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ロデオ・アスリートはむち打ちになりにくく、長期化しにくい

インチキ医学に利用されることの多い、JAMA

いわゆる特発性の脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)に関するレビュー
JAMA. 2006;295:2286-2296.が発表されている。


むちうちに関しては(むちうち≠ 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)と思うのだが・・むちうちは 積極的に治療するほど 回復が遅れる)などでふれたが・・・多疾患と同様、いろんな要因があるのだろう・・・昨今、地道な医学的な根拠の蓄積がなされれないまま、単純な仮説のまま、診断・治療がなされることに恐ろしいものを感じる。

ブラッドパッチを妄信する人たちは、低髄圧症候群に関するJAMAの記載
Numerous treatment options are available, but much remains to be learned about this disorder.”をかみしめてほしい。

 “むちうち→低髄圧症候群→ブラッドパッチ” とは 単純に行かないのである。
 
 それは、病因や診断(技術を含む)からして、まだ確立してるものではない。
 ましてや治療において未解明といわざるえず、個人的には実験的領域と思う。


いわゆる、むち打ち症は、不意をつかれた受動的な外力がなんらかの影響をあたえているのが本来のきっかけだが、その長期的なアウトカムに関してはいろんな要因があるようである。

Alberta Rodeo Athletes Do Not Develop the Chronic Whiplash Syndrome
(J Rheumatol 2006;33:975-7
ロデオの観客より自動車事故におけるアウトカムはロデオ・アスリートの方がアウトカム良好なのかを検討。

方法:この調査は自動車衝突事故むちうち外傷(頸部 and/or 背部むちうち)報告アウトカム調査

急性症状を思い出した衝突経験者である
・ロデオ・アスリート:33%
・ロデオ観客:61%

両群とも衝突時の自動車のタイプ、調査時の職種はは類似

有症状期間
・ロデオアスリート:30日(±14日)
・ロデオ観客:73日(±61日)

60日以上続く症状
・ロデオ・アスリート:0
・ロデオ観客:15%

3週間以上労働不能
・ロデオ・アスリート:0
・ロデオ観客:common

【結論】ロデオ・アスリートはロデオ観客者より多くの自動車事故に遭遇し、33%のむち打ち症状があるが、観客に比べ、疼痛継続・disability期間も短い
(J Rheumatol 2006;33:975?7)



ヒポクラテスの時代から・・・むちうちが・・・ってのは、よく使われる言葉である。このことからも嘘があるらしい・・・
(いんちき医学のやり口の一つとして確かめようもない・確かめがたい有名な御仁の名前を使うことはよく用いられる)
Editorial: Whiplash and the Clinician
Livingstonは、古代ギリシャの言い伝え例として述べている。厳格に言えば、“modern phenomenon”の本質にせまって用いられたものではない。そして、ヒポクラテスはケアに関するヒポクラテスの記載はほとんどされてない

Whiplash was not identified in the Hippocratic Collection, but whiplash today meets the Hippocratic criteria for a disease, based on causation and pattern recognition, and it still can be diagnosed by the classical methods of observing, listening, touching, examining, and recording, as Livingston points out.


ヒポクラテスから学んだ一番大事なものは、患者の直接観察は意義深い ということである。これは、現代でも主流である。しかしながら、ヒポクラスの名前だけを利用し、表面的な理解だけで引用され、ミスリードに利用されていることがある・・・・これは注意すべきことである。


ご承知の如く、intracranial hypotension(脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群・低脳圧)という病気は存在する。だが、むち打ちを結びつけ、髄液漏出がその原因であるごとくいうことにかなり抵抗感がある。

・・・これについて
低脳圧症のエビエンスを仮説に基づき治療することが適正かどうかしっかり議論されるべきである。

全人類共通の疾患であるはずなのにかかわらず、英文医学論文に於いて、この仮説を討議した論文をみることは稀で、もちろんそのレビューも調べる限り存在しない。外傷後低髄圧に関しては1960年代の日本語論文ひとつを見いだすだけである。極東の一地域のごく一部の人しかみとめていない診断・治療をどうして保険診療などできようか・・・



