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重症COPD 筋線維サブタイプ比率の確立

慢性呼吸不全のリハビリテーションにこっているので、おもしろい論文だし、今後のこの方面の大事なリファレンスになるだろう論文


vastus lateralis(外側広筋)



ニードルバイオプシー標本(
骨格筋線維はその収縮速度により,遅筋線維と速筋線維とに大別され,さらに速筋線維は,type IIa,type IId,type IIb線維のサブタイプに細分される。type IIbとやばれていたものがtype IIXとよばれるようになり、最も速い収縮速度を有するタイプIIx線維(ミオシン重鎖IIx発現)< J Muscle Res Cell Motil. 1995 Feb;16(1):35-43.


Muscle fibre type shifting in the vastus lateralis of patients with COPD is associated with disease severity: a systematic review and meta-analysis
Thorax 2007;62:944-949
FEV1、FEV1/FVC、BMIはCOPDのtype 1 線維の比率と相関する

典型的なstage 3-4のCOPD患者では、外側広筋 type I 51%、type II X 13%

type I 比率27%未満、type IIX>29%超が病的異常として参照値として認識される

筋肉の異常と重症COPDでの異常値確立は新しい観点であり、COPDの診断目的にも役割を果たす可能性がある。

by internalmedicine | 2007-10-31 12:15 | 呼吸器系  

高PM25地域では肺機能良好な状態での喘息発症を増やす

公害被害健康補償法
1987年の法改正により第1種指定地域の解除が行われ、大気汚染に係る新規患者の認定は行われないこととなった


それ以前に続いた日本の公害対策が積極的な時代から、中曽根政権に代表されるその反動政策のため、日本の公害被害への対応は交替したように思える。東京都知事はPM25に私的に関心あるようで、メディアでも一部取り上げられたが、立ち消えになるテーマである。
呼吸器の世界ではすでに常識となっているPM25の問題、国はこの対策を行わなければまた不作為の責任を問われ、税金が消えていくことになる。そして役人は責任を問われず・・・天下り、政治家はほおかむり

Relationship between air pollution, lung function and asthma in adolescents

Thorax 2007;62:957-963

大気汚染、肺機能、小児喘息頻度の関係は確立しつつあるところである。
新規喘息発症と肺機能が関連有るか、大気汚染暴露がどのように関わるかの研究

喘息、喘鳴無しの9-10歳の子供のコホート研究で、8年間のChildren’s Health Studyというもの

気道の気流程度は新規発症喘息と相関

FEF250-75において10パーセンタイル、90パーセンタイル(57.1%)以上は、新規発症喘息のオッズ比0.50(95%CI 0.35~0.71)

この肺機能良好である予防的効果はaerodynamic diameter<2.5 μm(PM2.5)の濃度が高いほど減少する

FEF25-75の10、90パーセンタイル範囲以上の場合、新規喘息発症ハザード比は0.34(95%CI 0.21-0.56)で、低PM2.5地域(<13.7μg/m3)で0.34 (95% CI 0.21 ~ 0.56)、高PM2.5地域 (>=13.7 µg/m3)で0.76(95%CI 0.45~1.26)

同様なパターンがFEV1でもみられた

オゾンではハザード比の変動は小さい


by internalmedicine | 2007-10-31 11:44 | 呼吸器系  

サポート無しのニコチン置換療法も一応効果有りの報告

サポート無しのニコチン置換療法でも有効かという研究

結果は、効果有りなのだが・・・数%というのは決して満足できる数字ではないと思う

禁煙立像kは肺癌、COPD予防のため重要なゴールである。ニコチン置換療法がその重要な役割を果たすのだが、最近、スーパーバイズされてないニコチン置換療法でも有効なのかということの答え

Is nicotine replacement therapy for smoking cessation effective in the "real world"? Findings from a prospective multinational cohort study
Thorax 2007;62:998-1002


