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正常高値血圧女性は正常血圧にくらべ約2倍の心血管リスク

正常高値血圧(130-9/85-9 mm Hg)と正常血圧(120-9/75-84)の女性の心血管リスクを前向きに比較したもの

正常高値血圧もどきの場合の減塩の効果 の連続投稿とした。


正常高値血圧女性は2倍の心血管リスクを有し、高血圧発症場合は従来から高血圧であった女性と同様のリスクである

Risk of cardiovascular events among women with high normal blood pressure or blood pressure progression: prospective cohort study
BMJ 2007;335:432 (1 September)
982 (2.5%)名の女性がmajorな心血管イベント
8686(30.1%)名が高血圧発症

プライマリエンドポイント年齢補正イベント発生率は
正常血圧:1.6/1000人年
正常高値血圧:2.9/1000人年
高血圧:4.3/1000人年


正常高値血圧に比較して、正常血圧ではイベント発生率は 補正ハザード比 0.61(95%CI 0.48-0.76)で、高血圧発生ハザード比は 0.42 (95%CI 0.40-0.44)


ベースラインで高血圧の人のmajorな心血管イベントハザード比は1.30(1.08-1.57)

48ヶ月以内高血圧発症女性は正常血圧のままの人二比べて心血管リスクが高い
(adjusted hazard ratio 0.64, 0.50 to 0.81).

正常高値血圧から高血圧となった女性(参照群)はベースラインから高血圧であった女性と同様のアウトカム率である (adjusted hazard ratio 1.17, 0.88 to 1.55)

by internalmedicine | 2007-08-31 09:47 | 動脈硬化/循環器  

正常高値血圧もどきの場合の減塩の効果

prehypertensionは“systolic 120 ~ 139 mmHg OR diastolic 80 ~ 89 mmHgであり、high normal blood pressure、正常高値血圧は“収縮期 130~139 or拡張期血圧 85~89”などまぎらわしいが・・・

こういった人を対象にした塩分制限は血圧を低くし、心血管リスクを減少するということ


TOHP[Long term effects of dietary sodium reduction on cardiovascular disease outcomes: observational follow-up of the trials of hypertension prevention (TOHP) BMJ 2007;334:885 (28 April)]
TOHP I:18ヶ月
TOHPトライアルは7つの非薬物的介入の受容性・有効性を検討したトライアルからなる
(体重減少、塩分制限、ストレスマネージメント、栄養サプリメント(カルシウム、マグネシウム、カリウム、魚脂))
薬物治療してない平均拡張期血圧が80-89で、30-54歳を対象
2182名のうち、327名を塩分制限介入に、417名を対照群に振り分け




TOHP II:36-48ヶ月
3-4年に及ぶ体重減少と塩分制限の有効性トライアル
体重減少単独、塩分制限単独、両者組み合わせ、通常治療の2×2区分
年齢30-54歳で、体重110-165%、拡張期血圧83-89 mm Hg、収縮期血圧<140 mmHg
2382名を1990年12月から1992年3月まで
TOHP I二類似した減塩
個別的なカウンセリングと週毎のグループカウンセリングをまず導入し、強化的でないカウンセリング、サポートを行なう
介入最後の年に再教育mini-moduleを行う


TOHP 744名、TOHP II 2382名を減塩介入群、と対照群にわりつけ
総塩分は44mmol(2.6g)/24h 、33 mmol(1.98g)/24h


心血管イベントは介入群で25%減少(相対リスク 0.75 95%CI 0.57-0.99 P=0.04)
補正後も同様なに30%(相対リスク 0.70, 0.53 ~ 0.94), 減少


二次解析にて、67名が死亡(相対リスク 0.80 0.51-1.26 P=0.34)



by internalmedicine | 2007-08-31 09:23 | 動脈硬化/循環器  

相関関係と因果関係もわからないのに教育を語るアホたち

学力とテレビゲーム 相関関係あった
 テレビゲームをする時間が長い子どもほど学力が低くなる。テレビゲームと学力との関係について、こんな「気になる傾向」が、県の調査で明らかになった。
 これは、県がことし1月に、小学4年から中学2年までの、県内すべての児童と生徒11万人を対象にした学力調査と、同時に行った意識調査の結果、明らかになったもの。それによると、平日にテレビゲームをする時間が長いほど、学力が低下する傾向があることが分かった。ゲームの時間が1時間より少ない子どもは学力が平均を上回っているが、それ以上になると平均を割り込み、特に3時間以上の場合は平均を大きく下回っている。県は、この調査結果を学校に配り、規則正しい生活を送るよう指導に生かすことにしている。

http://www.teny.co.jp/news/index2.html


相関関係があれば因果関係があるのか?