馬鹿なメディア
はこの事実を無視して、日本の医学はおくれているなどとほざくのであろうか?・・・腹立たしい限りである。


なお、特発性低髄圧症候群という病気・病名を批判しているのではなく、“むちうち→低髄圧症候群→ブラッドパッチ” という根拠無きプロセスを批判しているのでご留意いただきたい。

by internalmedicine | 2006-05-31 10:50 | 運動系  

イタリアンライグラス花粉

3-6月当地ではイタリアンライグラス花粉によるアレルギー性疾患が出てくる




牧畜業に関わる職業性喘息としての意味合いもあるようである。



日本で報告されている花粉アレルギー



アレルギー性結膜炎集団発生
の報告もあるようである。

イタリアン・ライグラスは、ペレニアルライグラス(Perennial Ryegrass)の一品種あるいは亜種と考えられていたが、まったく異なる種であるということが判明しつつある。両方ともWimmera Ryegrass (L. rigidum)を起源とする。いづれにせよ、種子にて、花粉症・喘息・結膜炎を感作されたヒトに生じさせる。
交差抗原性は多岐にわたる。(参考


by internalmedicine | 2006-05-31 09:37 | 呼吸器系  

航空機搭乗者へのストッキング効果

有症状DVTの頻度減少・下肢浮腫をストッキングは軽減するが、今回のトライアルのレビューでは致命的イベント発生がなかったので減少効果を評価できなかった。


Compression stockings for preventing deep vein thrombosis in airline passengers (Cochrane Review)
http://www.update-software.com/abstracts/AB004002.htm

【背景】
飛行機による旅行は深部静脈血栓(DVT)のリスクを増加する。
ストッキングがリスクを減少するかどうか
【目的】
少なくとも4時間以上のフライトする対象者のストッキング着用と未着用の効果比較
【対象クライテリア】
最低4時間続くフライトの乗務員のストッキング vs ストッキング無しのランダムトライアル
【主な結果】
10のランダムトライアル(n=2856)を含む
9トライアル(n=2821)でストッキング装着と無しで比較したもの
1つ(n=35)は両足ストッキング着用と非着用を比較したもの

9つのトライアルのうち7つ(n=1548)は低・中等度リスクと判断した対象者、2つは高リスク患者を含む(n=1273)。少なくとも7時間以上のフライト

両足ストッキングトライアル2637の参加者のうち50名で、フォローアップデータ活用可能なもので、有症状DVT出現。3例がストッキング着用。47例が未着用(Odds ratio 0.10 95%CI 0.04-0.25 P<0.00001)

3つのトライアルでは有症状DVTs出現無し。死亡者、肺塞栓、有症状DVTsは無し。
ストッキング着用は浮腫を有意に減少させるインパクトがある


ところで、男もストッキングをはくのだろうか?

by internalmedicine | 2006-05-30 09:38 | 医療一般  

Sleeper effect: たった一本のタバコで・・・依存



たった一本のたばこにより、喫煙衝動として、3年以上影響を及ぼすことが、10代の喫煙習慣研究にて、Tobacco Control誌に発表された。

これを “Sleeper effect” と 呼ぶようである。

Vulnerability to smoking after trying a single cigarette can lie dormant for three years or more
Tobacco Control 2006;15:205-209;
11歳の時のたった一度の喫煙の研究(n=260)で、継続しなかった生徒も全く喫煙しなかった生徒(n=1719)に比べて後に喫煙する傾向がある。それは喫煙しない3年後であったも、その影響は続くのである。14歳時のオッズ比は、一度もためしてない群と比較して、一度だけ喫煙した群では2.1(95%CI 1.2-3.5)である(性、民族、貧困度、両親の喫煙、疾患補正後)



毎日新聞の社説がいかに馬鹿げているかが、また、判明された。

タバコはGateway Drugという認識で、Teenagerの喫煙を阻止することが大事である。

馬鹿なメディアは早く世の中から消えた方がよい!

