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中国毒餃子対策?

急性期の患者は日頃、瞳孔を診る癖をつけとかなければいけないと痛感する。

オウムで有名になったサリンの時にはほとんどの医者がそう感じていたが、喉元過ぎれば・・・
「神経剤―その特性と診断・治療の現況」(http://www.s-a-t.org/sat/sarin/siryo_syoukai/wakimoto.html


methamidophos
Acephate、 omethoateとともに”organophosphorus pesticides”’(有機リン殺虫剤)

基本的には有機リン中毒なのでそれに従えばよいようだ・・・

有機リン中毒(http://www2.eisai.co.jp/phar/hospha/disnote/dis_13.pdf

メタミドホス急性毒性:http://cameochemicals.noaa.gov/chemical/5057


急性毒性:
Methamidophosは経口、経皮、吸入暴露で高い毒性を示す。methamidophosのLD50量は男女でそれぞれ、21 、 16 mg/kgBW、モルモットで30-50mg/kg BW
皮膚LD50値はラットで50mg/kg、ウサギで118mg/kg
吸入LD50値はラットで9mg/kg、マウスで19mg/kg

・ 急性毒性の症候と症状:
急性の有機リン毒性の早期症状は暴露ルートにより、通常暴露中・すぐに症状が出現する(12時間以内)
吸入では、胸部圧迫、喘鳴、頭痛、視力低下、ピンポイントの瞳孔、流鼻・鼻汁が早期症状である
経口の場合は、吐き気、嘔吐、下痢、急激な腹痛が早期中毒症状として多い。
経皮吸収の場合は、吸収部位の発汗、けいれんが見られる。
衰弱、震え、視力低下、胸部圧迫、発汗、混乱、心拍の変化、けいれん、昏睡、呼吸停止が重度の吸入、経口投与、皮膚暴露時にみられる。

中間期の症状はスリランカの中毒例で記載されており、四肢・頚部・呼吸筋の麻痺が24-96時間続く。遅発性の神経障害(遅発性末梢性神経障害)が暴露後2-4週後記載されており、感覚障害、足、下肢、手の針やピンの感覚が低下する。

アトロピンは有機リンの解毒物である

高血圧、消化器疾患、心臓、肝臓、肺、神経疾患を有するヒトはmethamidophosに感受性が高い。

・ 慢性毒性:
A 56-day rat feeding study resulted in a No Observable Effects Level (NOEL) of 0.03 mg/kg/day. The reference dose (RfD) is based on this study. In another study, dogs were fed up to 32 parts per million (ppm) (or 32 mg/1000 g of food per day) methamidophos for 1 year without observed adverse effects on body weights, organ weights, food consumption, blood chemistry, and urine chemistry. Measurable cholinesterase inhibition was found at all treatment levels .


・ 生殖器への影響:
A two generation feeding study in rats showed a decrease in the percentage of females delivering offspring at all dose levels (0.15, 0.5, and 1.65 mg/kg/day).
A systemic NOEL was 0.5 mg/kg/day based on reduced body weights during premating period (166). In humans, reduced sperm count and sperm viability were seen in men who were exposed to the product Tamaron in China.


・催奇形性:
Some fetal liver pathologic changes were observed when pregnant rabbits were exposed to methamidophos (167). In two teratology studies, no birth defects were observed at the highest levels tested (3 mg/kg/day in rats, and 2.5 mg/kg/day in rabbits). Decreased body weights were observed in offspring and mothers in the rat study at 3 mg/kg/day. In rabbits, a maternal low effect level (LEL) of 0.1 mg/kg/day (lowest dose tested) was observed based on low body weights .

・変異源性:
Methamidophos has tested positive for genotoxicity, or ability to induce changes in chromosomes, in some tests and negative in others. It may be weakly mutagenic 


・発がん性 :
There is no evidence of carcinogenicity in tests with rats and mice.


・臓器毒性:
The primary target of organophosphate compounds is the nervous system. Some liver damage has been observed in rabbits. Reduced sperm count and reduced sperm viability have been observed in humans.


・ヒト・動物 致死的影響:
Methamidophos is rapidly absorbed through the stomach, lungs and skin. It is eliminated primarily in the urine.

