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AJOG子宮頸部癌ガイドライン

Wright TC Jr et al. 2006 consensus guidelines for the management of women with cervical intraepithelial neoplasia or adenocarcinoma in situ. Am J Obstet Gynecol 2007 Oct; 197:340.

Wright TC Jr et al. 2006 consensus guidelines for the management of women with abnormal cervical cancer screening tests. Am J Obstet Gynecol 2007 Oct; 197:346.

by internalmedicine | 2007-11-30 15:13 | がん  

COPDの予後推定は主治医は悲観的・・・日本では期待権とやらでさらに悲惨な状況になっているだろう

UKでは入院のうち3%がCOPD急性悪化、入院中央値16日間(中間四分位 9-29日間)で、ICUへ入室させるかを決定することが医師の“最優先事項”と考えられている。だが、予後推定は困難で、予後モデルと比較してアメリカの研究でも医師は悲観的になりやすいという報告(Am J Respir Crit Care Med 1996;154:959-67)があった。

UKでの研究
 ↓
Implications of prognostic pessimism in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD) or asthma admitted to intensive care in the UK within the COPD and asthma outcome study (CAOS): multicentre observational cohort study
BMJ 2007;335:1132 (1 December), doi:10.1136/bmj.39371.524271.55
重症の閉塞性肺疾患の急性増悪にてICU入室患者対象の観察研究

イギリスの92ICUと3つの呼吸器高度依存ユニットで調査

517名(62%)が180日まで生存

臨床医の予測予後は悲観的で平均180日で49.7%と予測
Clinicians' prognoses were pessimistic, with a mean predicted survival of 49% at 180 days.

臨床医の予後最低5分の1とされた患者群では予測予後生存率は10%で、実際は40%であった


ICUの74%がデータベースでカバーしているのでこの調査の参加の有無間の差は実質的な差がない。この研究に参加した患者と参加してない患者では同様であった。

【結論】COPD・喘息で入院した患者を挿管のためICUに入室させるかどうかは臨床医の予後推定に依存するので、主治医事態が気づいていない予後に対する悲観性故に、ICU入室を拒否され助かるべき患者がICU治療されない危険性がある。



日本なんて、楽観的に患者や家族に話すと、「期待権」なる不思議な権利によりなぜか民事裁判で負けてしまうという恐怖感が医療関係者に蔓延しているし、蔓延せざる得ない状況である


【期待権】
将来一定の事実が発生すれば一定の法律上の利益を受けることができるという期待を内容とする権利。相続権・条件付権利など。希望権。(goo辞書


Wikipediaには
この権利は日本の法令により定義がなされているものではなく、権利の認められる範囲や、個々の権利がどの程度までの法的保護を受けるかは明確ではない。一般的には、「ある一定の事実が存在する場合に、その事実から予測される法律上の利益が将来的に発生することを期待できるとする権利」のように解釈されている。
・・・とどうにも、裁判で時に認められることがあるが、法律に規定のない不思議な権利であるようだ。

こんなものが幅をきかすと主治医は決して楽観的な予後推定はできない・・・あまりに非科学的な一方的な司法が勝手に作り上げた権利・・・是非、司法の世界から撤廃してほしいものだ

この期待権・・・
期待利益と期待権侵害を認定した事案として、東京地裁や宇都宮地裁足利支部判決があるが、高裁レベルでの判決はないようだ。( 参考 )
・・・とのこと・・・あまりこれに振り回されないことも大事かもしれない

ただし、日本の医療崩壊の本丸・・・【医療事故調査委員会】が現在準備中らしい

医療崩壊の最大原因は、患者サイドの“現実離れした過剰な医療への期待権”であり、それをゴールデンスタンダードする司法・行政の存在、そして、あおるメディアである。
そして馬鹿なのは日本医師会・・・まさに、「日本医師会の大罪」・・・この組織、ほんとものを考える能力のあるヒトっているのかしら?

by internalmedicine | 2007-11-30 14:14 | 呼吸器系  

メディア・バイオレンス:CDC専門委員会発表分

メディア・バイオレンスに関して恣意的なのか、なんなのかしらないが、ほとんど無視する日本・・・メディア関係者だけでなく、教育・医療の専門家たちまで無視である。かたや“ゲーム脳”なんて造語をかたる根拠なき学者の存在が、このメディア・バイオレンス議論を封じこめてしまったと感じている。