横断的調査に過ぎないのに、即刻、結論に結びつける・・・このアホさ加減

なんの統計学的素養を感じない、底の浅さ


こんな結論を出す連中が、教育に関与していて良いのだろうか?・・・怒りさえ感じる



こういう報道というのは、報道する側が曲解してアホなことを垂れ流すのか?
情報源、この場合は新潟県が、大本なのか?

もし新潟県が、教育をまともに議論するつもりなら、こんな馬鹿な報道に対して批判をすべきであろう。もし当事者である新潟県がこんな事を発表しているなら・・・もう救いようがない。
関係者全員クビのすげ替えをすべきだろう・・・なぜなら、議論をする基礎学力がないから・・・

因果関係と相関関係に関して、理解できてない連中が、教育を議論しても、全くの無駄どころか有害である。どこぞの委員会なのかしらんが、即刻辞任すべきである。

ほんとに はらだたしい ・・・・ 無知・無学力・恥知らず・・・


論文を読むことさえない連中だから、馬の耳になんとやらだろうが、Pediatrics誌(PEDIATRICS Vol. 118 No. 4 October 2006, pp. e1061-e1070)は同じ横断調査ではあるが、“Weekend screen time and video game use were not associated with school performance.”という逆の結論が出ているのを知っているのだろうか?この報告では多変量解析によりテレビ視聴時間やケーブルテレビの時間と学業の負の相関が報告され、R-rated番組を許さない両親の指導のもとでは子供の学業は良かったという報告となっている。

ビデオゲームよりテレビ視聴時間とその視聴方法の方が影響が大きいのである!


Media violenceのときに触れたが、あいもかわらず、テレビ業界は完全無視し、テレビと暴力事件の因果関係は全く報道せず・・・長崎の教育委員会も、科学的手法をもちいた調査せず底の浅い報告で終わっている。



この国の教育を悪くしているのは、科学的思考能力のない連中が、教育を牛耳っているのも一因

by internalmedicine | 2007-08-31 08:05 | くそ役人  

そろそろ AKI(Acute Kidney Injury) ?

急性腎不全のコンセンサス定義がなかった。30以上の異なる定義が用いられ、混乱を呈したという反省の上から、the Second International Consensus Conference of the Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI) Groupがrecommendationを形成( Critical Care 2004, 8:R204-R212 )した。この標準化が今後の研究、Acute Kidney Injury Networkに大きく寄与することとなるだろう。

RIFLE (Risk, Injury, Failure, Loss, End-stage renal disease) criteria


Acute kidney injury (AKI) に関するレビュー( Nature Clinical Practice Nephrology (2007) 3, 439-442 )

Acute kidney injury (AKI) は48時間以内の急激な血中クレアチニンの増加と定義される臨床的状態で、外傷や腎臓の機能的・構造的による異常から生じるもの

急激(48時間以内)の、血中クレアチニン0.3mg/dlの絶対的増加 or Crレベル50%増加(基礎値から1.5倍) or 尿量減少(乏尿<0.5ml/kg/h 6時間超にわたる)
の腎機能の低下
このクライテリアは臨床状態、その後の適切な輸液管理により適用されるべき


分類・病期
Stage 1
sCrクライテリア:0.3 mg/dlの増加 OR 基礎値の150–200% (1.5–2.0倍)まで
尿量クライテリア:<0.g ml/kg/h for >6 h

Stage 2
sCrクライテリア:基礎値の>200–300% (>2–3倍)まで
尿量クライテリア:<0.5 ml/kg/h for >12 h

Stage 3
sCrクライテリア:基礎値の >300% (>3-倍; or 少なくとも急性に0.5mg/dl増加したsCr≧ 4.0 mg/dl)
尿量クライテリア:<0.3 ml/kg/h for 24 h OR anuria for 12 h



最近の疫学的研究からは多くの原因で生じ、関連するリスク要因も多く報告されている。



そのうち、教科書に載ることでしょう・・・・

by internalmedicine | 2007-08-30 16:42 | 動脈硬化/循環器  

ショウジョウバエは炭酸水を検知する味覚を有している

人間に当てはまるかは書いてないが、ショウジョウバエは炭酸水を検知する味覚を有しているとのこと

ショウジョウバエがたかるのは彼らにとってバナナより魅力的なのかもしれない。ショウジョウバエは炭酸水を好み、イーストを含む腐敗した果物のようなものは炭酸ガスを含む。
ショウジョウバエが炭酸ガスの味覚を検知し、それは、十分熟しているか、毒性さえあることを知覚するのに役立つのかもしれない。