(http://extoxnet.orst.edu/pips/methamid.htm)

OPPs:organophosphorus:有機リン酸殺虫剤
MRLs:maximum residue limits:残留農薬基準
GAPs:good argricultural practice:食品安全


残留農薬・動物用医薬品等に関する情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest/mrl/index.html

各国の農薬・動物用医薬品の残留基準(MRL)リンク集
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest/mrl-link.html

中国
作物中の農薬のMRL(強制的レベル)
 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest/mrl/ch-pest.pdf
 
動物由来食品中の農薬及び動物薬のMRL
 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest/mrl/ch-vetlist.pdf

by internalmedicine | 2008-01-31 17:43 | 環境問題  

MIFがAMPKを刺激し心臓虚血を助ける

Macrophage migration inhibitory factor stimulates AMP-activated protein kinase in the ischaemic heart
Edward J. Miller, Ji Li, Lin Leng, Courtney McDonald, Toshiya Atsumi, Richard Bucala & Lawrence H. Young
Nature 451, 578 (2008) pp499-604
心臓発作などの酸素、血流不足の心臓の反応に影響する蛋白の発見で、Yale大学のチームがNatureで発表で、MIFとAMPKの関係を明確化したもの




macrophage migration inhibitory factor (MIF)が細胞ストレス反応の酵素で、AMP-activated protein kinase (AMPK)を刺激する

AMPKは鍵となる細胞エネルギーバランスのregulatorであり、心臓発作中の心臓予防的役割を果たすこととなるというもの

MIFは以前免疫反応調整するもととして知られていたが、動脈効果や、関節炎、生体の感染反応に関連することが判明した。

MIFは酸素不足で遊離され、AMPK活性化を生じ、代謝的予防効果にて生体防御的に働くことが示された。

研究者はMIF遺伝子欠損マウスにてAMPK反応が消失することを示し、intactMIF遺伝子を有するマウスより重篤な状態となった。

参照:
(http://www.myukm.com/blog/macrophage-migration-inhibitory-factor-stimulates-amp-activated-protein-kinase-in-the-ischaemic-heart)


AMPK(AMP-activated protein kinase)は、運動により、骨格筋で、ATPが分解されて生じるAMPによって活性化される、蛋白リン酸化酵素(キナーゼ)で、様々な刺激によって活性化され、種々の臓器や細胞におけるエネルギー代謝調節に関わっている。たとえば、糖代謝においては、インスリン非依存性にGLUT4をtranslocateし、骨格筋内に糖を取り込むことが知られている(参考)。
一方、macrophage migration inhibitory factor:MIFは1966年に抗原感作により活性化したモルモット・リンパ球の培養上清中でモルモット・マクロファージの郵送を抑制する因子として発見され、1989年クローニングされ、114塩基対分子量12.3kDの蛋白質と判明。解毒系のグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)活性と免疫系のMIFがAMPK活性の2つの生体防御機構に関与するユニークな蛋白であるということで注目が集まっていた。MIFがエンドトキシンショックの主要増悪因子であり、MIFがAMPKが低濃度グルココルチコイド刺激で誘導されるなどの報告、炎症反応、免疫応答、細胞の分化増殖に関わる(参考:http://www.sidl.co.jp/menu01/mif.pdf




わたしは、骨格筋とAMPKの話に興味があるのだが・・・
Effect of exercise intensity and hypoxia on skeletal muscle AMPK signaling and substrate metabolism in humans
Am J Physiol Endocrinol Metab 290: E694-E702, 2006.
筋肉内のAMPKシグナルの増加、AMPなしの状態、ブドウ糖消費の状態が絶対的運動強度を決定づける。血中カテコラミン濃度、筋肉のブドウ糖消費、筋肉の乳酸値は相対的運動強度に関係する。
malonyl coenzyme A (CoA) はcarnitine palmitoyltransferase I (CPT-I)のallosteric inhibitorであり、長鎖脂肪酸のoxidationのためのミトコンドリアへのtransportに関係し、飢餓状態やエネルギー需要があるときには、malonyl-CoAが減少するが、インスリンの作用や、不活動状態の時はそのレベルが増加する。運動時や電気的刺激を筋肉に与えたとき、AMP-activated protein kinase (AMPK)はリン酸化やacetyl-CoA carboxylase(ACC)の抑制に反応し、GLUT-4 translocationを促進する。