オンラインメディアの規制には盛んなようだが、テレビをはじめとしてメディア上のバイオレンス・シーンの規制には不熱心・・・どころか恣意的な回避のような気もする。

メディアバイオレンスのレビューとガイドライン Lancet 2005-02-20 22:24 など以前から取り上げている。これはイギリスUniversity of Birminghamのレビューであった。


MedPage Today(R)の解説記事になっている。
CDCによる2006年9月の専門家会議のサマリー上にミシガン大学のL. Rowell Huesmannという方が、1963年以来行われた41の研究をレビューしたものをベースにして、今回出版された。

“メディア・バイオレンスは視聴者やゲームプレイヤーに対して短期長期的に暴力的行為にはしらせやすい”ことの圧倒的エビデンスを提示した。

Worthen M, "Education policy implications from the expert panel on electronic media and youth violence" Journal of Adolescent Health 2007; 41: S61-S63.


メディアバイオレンスは、喫煙シーン同様の脅威であり、性病HIVや子供の鉛中毒・アスベスト中毒より総数としては脅威となる。
大きな研究本体は2つの大きな効果を示すものとなった
1)視聴者に暴力行為を犯す蓋然性を増加させる
2) 生涯において後年暴力的反応を示す尤度を増加させる



Huesmann博士は2つのメタアナリシスにより、長期サイズのメディアバイオレンスの影響とその後の攻撃的、暴力的行動の関連は0.20~0.30程度であると解析。

攻撃行動の個々の変数のわずか4%~9%しか説明し得ないと述べているヒトもいるが、パーセンテージの差は、高い社会的コストをもって低頻度の予測としては不適切な統計を用いていたからだと説明した。

たとえば、攻撃性のオッズ比0.3の係数では50/50から65/35へ変容させるもので、生命危機的行為に関係する場合は些細なものではない。

博士は、マスメディアは子供や青少年に新しいタイプの脅威を与えるのではないが、現在存在する脅威をより広範な人達へ影響をもたらすのである(隣の普通の人が暴力的犯罪を起こすなど・・・)

「悪い隣人を持つ子供のよう、あるいは、ストリートに出かけ悪事をしがちな悪い友人といるようなもの」で、「バーチャルな柄の悪い街は多くの若者が現在安易に出会うことのできる状況にある」と述べている。
「“バーチャルな柄の悪い街”(virtual bad street)は“media ortrayals of violence”で そこは正当化も、処罰もできないやっかいな場所だ。」




Maria R. Worthen, M.S.W(U.S. Department of Education)は、学校は電子メディアの安全な使用法について積極的に教育すべきであると述べている。

「テレビは多くの若者の身近にあるものであり、多くの学校はテレビ・ビデオ番組を教育手段として用いている。故に、電子メディアを嗜好する道具として生徒に教えることに反応性の良いガイドとなる。」


"学校はメディアリテラシーを若者が不可避なメディア上のバイオレンスシーンを見ることがあるので、批評的に視聴できるようにし向けなければならない・・・・”

"教育者自身がハイエンドとなり、 子供の電子的装置使用によりなじむべきである。”

“2つの方法がある・・・一つはソーシャルネットワーキングサイトを検索すること、もう一つは電子メディアについて子供との対話を確立することである”

by internalmedicine | 2007-11-30 10:45 | メディア問題  

ワクチン接種や薬より「うがい」「手洗い」が効果的と発表する日本のマスコミ


この論文で抗ウィルス薬やワクチンが意味がないごとき報道をしている馬鹿メディアがあるようだ。論文には、"We did not include vaccines and antivirals because these have been reviewed."と書かれており、ワクチンや抗ウィル薬を比較した論文でも何でもない。日本のマスコミはほんとに”増すゴミ”である。

インフルエンザ予防には、ワクチン接種や薬より「うがい」「手洗い」が効果的と発表
2007年11月29日 01:46
インフルエンザや新型肺炎(SARS)などの呼吸器系ウイルス感染の予防には、薬などの医学的手段より、うがいやマスクの着用、手洗いなど、物理的な方法の方が予防効果が高いとの研究結果が発表された
http://japan.techinsight.jp/2007/11/200711290156.html

 ↑
こういう世間に嘘をばらまくメディアを取り締まれないものだろうか?