by internalmedicine | 2006-05-29 16:48 | 医療一般  

5月31日は「世界禁煙デー」

だそうで・・・

6月1日からニコチンパッチ「ニコチネル」の薬価収載ならびに保険使用認可・・・

しばらく、話題となるであろうか、禁煙関係は・・・

Use of Cigarettes and Other Tobacco Products Among Students Aged 13--15 Years --- Worldwide, 1999--2005
MMWR May 26, 2006 / 55(20);553-556
13-15歳の5人に一人が世界的に見ればタバコを使用している。MMWR(5/26)にて発表

WHOの世界記念デーは5月31日であり、今年のテーマは
"Tobacco: Deadly in Any Form or Disguise"

130カ国以上の学生に質問した結果
6つの地域に分けた結果

17.3%がタバコ製品のどれかを使用
包括的な喫煙率はシガレット8.9%、その他11.2%であった。

ヨーロッパ・アメリカではシガレットが多く17.7%
南・東アジアは4.3%と少ない
しかし、南東アジアはその他のタバコ(ie, cigars, smokeless tobacco, pipes, ...)13.3%で、西大西洋地域は6.4%と少ない

全地域に於いて、そのタバコの使用は一般的に女性より男性に多い。

しかし、全てのタバコの頻度は両性同様であり、タバコ・コントロールプログラムの効果は女児において特に取り組まれなければならない

このプログラムは、エビデンスに基づく介入によりタバコ関連疾患の広がりを減少するよう取り組まれなければならないとされている。

MMWR 2006;55:553-556.


ところで、any other tobaccoってcigars, smokeless tobacco, pipes, ...となているようだが、禁煙タバコも入っていることにご注目!
日本では、シガレット以外少ないと思うが、禁煙タバコなどにも注意が必要
この禁煙タバコが中学高校で流布されていることが問題とされている

未だに、禁煙タバコとか宣伝されているのだろうか?

by internalmedicine | 2006-05-29 12:17 | 医療一般  

NAFLDの重症度はDHEAにて 感度100%って?


Medscapeから・・・
血漿DHEA濃度で、非アルコール性脂肪肝の軽症例と重症例を鑑別する 06/05/26 DHEA濃度が0.45 mcg/dL以上かどうかで、NAFLDの軽症例と重症例を100%の感度で鑑別する【ロサンジェルス 5月22日】非アルコール性脂肪肝(NAFLD)患者で線維化が進行している者とそれほど重症でない者とは、血漿デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)濃度をバイオマーカーとして用いれば正確に鑑別できることを、メイヨー・クリニックの(ミネソタ州ロチェスター)肝臓病科長であるMichael R. Charlton, MDが当地において米国消化器病週間(Digestive Disease Week)の中で発表した。


とのこと・・・これが原因なのか結果なのか・・・不明なのだが・・・

そして
Dr. Charlton cautioned, "I'm not sure that at a clinical level it has any implications at this point; it's a first look analysis.... But if we see the same thing in other populations then I think we'll be happy to say that this is something people should be thinking about."
と、臨床的意義は未だ不明であるとのこと・・・



DHEAに関しては、サプリメントとして用いられるらしいが、血中の値による横断的研究でも均質な結果でなく、ましてや、投与してその結果は・・・まさに自己責任の世界。リスクとしては、動脈硬化そのものの悪化の可能性すらあるし、前立腺癌や乳ガンなどへの促進作用の可能性すらある・・・と思われる・・・以下、エビデンス・解説もどき


DHEA-S低値(横断的研究のまとめ:The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Vol. 88, No. 11 5076-5086

血圧、収縮期   ↓
血圧、拡張期    =
コレステロール、総、LDL↑/=
コレステロール ↓/=
TG        ↓/=
BMI・腹囲   ↑/=
インスリン     =
ぶどう糖      =

(=:有意な相関なし、↑:増加、↓:低下)

ということで、DHEA定値は、それまでの横断的研究の結果では動脈硬化予防的な指標と一致しているが・・・

1991-1995年→2000年8月までの963名の男性、1171名の女性(65-76歳)の老人男女とも、DHEASと全原因心血管死亡率との間に一致した相関はなく、男性において最も高い死亡率は最低値群で見られるが、女性では最高値群では死亡率が高い。
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Vol. 86, No. 9 4171-4177