心筋内でも、AMP-activated protein kinase (AMPK)はブドウ糖輸送のインスリン作用を協同的に作用し、インスリン様作用を有する可能性が考えられてきた。いくつかの抗糖尿病薬がAMPKを活性化し、運動のような細胞ストレスがAMPK活性を増加し、インスリン作用を増強し、AMPKの下流のターゲットのいくつかはインスリン作用の調節を含む様である。インスリン刺激ブドウ糖輸送のpositive stimulatorとして働く。

http://www.endotext.org/Diabetes/diabetes14/diabetes14.htm


http://www.cellscience.com/reviews7/AMP_kinase_insulin.html

by internalmedicine | 2008-01-31 16:03 | 動脈硬化/循環器  

サッカーワールドカップゲームにおける心臓血管イベント

サッカーなどの観戦に熱狂するときは、心臓に注意しましょう。特に既存疾患がある場合は、事前に対処も考えた方がよい?


ドイツのFIFAワールドカップゲームで、心血管イベント発生と情緒的ストレスの関係を調査したもの
N Engl J Med. Vol. 358(5):475-483 Jan 31 2008

4279名の急性心血管イベント評価

ドイツチームの試合のある日
心臓緊急症頻度は、対照期間中に比べ2.66(95%信頼区間:CI 2.33-3.04)

男性:3.26(95%CI 2.78-3.84)
女性:1.82(95%CI 2.44-2.31)

ドイツチームの試合日の冠動脈イベント患者群の分析
既知冠動脈疾患比率47% vs 対照期間では29%

イベント平均発生は試合開始2時間以内で最も多い

サブ解析では、対照期間にくらべ、ST上昇型心筋梗塞頻度 2.49 (95% CI 1.47 - 4.23)、 ST上昇無し心筋梗塞  2.61 (95% CI, 2.22 - 3.08)、心臓不整脈 3.07 (95% CI, 2.32 - 4.06)

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これを見ると試合前からすでにイベントは高いような気がするのだが・・・


一応、考察では1-2時間の潜行時間について記述がある。
この1-2時間を前提に考察している
超過リスクはストレスの多いサッカー試合(他のスポーツイベントでも当然考えられるが・・)で生じ、冠動脈疾患をもつ患者では特に予防的評価が必要である。
介入として可能性があるのは、β遮断剤、スタチンなどの抗炎症剤、アスピリンなどの抗血小板、ストレス介入受容体遮断薬など
そして、ストレス行動療法などの非薬物的な戦略が考慮されるべきである。

by internalmedicine | 2008-01-31 11:25 | 動脈硬化/循環器  

Oncogeneと癌

N Engl J Med. Vol. 358:502-511 Jan. 31, 2008

腫瘍のinitiationとprogressionに関連するoncogeneを同定することは新しい抗ガン剤の開発に対するターゲットとなる。oncogene産物に影響するいくつかの新薬、小分子、モノクローナル抗体が開発されつづけている。
ABL、KIT、EGFR、ERBB2の酵素活性を抑制する小分子へ影響を与える研究も進んでいる。ただ、oncogene産物が酵素ではない場合は、新しい薬剤の開発は困難である。

ターゲット治療のadvantageは増殖と生存に関わるoncogene産物に依存するガン細胞である。ガン細胞はは正常の細胞より治療に感受性を有することとなるのだが、全てのターゲットがまだ明かというわけではない。多くのターゲットを有する多剤開発が予見できる。
microRNAの関与が認めらrこれがターゲットとして加わることが期待できる。

MicroRNA遺伝子
癌では他の遺伝子と違い、蛋白をencodeしていないが、21-23ほどの核酸を有するsingle RNAでなりたち、遺伝子発現調整の役割を果たす。microRNAの配列を補完する核酸を有するmRNAへ焼き戻し(anneal)することができるものである。


MicroRNA (miRNA) はRNAポリメラーゼ(pol)IIでほとんどtranscriptされ、それより頻度が少ないがRNA plo IIでもtranscriptされる。Primary transcript(pri-microRNA)はきわめてサイズが大きい。pri-microRNAは、DroshaとDGCR8を含む酵素的複合体により核内でスプライシングの間、プロセスが進行する。次第に70-100核酸のような小型となり、pre-microRNAとよばれるhairpin precursorとなる。
second precursorはexportin-5と核内で結合し、形質内に輸送され、Dicerにより成熟されたmicroRNAへcleaveされる。この成熟microRNAは、ほとんど、mRNAの3'未転写領域
と結合し、ターゲットRNAの補完程度により、mRNAの転写の減衰・遮断をすることとなる。

exonic miRNA感知

Pri-miRNA(transcription RNA pol II と III)

pre-miRNA(Drosha、DGCR8)