ATTEMPT コホートは多国コホートで、35-65歳の5 cigarettes/day以上の喫煙者を対象にしたもの
第1相は2003年春から開始し、USA,UK、カナダ、フランスで2009名の喫煙者
第2相はスペイン追加3645名


第1相フォローアップ 35.6%
第2相フォローアップ 29.6%

NRT使用の有無で、ニコチン依存度補正による6ヶ月後禁煙維持率比較では第1相サンプルで3.0(1.2~7.5)で、第2相サンプルで2.1 (95% CI ~ to 4.1)

FTND補正後のNRT使用の有無の相違は、第1相で6%、第2相で3.7%

成功オッズ比の改善は、他の特定の禁煙補助モチベーションでは説明できない

by internalmedicine | 2007-10-31 10:40 | 呼吸器系  

財界本意医療制度

日本の医療は財界のポジショントークに満ちており、それを危惧する実地医家からの発言は無視。それどころか、日夜実地で汗するものを感情論で追い込んでいる。

役人のほうは失策をしても裁判で訴追されることもなく、彼らの給与の原資である財政が破綻しようが、言及されることもない。メディアを自由に操り、真の問題に真っ向から対決せずに、ふわふわした実証に基づかない施策をおおっぴらにしてしたり顔・・・その失敗には厚顔で対応。

ポジショントーク
自分のポジションにとって有利な発言をすること


元来記者クラブ経由の記事の医者・開業医たたきは厚労省(背後の財務)の御威光によるものであろう。財務省・厚労省は経団連意向のままということになる。

医療経済調査:開業医給与、病院勤務医の1.8倍に
厚生労働省は26日、診療報酬改定に反映させる目的で医療機関の経営状況をみる「07年度医療経済実態調査」の結果を公表した。・・・・平均年収は民間病院長(3110万円)よりは少なかったものの、公立病院長(1959万円)や勤務医(1414万円)を大きく上回った。開業に転じる勤務医の増加が医師不足の一因となっていることから、厚労省は開業医の再診料などを引き下げ、勤務医との所得格差を是正する考えだ。

毎日新聞 2007年10月26日 19時19分

という記事は、サラリーマンと中小企業の社長の給与を比べて、町工場はまだ

中医協資料となるもの
TKC医業経営指標に基づく動態分析の概要
2006年4月~2007年3月期決算の経営状況は、病院・診療所、個人・法人の4区分に大別すると、すべて減収、減益だったとしている。また、病院は医療機関数が少ない産婦人科を除いて、すべて経常利益率が低下し、損益分岐点比率(法人)は90%を超え、なおも上昇しているとしている。


個人立診療所開設者の平均手取り年収10.7百万円は、中小企業の経
営者等とほぼ同じであった。




要するに、診療所への報酬を減らして、勤務医、特に、産婦人科・小児科へ振りまく方策としようとしているのである。勤務医である本田なにがしの主張通りにことは相成ったということであろう。

医者を2分割して、内紛を生じさせるというやり方はかくしてうまくいったのである。
医師会が勤務医を取り込めなかったことが背景として有るのでは無かろうか?


小泉・竹中時代に露骨であった外資優遇がここにきて製薬業界にも大きな影響を与えようとしている。

キリンと協和のM&A、FA選定で国内勢は蚊帳の外
[東京 23日 ロイター] キリンホールディングス(2503.T: 株価, ニュース, レポート)の協和発酵工業(4151.T: 株価, ニュース, レポート)の買収合意をめぐり、M&A(企業の合併・買収)をアレンジする投資銀行業界に衝撃が広がっている。

 キリンはJPモルガン証券、協和がメリルリンチ日本証券とファイナンシャル・アドバイザー(FA)がともに外資系投資銀となり、それぞれの主力銀行系列の三菱UFJ証券やみずほ証券、協和の主幹事である野村証券が蚊帳の外に置かれたためだ。今回のM&Aは食品・医薬品業界の大胆な再編という面ばかりでなく、事業会社がメーンバンクや主幹事証券との過去の取引関係を重視せず、FAを選別し始めたケースとしても注目を集めている。