Massachusetts Male Aging Studyを利用した前向き研究では、低DHEA・DHEAS値は男性のIHDを推定
American Journal of Epidemiology Vol. 153, No. 1 : 79-89

867名の前向き住民研究ではDHEA-S濃度 と 内頚動脈動脈硬化所見は関連なし(Bruneck Study:Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology. 2000;20:1094)

DHEAはヒトのマクロファージ泡沫細胞合成を増加させ、pro-atherogenic effectを有する。この効果はandrogen受容体を介してるように思え、リポ蛋白プロセシング酵素のupregulationに関与している。( Am Coll Cardiol, 2003; 42:1967-1974



Is dehydroepiandrosterone a hormone?
Journal of Endocrinology (2005) 187, 169-196



(A)閉経後女性の卵巣・副腎の働き
閉経後、卵巣からのestradiolの分泌が止まり、ほぼ100%の性ステロイドは末梢の標的intracine組織内で合成される。

(B)60歳男性のandrogen産生における精巣・副腎の役割

ACTH, adrenocorticotropin; DHEA, dehydroepiandrosterone; DHT, dihydrotestosterone; E2, 17ß-estradiol; LH, luteinizing hormone; LHRH, LH-releasing hormone; CRH, corticotropin-releasing hormone.


Dehydroepiandrosterone(DHEA)はホルモンではないが、ヒトや他の霊長類の副腎に大量に存在する。しかし、それ以下の種ではない。コーチゾルより大量に分泌し、コレステロールの次の濃度で血中で存在する。
DHEA→androgen and/or estrogenへのtransformするのに必要なすべての酵素は細胞特異的な方法で末梢ターゲット組織で発現される。すべてのandrogen感受性・estrogen感受性組織にて産生され、ローカル・ニーズに従って性ステロイドの細胞内のコントロールを調整する。
この内分泌の新しいフィールドはintracrinologyと呼ばれている。
女性では、閉経後、すべてのestrogenやほとんどすべてのandrogenは末梢組織内で局所組織でDHEAから作られ、骨形成、adiposy、筋肉、インスリン、糖代謝、皮膚、libido、well-beingへ間接的に影響を及ぼす。
男性では障害睾丸でandrogen分泌されDHEAからandrogenへの関与は前立腺で特に評価され、androgenの50%がDHEAで局所的に作られる。
この結果、combined androgen blockade (CAB)の合成となり、抗androgen(GnRH agonist)や手術的な去勢を加え、androgenのアクセスをブロックする目的としている。
実際、CABは進行前立腺癌の予後改善が示されており、局所性の前立腺癌の90%が少なくとも治癒する可能性が示唆されている。
主に、乳ガン、前立腺癌の治療に関して大きな発展があり、生理学的なHRTなどの用い方は、androgenとestrogenのバランスをもたらす可能性がある。



by internalmedicine | 2006-05-28 19:41 | 動脈硬化/循環器  

マルチビタミン・ミネラルサプリメントに関する否定的見解相次ぐ!

ビタミンサプリメントに関しては否定的な情報が多くなってきている。
欧米では公的機関がその使用に対して一定の歯止めをかけようとする動きがはっきりしてきている。
(日本では根も葉もないorミスリードした情報でマルチビタミンを大企業も含め宣伝に盛んであるが・・)


マルチビタミン有効性の証拠はない!
Lack of evidence for benefit of multivitamins
The Lancet 2006; 367:1704
US National Institutes of Healthのpanelで、マルチビタミン・ミネラル サプリメントの一般の人の慢性疾患予防への使用に関して支持・助言をするには十分なエビデンスがないという結論となった。

3種以上のビタミン・ミネラル(生薬やホルモン・薬剤を含まない)を含むサプリメント研究後、パネルでは、その有効性・安全性を検証する大規模なランダムトライアルの必要性を強調した。加齢関連の感覚低下、心血管、内分泌、神経学的、筋肉骨格筋、胃腸、腎臓、肺疾患などの慢性疾患に関する問題である。