核膜を通過して細胞形質内へ(Exportin 5)
Dicer

miRNA

translation supression/degradation
 


intronic miRNA感知

Pri-miRNA(RNA pol II と III)

スプライシングで
mRNA+intronへ

Pre-miRNA
↓ 
核膜を通過して細胞形質内で(Exportin 5)
Dicer


miRNA

translation supression/degradation


ALL1(MLL) microRNA: miR191


癌は、oncogene、腫瘍抑制遺伝子、microRNA遺伝子の変化によって生じる。germ-line eventは家族性の癌や遺伝性となって生じることもあるが、通常体細胞イベントである。単位電子変化は悪性腫瘍を生じるほどには稀すぎる現象である。、いくつかの連続した多段階プロセスの存在を示す多くのエビデンスがあり、多くは、oncogene、腫瘍抑制因子、microRNA遺伝子の存在を示唆するものである。

腫瘍は二次・三次遺伝的変化を生じてtransformした細胞からなる細胞遺伝子的に異なるクローンからなる。このheterogeneityは臨床的表現型や治療の反応のばらつきをもたらす。もともとのクローンやサブクローンから離れて腫瘍はprogenitor cancer cellを具有する。化学療法・放射線やほかの治療法の感受性がことなり、治療が困難となる。

CMLは反復性の t(9:22)染色体の転座がみられ、ABL proto-oncogeneBCR遺伝子と融合する。このfusionによりoncogenic ABL fusion蛋白をencodeするようになり、tyrosine kinase活性を促進する。全ての白血病細胞は染色体変化があり、tyrosine kinase 活性を生じるようなfusion proteinを有し、これの抑制により完全寛解をもたらすことができることとなる。再発時は、ABLのmutationが起こり、薬剤抵抗性となるというメカニズム

体細胞遺伝子変化のエビデンス
1)Burkittリンパ腫のoncogene MYC(染色体 8q24の免疫グロブリン遺伝子へのtranslocation
2)マウスの線維芽細胞のtransfection実験:ヒトガン細胞のDNAのin vitroで悪性腫瘍細胞の特徴獲得
3)濾胞性リンパ腫や一部diffuse large B細胞リンパ腫の特徴を有する染色体breakpointのクローニングにて:BCL2oncogeneのjuxtapositionが免疫グロブリンクローンのenhancer elementとなる
4)活性oncogeneのヒトガン細胞へのtransgenic mouseでヒトの腫瘍類似のふるまいがみられる。


apotosisの2つの経路
I)Stress pathway
細胞ダメージ、oncogeneの活性化、growth factor deprivation
BH3

Bcl2
Bax or BaK

CytC

Apaf1

Caspase 9

Caspase 3, 6, 7

細胞死


II)Death receptor pathway
Ligands(FasL、TRAIL、TNF)

Death receptor

FADD

Caspase 8

by internalmedicine | 2008-01-31 08:50 | がん  

関節リウマチとpreclinical間質性肺炎

The Proceedings of the American Thoracic Society ( 4:443-448 (2007))という雑誌に、リウマチと肺病変に関してレクチャーがなされている。このレクチャー内でもリウマチ-間質性疾患、RA-ILDの進展予後因子などが書かれている。

頻度に関しては、
間質性肺炎の頻度は様々で、後顧的研究でILDは約7%、一方剖検では35%という報告もある。HRCTの前向き研究で、より高頻度であることが判明し、非選択的な群では、2/3まで認められたという報告もある。


病態・病因としての記載は、
予後因子としては、臨床的、遺伝的、環境因子が肺疾患進展に関連する。リウマチ結節とRA-ILDは男性に多い。喫煙が独立したリスク要因であり、重症度、RF陽性と関連。
たばこと、HLA-DRB1”shared epitop"(SE)、anticyclic citrullinated peptide antibody (anti-CCP)とRAの進展の関連の報告。喫煙歴とHLA-DR SE 遺伝子の2コピーの存在が、非喫煙者・非HLA-DR SEよりリスク21倍増加する。ただ、喫煙そのものとRA-ILDの関係はまだ不明。血中のIgM-RFや抗CCPの増加がRAの進展因子であり、IgM-RFはRA-ILDと相関があった。




関節リウマチ(RA)に伴う間質性肺疾患(ILD)の早期同定と治療は進展を押さえられるかも知れない。無症状性肺疾患、preclinical ILD(RA-ILD)の早期同定を目的として最終的には治療に結びつけようとする研究
Progressive Preclinical Interstitial Lung Disease in Rheumatoid Arthritis
Arch Intern Med. 2008;168(2):159-166.