このでたらめ記事の元となった論文は もちろん まともで教訓的ですらある。
 ↓
Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses: systematic review
BMJ, doi:10.1136/bmj.39393.510347.BE (published 27 November 2007)

2300タイトルをスキャンし138のフルペーパーを取り扱い、51研究の49ペーパーを含むレビュー。研究の質は3つのRCTでは低く、クラスター化RCTがほとんど。
6つの症例対照治験を除外し、メタ解析のheterogeneity検討施行


高質のクラスター化ランダム化トライアルは呼吸器系ウィルスのコミュニティーへの広がりが若年児を対象とした衛生状態測定を介入することで予防できることを示唆するものであった。

6つの症例対照研究のメタ解析は身体測定はSARSの広がりを御某するのに有効であったことを示唆する;
1日10回以上の手洗い (オッズ比 0.45, 95% 信頼区間 0.36 ~ 0.57; number needed to treat=4, 95% 信頼区間 3.65 ~5.52)
マスク着用 (0.32, 0.25 to 0.40; NNT=6, 4.54 ~8.03)
N95マスク着用 (0.09, 0.03 to 0.30; NNT=3, 2.37 ~4.06)
手袋着用 (0.43, 0.29 to 0.65; NNT=5, 4.15 ~15.41)
ガウン着用 (0.23, 0.14 to 0.37; NNT=5, 3.37 ~ 7.12)
手洗い、マスク、手袋、ガウンの組み合わせ(0.09, 0.02 ~ 0.35; NNT=3, 2.66 ~4.97)




手洗いにウィルス殺性、抗菌性などの消毒を加えることで呼吸器系疾患の広がりを減少させるかは示せなかった。


インフルエンザなんかのマスコミ情報が一番顕著だと思うのだが・・・・日本のマスコミってのは公衆衛生を阻害しつづけるのだろう。

by internalmedicine | 2007-11-30 08:37 | 呼吸器系  

CT使用頻度増大と放射線被曝の影響

下段 NEJMの記載
"On the basis of such risk estimates and data on CT use from 1991 through 1996, it has been estimated that about 0.4% of all cancers in the United States may be attributable to the radiation from CT studies.  By adjusting this estimate for current CT use , this estimate might now be in the range of 1.5 to 2.0%."


アメリカのすべての癌の0.4%がCTによる放射線被ばくによるもので、現在は1.5-2.0%にまで及ぶ可能性を指摘!

CTの使用頻度が日本は異常に多いというLancet( 2004 Jan 31;363(9406):345-51.)の報告は日本で一時話題になったが、諸外国もやはりCT使用回数増加が顕著となっているらしい。日本で問題が先行していたこととなる。

単純フィルム写真に比べてCTは放射線量がかなり多く、populationレベルではその増加が著しいという事実がある。だが、日常臨床で感じることはCTやMRIなどの画像診断崇拝というのが患者にも医者たちにもあり、「頭が痛いからCTとってくれ、子供が元気がないからCT・・・」
などという事態も生じ、裁判所でも「CTをとっていたら助かってたであろう」という妄想が一人歩きする事態をまねている。かくして、医者もCTをとらなかったら訴えられ敗訴し・・・という恐怖感とともに・・・CT使用が増大していく・・・

前置きが長かったが、放射線被曝の有害性に関しては数字で説明することが必要であったので以下のNEJMの報告は有益であろう・・・興味ある方は、原文を手に入れてみてくだされ


Computed Tomography — An Increasing Source of Radiation Exposure
NEJM Vol. 357:2277-2284 Nov. 29, 2007 No. 22

レントゲン検査からの典型的な臓器放射線量
歯科レントゲン 脳:0.005 (mGy or mSv)
胸部レントゲン(PA) 肺:0.01
胸部レントゲン(側面) 肺 0.15
マンモグラフィー(検診) 胸部 3
成人腹部CT 胃 10
注腸 腸 15
乳幼児腹部CT 20



a0007242_1416159.jpg

子供は若年ほど癌になる時間を有するため(固形癌のlatency period)、細胞分裂の比率が高く放射線感受性が元来高いので、年齢が増加するとともに癌リスクが減少する。
National Academy of Science(2005)からリスク推定したもの
ref. Health risks from exposure to low levels of ionizing radiation — BEIR VII. Washington, DC: National Academies Press, 2005.


