<   2006年 06月 ( 53 )   > この月の画像一覧

 

決められたとおり薬を服用する人は、守らない人より寿命が長い: Healthy Adherence効果

実は、私、AdherenceComplianceの実地上のニュアンスがよく分かってない。接着分子なども“adherence”を用いているが、“compliance”は呼吸生理学でもおなじみの言葉なのに・・・


薬剤服用を頑固に守るというイメージなのだろうか?


薬剤治療への服薬遵守性(adherence)の良い人は、全面的な健康行為への代理的マーカーとなるかもしれない。Simpsonらは、21の観察研究のメタアナリシスにて、45万名以上の参加者の薬物治療への良好・不良adhrence患者での評価を行い。良好なadhrenceの人はプラセボ群でも薬物介入群でも、不良な人に比べ、死亡リスクが約半分である




この現象を“healthy adhere”効果と呼ぼうと著者らは述べている。

対象論文:A meta-analysis of the association between adherence to drug therapy and mortality
BMJ 2006;333:15 (1 July)


約1/4に人が処方へのadhrenceが悪い。処方がなされると後は患者要因である処方薬服用の順守性がその予後に関してcriticalな局面に至ることとなる。
多くの文献で、adhrence測定方法やそれに関わるリスク因子の解析などがなされてきている
Patient compliance―an overview. J Clin Pharm Ther 1992;17: 283-95.
The missing ingredient in compliance research. Int J Technol Assess Health Care 1995;11: 443-55.
Adherence to pharmacological interventions. Current trends and future directions. The Pharmacological Intervention Working Group. Control Clin Trials 2000;21: S218-25.
Adherence to medication. N Engl J Med 2005;353: 487-97.


いずれにせよ、良好なadhrenceの患者ほど臨床的アウトカムが良好という結果は一致している。

不良群と良好群との差は死亡率に於いてどの程度なのかということでの調査されたもの

by internalmedicine | 2006-06-30 12:09 | 医療一般  

プライマリ・ケア医への患者の評価は正しくない

医療の質の複合的・多次元的なとらえ方というのがなされつつあった1980年代からの動きはアウトカム・ムーブメントがあり、患者の視点から医療を捉えることであった。
医療におけるパターナリズムからの脱却等という言葉とともに、患者主体の医療という標語の元、患者の要望・志向を受け入れることが、最優先すべき医療のベストアウトカムであるかごとく思われている時期があった。
同時期、世界各国とも同様な傾向であり、USなども患者レポートを医療プランの質の評価基準として用いているのである(Med Care. 2001 Dec;39(12):1313-25.)。イギリス・USで患者の一般医家への評価作業がなされている(Med Care. 1998 May;36(5):728-39.,Family Practice Vol. 17, No. 5, 372-379。多くの状況で検討され、一般医家評価の研究は一般医家評価質問指標((www.gpaq.info/と修正されている。

しかしながら、患者からの評価がカルテから得られたデータで評価したところのgood clinical practiceとほんとうに相関があるかどうか?


・・・それを調べた研究
     ↓
Patients' own assessments of quality of primary care compared with objective records based measures of technical quality of care: cross sectional study
BMJ 2006;333:19 (1 July)
一般医家への老人患者自身の技術的な医療技術の質の評価は、技術的な医療技術の測定とは密接な相関はない
横断的研究で、65歳の>3000名異常の一般医家への評価を行ったもの
患者自身の評価と客観的臨床行為記録の結果、モニターされた高血圧では0.22、コントロールされた高血圧では0.30、インフルエンザワクチンでは-0.05であった。



患者の主観的要望の達成のみが、ベストな医療であるという行き過ぎた時代の傾向に関して、ブレーキがかかるべき・・・という方向性を示唆する論文と私は思う。



厚労省の医療保険制度を検討する委員会など、患者側代表を組み入れ、患者ニーズをふまえた議論をすることになった。・・・選ばれた代表が・・・ほんとに患者側代表なのか議論が必要

そして、患者側の要望が、すべての規範基準であれば、それも正しいのか・・・という疑問もでてくる。自分の都合の良い時間に診療を受けられ、待ち時間が無く、苦痛のない、治療効果の最もすばらしいもの、要望通りの結果が当然で、そして負担金が少ない医療・・・そういったものが患者側の希望であろう。それは誰かの負担や犠牲がなければできない。