 <メーンバンク系証券、主幹事野村も動揺>

 キリンによる協和買収が正式発表となった22日、キリンが採用したFAがJPモルガンだったことを知った三菱UFJ証券の関係者は「私たちにとってこの取り合わせは、ちょっと予想外だ」と動揺を隠せなかった。

 一方、協和発酵の主幹事、野村証券も今回の取り合わせは寝耳に水。同社幹部は「うちに一言も断りなく、ここまでの大型ディールを煮詰めていたのか」と肩を落とした。

 協和の主力取引行であるみずほコーポレート銀行傘下のみずほ証券関係者も「社内は沈滞ムード。外資に(この案件を)持って行かれたとは」と言葉少なに漏らした。

 大型M&Aが明らかになると、どこがFAを取ったのかを探り合うのが投資銀行業界だ。今回の案件はTOBと株式交換で3000億円規模の大型M&Aになることに加え、異業種同士の組み合わせであることも「ディールにはくを付けた」(外資系投資銀行幹部)。それだけにFAとなった投資銀行に対する注目も高まった。

 M&Aが伝えられた前週末、業界でFA候補としてうわさに挙がったのは、キリンが主力取引銀行系列の三菱UFJ証券、協和が同じくみずほ証券。ただ、FAになったとしても「キリンと協和が当事者同士で話を固め、FAは株式公開買付け(TOB)の価格算定や第三者意見の取得だけの単純な仕事を丸投げされているだけではないか」との見方が、投資銀行業界の中では有力だった。

 キリンは三菱グループの有力企業。主力取引行は三菱東京UFJ銀行で、戦略的M&Aを積極的に展開する中で、同銀系列の三菱UFJ証券を使って06年11月のメルシャン(2536.T: 株価, ニュース, レポート) 買収を進めるなど、関係も深かった。三菱UFJ証券には、主力のビール以外のビジネスを強化し、成長シナリオをともに描いたとの自負もあり、同証券首脳は「キリンとは大変近い間柄。メルシャンのディール以来、キリンとはいろんな案件をやっている」と関係の深さに自信を示していた。 続く...




by internalmedicine | 2007-10-31 08:28 | その他  

武田薬品栄えある国際賞受賞

武田薬品に「国際悪質製品賞」
http://www.daily.co.jp/newsflash/2007/10/30/0000723750.shtml

 各国の消費者団体でつくるコンシューマーズ・インターナショナル(CI、本部ロンドン)は29日、社会的責任を欠いた製品を販売した大企業に警鐘を鳴らすとして今年から始めた「国際悪質製品賞」に、日本の武田薬品工業や米玩具大手マテルなど日米の4社を選んだと発表した。

 武田は米国の子会社が昨年、睡眠薬を学童向けにテレビ宣伝した点が問題視され、全体の「大賞」とされた。CIは「注意書きで小児への薬の影響は未解明だとしながら、学校の映像も使ってCMを流すなど論外」と指摘。放置した米食品医薬品局(FDA)の対応も批判した。

 マテルは基準を超える鉛入り塗料を使った玩具などを回収したが「責任を完全に認めず当局の調査にも非協力的」と断じた。

 ほかの2社もともに米国の飲料大手コカ・コーラと食品大手ケロッグ。コカ・コーラはペットボトル入り飲料水の一部ブランドが「消費者に特別な水だと誤解させ、価格も水道水の数百倍になる」と指摘され、ケロッグ社は糖分や塩分の多いシリアルがあり「ジャンクフードを子どもに宣伝している」という。



Consumers InternationalのWebサイトで確認
Coco-cola, Kellogg’s, Mattel and Takeda Pharmaceuticals top the list of international brands guilty of abusing consumer rights.
CI Press Release - Congress 2007

Coca-Cola – for continuing the international marketing of its bottled water, Dasani, despite admitting it comes from the same sources as local tap water.