CTスキャンと癌リスクに関連する大規模疫学研究は存在しないが、一つの研究(  Nature. 2004 Sep 23;431(7007):391)が始まったばかりである。数年結果が出ないが、CTスキャンの放射線による癌リスク推定は可能(AJR 2001; 176:289-296)である。それは臓器への用量と核爆弾生存者の研究からの癌発生データ、死亡率データから推測するものである。

単回の一般的なCT(頭部・腹部)推定リスク
a0007242_14325163.jpg


上図の個別リスク推定は小さいが、CTのリスクはその使用回数の急激な増加により公衆衛生的問題となり得るだろう。



都合により図譜画質劣化ご容赦


農協系の組織から、ヘリカルCTを住民検診に実験的に利用しようという話がでてるのだが、時期尚早と思う。

by internalmedicine | 2007-11-29 15:08 | 医療一般  

老人における卵円孔開存(PFO)と原因不明の卒中の関係

老人でも卵円孔開存(patent foramen ovale (PFO))による奇異性脳卒中てのはそんなに多いものだろうか?・・・という卒中エピソードの説明の時に疑問が上がる。

卒中の原因・病型分類がなされているが、ルーチンの診断で約40%が原因特定できない。いわゆるcryptogenic、特発性となる。一つの可能性として卵円孔開存なのだが、右→左への心内シャントによるもので、卵円孔開存は一般人の約1/4である。
卵円孔開存の老人でのデータが乏しく、ホントに卵円孔開存原因の脳卒中ってあるの?と脳卒中専門医に疑問を投げかけるシーンを多く見かけることととなっていた

55歳以上でも同様の比率でも同様の比率ではなかろうかということが示されている(Neurology 2000;55:1172-1179)。

Patent Foramen Ovale and Cryptogenic Stroke in Older Patients
N. Engl. J. Med. Vol. 357:2262-2268 Nov. 29, 2007 No. 22


卒中患者503名の連続ケースで、卵円孔開存を経食道エコーで確認
131名の年齢<55歳、372名の年齢≧55に分けて比較


特発性卒中群での卵円孔開存比率は、既存原因判明卒中群より若年群( 43.9% vs. 14.3%; オッズ比, 4.70; 95% 信頼区間[CI], 1.89 ~ 11.68; P<0.001)・老年群 (28.3% vs. 11.9%; オッズ比, 2.92; 95% CI, 1.70 ~ 5.01; P<0.001)とも多い。

心房中隔瘤と特発性卒中の事例の卵円孔開存の存在の相関は、原因判明卒中に比較して、若年患者 (13.4% vs. 2.0%; odds ratio, 7.36; 95% CI, 1.01 ~ 326.60; P=0.049)、老年患者 (15.2% vs. 4.4%; odds ratio, 3.88; 95% CI, 1.78 ~ 8.46; P<0.001)両群とも既知原因卒中に比較して非常に高い。

年齢、プラーク厚、冠動脈疾患の有無、高血圧の有無で補正した多変量解析にて卵円孔開存は若年者 (odds ratio, 3.70; 95% CI, 1.42 ~ 9.65; P=0.008) 、老年者 (odds ratio, 3.00; 95% CI, 1.73 ~ 5.23; P<0.001)とも独立して因子であった。





参考(http://www.kessen-junkan.com/2005061302/40.pdf)
奇異性脳塞栓症の特徴と診断基準(案)

1.画像診断による脳梗塞素の確認
2.右左シャントの存在
3.静脈血栓の存在
4.塞栓機序を示す発症様式や神経放射線学的特徴
5.他の塞栓源や責任主幹動脈の高度狭窄性病変がない
6.ワルサルバ負荷のかかる動作や長期の座位姿勢での発症
確定診断:1 + 2 + 3 + 4 + 5
疑似診断:1 + 2 + 3 + 4,1 + 2 + 3 + 5,もしくは1 + 2 + 4 + 5
参考所見:6
項目6 :ワルサルバ負荷のかかる動作や長期の座位姿勢は定義を決めることが容易でないことから,参考所見にとどめた


心房中隔瘤(ASA:atrial septal aneursm):心拍動に伴って心房中隔が左房側
と右房側に交互に突出する病態;心房中隔の基部の長さが11 mm 以上で,それが直線の状態からどちらかの,もしくは両側の心房側へ11 mm 以上突出する場合にASA と診断という事例

偶然見つかったPFO 症例には抗血栓療法は不要である.健常者の約1/5 は卵円孔開存を有しており,予防的な抗血栓療法は必要ない.奇異性脳塞栓症の確定診断例や疑似診断例では,再発予防に抗凝固療法が必要である.70 歳未満ではINR 2.0 ~ 3.0 で,70 歳以上では1.6 ~ 2.6 でワルファリンコントロールを行う.