患者の希望している医療というのが、よりよい臨床的なアウトカムを目的とした医療を理解し、そのための選択を好むかというはなはだ疑問というのが一般医家の感想ではないかと私は思うのだが・・・パターナリズムが流行らない時代、それを理解していただくのもはなはだ困難になってきた。

私でも、全くの間違いではないが、もっとエビデンスのある診療方法をした方がよいのに・・・と思う医師がいる。現実には、主観的患者の訴えやニーズを満たす医療機関の方が患者が多いのだろう。そして一般医家もそういった流れに疑問を感じながらも、経営のため従わざる得ない。

医療技術・知識だけが一般医家・開業医の存在意義だけではないのだろうから、まぁ、そういう医療機関もあって良いとは思うのだが・・・いろいろ疑問に感じる


患者の表層的ニーズではなく、最終的なアウトカムを考えた医療を行うことが大事と私は思うのだが(偉そうに言えるほどの医者じゃないので・・・)

by internalmedicine | 2006-06-30 11:33 | 医療一般  

豊胸術脂肪注入は不適切と・・・


カリスマ美容形成外科医が話題らしい・・・我々貧乏開業医と対極にある存在なので、基本的には興味ないが、過去豊胸術に関してふれたことがあるので・・


豊胸術は乳首の感度を下げる

デンマークでは豊胸手術を受けた女性は自殺者が多い



話だけ聞けば、Autologous Fat Transplantation for Breast Augmentationなのだが、1時間程度でできるものなのだろうか?・・・マスコミ経由の話だから信用できないが・・・・

Reviewを閲覧しようかとおもったが費用も高いのでやめた


代わりに・・・ウェブで情報収集・・


自己組織を胸部に注入する方法は血小板ゲルを用いることでその成績が改善し手きている。脂肪は注射により吸引して採取される。10年間にて65例で、平均保持率は73%
患者満足度はたかい。合併症は小領域の溢血と、線状萎縮である。
シリコン注入を好まない患者への代換手段ということになる(参照


Fat transfer、いわゆる自己脂肪移植やmicro-lipoinjectionと呼ばれ、顔面などをpump upする手技。
しわ伸ばし手技としてpopularになりつつある。
他の体の部位にも使われつつあり、手の萎縮、手術後・外傷後の欠損部位などにも利用されつつある。ただ、乳房への適用は不適切。mammogramによる乳癌発見を困難にすると、American Academy of Cosmetic Surgeryのサイトに書かれている。

カリスマ美容外科医は、この豊凶手術として第一選択として問題ある手技に対して、なんらかの解決手段をもっているのだろうか?・・・でなければ・・・問題なのでは?

by internalmedicine | 2006-06-29 16:53 | Quack  

認知症・アルツハイマー病に関してホモシステイン濃度は独立した予後因子

認知機能障害の頻度は年齢とともに増加し、加齢人工の増加とともに社会的関心となってきている。ホモシステイン値がこの認知機能低下のリスク要因であり、治療介入可能である可能性が考えられた。Alzheimer病疑い・確定診断例にて対照群よりホモシステイン濃度が高いという報告(123
8年間でホモシステイン濃度>14μmol/l超過対象者は、低濃度対象者よりアルツハイマー病発症しやすいという研究結果(NEJM 346:476-483 Feb 14 2002(7))がもたらされた。

さらに多数の横断研究にてホモシステイン値と認知機能のパフォーマンスの逆相関の報告がもたらされている。


2年間の、血中ホモシステイン濃度増加老人に比べ、減少老人では認知機能が優れているかどうかを検証するトライアル

Plasma Homocysteine as a Risk Factor for Dementia and Alzheimer's Disease
Volume 346:476-483 February 14, 2002 Number 7
【方法】1092名の認知症無しの対象者(667名の女性、425名の男性;平均年齢 76歳)・Framingham研究サンプル
ベースラインでの血中総ホモシステイン値を測定し、新規発症認知症フォローアップ8年間
多変量解析(年齢、性別、apolipoprotein E genotype、ホモシステイン値以外の血管リスク要因、葉酸、ビタミンB12、B6
【結果】8年フォローアップ期間中央値にて、認知症111名発症、うちアルツハイマー病83名の診断

ベースラインもしくは8年以前の、ホモシステイン値対数変換値における 1 SD の増加に対する、認知症の多変量補正相対リスクは1.4(95%CI 1.1-1.9)


