのは以前記載。 

by internalmedicine | 2005-12-22 11:39 | インフルエンザ