by internalmedicine | 2007-11-29 12:08 | 運動系  

Eltrombopagによる通常の治療に反応しない慢性ITP治療

した。

C型肝炎ウィルス肝硬変血小板減少症への治療薬:Eltrombopag で触れたのと同じ薬剤

Eltrombopagの慢性特発性血小板減少性紫斑病(慢性ITP)における有効性トライアル

Eltrombopag for the Treatment of Chronic Idiopathic Thrombocytopenic Purpura
N. Engl. J. Med. Vol. 357:2237-2247 Nov. 29, 2007 No. 22

118名の成人ITPで血小板数3万/cmm未満を対象とした
Eltrombopag 30、50、75mg/日とプラセボ投与
プライマリエンドポイントは43日目に血小板数5万/cmm以上


Eltrombopag 30、 50、 75 mg/日で、エンドポイントはそれぞれ28%、70%、81%
プラセボでは11%

Eltrombopag30、50、75mg/日で、43日目中央値血小板数26,000、128,000、183,00/cmmで、プラセボでは16,000/cmm

15日目までにEltrombopag 50mg/日、75mg/日投与の80%超で血小板数増加

出血もまた上記2群で減少した

副作用の頻度・重症度はプラセボとeltrombopag群で類似



ITPは低血小板数(<2万/cmm)持続にて脳出血のような重篤な出血リスクと相関する。ITPの治療目標は出血予防のレベルで、そして、治療による副作用を軽減するレベルで血小板数を維持すること

コルチコステロイドやIVIGは初期において血小板破壊を減らすが、血小板数産生が最適ではないそれ以下である(suboptimal)という認識がある(・・・初めて知った ;;)。故に、Thrombopietinni注目した治療も入り込む余地があるということらしい。

AMG 531 ( )という皮下投与血小板刺激蛋白というのがあるらしい。

by internalmedicine | 2007-11-29 11:29 | 内科全般  

C型肝炎ウィルス肝硬変血小板減少症への治療薬:Eltrombopag

血小板減少は慢性肝疾患のよくある合併症で、それは、門脈圧亢進、脾機能亢進、thrombopoietin産生減少、ウィルス性の骨髄抑制などが合わさルためと考えられており、進行状況のパラメーターとしても用いられる。
一方C型肝炎ウィルス(HCV)に伴う肝疾患に対してインターフェロン+リバビリン併用が標準治療となっているが、血小板数5万/cmm未満などのケースでの治療も少数ながら報告されている。しかし、血小板減少は絶対的禁忌ではないものの、治療の制限因子となっている。

Eltrombopag (SB-497115, GlaxoSmithKline) は新しい、小分子非ペプチド、経口血小板成長因子で、thrombopoietin受容体アゴニストとして働くもの

この薬剤はthrombopoietin受容体の膜通過ドメインとinteractし、巨核球の分化に寄与し、結果血小板増加につながる

臨床前・早期臨床研究にて、eltrombopag治療が巨核球の増殖・分化を刺激することが示され、用量依存的に血小板数をチンパンジーやヒトで増やすことが判明していた。ヒトの血小板Ex vivo 実験、健康者のin vivo研究でも副作用が認められていなかった。



Eltrombopag for Thrombocytopenia in Patients with Cirrhosis Associated with Hepatitis C
N Engl. J. Med. Vol. 357:2227-2236 Nov. 29, 2007 No. 22
74名のHCV関連肝硬変と血小板7万~2万/cmmの患者をランダムに割り当て
eltrombopag(30、50,75)とプラセボ、4週間

Peginterferonとribavvirinを開始し12週追加観察研究

4週め、血小板数は10万/cmm以上増加し、用量依存的な反応であった

プラセボ 0 / 17
eltrombopag 30 mg 9 / 12 (75%) 
eltrombopag 50 mg 15 / 19 (79%)  
eltrombopag 75 mg 20 / 21 (95%) (P<0.001)


2週間抗ウィルス治療、eltrombopag・プラセボ同時使用で、eltrombopag完遂は、30mg、50mg、75mg各々で36%、53%、65%、プラセボでは6%であった。

最初4週間でもっとも多い副作用イベントは頭痛で、それはインターフェロン治療での副作用イベントであった。




この論文通りだとすると、かなり有益な治療薬のようである。厚労省もC型肝炎でポカばかりしているようだから、たまには早期承認を検討したらどうか?・・・桝添は薬剤の早期承認に関して積極的と聞いているから点数を稼ぐにはよい対象薬剤だと思うが・・・

by internalmedicine | 2007-11-29 10:17 | 消化器  

安定狭心症の管理アンケート結果からみた日本の特殊性

安定狭心症をいかにマネージメントするか?
NEJM誌がケースプレゼンテーションをして、全世界にそのインターラクティブな調査を行った。
 ↓
Management of stable coronary disease. N Engl J Med 2007;357:1762-1766. [Free Full Text]