同様な手法で表したところの、、1 SDあたり増加に対するAlzheimer病の相対リスクは ベースラインでの1SD 増加あたり1.8(95%CI 1.3-2.5)で、ベースライン前の1SD増加あたりにつき1.6(95%CI 1.2-2.1)

血中ホモシステイン値 14μmol/l超過値は、アルツハイマーのリスクを倍加する

【結論】血中ホモシステイン値の増加は、アルツハイマー病の認知症進展の強い、独立したリスク要因である。



本文中に書かれているが、

葉酸による治療、他のB6、B12の併、穀草類種子産物を含む食事サプリメントなどは血中のホモシステイン値を減少させる可能性がある。しかし、Framingham研究での対象者でのホモシステイン値は16次、20次調査より減少しており、このコホートを現在そのまま当てはめることはできない可能性がある。
さらに、ビタミンサプリメントで、認知症を減少させるという前向き研究トライアルは存在しないので、この知見をそのまま医療行政や治療推奨に使うことはできない

・・・サプリメント業者や軽薄なお医者さんたち最後の文面をよく見ていてほしい


へんな宣伝に使われそうな予感を感じるので・・・先に書いておく

by internalmedicine | 2006-06-29 13:01 | 医療一般  

甲状腺機能低下症の維持量の目標値



AFP(http://www.aafp.org/afp/20011115/1717.html)の記載から
視床下部下垂体系が正常の患者では、TSHの変化は、血中甲状腺値の変化に遅れる。TSH値はlevothyroxine量補正後4週間より後に評価すべき
TSHへの影響は8週後まで現れないだろう
下垂体機能異常の場合、euthyroidを維持しているかどうかは fT4、fT3値を測定して行うべきで、目標は遊離甲状腺ホルモン値を正常中間から上限までの間で維持することである
データはないがほとんどの患者でTSH、fT4は毎年測定士、一度安定したメンテナンス量に達したら、60-70歳まで適量を継続するのが通常
年齢とともに甲状腺結合能が低下し、血中アルブミンが減少する。

とある。




一方、ハリソンでは・・・
"When the diagnosis is confirmed, T4 is instituted at a dose of 10 to 15 g/kg per day and the dosage is adjusted by close monitoring of TSH levels.
T4 requirements are relatively great during the first year of life, and a high circulating T4 level is usually needed to normalize TSH."
と具体性がない・・・


横断研究であり、エビデンスレベルでは高くないが・・・

Which thyroid-stimulating hormone level should be sought in hypothyroid patients underl-thyroxine replacement therapy?
International Journal of Clinical Practice, Volume 60, Number 6, June 2006, pp. 655-659(5)
L4-RT(thyroxine補充療法)患者の、TSH値抑制と血中ホモシステイン値・CRP・フィブリノーゲン・d-dimer・血中コレステロールなどの心血管リスクパラメーターの関連があるかどうか?
4002名の甲状腺機能低下患者を横断的に調査
任意の方法でL4-RT下のTSH(mIU/l)に達した値でグループ分け
fT3、fT4正常な中で、TSH 0.4-2を1群(n=154)、2-5.5を2群(n=176)、5.5-20を3群(n=72)
3群を一過性甲状腺機能低下(n=71)、健康対照(n=797)と比較


ホモシステイン値(μmol/l)は有意に3群で異なる (10.4 ± 4 for group 1, 11.3 ± 3.7 for group 2 and 13.5 ± 4.7 for group 3; p < 0.01 for all groups)
CRP(mg/l)も有意に3群で異なる(2.6 ± 2.6 for group 1, 3.3 ± 2.9 for group 2 and 4.8 ± 4.1 for group 3; p < 0.01 for all groups)

単変量解析で、ホモシステイン値とCRP値は有意にfT4とTSH値で相関(p<0.01 両群)

統計学的な相違はfibrinogen、d-dimer値で3群間で認められなかった。


脂質でのL4-RTの影響は、統計学的に有意差はないが、脂質パラメーターへの影響の傾向が見られる。

目標TSH値<2がCRPやホモシステイン値低下、一部脂質パラーメーターを指標とする場合、助言しうるものである




何れかを目標にするかは・・・?