Kellogg’s – for the worldwide use of cartoon-type characters and product tie-ins aimed at children, despite high levels of sugar and salt in their food products.

Mattel – for stonewalling US congressional investigations and avoiding overall responsibility for the global recall of 21 million products.

With the overall prize going to:

Takeda Pharmaceuticals – for taking advantage of poor US regulation and advertising sleeping pills to children, despite health warnings about pediatric use.



武田薬品は"Overall Winner"で、子供に睡眠薬の宣伝をしたというもの、DTCA法のもと、購買欲を沸き立たせることができるのだが、十分に注意が必要である。
武田製薬は2006年9月、睡眠薬 RozeremのTV宣伝を行った。
画像はスクールイヤーの始まりに放映され、子供、黒板、教科書、スクールバスのイメージを使用したものであった。
そして、鬱患者において自殺思考を増加させるという重大な副作用に関して注意を喚起しなかった。



日本の頻繁に流れるテレビの健康食品コマーシャルを彷彿させる・・・悪質さですな

CNNなんかのvideocastをみてると、DCAAコマーシャルがあるが、副作用まで説明があり、なかなかだなぁと思うことがある。日本のDCAA規制はまだCM数が少ないから話題にならないのであろうが、今後これを契機にこの種の自主規制や国家的regulationが入ることを期待したい。

それにしても健康食品の”これはイメージ”ってのはどうにかならんものだろうか?

by internalmedicine | 2007-10-30 15:13 | メディア問題  

人工甘味料・減塩補助人工添加物は細菌感染を考え食の安全を考えなければならない

週間金曜日あたりがやる手法として、少数の対照比較でない極端な報告をメインに持ってきてあらゆる人工合成物を悪者にするというやりかたは、さすがにうんざりする

Aspartame (NutraSweet) Toxicity Info CenterなるウェブサイトはFAQsを作っている。トピックスとしては、小児の行動変容への影響、formaldehyde蓄積の問題、特にDNA損傷につながる可能性、頭痛・痙攣・神経行動的な問題・胃腸・心血管問題、疲労、胸痛、めまいなどの報告などであろう。


どれほどのインパクトを持つものか不明だが、できれば、人工的でないものを日々意図的にとることが重要だが、昨今の食品業界をみれば、何を信用して良いのかわからない。


reformulationってなかなかぴったりした訳語が見つからない。添加物でよいのだろうか?
“組成変更、改質”ってことらしいが、砂糖の代わりにアスパルテーム、塩の代わりにKClといった肥満や心疾患頻度を減少させるよう食品成分を換えることのようである。

この種の添加物への新たなる視点の課題の提唱・・・


こういった添加物が、内因性の物理・科学的特性をもたらすのは避けられないことであり、食事由来の病原生物の成長や最終的に疾患の原因になる可能性などが示唆されている。

Roy Sleator と Colin Hill (University College Cork)が警告をしてい(Med Hypotheses. 2007 Apr 21;)。

塩と砂糖は、食品中にあり感覚刺激をするだけでなく、食品中の水分を減少させ、細菌繁殖を防ぐ保存料としての役割も担っているのである。

1990年 英国で、hazelnut yoghurtに人工甘味料であるaspartameを砂糖に代替して使用したところ、食品由来のボツリヌス症が大発生した。
「ヒト宿主内の消化とそれに関わる前の、こういった添加物の病原性細菌増殖の役割に関して情報が少ない。」と彼らは述べている。

こういった添加物は実は対微生物安全性に関しても考慮すべきなのであると彼らは主張している。


この健康増進のためのreformulationが必要とされるといことと、食の安全の問題を良く理解することは関連がある。

参考:
http://www.foodqualitynews.com/news/ng.asp?n=76254-salt-reduction-reformulation-food-poisoning

by internalmedicine | 2007-10-30 10:22 | メディア問題  

COPD患者は重症ほどドライパウダー吸入手技に問題あり

COPD患者の3人に1人はドライパウダー製剤を不適切に使用していると、第73回ACP集会にて発表されたもの。高齢になるほど、肺疾患が重症化し、適切な吸入ができてないとドイツの研究者が報告で、さもありなんというもの。