64名のRA成人、10名のRA・肺線維症(RAPF)対象

【結果】 呼吸苦・咳嗽のないRA患者の21/64(33%)でHRCTで検出されるpreclinical ILDがある。
肺疾患無しの患者にんくらべ、RA-ILD患者は有意に喫煙歴が長い (P < .001)、crackleの頻度が多く (P = .02), higher alveolar-arterial oxygen gradients (P = .004)、HRCTスコアが高い(P < .001)
HRCT異常はRA-ILD患者12/21(57%)で進行
PDGF-ABとPDGF-BBの肺胞濃度は統計学的にRA-ILDの患者群が、RA without ILD無しの一群より有意に高値である(平均 [SE] 497.3 [78.6] 、 1473 [264] pg/mL) vs 24.9 [42.4] 、 792.7 [195.0] pg/mL) (P < .001 と P =.047)

RAPFを有する患者では、インターフェロンγとTGFβ2の濃度は有意にRA without ILD患者群より統計的に低下(平均 [SE] 5.59 [1.11] pg/mL 、 0.94 [0.46] ng/mL vs 14.1 [1.9] pg/mL 、 2.30 [0.39] ng/mL) (P =.001 、 P =.006) し、preclinical ILDを有する患者群より低値(平均 [SD] 11.4 [2.6] pg/mL 、 3.63 [0.66] ng/mL) (P =.04 and P =.007)

安定期RA-ILDと比較して、進行性RA-ILDの患者では統計学的に有意にmethotrexateの治療頻度が多く、インターフェロンγ・TGFβ1の肺胞濃度が高い(P =.046, P =.04, P =.04)


・無症候性preclinical ILDは、HRCTで同定可能で、RAを有する患者の間で多く見られ、それは進行性である。
・喫煙がこのpreclinical ILDと関連する
・Methotorexate治療がpreclinical ILD進展のリスク要因であるかも知れない
・肺胞蛋白の定量化による病態メカニズムがRA-ILDと有症状性RAPF患者の鑑別点なのかも知れない。



Europian JournalにはOccult connective tissue diseaseとやらが・・・Occult connective tissue diseases mimicking idiopathic interstitial pneumonias
Eur Respir J 2008; 31:11-20
SLE以外の結合織疾患(CTDs)は慢性の特発性間質性肺炎と類似し、CTDの様々な組織所見が全くないか軽度な場合がこれを疑う。NSIPは比較的CTDsで多く、NSIPの生検報告はCTD診断を行うべき所見である。
究極には、CTDの診断は免疫学的検査の確認、様々な検査の解釈が臨床所見とともになされるべきである。

by internalmedicine | 2008-01-30 16:26 | 呼吸器系  

“急性悪化”の判断は一定か?

急性悪化ってのはGOLDを改めてみると以下の表現となっている
急性悪化はCOPD患者の気道の炎症性反応のさらなる増悪が生じ、細菌・ウィルス感染、環境汚染によっても引き金になる


本文では、
COPD急性増悪のメカニズムの知見は比較的少ない。軽症・中等度の急性増悪において好中球増加が見られ、喀痰・気道壁の好酸球も見られるという報告もある。TNF-γ、TB4、IL-8や酸化ストレスのバイオマーカーの増加をもたらすことと関連がある。 重症急性増悪に関しては気道の好中球が非常に増加し、ケモカインの発言が増加しているという報告はあるが、情報が比較的少ない。急性悪化中、過膨脹やair trapping、呼気流量の低下、呼吸困難回数の増加が見られる。換気血流不均衡の悪化と低酸素血症悪化が見られる



ここから急性増悪という判断は難しいのではないかと思う。

COPDでは急性増悪がその臨床的アウトカムになることが多くなった。そのとらえ方をつきつめればいろいろ不明だったことが分かってくるようだ

Counting, analysing and reporting exacerbations of COPD in randomised controlled trials
Thorax 2008;63:122-128