by internalmedicine | 2006-06-29 10:57 | 内科全般  

ヨード過剰摂取:甲状腺機能低下・自己免疫性甲状腺炎 :日本も他人事じゃない


中国のような共産圏は国家的な行動がはやいので、施策が徹底され、極端な影響がすぐ現れるようである。
1996年以降中国国内では塩がヨード化されている。結果、国家レベルでヨード摂取増加している。中国の担当省庁データだと、165μg/L(1995)→330μg/L(1997)となり、その後306μg/Lとその値は維持されている。
WHOガイドラインに従うと、国際子供基金とInternational Council for Control of Iodine Deficiency Disordersは
中国のある特定の住居者は適正以上(尿中 200-299μg/L)あるいは過剰摂取(>300μg/L)となり、その期間中に、甲状腺疾患の患者数が増加している
と報告されている。


それに関する論文・・・

Effect of Iodine Intake on Thyroid Diseases in China
NEJM Volume 354:2783-2793 June 29, 2006 Number 26
【背景】ヨードは甲状腺ホルモンの必須成分である;低・高用量摂取にて甲状腺疾患をもたらす
不足地域(尿中ヨード排泄中央値 84μg/L)、適切量以上地域(中央値243μg/L)、過剰地域(中央値 651μg/L)にて分けられた中国のコホート研究では、ヨード増加に伴い一過性の甲状腺機能低下、subclinicalな甲状腺機能低下、自己免疫性甲状腺炎が報告されている。
1999年参入時基礎値研究、2004年5年フォローアップにて、地域的差異の影響にてヨード摂取と甲状腺疾患発生の関係を調査
【方法】 3761名のベースライン研究時対象のうち、3018(80.2%)でフォローアップ。
甲状腺ホルモン、甲状腺自己抗体値、尿中ヨード測定、甲状腺B-mode超音波検査をベースライン、フォローアップ時検査
【結果】
軽度ヨード摂取欠乏地域の対象者のうち、適正以上の場合、過剰摂取の地域を調査

一過性甲状腺機能低下症累積頻度は0.2%、0.5%、0.3%
subclinical 甲状腺機能低下症は 0.2%、2.6%、2.9%
自己免疫性甲状腺炎は0.2%、1.0%、1.3%



(高い甲状腺ペルオキシダーゼ抗体値):PanshaとZhanggwu直接比較以外有意差あり
Panshan(軽度不足地域)1.6
||||||||

Zhangwu(適正摂取以上地域)10.6
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

Huanghua(過剰摂取地域)16
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


(高Thyroglobulin抗体値):ZhangwuとHuanghua直接比較以外有意差有り
Panshan1.8
|||||||||

Zhangwu7.6
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

Huanghua18.6
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


正常甲状腺・甲状腺自己抗体患者のうち、5年間でのthyrotropin値増加の頻度は軽度不足に比べ高い

基礎thyrotropin値1.0-1.9mIU/Lが最も甲状腺異常発生頻度が少ない

【背景】
適切でないヨード摂取および過剰なヨード摂取は甲状腺機能低下・自己免疫性甲状腺炎の原因となりえる



日本でも注意が必要
「日本のヨード摂取上限は、WHOの勧告幅をたしか超えている」(pdf)と厚労省の委員会でも話し合いがもたれている。


"大人のヨードの必要量は1日100~150マイクログラム(0.1~0.15mg)といわれますが、日本人は1~4mg摂取しているといわれます。"

"意外なものにヨード高含有物があり、注意が必要であり、中国などからの食品中のヨードに関しても注意が必要である。
たとえば、“外国の「塩」にはヨード添加のものがあるので、外国産のポテトチップス、ナッツ、サラミ、ベーコン、ソーセージ、ピザ、パンなども注意が必要。”"
:参照URL(*)

中国ではヨード添加塩でIQアップしたと喜んでいたようだが、ヨード不足極端な地域ではそうだったのかもしれない、しかし、弊害の問題は語られてなかったようである。

ヨード添加物をありがたがるメディアでの情報・コマーシャルインフォメーションなどがあるようだ(google検索)

薬剤に関しても・・・ヨード含有という情報が、医療従事者・患者にとって必要であろう

by internalmedicine | 2006-06-29 09:45 | 医療一般  

蛋白尿:ACE阻害剤・ARB併用治療併用

ACE阻害剤とARBの併用ってのを煽る・・・メーカーが多い


Combination Therapy With an Angiotensin Receptor Blocker and an ACE Inhibitor in Proteinuric Renal Disease: A Systematic Review of the Efficacy and Safety Data
ACE阻害剤あるいはARBによるRAS系の遮断は、尿中蛋白分泌減少・糖尿病性・非糖尿病性蛋白尿性腎疾患の進展を遅らせる可能性がある。
ACE阻害剤・ARB併用治療の安全性・有効性はまだ確立していない。
併用療法のシステミック・レビューをおこなったもの。