Incorrect use of dry powder inhalers common
Reuters Health Wednesday, October 24, 2007
Wieshammer は、喘息、COPDを有する224名の研究にて、使用過誤32%で、年齢とともにそれは増加する。60歳未満の時は20%で、60歳を超えると41.6%となり、80歳を超えると80%超で使用過誤がみられた。

重症度に従い、使用過誤率は増加し、正常肺機能では25.0%だが、重症の気道閉塞事例では63.6%

医療従事者による適切な吸入指導がなされた場合は、使用過誤率は23%となり、トレーニングを受けてない場合は53%であった。



目の前で吸入をしてもらうと、愕然とすることがある。自分ではすってるつもりらしいが、吸うことができてないことがある。吸入評価器具の開発とそれに相応する医療的インセンティブが働くべきと思うのだが・・・厚労省なぞこういうのはまったく知識すらないのだろう。

by internalmedicine | 2007-10-30 09:18 | 呼吸器系  

録音可能mp3プレイヤーを聴診器の代用とする

電子聴診器を買ってるのだが、どうもめんどくさくて・・・長続きしない。ネックは意外に電源で、乾電池を週1回替えるのがめんどくさくなったという事情もあったが・・・

聴診がわりの平型マイクと記録できるmp3プレイヤーがあればまあ呼吸器系の聴診はそう困らないだろうと思ったが、直接、胸壁で録音するとは・・・さすがに思いつきもしなかった。

これは、先月に海外マスコミの話題になっていたもの(http://www.canada.com/topics/technology/news/gizmos/story.html?id=01c0ce51-6533-4f4a-a099-ca1033c95c07&k=84324)

Skjodtらは、聴覚学者Bill Hodgettsとともに、ストックホルムで、ERSの年次終会で彼らの発表を行った。Skjodtは呼吸器科医で、ここの大学の呼吸救急の助教の立場
ショッピング途中で2年前突然ひらめき、Hodgettsと共同で行った研究

A new digital stethophone:bioacousticanalysesofbreathsoundsrecorded
fromasimplemp3player
N.M.Skjodt , W.E.Hodgetts . Medicine,UniversityofAlbert
(PDF)
単純なmp3オーディオプレイヤー(iRiver model T30)で呼吸音を直接、記録、 standard bioacoustic software (Raven,v.1.3.1,CornellLab of Ornithology)による解析にて、スペクトラル相関と認識を検討

右中間第4肋間で、背側にて記録したもので、T6後棘突起で気管支音を記録し、pairwise timeとshort FFT transformed frequency spectrogramを記録。

単純なmp3記録されたものは呼吸音のスペクトラル上認識成分を正しく、移すことができた。津後の研究は器械の認識、人の近くとの相関、ブルーツース移動、他の臨床的音ウェーブレット技術を用いた方法などを検討とする


iRiver T30は販売終了になっているようである。現在は、T60?録音機能があり、12000円程度。

ダイレクト録音対応型mp3プレイヤーとなると、iAUDIO、東芝 gigabeat P シリーズ・・・何れが優秀かは知らない

医療器具として使うから、経費? (笑)

by internalmedicine | 2007-10-29 15:46 | 医療一般  

かぜ薬、咳止めは子供に使用制限すべきか:アメリカOTC薬規制の攻防

ここ数週間、アメリカでは、乳幼児を含む子供へのOTC薬の咳、感冒薬がやり玉に挙がってきている。

FDAがメディアを通じて小児への沈咳・感冒薬への新しい規則に関するプランを表明したからである。その意図に基づいてFDA委員会が招集された。
Nonprescritption Drug Advisory Committee Meeting
Cold, Cough, Allergy, Bronchodilator, Antiasthmatic Drug Products for Over-the-Counter Human Use
October 18 and 19, 2007
http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/07/briefing/2007-4323b1-02-FDA.pdf


medpagetoday.com
から翻訳すると
FDA関連委員会は満場一致ではないものの、2歳未満での使用すべきでないと推奨し、意見が分かれたが、6歳未満でも使用すべきではないとした推奨を出した。
(See: FDA Panel Agrees Pediatric Cough and Cold Remedies 'Ineffective')