2000-2006年のLABA、LABA/ICS合剤の臨床トライアル分で検討した
COPD急性悪化の回数測定方法、分析方法、研究方法調査

22トライアル(17157名の患者)をクライテリア参入しレビュー

トライアル独自の裁定や独立したイベント判定はなかった。
研究薬剤を早期に中止した対象者をアウトカムデータの非分析とするselection biasが14/22(64%)に認められた。

人年あたりの急性悪化回数計算という時間配分解析をもちいているのは31%のみで、主観間のvariationを考慮していたのはわずか15%であった。

COPDのCanadian Optimal Therapyでは人年あたりの急性悪化率は0.85で、これは時間配分分析を含むものであった。これを斟酌しない場合は0.46となり過大評価することとなる。


by internalmedicine | 2008-01-30 09:40 | 呼吸器系  

呼吸リハビリテーションの効果判定は一定負荷サイクル試験でしろ!

仮説と立証の内容が一致していて良論文だと思う。

呼吸リハビリテーションの評価判定は従来簡便性から6分間歩行距離がよくなされているが、それでは効果判定として感度が鈍いようで、エルゴメーターなどで定負荷による運動時間測定が望ましいということ。

Assessing the impact of pulmonary rehabilitation on functional status in COPD
Thorax 2008;63:115-121
【背景】COPDの肺リハビリテーション機能状態評価の最適な方法は現時点で不明である。一定量負荷サイクリング運動(constant work rate cycling exercise test)の臨床的に重要な最小差異が現在盛んに検討されている。
入りハビリテーション後直後と、1年後の6分間歩行距離やこの定負荷サイクル運動耐容試験の変化とCOPD患者の健康状態という意味での変化の検討がなされた。。
【方法】COPD患者は平均年齢65(SD:8)歳、%FEV1 45(15)%
直後157例、1年後106例の検討

【結果】 鍼リハビリテーション後、サイクル耐容時間は増加(p<0.001)
6分間歩行距離もリハビリテーション後改善(25(52)m、p<0.001)するが、1年フォローアップ後はベースラインに戻る
サイクル試験の100-200秒の改善が臨床的にSt George Respiratory Questionnaire scoreの改善と相関

【結論】6分間歩行距離よりサイクル耐容試験の方がリハビリテーション後の耐容の改善を検知するのにより反応がよく、健康状態の改善と相関している。サイクル耐容時間の改善は臨床的に意味のあるものである。




そろそろ、リハビリテーションをリハビリと略すのはやめてほしい。“rehab.”が普通なので“リハブ”と日本語でも略すべきだ。公的な場所でリハビリとしゃべる人間を見るたびにこいつは馬鹿だなぁ・・・とひそかに思っているのは私だけなのかも知れないが・・・
コメディカル”などと救急医学会では公式に使っているアホさ・・・


・・・というと、肺リハビリテーションと略していることを指摘されそうだが、pulmonary rehabilitationの直訳は呼吸リハビリテーションではないというのが私の信念?

by internalmedicine | 2008-01-30 09:22 | 呼吸器系  

Avian influenza

トリインフルエンザ
【定義】
Avian influenza is flu infection in birds. The disease is of concern to humans, who have no immunity against it. The virus that causes this infection in birds can mutate (change) to easily infect humans. Such mutation can start a deadly worldwide epidemic.



新型インフルエンザ・パンデミック対策情報サイト
http://www.internationalsos.com/pandemicpreparedness/index.aspx?languageID=JPN





CDC - Influenza (Flu) |Avian Flu
PandemicFlu.gov
MedlinePlus Medical Encyclopedia: Avian influenza
(<google from medical authorities>)


IDSC(国立感染症研究所 感染症情報センター)