31のRCT(n=654)で、併用療法にて少数だが
有意な血中K値の増加(比重平均差異 0.11 mEq/L[0.11mmol/L] 95% CI 0.05 - 0.17)
有意でないGFR減少(比重平均差異 1.4 mL/min[0.02 mL/s] 95% CI 2.6-0.2)


ARBを追加することで、ACE阻害剤単独に比べ、蛋白尿減少(比重平均差異 440 mg/dl 95% CI 289-591)
この効果は糖尿病患性(210mg/d 95%CI 84-336)・非糖尿病性腎疾患(582 mg/d 95%CI 371-793)にて観察される。

この影響は糖尿病にて210mg/d 95%CI 84-336 非糖尿病にて582 mg/dl 95%CI 371-793


結論から言えば、ACE阻害剤+ARBは、慢性の蛋白尿性腎疾患に関して安全であり、臨床的意味あるカリウム値やGFRに影響を与えない。
短期間の結論だが、併用療法は蛋白尿減少と相関する。
長期的なフォローアップによる追加的なトライアルが必要である。

CHARM-Added>などの心不全への治験結果がある

それにしても、循環器系薬剤は、スポンサーbasedなウェブサイトだらけで検索に苦労しますなぁ・・・

by internalmedicine | 2006-06-28 16:25 | 動脈硬化/循環器  

輸血保存も古くなると死亡率・入院・ICU滞在期間に影響するらしい

321名のCABGや弁置換手術患者で、後顧的に古くなった貯蔵血液(赤血球)と腎機能障害増加に関して研究


驚くべき事に、血液が古くなると死亡率が増加するらしい・・・ICU滞在日数平均、入院日数なども増加・・・かなりショッキングな結果


The Association Between Duration of Storage of Transfused Red Blood Cells and Morbidity and Mortality After Reoperative Cardiac Surgery
Anesth Analg 2006;103:15-20
1-19日、20-26日、27-30日、31-42日とグループ分け

最も新しい血液に比べ、最も古い群では15%入院時死亡率15%増加(hazard ratio=1.15; P<.0001).
急性腎機能低下の比率は、7% vs 45%(HR=1.44; P<.001).
3-8年フォローで、最も古い血液輸血患者では11%ほど入院外死亡率増加(HR=1.11; P<.0001).


ICU滞在日数平均:最も新しいvs最も古い=3.5日 vs 7日(P=.002)
同様に入院日数:12日 vs 17日(P=.05)

貯蔵中何らかの変化が見られるのかもしれない。微小血流の減少、組織低酸素、死亡リスクの増加の可能性を考察されている



日赤では濃厚赤血球など有効期間21日未満と設定されているので、問題とはならないのだろうが・・・

by internalmedicine | 2006-06-28 12:08 | 医療一般  

血圧日内変化と心不全:夜間拡張期血圧・non-dipperが重要

血圧周日パターンとうっ血性心不全のリスクというタイトルなのだが・・・結局は、夜間血圧に話が集中するわけで、うっ血性心不全(CHF)のリスク要因に関して追加的なリスク情報を提供する可能性があるという結論が引き出されている。
夜間拡張期血圧とnon-dipperパターンが重要であるとのこと

Diurnal Blood Pressure Pattern and Risk of Congestive Heart Failure
JAMA. 2006;295:2859-2866.
フォローアップ中70名心不全発症:8.6/人年
多変量Cox比例ハザードモデルで高血圧治療・うっ血性心不全の確立したリスク要因(心筋梗塞、糖尿病、喫煙、BMI、血中コレステロール値)を補正した結果、拡張期持続血圧1-SD(9 mmHg)増加につきハザード比(HR) 1.26 (95%CI 1.02-1.55)にてCHFリスク増加
“nondipping”(夜間:昼間持続血圧比)はCHFのリスク増加と関連
office(診療所)測定血圧(収縮期・拡張期)補正後も、nondipping血圧は、CHFの有意なリスク推定因子である(HR, 2.21; 95% CI, 1.12-4.36 vs normal night-day pattern)。