65歳男性、高血圧、肥満、2型糖尿病で5年間診療していた。
服薬として、hydrochlorothiazide(25mg/日)+metformi(500mg ×2/日)
血圧は130/82mmHg、BMI 32
HbA1c 7.5%冠動脈疾患と最近診断され、その相談にあなたのクリニックにやってきた

2週間前、2区画歩行後胸部症状("tightness)と息切れを自覚、安静にて2-3分で改善。


Bruceプロトコール・トレッドミル運動負荷試験、心筋血流画像を行った。患者は8分間運動を行い胸部圧迫感・呼吸苦にて終了。最大収縮期血圧は160mmHg、最大心拍は140/分
心電図前壁側壁誘導にてST1mm低下、血流シンチでは一定した血液潅流欠損が前壁に中等度、前壁側壁にに中等度可逆性の欠損

心臓カテーテルで多枝冠動脈病変(LAD第1diagonal枝の閉塞とLADのmidportionの70%狭窄、左回旋枝石灰化病変をともなう80%狭窄、後下枝50%狭窄)

前壁の左室運動性低下と左室駆出率45%


以上のケースに対して、あなたは主治医として患者の治療管理に対してどうアドバイスしますか?


1)適切な薬物療法とadherenceと効果性をみながら厳格なフォローアップ2)適切な薬物療法とPCI
3)適切な薬物療法とCABG


PCI:経皮的冠動脈カテーテル手術
CABG:冠動脈バイパス術



私が見た時点では
日本(27)は、1)29.58%、2)39.44%、3)30.99%
アメリカ(2830)は、1)42.23%、2)17.63%、3)40.14%
英国(209)は、1)43.06%、2)14.83%、3)42.11%
ドイツ(185)は、1)47.03%、2)23.78%、3)29.19%
フランス(74)は、1)32.43%、2)27.03%、3)40.54%
ロシア(11)は、1)63.64%、2)9.09%、3)27.27%
中国大陸(88)は、1)45.45%、2)27.27%、3)27.27%



7632投票中の43%、3282で、まず適切な薬物療法、そして厳重な経過観察(adherenceと効果を見ながら・・・)というのが多かった。
次点は僅差で、40.2%、3066投票は、適切な薬物療法を即刻開始とCABGを患者に勧めることであった。

Management of Stable Coronary Disease — Polling Results
November 28, 2007 (10.1056/NEJMclde0707875)


日本の比率は、その投票率の低さから実態を反映してない可能性があるが、わたしの周囲の雰囲気からすればPCI優先というのは事実かも知れない。となると、世界的趨勢からかなり逸脱していることとなる。

日本のPCI技術の優秀性は疑わないが、それでよいのか?・・・日本の循環器医師やプライマリケア医師は自問が必要だろう。

by internalmedicine | 2007-11-29 09:07 | 動脈硬化/循環器  

DPCによる悲劇・・・結局無理矢理退院による再入院増加


根拠なきDPCにより患者は無理矢理退院させられ、結局再入院増加
事故増加の可能性も・・・・

 議論のなかで、鈴木満委員(日医常任理事)は、平均在院日数が2日間短縮したとされていることについて、一方で、治癒率が低下し、再入院率が上昇していることを指摘、「“DPCによる効率化”というが、本当にエビデンスはあるのか」と質した。

 さらに、竹嶋康弘委員(日医副会長)は、平成15年度対象病院(特定機能病院)の例として、平成16年から19年にかけて、再入院率は16人に1人が13人に1人に、6週間以内の再入院率は26人に1人が21人に1人に増えている事実を紹介し、「不十分な状態のまま退院させているのではないか。そうであれば、患者にとって危険であるばかりか、医療費の増大も招きかねない」と指摘した。 日医白クマ通信 中央社会保険医療協議会(11月21日)から一部抜粋



くそ役人どもの机上の絵空事により患者はリスク増加にさいなまれている


きっとくそ役人どもは・・・現場に責任を負わせるだろう
「現場で判断されることでしょうから・・・・」

馬鹿役人に対して憎しみがどんどんわいてくる今日この頃・・・

by internalmedicine | 2007-11-28 17:59 | くそ役人