E409という、味覚神経のニューロンは甘味、苦みとして知られているものではなかった。甘味、苦みニューロンと別部位に放射することを蛍光蛋白処理により見いだしている。
E409ニューロンが高炭酸、ビールやイースト、炭酸水といったもので反応すること、そして、低炭酸状態では反応しないことを見いだした。ショウジョウバエは炭酸の濃い場合に反応を示すが、E409ニューロンを切断した場合は反応を示さない。

ショウジョウバエは炭酸をかぐことができるため嗅覚と味覚を分離することに気を遣ったようである。


Researchers Find New Taste in Fruit Flies: Carbonated Water
NIDCO(National Institute on Deafness and Other Communication Disorders)

by internalmedicine | 2007-08-30 15:00 | 医学  

頭部外傷による補液蘇生:アルブミンで死亡率増加

NEJMも情けないなぁ・・・同じ研究で分析により、前回はアルブミンvs生食は同じ効果であったはずなのに今回はアルブミン投与で死亡率増加と・・・全く逆の結論になってしまっている。

わたしなんぞ、以前ブログで
SAFE studyでのサブグループ解析ではアルブミンと食塩に生存率に差がなかったが、外傷に関しては、1186名のうちアルブミンが若干死亡率増加傾向 (アルブミン群における相対的死亡リスク 1.36; 95%CI 0.99 - 1.86)、脳外傷の影響にて説明できる可能性がある(相対リスク 1.62:95%CI 1.12-2.34)。
重症敗血症の1218名の患者では、アルブミン投与が死亡率減少の可能性(0.87:95%CI 0.74-1.02)
────────────────────────────────────ということで、病態による有効性に差があることが示唆されたことです。
と、書いてしまった。

ほんと文献というのは・・・踊らされないように、気をつけないといけない(自省)


頭部外傷患者で、resuscitation fluidは全身・脳循環を回復・維持のため用いられている。だが、その選択に関してはcrystalloid-based vs colloid-based の議論が相変わらず・・・これにアルブミンの生存予後悪化報告が絡まり私のような専門外にはごちゃごちゃ・・・


SAFE研究(Saline versus Albumin Fluid Evaluation )っではアルブミンと生殖の死亡率影響比較にて全体的には有意差がなかった。

治療効果のheterogeneityのエビデンスがあり、この結果に疑問が呈された。

ICUにおいてすべてのfluid resuscitationとして4%アルブミンか生食にランダム割り当て
ランダム化は外傷診断により層別化(熱傷をのぞく機械的な外傷)
GCS13以下、CTにて異常指摘されたもの

SAFE研究はベースライン要因を十分に検討してなかった。ランダム後28日以内の死亡率がプライマリアウトカムであったが、最近のコンセンサス推奨では6-24ヶ月の死亡率、機能神経学的アウトカムで検討するのが通常である。


Saline or Albumin for Fluid Resuscitation in Patients with Traumatic Brain Injury
The SAFE Study Investigators
N Engl J Med Volume 357:874-884 August 30, 2007 Number 9
GCSスコア3-8のサブグループを重症頭部外傷として分類

疫学的特徴、重症度指数はベースラインで同様

24ヶ月時点で、アルブミン群 71/214(33.2%)、生食群 42/206(20.4%)
(相対リスク 1.63; 95% confidence interval [CI], 1.17 ~ 2.26; P=0.003)



重症頭部外傷患者のうち、アルブミン群 61/146名(41.8%)、生食群 32/144が死亡
(相対リスク 1.88; 95% CI, 1.31 ~ 2.70; P<0.001)