ベースライン・フォローアップ以前の急性心筋梗塞を有する患者を除外した後、夜間持続拡張期血圧とnondipping血圧は、有意なCHFの予測因子である



循環器系の医師というのは、上気道抵抗症候群や閉塞型睡眠時無呼吸症候群、夜間低酸素血症などの病態になぜ関心が行かないのだろうかという疑問をもってしまうのだが

そして、日本では周日血圧パターン・ABPMというと・・・欧米で議論されているテーマの斜めをつきすすむ先生が議論を混乱へと導いている。
(eg. http://intmed.exblog.jp/2112831/)・・・(いつもの話題)


このおっさんの話はさておき、世間の流れはArterial waveの方なのだろうか?
Augmentation Indexの検討の話を聞いたが・・・やっぱりこの種の話とABPMをむす日つける話になるだろうなぁ・・と感じた

ambulatory arterial stiffness index (AASI)という指標が心血管死亡率の予測因子として報告があり
((Hypertension. 2006;47:365.))

そして、その指標と持続血圧との関連を探ろうとしている動きがある
Ambulatory Arterial Stiffness Index Derived From 24-Hour Ambulatory Blood Pressure Monitoring (Hypertension. 2006;47:359.)

Clinic Officeベースの話なので、Apneaの指標は対象になりにくいのだろう。
ただ、酸素飽和度モニタリングの器械も出てきたので、その検討も時間の問題なのだろうと・・・想像しつつ・・・駄文

by internalmedicine | 2006-06-28 11:04 | 動脈硬化/循環器  

処置毎に0.5%リスクの手技で逮捕の可能性

処置毎に3%のリスクのあるのを行って、そのリスクにぶち当たると、逮捕される可能性が出てきました。・・・医者をやってるかぎり常に逮捕の危険性がますます・・・


Complications of central venous catheters: Internal jugular versus subclavian access-A systematic review.
Critical Care Medicine. 30(2):454-460, February 2002.

6つのトライアル(2010カテーテル挿入)にて内頚靜脈、鎖骨下静脈カテーテルで 3.5%、0.5%の合併症発生率で、相対リスクは 4.70(95%CI 2.05-10.77)




静脈と動脈取り違え処置 患者死亡で、県警捜査

共同通信
 千葉県市原市の県循環器病センター(龍野勝彦センター長)は27日、約2年前にカテーテルを静脈と誤って動脈に挿入する医療事故があり、入院していた70代の男性患者が25日に死亡したと発表した。 同センターから26日に連絡を受けた市原署は、死亡した男性のカルテ類の任意提出を受けるとともに、センター長らから事情を聴くなどして、業務上過失致死容疑を視野に捜査を始めた



この記事から、想定される事態は・・・逮捕されない医者はいないという状態



逮捕覚悟で処置をするか、逃避するか・・・しか医者には選択肢はありません。

こんな馬鹿な国はおそらく日本だけでしょ・・・




循環器系の処置をしていたときは週3日×5例程度の鎖骨穿刺をしていたので・・・・勤務期間2年間
・全く逮捕されない可能性としては100%-(100%-0.5%)^(5回/日×3回/週×50週×2年)


a0007242_1544218.jpg


∴ 逮捕される可能性 100%!




中心静脈穿刺に関係する医者はほぼ全員、ほりえもんや・村上さんと同じ経験をすることになるのでしょう。


救急や外科系・循環器系を含め、侵襲性の高い手技をめざす若いお医者さんたち・・・結婚前に相手に前科者になる可能性を告げ、家族ものとも後ろ指を指され続け、アウトローとして生きていくことを覚悟するか・・・現場から退散するか・・・真剣に考えなければなりませんよ。


ちなみに上記論文にはカテーテル感染のことも書かれていて、内頸8.6%、鎖骨下4.0%、他、血胸・気胸は1.3%・1.5%など・・・ますます・・・危険な仕事ですなぁ・・・



ご指摘がありまして、鎖骨下静脈穿刺の動脈穿刺発生確率:0.5%でした。訂正いたします。ついでにグラフ作成付記
(H18.6.30)


週1回鎖骨下穿刺をしている医者の逮捕確率
a0007242_1594461.jpg

by internalmedicine | 2006-06-27 14:37 | 医療一般