消費者団体はマーケットからの撤退と、2歳未満の子供での使用を避けるべきという表示を要求している。

一方、咳や鼻水がでて、眠れない子供に対する薬を探している親も異議を唱えるだろう。
適切に使用していても有害という証拠がない以上、薬を簡単に使えるようにし続けるべきであると主張する医師もいる。

医師であるブロガーのRob医師は、代換治療にはノータッチなくせに彼の患者の多くが有効であるという薬品へのみ疑問を投げかけていることに対して、”FDA's actions in the cough-and-cold arena harmful”と呼んでいる。 (See: FDA Does Herbals Good?)



日本ではOTC薬の安全性に関してあまり議論がされないし、なぜか薬害アピールグループもOTC薬には静かな気がする。

小児へのかぜ薬、鎮咳薬中止すべき? 2007年 03月 03日でも述べたが、麻黄湯だって”ephedra含有サプリメントの心血管、中枢疾患への副作用”と同様の副作用を生じる可能性は十分にあり、タミフルより危険かもしれないのに、なぜか、こちらへの反応は少ない。
流感前後の異常行動に関して、OTC薬剤の関与が否定されているのかという疑問をわたしは以前から持っているのである。

おりしも、10月24日以下の報道がなされている。
現時点で因果関係見られず タミフルと異常行動で
 厚生労働省は24日、インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の関係を、動物実験など基礎研究を通じて検討する専門家作業部会を開き、製薬会社による一部の実験結果について議論した。同省はこれを踏まえ「現時点では因果関係を示すような結果は出ていない」との見解を示した。

 実験は製造元のロシュ社(スイス)などが実施。現在も継続中なため、厚労省は「今回のデータだけでは結論は得られていない」としている。

 実験は、血液中のタミフルが脳内に移行するかや、脳内で情動や行動などに関与する中枢神経系受容体に作用するかなどを調べる。これまでのところ、投与する濃度を上げても、中枢神経系に影響するような結果は出ていないという。

 タミフルについては動物実験のほか、臨床試験や疫学調査も行われている。厚労省はこれらの調査結果を総合的に踏まえ、因果関係について判断する方針。
(共同通信社) http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20071024010007111.asp


11月になれば日本でも風邪薬OTCのコマーシャルメッセージが多くテレビで流れるだろう。

“テレビコマーシャルは1%未満の真実と、99%以上の嘘とイメージからできあがっている”
(出典不明)

by internalmedicine | 2007-10-27 09:15 | 呼吸器系  

禁煙指導にエビデンスがあるのか?

医者なんだろうか?養老なる執筆活動家は多くの医師・学者が知恵を出し合ってきたステートメント(e.g. AHA関連:http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=3004591) に論理だった科学的反論をすることなく、直上的にすべて否定する表明を行っている。
「(養老さんは)これまでも、反対される方と戦うとか、反論のコメントを出すということはありませんでしたから、今回もそうなるでしょう。反対するなら、どうぞ『ご勝手に』、ということですね」
彼は既に科学者ではない。(J-CAST
医者の資格をもつ氏が、健康への有害性の一定見解のある事象を一方的に否定する行動をとること事態、彼の医者としての品性を問われるだろう。

一方、わたしは、禁煙学会という存在そのものに疑念を抱いている

カナダのガイドライン(pdf:http://www.smoke-free.ca/pdf_1/smoking_guide_en.pdf)をみるとおもしろいのは、禁煙指導が、ProsとConsを上げて自己選択をさせることからはじまること。
喫煙状況・既往チェック→“喫煙に関してどう思うか”、“禁煙したいと思うか”と自問式チェック→介入方法を考慮というもので、日本の保険診療のがちがちなものとは異なるようである。