WHO

by internalmedicine | 2008-01-29 14:04 | インフルエンザ  

レジャーでの運動不足はテロメア長短縮をもたらす など

テロメア長に関する臨床がらみの報告が多くなってきた。

レジャーでの運動不足はテロメア長短縮をもたらす

The Association Between Physical Activity in Leisure Time and Leukocyte Telomere Length
Arch Intern Med. 2008;168(2):154-158.
【序文】 身体不活動は多くの加齢疾患の重要なリスク要因である。白血球telomereの動態(テロメア長と 加齢依存テロメア長短縮 ) は、加齢の生物学的指標というふれこみである。
故に、直近の12ヶ月におよぶ娯楽時間における身体活動性レベルが白血球テロメア長(LTL)と相関するかどうか正常健康ボランティアでしらべたもの
【方法】 2401の白人双生児ボランティア、2152名の女性、249名の男性で、身体活動レベル、喫煙状況、社会経済的状況に関するアンケート調査
LTLを平均terminal restriction fragment lengthにて測定、年齢補正、他の因子補正したもの
【結果】 LTLは娯楽時間身体運動活動性と相関(P<0.001)
この相関は年齢、性別、BMI、喫煙、社会経済状態、仕事時の身体活動性補正にても有意であった
もっとも活動性のあるLTLは最小活動者群の200核酸長長い (7.1 and 6.9 kilobases, respectively; P = .006).
この所見は、身体活動性レベルの一致しない双生児ペアの小グループで確認された(平均の上では、より活動性の高い群のLTLは88核酸長い; P = .03).

【結論】 不活動性のライフスタイル、喫煙、BMI、社会経済状態の低さが、LTLに影響をあたえ、加齢プロセスを促進している。このことが定期的な運動への抗加齢作用を促進する可能性がある。



ちょっと復習・・・

酵素 テロメラーゼがテロメア末端の塩基対に加わり、若年細胞ではテロメラーゼはテロメアを非常に多く摩損せしめる。細胞分裂を繰り返すにつれ、テロメラーゼが十分でなくなったとき、テロメアは短くなり細胞も加齢する。
テロメラーゼは精子・卵子では活発であり、次世代に伝わる。生殖細胞がテロメラーゼを持たないなら、そんな細胞の組織体は消滅に向かうだろう。



テロメアはTTAGGGの反復シークエンスからなり、対側ではAATCCCの配列となる。人の血液ではテロメア長は、生下時8000から3000塩基対であり、老人となると1500塩基対まで減少する(ちなみに一つの染色体の塩基対は約1億5千万)。
細胞分裂のたびに体細胞は30-200塩基対が減る
細胞は通常50-70回分裂し、テロメアは細胞が老化、死亡、癌などの遺伝子変化するまで次第に短くなる。心筋のような分裂しない細胞からなる組織ではテロメアは短くならない。
なぜテロメアのようなものを持っているか?もし無ければ、細胞分裂の時間は短くなるだろう。そして、テロメアは遺伝子を喪失せずに分裂する。細胞分裂は新しい皮膚、血液、骨、他の細胞と必要なときに成長できることとなる。テロメアがなければ、染色体は互いに融合し、細胞の遺伝子青写真も破壊し、細胞機能障害をきたし、癌もしくは死に至る。壊れたDNAは危険であり、染色体損傷を感知し、修復する能力を有することとなる。細胞の分裂をとめさせる方法としてそなわってるのである。





参考:http://learn.genetics.utah.edu/features/telomeres/




テロメア関係の最近のトピックスを拾い集めてみた

出生時父親の年齢が生下時テロメア長の重要な決定因子
Offspring's Leukocyte Telomere Length, Paternal Age, and Telomere Elongation in Sperm
PLos Genetics Early Online Release
出生時に父親の年齢が高いほどテロメア長が長いという報告があり、
男女3365名でSouthern blotでLTLを測定
父の年齢が増加する毎に、生下時LTLは長くなる、半数から2倍までの範囲で増加する。
精子のテロメア長の分析で長くなったテロメアが見つかる。
父親の精子でのテロメア長に関連した減少と言うことになる



White Blood Cells Telomere Length Is Shorter in Males With Type 2 Diabetes and Microalbuminuria
Diabetes Care, November 1, 2007; 30(11): 2909 - 2915.
2型糖尿病と微量アルブミン尿症(MA)の患者は(terminal restriction fragment [TRF]) 長が短く、MA無しに比べよりarterial stiffnessが増加する。加えて、TRF長は年齢、albumin excretion rate (AER)、nitrosative stressと相関。
TRF長は生物学的年齢を表し、MA有りの2型糖尿病患者ではarterial stiffness増加と関連する



双生児女性での住民コホート研究ビタミンD濃度とLTLは相関し、加齢へのポジティブな影響の可能性がある
Higher serum vitamin D concentrations are associated with longer leukocyte telomere length in women
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 86, No. 5, 1420-1425, November 2007