GCS9-12の患者のうち、アルブミン群 8/50(16.0%)、生食群 8/37
(相対リスク 0.74; 95% CI, 0.31 ~ 1.79; P=0.50)

by internalmedicine | 2007-08-30 10:56 | 運動系  

Pneumococcal Hemolytic Uremic Syndrome


Journal Watch誌から発見

Hemolytic Uremic Syndrome(HUS)は、Shigellaや腸管出血性大腸菌が最も多いが、約5%だが肺炎球菌によるもの、Pneumococcal Hemolytic Uremic Syndrome(P-HUS)がある。この非定型的なケースでは前駆的下痢症状がない。
43名のP-HUSでは13.6%が入院。
いずれも肺炎、髄膜炎、菌血症の単独或いはいずれかの組み合わせであり、確診例の34冷のうち、29例が培養同定、30は16S rRNSA sequencingにて、2例が尿中肺炎抗原
年齢中央値は13ヶ月で、12例の分離例のうち、6例がserotype 19Aで、2例のみが7-valent pneumococcal conjugate vaccineにてカバーしていたタイプであった。
36名の患児(83%)で透析必要で中央値10日(2-240日)、6例が血漿交換、5例が死亡。髄膜炎合併の3例、院内Pseudomonas敗血症により1例、肺塞栓1例であった。
フォローアップデータでは10例は有意な腎障害を呈し、1例は透析依存。
髄膜炎2例のみ正常の神経発達所見があるのみであった。


Hemolytic uremic syndrome associated with invasive pneumococcal disease: The United Kingdom experience. J Pediatr 2007 Aug; 151:140-4.

by internalmedicine | 2007-08-30 10:20 | 感染症  

高血圧患者の左室肥大診断に、現行の心電図クライテリアは役立たない

以下ごちゃごちゃ書いているが、要するに、臨床実地上、高血圧性の左室肥大に対して心電図は役立たないので、心電図クライテリアは高血圧左室肥大診断除外のために使用すべきではないという驚くべき結論


左室肥大を有する高血圧患者は5~10倍CVリスクを増やすということ、12誘導心電図においていくつかのクライテリアが発表されているが、今回のシステミックレビューによりプライマリケア・二次医療機関で行う場合に左室肥大除外する正確性に疑問が生じた。高血圧患者に対する心電図はやはり包括的な評価のためには必要ではあるが・・・とBMJ誌に書かれている。



Accuracy of electrocardiography in diagnosis of left ventricular hypertrophy in arterial hypertension: systematic review
BMJ, doi:10.1136/bmj.39276.636354.AE (published 28 August 2007)
5608患者の21研究の分析
左室肥大の頻度は、プライマリケア(21研究)で33%(23-41%)、二次医療機関(11研究)で65% (37-81%)
陰性尤度比中央値は心電図研究を通して類似しており、Romhilt-Estes scoreの0.85(0.34-1.03) から Gubner indexの0.91(0.70-1.01)などである。

左室肥大診断の6つの心電図指数定義
・ Sokolow-Lyon index : sum of SV1+RV5 or V6>3.5 mV

・ Cornell voltage index : 男: RaVL+SV3>2.8 mV; 女: RaVL+SV3>2.0 mV

・ Cornell product : 男: (SV3+RaVL)xQRS duration≧2440 ms; 女: (SV3+(RaVL+8 mV))xQRS duration>2440 ms

・ Gubner : RI+SIII≧25 mV

・ Romhilt-Estes scores : 4点、5点という2つの閾値使用
・excessive amplitude: 3 点 (largest R or S wave in limb leads≧ 20 mV or S wave in V1 or V2 ≧30 mV or R wave in V5 or V6 ≧30 mV)
・ST-T segment pattern of LV strain: 3 点 (ST-T segment vector shifted in direction opposite to mean QRS vector)
・Left atrial involvement: 3 点 (terminal negativity of P wave in V1≧1 mm with duration ≧0.04 s)
・Left axis deviation: 2 点 (left axis ≧–30° in frontal plain). Prolonged QRS duration: 1 point (≧0.09 s)
・Intrinsicoid deflection: 1 点 (intrinsicoid deflection in V5 or V6≧0.05 s)
心筋が胸壁から離れるときに単極誘導などではピークから急にdownstrokeを生じる現象で、R波直上から下方に振れること。R wave peak timeはQRS coplex開始からR波のピークまでのことで、“the time of the intrinsicoid deflection”であり、左室肥大のためこの時間が遅れる。 (http://cancerweb.ncl.ac.uk/cgi-bin/omd?intrinsicoid+deflection

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Romhilt-Estesスコアをプライマリケアで使用した時の心電図陰性所見では検査前確率を33%から31%を減らすこととなる。
二次医療では65%の可能性を63%に減らす

by internalmedicine | 2007-08-30 08:50 | 動脈硬化/循環器  

かび対策による喘息改善効果

喘息対策として、屋内かび対策は重要であることは言うまでもないが、対処にて喘息アウトカムに影響があるということが改めて判明した。

Effects on patients with asthma of eradicating visible indoor mould: a randomised controlled trial
Thorax 2007;62:766-771