特におもしろいのは、以下のようなPros&Consを提示して、患者に禁煙を行うか判断をゆだねるのである。
喫煙のThe Pros
・緊張をほぐす
・集中力の改善
・食欲抑制
・娯楽性、リラクセーション
・社会的な関係を作る

喫煙のThe Cons
・即時性
・息切れ
・喘息悪化
・妊娠関連リスク
・不妊
・インポテンツ

・長期性
・心臓発作、卒中
・肺癌・他の癌
・慢性閉塞性肺疾患
・末梢性血管疾患

・環境的悪影響
家族の肺癌・心臓リスク増加
・喫煙者の子供は喫煙率が高い
・喫煙者の子供の乳幼児突然死症候群、喘息、中耳感染症、呼吸器感染症の発症率増加
・火災の危険性


禁煙のThe Pros
・健康状態の改善、寿命の増加
・味覚・嗅覚の改善
・金銭節約
・QOLの改善
・スポーツ、娯楽活動性パフォーマンス改善
・家庭、車、息、着衣の臭いの改善
・乳児・子供の健康状態
・異存症でない状態


禁煙のThe Cons
・離脱症候群
・嘆き
・倦怠
・喫煙による一休憩の消失
・喫煙友達無くなった
・喫煙関連の娯楽喪失
・体重増加


日本の禁煙指導は、“有無を言わせないぞ!”という指導になっているのではないか一度自問が必要と思う。

前置きが長かったが、プライマリケアでの禁煙指導ってのにもエビデンスが必要
やたらと介入したからと言って、禁煙成功率が上がるとも限らない・・・という話

Weekly versus basic smoking cessation support in primary care: a randomised controlled trial
Thorax 2007;62:898-903
禁煙に対して、より強化的行動サポートが基礎的行動サポートより有効かどうか、また、プライマリケア看護師が有効な行動サポートをもたらせるかは、まだ、エビデンスが十分とはいえない。

【方法】26のUKのGPにてランダム化対照トライアル施行し、925名の10本/日以上の925名の喫煙者に対して、basic supportとweekly supportをランダムにわけて行った。
すべての参加者に禁煙前に面会、禁煙日周辺で電話を行い同意を得たあと

1週後、4週後で面会(basic support)

週毎のサポートを引き当てた参加者は、

10日目、3週目に電話面接
2週目にニコチン置換療法服薬遵守性動機付けや禁煙再トライを指導


15mg/16時間ニコチンパッチをすべての参加者に投与

【結果】
469名のbasic support、456名のweekly supportのarm

禁煙数(%)と相違比率は、
4週目に、105(22.4%) vs 102(22.4%)、0.1%(95%CI -5.3%~5.5%)
12週目に、66(14.1%) vs 52(11.4%)、-2.6%(95%CI -6.9%~1.7%)
26週目に、55(10.7%) vs 40(8.8%)、-1.9%(95%CI -5.7~2.0%)
52週目に、36(7.7%) vs 30(6.6%)、01.1%(95%CI -4.4%~2.3%)

【結論】ニコチン単独療法絶対的禁煙率からとらえると、basic supportもweekly supportも有効でないというものである。プライマリケア禁煙治療は十分なサポートを伴った薬物療法で行われるべきであり単に適切に使用しているかどうか確認するだけで十分であり、そのサポートの必要な人たちはスペシャリストが好ましい。


世の中、心理専門家や看護師などは過大評価されているところがあり、なんでも彼らに任せればよろしいと思っているようで、マスゴミや教育関係者などにその傾向が強いようである。
人件費というのは大きな問題で、コストベネフィット分析が真に必要なのは、そのような触手の介入である。

by internalmedicine | 2007-10-26 09:12 | 呼吸器系