マルチビタミンとミネラル使用の潜在的リスクがあり、有効性データが少ないということで、アメリカNIHの委員会はFDAによるサプリメントの規則作成を求めた

アメリカ成人の半数以上が食事性のサプリメントを使用し、多くはマルチビタミンやミネラルであり、年230億ドル消費している。さらに65%は食事・飲料で、ビタミン・ミネラル添加物として360億ドル消費している。

欧州国会は、ビタミン・ミネラルを食品に加えることに関する異議を唱えることで一致し、食品の栄養学的価値に関する情報を消費者に与えることに関して食品に表示することに同意した。



JAMAが自説をひるがえす ==ビタミン剤を推薦==などと称する記載がウェブ上有りびっくりするが、JAMAの該当文献にはそういう記載はない。

引用されているClinical Corner・・・その後のホモシステイン仮説の反論が多数出される前の一過性のコメントの言葉尻をとらえてるに過ぎません。内容もむしろビタミン・サプリメント使用推奨に対しては自重するよう求めております。それを理解してないのか、わざと曲解させているのか・・・真逆の根拠としてしまってます。
仮説否定論文(NEJM Volume 354:1578-1588 April 13, 2006 Number 15

葉酸・ビタミンB6,12を含む方がイベントが多い!


JAMAが反省してビタミンサプリメント推奨したと、大嘘つきQuakerどもが主張するDocotor's Corner

Vitamins for Chronic Disease Prevention in Adults
JAMA. 2002;287:3127-3129.

壊血病・脚気といったビタミン欠乏症候群は西洋では滅多にない。しかし、至適値以下というのは慢性疾患のリスク要因となり、慢性疾患のリスク要因であり、一般に、特に老人で多い。葉酸値の至適値以下、ビタミンB6,12といったものの至適値以下を伴っていると心血管合併症のリスク要因となり、神経管欠損、結腸・乳癌のリスク要因となる。ビタミンD低値は骨欠乏・骨折と関連、公算かビタミン(A,E,C)は慢性疾患のいくつかを増加させるかもしれない。多くの国民は食事で全てのビタミンを至適量摂取することはできない。しかし、ランダムトライアルの有効性に関する強いエビデンスの存在の結論は保留されているので、ビタミンサプリメントを全ての成人に対して勧めるのは慎まなければならないと考えられる(Pending strong evidence of effectiveness from randomized trials, it appears prudent for all adults to take vitamin supplements.)

年齢、性、身体運動などで、特異的にサプリメントを案内することで、マルチビタミンの内容をtailoringすることのエビデンスはまだない。(注. サプリメントクリニックの存在理由否定)
医師は、ビタミン摂取の状況を確認して、患者のビタミン使用に関して学ぶ努力をすべきであり、妊娠可能年齢の女性への葉酸投与を勧め、妊娠中高用量ビタミンAの危険を避けること、脂溶性ビタミン使用の過剰摂取を全年齢層にて注意するよう注意すべきである

赤文字のところをよめば決してJAMAの記事でサプリメントを推奨してないことが分かるだろう!都合の悪いところはとばしてるのである。・・・そしてそれを猛進して、したり顔でテレビ・Web記載や患者にとくとくと説明する馬鹿医者どもも存在する。・・・原文くらい読んでから人前で説明しろ!


この解説の元となった論文は・・・・
Vitamins for Chronic Disease Prevention in Adults
Scientific Review
JAMA. 2002;287:3116-3126.