一群は、かびを除去し、抗かび処置を行い、ファンをロフトに設置する
対照群は、12ヶ月以上の処置を遅らせる


ベースライン、6ヶ月、12ヶ月後

介入群:81の家、対照群:83の家で開始、最終的には、介入群:68の家の95名、対照群:63の家の87名

ベースラインで、PEF変動は両群とも減少し、有意差は両群にない
6ヶ月後、介入群は喘鳴関連に関してnetでの改善 (difference between groups 25%, 95% CI 3% to 47%; p = 0.028)があり、呼吸自覚症状の改善 (52%, 95% CI 30% to 74%; p<0.0001)、薬物の減少(59%, 95% CI 35% to 81%; p<0.0001).がみられた。

12ヶ月後、介入群では、有意にプレベンター、レリーバー使用減少を示し、鼻炎の改善 (24%, 95% CI 9% to 39%; p = 0.001) 、鼻炎・結膜炎の改善(20%, 95% CI 5% to 36%; p = 0.009).を示した。


日本の不可思議な“気道系加湿伝説”ともいうべき、痰が出にくければ即ネブライザーで気道過分泌状態でも無理強い、そして、屋内には加湿器・・・という医者・看護師もいる。“喘息には乾燥した空気が良くない”と言い張り商売に励む加湿器メーカーがいる。


U.S. Environmental Protection Agencyにおいて
対策10項目
1)かび暴露は健康状態や症状への影響の可能性、アレルギー反応、喘息、他の呼吸器合併症など
2)屋内環境のかび、かび胞子を全除去する方法はない、かびの増殖コントロールは、屋内の湿度をコントロールする方法である。
3)かびが家や学校で問題となるなら、かびを除去し、湿度源対策をしなければならない。
4)水の問題源を確定し、かび増殖を予防しなければならない。
5)屋内湿度を30-60%まで減少してかび増殖を減少;浴室換気を行い、乾燥させ、他の湿度源を戸外へ移動し、エアコンや除湿器を使用し、換気を増やし、調理中・皿洗い・クリーニング中排気ファンを用いる。
6)建物の材料や家具を洗浄し、24-48時間乾燥させ、かび増殖は予防する
7)水と合成洗剤で硬い材料の表面をかびを除去し、完全に乾燥させる。黴びているならシーリングタイルのような吸収剤に換える必要がある。
8)凝結(結露?)予防:冷表面の結露の可能性を減らす(i.e. 窓、パイプ、外壁、屋根、床)、insulationを加えることにより(防熱?)
9)永遠に湿度問題がある地域では、カーペットを使用しない(i.e. 飲水噴水、クラスルーム水槽、水漏れコンクリート床、頻回な結露)
10)かびは至る所にあり、湿気さえあればどんなところでも増殖する。かびは木、紙、カーペット、食べ物でも増殖する


適切な蒸気バリアがない建物では加湿器をおくべきでない。American Society of Heating and Air Conditioning Engineers (ASHRAE) では室内外の温度差により最大湿度を以下のごとく設定している(AHAM
屋内外の温度差+20度華氏(+13.4度摂氏):35%
+10度華氏(+6.7度摂氏):30%
0度華氏:25%
-10度華氏(-6.7度摂氏):20%
-20度華氏(-13.4度摂氏):15%



かびに関して言えば、日本では夏型過敏性肺臓炎もお忘れ無く・・・夏風邪で済まされた馬鹿医者扱いされますぞ。梅雨時期でなく、夏場最盛期に多く、秋口まで患者が多くなりますので・・・ご注意を!

by internalmedicine | 2007-08-29 10:57 | 呼吸器系  

臍周囲計測:平成の赤紙対象者基準

現代における赤紙といわれているそうだが、来年から、"保健指導対象者"に選定されることをこのように呼ぶらしい。


NHKスペシャル「赤紙が来た村 ~誰がなぜ戦場へ送られたのか~」の再放送を最近みたが、戦前のごり押し行政は未だ健在のようである。


“保健指導対象者の選定は、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目”され選定されるとのこと(保健指導対象者の選定と階層化