以前取り上げたもの
 ↓
テロメア長とCHDリスク関連有り、スタチン治療で予防可能? ( 2007-01-15

by internalmedicine | 2008-01-29 09:48 | 医療一般  

“mitochondrial genetic bottleneck”の実証報告

Newcastle UniversityのPatrick Chinnery教授のミトコンドリア疾患の遺伝性が予測困難な理由の一つを解明したとのこと

遺伝子変異mtDNAがパスするのが少数か大多数かで、疾患を有さない子供と重度の子供をわけることとなる。女性の卵子はその成長のごく初期において形成される。
precursor cellが多数の卵子に分かれるとき、卵子がランダムに分布されると思われる。
卵子同士で、変異mtDNAの非常にばらつきが多いので、変異遺伝子の量そのものも次世代に伝わる音となる。
この違いが疾患重症度の違いとして現れるのであるという考え



mtDNA分子の少数しか次世代に通過しないという “mitochondrial genetic bottleneck”


チャンスのゲームなのである。赤玉・白玉を混ぜているところからランダムに取り上げたときに、非常に少数の赤玉とさらに非常に少数の白玉をつかむことがある。これが変異mtDNAの量がことなる理由なのである。このボトルネックを通過後、ミトコンドリアの形質が発現するわけだから、変異確率が個体にとってはランダムとなる。

Nature Geneticsに27日づけで、Chinneryらの国際チームは、このbottleneckが現実に存在し、卵子を形成するときにドラマティックにmtDNAの数が減少することを示した。

重症度の変異が大きいこと、卵子が増加するにつれ、子供に到達する異常ミトコンドリアの数が増加すること。このケースでは子供の方が母親より影響を受けやすくなる。

ミトコンドリア疾患は5000名に一人と考えられているが、正確な異常mtDNAの比率が既知となったときに、子供への影響するか、どのように影響するか科学者はまだ予測できない。
この研究により今後の疾患リスク予想に役立つかもしれない仕事である。
情報ソース:http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-01/wt-mc012508.php


この辺の説明(ミトコンドリアDNAの遺伝的均一化促進方法 特許申請)を合わせ見るとちょっと分かった気がする
ミトコンドリアは多様かつ多数のゲノムDNAのコピーを運搬し、例えば哺乳細胞およびサッカロミセスセレビシエ細胞では、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のコピーがそれぞれ10^3から10^5個および30~100個存在する。mtDNAはミトコンドリアの機能に不可欠である。変異の獲得はミトコンドリアのゲノムの方が核のゲノムより約10倍速いので、各細胞には多様な変異を伴う異質mtDNAのコピーが存在していると推測される。酵母ないしヒトでは、核ゲノムとは異なり、ミトコンドリアゲノムの対立遺伝子は細胞分裂周期中に素早く分離することが多く、酵母では細胞分裂の10~20サイクル中に、哺乳類では2ないし3継代中に、各細胞または個体のmtDNAは全て遺伝子的に均質になる(この現象を「ホモプラスミー」と言う)。
哺乳類の卵母細胞の分化過程でホモプラスミーが成立する。変異体ホモプラスミー細胞が確立する際、 mtDNAの単一コピー上の変異体対立遺伝子は増殖して、多数の細胞内小器官DANの完全なコピーの集団を形成するが、それは無作為に選択したmtDNA の1個のコピーを鋳型にして子孫mtDNAの全てを複製するかのようである。mtDNAが個別に複製して子孫に無作為に分配されるならば、細胞分裂している各酵母細胞中のmtDNAの数は2ないし6個、あるいは約3個となるはずである。しかし、計算で求めたmtDNAのコピー数はmtDNAの実際のコピー数よりもはるかに少ない。従って、ホモプラスミー細胞は能動過程により生成する。ヒトでのヘテロプラスミーは、ミトコンドリア疾患として知られている重篤な遺伝性疾患に関連して、または高齢者の幾つかの組織中に観察される。このような疾患の原因となる遺伝子欠損はmtDNAまたは常染色体のどちらかにある。最近、ホモプラスミー形成は核遺伝子の制御下にあることが示された。




Random Genetic Drift Determines the Level of Mutant mtDNA in Human Primary Oocytes
Am J Hum Genet. 2001 February; 68(2): 533–536.

by internalmedicine | 2008-01-28 09:48 | 医療一般