ビタミン欠乏の高度リスクを持つ人たちや至適以下の状態の人たちもいる。
多くの医師は、ビタミン供給源としての通常の食物に気づいてないし、これらの患者に推奨すべきビタミンについて不案内である。
ビタミン過剰がサプリメントでは存在し、特に脂溶性ビタミンでは考えられる。

・・・ともともと、ビタミン・サプリメントの有害性を強調した論文でもある



JAMAの記載の一部を利用してJAMAはビタミンサプリメント推奨している。ところが厚労省はサプリメントでなく食品からと述べている・・・と曲解した主張をするWeb記載にであった。・・・開いた口がふさがらない


ビタミン・サプリメントに関する情報は大規模ほどそして信頼できる機関からの発表ほど否定的な結果が多い(もちろん全否定はしてないが)。



嘘情報にまどわされないために・・・

概念的主概念的主張・仮説は、後年誤りが判明することが多い
各自、その情報を検証しろ!原著を読むまでその意見を信用するな!・・・原著をみても疑え!
権威のある雑誌・団体が主張してると語っているとき特に注意しろ!(原著を読まないと仮定されて、かたられていることが多い)
人前で、ものをしゃべるときは、特に調べてからものをいえ!(引用先を各資料に明示すること)
原著を読む能力のない人の意見を聞くのは時間の無駄!


メールマガジンで最低の記載があったようだが・・・痕跡 :妄想の上に、妄想が累積されてます

by internalmedicine | 2006-05-27 10:22 | Quack  

急性肺障害の水管理

水管理について
http://content.nejm.org/early_release/index.shtml#5-21-06b

体液管理というのはまだ結論が出てない。そして、肺動脈圧測定自体がリスクがある可能性がある。


conservative approachでは、水分のintakeを制限し、肺水腫減少のため尿量増加をさせ、人工呼吸期間を短くさせ、生存率改善をめざす治療法。ただ、この方法はリスクとして心臓心拍出量減少し、非肺臓器疾患機能を悪化させる可能性がある。

liberal fluid approachは、前項の内在性の利点とリスクに関して逆である。



水分管理はどうしたらよいのだという疑問が発生している。

保守的な水管理が、ALIでは好ましいと、NEJMのearly releaseにてランダム化トライアルの結果が発表された。しかし、編集者は、ALIの引き際(ebb)と流す時(flow phase)の区別に注意しろと述べている。

ALIの適切な水分管理はは不明、利尿剤・水分制限は肺機能を改善するが、肺外臓器潅流を阻害する可能性がある。7日間の詳細なプロトコールを用い、1000名のALI患者で、保守的vs進歩的水管理を行った。


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プライマリ・アウトカムは60病日の死亡数、セカンダリ・アウトカムは人工呼吸管理無し日数と臓器不全無し日数、肺機能の測定

60日にて死亡率:保守的25.5%、進歩的28.4%(P=.30 95%CI -2.6-8.4%)
初期7日にて、保守的プロトコールは平均水分バランスは-136±491mL、進歩的プロトコールは6992±502mL(P<.001)

進歩的戦略に比べ、保守的戦略ではoxygenation index(平均気道内圧×吸気酸素分圧/PaCO2×100)の改善、人工呼吸無し日数の増加(14.6±0.5 vs 12.1±0.5 P<.001)、初期28日間のICU非滞在数(13.4±0.4 vs 11.2±0.4 P<.001)の増加が見られた。

しかし、この戦略は60日めの調査期間中のショック発生頻度や有病率増加させず、透析使用にも影響なし (10% vs 14%; P = .06).

60日めの死亡率というプライマリ・アウトカムでは差異がないが、保存戦略は人工呼吸や集中治療期間短縮に働き、非肺臓器不全増加無しで働く。

by internalmedicine | 2006-05-26 15:55 | 呼吸器系  

非悪性疾患への音楽療法

この論文はパワー・痛み・うつ・disabilityへの音楽の影響を検証したもので、研究者側が提供した音楽と被験者側が好む音楽の影響の違いを検証したもの

Effect of music on power, pain, depression and disability
Journal of Advanced Nursing Volume 54 Page 553 - June 2006
背景:慢性非悪性疼痛は従来の介入にかかわらず持続するのが特徴。しかし、その影響は検討されてるとは言い難い。
方法:ランダム対照臨床トライアルを、60名のアフリカ・caucasian、21-65歳の非悪性疾患由来の疼痛患者を対象
標準音楽(被験者側用意の音楽):n=22
患者選択音楽:n=18
対照:n=20
McGill Pain Questionnaire short formにより疼痛測定
Center for Epidemiology Studies Depression scaleによるうつ測定
Pain Disability IndexによりDisability測定
Knowing Participation in Change Tool(version II)でパワー測定