現代の赤紙対象者の選定基準が設定されているのである。




さて、おかみが、あまりに先走っているので、例のパワーリハや介護保険と同様、詰めの甘いところがいっぱいであり、そもそも、内臓脂肪量のゴールデンスタンダードは、ある医療機関のみのCTにおける脂肪量と腹囲測定(その時に標準化された計測がされていたかは不明)であり、これを日本人全体のエビデンスとして良いかが疑問である。そして、実施予定されている腹囲測定の標準化に疑問がある。一方で、(標準的な健診・保健指導プログラム(確定版))なるものの設定にて、行政は、未だ仮説のひとつに過ぎない“メタボリックシンドローム”を“内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血糖、脂質異常、高血圧を呈する病態であり、それぞれが重複した場合は、虚血性心疾患、脳血管疾患等の発症リスクが高く、内臓脂肪を減少させることでそれらの発症リスクの低減が図られるという考え方を基本”として、この対策をごり押ししている。


何度も言うが、“US and European Diabetes Organizations Question Existence of Metabolic Syndrome”とアメリカ糖尿病学会・ヨーロッパ糖尿病学会合同会合というべき
(ADA・EASD)もこの疾患の存在に疑問を呈している
Medscape 2005)のである。

こんなものを国策としている日本・・・一部軍人の暴走をきっかけに政治の無力、そして、世界の情勢を理解せず、太平洋戦争に突入と類似している情勢・・・良いのかこんないい加減な行政で・・・


さて、“赤紙”の基準の一つ、でっぷりおなかの測定法はというと・・・

“メタボリックシンドロームの診断と臍周囲計測のポイント
Diabetes Journal Vol.35, No.2, 2007(pdf)”ってのに、測定法が書かれており、相違がみられる。

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・臍位で水平にメジャーを回す
・過剰な脂肪蓄積で腹部が膨降下垂し、臍が正常位にない症例では肋骨弓下縁と前腸骨稜上縁との中点で水平に測定。
・上半身の服を脱ぎ、両足をそろえた立位で、緊張せずに腕を両側に下げる。
・腹壁の緊張をとる。
軽く呼吸して、呼気終期に測定
非伸縮性のの布製メジャーを使用する。
・0.1cm単位で計測する。
・腹囲の前後が水平になるように計測する。
・メジャーが腹囲に食い込まないように注意する。
・食事による測定誤差を避けるため、空腹時に計測する。


前述のブログ記載した
<厚労省ウェブ記載の腹囲測定方法>
メタボリックシンドロームの診断基準に基づき、立位、軽呼気時臍レベルで測定する。
脂肪蓄積が著明で臍が下方に偏位している場合は肋骨下縁と前上腸骨棘の中点の高さで測定する。



標準化に関する記載
http://www.metabolic-syndrome-institute.org/medical_information/screening_diagnosis


腹への張力をコントロールするために弾性を有するテープ(e.g. Gulick model)が好ましい。
非伸縮性テープを用いる場合は、目盛りのついてない3-5cmほどの端っこをつかんで測定すること



肩幅に足を開きたたせる。腕は体の両側に垂らすが、測定時に楽なように30度開く。
もしこれで安静が保てない場合は、楽な姿勢を保ちながら、腕を交差させる。
テープに軽度張力をかけて、測定を行う。

通常の呼気終末で測定。被験者が腹部筋肉を収縮しないように励ます。
検査側は、もし腹筋収縮の疑いがあるなら会話を行うなどしてみる。
測定は2回行い、もしその違いが5%(±1cm)以上なら3回目を測定する。もっとも近い2つの測定値を平均化する。


1. 左右の最下端肋骨に記しをつける
2. 左右腸骨稜にマーク
3. この2つのマークの中間を鉛筆でマーク
4. 中間点を結び水平にテープを置く(鏡を使うと役立つ)
5. 測定時軽度張度をテープにかける。



メジャーの材質、呼吸のタイミング、測定誤差などに違いがあり、標準化といえない状態である

こんな標準化されているとはいえない基準を赤紙の基準としてよいのだろうか?








ワンパターンのMS診断根拠JAMA論文

The Metabolic Syndrome and Total and Cardiovascular Disease Mortality in Middle-aged Men
JAMA. 2002;288:2709-2716.

この論文の、
“糖・インスリン代謝の異常、過体重、腹部脂肪分布、軽度脂質異常、高血圧の同時発生による症候群”であるmetabolic syndromeはその後の2型糖尿病、CVD発症に関連して重要である。そして、この症候群はインスリン抵抗性によって特徴付けられている。肥満や運動不足のライフスタイル、食事といったものは遺伝的要因とともにこの症候群を作り出す元になるのだろう。
という記載が根本であるはず。

腹部脂肪分布だけをメタボリックシンドロームとしているのはおかしいのである。




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by internalmedicine | 2007-08-29 09:07 | 動脈硬化/循環器