【結果】音楽群は対照群よりpowerはより強く、下肢疼痛、disabilityが少なかったが、統計学的に2つの介入群で差はなかった。
音楽の直接・間接作用を推定するモデルの存在が示唆された。


サマリーはあまりにサマリーなので・・・

・対照群より音楽群の方が、"sense of power"の増大がみられたpatterning (自己選択群 260.41; 標準 254.23; 対照 240.78)対照群との比較では、patterning (自己選択群)8%、標準音楽群(検査者選択)では6%と少量の変化があった。

・試験前から試験後で、両音楽群では疼痛20%減少したが、2%の増加が対照群では見られた

・うつスコアは音楽群で減少
自己選択群の補正減少は対照群比較で25%、標準音楽群(検査者選択)では19%
両群とも対照に比べdisability scoreの低下が見られた
補正平均スコアで比較すると、自己選択群では9%減少、標準音楽群は18%の減少がみられた。一方、対照群ではdisability7%増加した。

別途、まとめた。



最近はすぐ資格認定制度と結びつけられ、その分野がほんとに科学的に立証されているかどうかに関係なく、そして、資格認定側の実際の臨床的実績に関係なく、特定の団体が勝手に資格制度をつくり、お偉いさんに座ってしまう・・・そんなことがめだつ。

米国にもMusic Therapyの分野は存在するが

psychology, music, biological, social and behavioral sciences, disabilities and general studiesなどの分野を研修が必須となっている。

対して、日本のシステムは、分野規定のない質の疑われるシステムである。
真新しい分野であるなら、分野規定のある、最低行動心理学などの研修が義務づけられるべきであり、上層部もそれらの研修が必須であり、その技能もためされるべきだろう。
現在、このセラピストをみると、音楽には長けてるが、医学的知識が無く、その評価システムが全く理解できてないと思われる事例が身近にある。

音楽療法士に関して、現在、科学的エビデンスはかなり不足しており、まずその基礎的研究が必要だと思う

お仕着せの音楽と患者に個別化された音楽(patterning )とに差があるかどうかも分かってないのである。

上記論文は看護師の研究である。看護師の研究として日本でも発展してもらいたいと私などは思っている。

by internalmedicine | 2006-05-26 10:09 | 医療一般  

viscous fiberという概念

アテローム硬化性血管疾患患者の二次予防に関する最新ガイドラインに書かれていたViscous Fiberというのは日本語で検索できるWeb上の記載が少ない。

まぁ信頼できそうなのは、引用ウェブでの記載程度か・・
他のサイトは粘稠性=可溶性とか、逆に、粘稠性=不溶性という混乱があるようである。

信頼できそうな英文だが、大学のWebサイトの訳をしてみた!


食物繊維は、元来植物の細胞壁である非消化性のポリサッカライドからなり、そのタイプは viscosity(粘稠性)、 fermentability(発酵性)、fecal-bulking(糞便膨張性)、water-binding(水結合性)によって分けられる。
不溶性・可溶性繊維は粘稠性とは異なる。
食物繊維は典型的に可溶性・粘稠性の繊維両者の性質を持ち、小麦、大麦、大豆、乾燥豆、エンドウ豆、柑橘系果物に多く含まれ、不溶性・非粘稠性の繊維は
繊維の両者の性質を具有する繊維が典型的ではあるが、全麦、ほとんどの果物に多く含まれる。
粘稠性は重要な生理学的な要素である。何故なら、栄養成分が十分に吸収されるためには小腸内での食物の通過が遅い必要があるためである。
この特徴は、血糖や食欲の調整に役立ち、胆汁酸再吸収の量を減らすことにつながる。不溶性繊維の健康上のメリットは水結合能と関連し大腸の通過時間を減少させることとなる。このことにより、大腸癌のリスクを減少させ、発ガン性のある老廃物に長の細胞が晒される時間を短くするという理論的根拠につながる
NorthWestern University

by internalmedicine | 2006-05-25 16:15 | 動脈硬化/循環器