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COPD:やせと身体活動、病期分類、BODE指数のパズル:Stage IIから積極的身体運動指導を

京都大学の先生方が示した
BMI correlated with LAA% ({rho} = –0.557, p<0.0001) but not with WA%.
Body mass index in male patients with COPD: correlation with low attenuation areas on CT. Thorax 64: 20-25
という報告は、COPD・肺気腫がやせと関連する病態であることを示し、今の”痩せとけばよい”という厚労省のメタボ至上主義時代の強力なアンチテーゼとなる。

BODE指数(関連:慢性閉塞性肺疾患COPDの新しい予後指標 BODE 2004年 03月 04日)の”FEV1、6分間歩行距離、呼吸困難度、body mass index”をあわせ考えて、再度、身体活動性をあわせ考えてみる・・・パズルの世界になってるようだ。


Physical activity in patients with COPD
Eur Respir J 2009; 33:262-272
この研究は、COPD患者の身体活動性測定が目的であり、
1)身体活動性の制限となる病期は・・・
2)身体活動性に関わる臨床的と構成の相関は・・・
3)非活動的な患者の身体特性を同定するpredictive powerは・・・
4)身体活動性測定の信頼性解析

COPD、Stage I-IV;BODE 0-10の163名と慢性気管支炎(正常のスパイロメトリ; 以前言われていたGOLD stage 0)の29名
1日間歩数記録による活動性モニター、5日間(3日の平日+土・日)中等度運動・身体活動の分数

慢性気管支炎に比べ、1日歩数、中等度運動・身体活動分数はGOLD stage II/BODE score 1で減少し、GOLD stage II/BODE score 3/4は、stage III/BODE score 1より減少
身体活動性測定の信頼性は、測定日数が増えるほど、GOLD stageが増加するほど改善
臨床特性と身体活動性には中等度相関が見られる。

GOLD stages III と IVは、非活動性の程度の高い患者として高度に予測される

COPD患者の身体活動性低下は、GOLD/body mass index、気道閉塞、呼吸困難、運動能力スコア1で減少

COPDの臨床的特性は、身体活動性を充分に反映しない。



COPD Stage II、BODEスコア1程度で、運動不足となっているようだ・・・このStageでも運動啓発を積極的に行う必要がある

by internalmedicine | 2009-01-31 10:43 | 呼吸器系  

飲酒関連疾患

Alcohol and genetic polymorphisms 2009年 01月 30日の関連解説記事ということだろうか?

喫煙に関しては、少々風変わりな達と一部裁判官メディアを除けば有害性が確立し、酒量が増えて・・・人ごとじゃない、アルコールはメディアにより美化されすぎてる部分がある


Alcohol-use disorders
The Lancet, Early Online Publication, 26 January 2009
アルコール依存・アルコール乱用は合併症・死亡率を高める。
アルコール使用疾患は、うつ、重症の不安、自殺、他剤依存をもたらす。
持続的な重度飲酒は心臓疾患・卒中・癌・肝硬変発症を近づける。
重度飲酒は、軽度前向性健忘症、一過性の認知障害、睡眠障害、末梢神経障害をもたらす。
胃腸障害の原因となり、骨塩低下し、造血低下をもたらす。

アルコール関連疾患は、他の医学・精神問題の評価・治療を併存する。

アルコール依存の標準クライテリア、より重症は容易に同定できる。
心理学的合併症や、QOLや機能の持続障害をもたらす。

臨床かは常にアルコール疾患を、インタビュー・アンケート・血液検査、これらの組み合わせでスクリーンすべき

アルコール使用疾患に関わる環境要因・特異遺伝子、アルコール代謝に関わる酵素の遺伝子、たとえばlcohol dehydrogenase や aldehyde dehydrogenaseなど、抑制障害、アルコール感度低下と関連する。

治療は動機付けインタビューで、状況を評価し、健康的行動を促進する簡単な介入を行うこと、離脱症状に着眼したdetoxification、再発防止のための認知・行動療法、禁断症状や落胆性再発を減らす正当な薬剤使用


Diagnostic and Statistical Manual (DSM-IV)

・Tolerance to alcohol
・ Withdrawal syndrome
・ Greater alcohol use than intended*
・Desire to use alcohol and inability to control use
・Devotion of large proportion of time to getting and using alcohol, and recovering from alcohol use
・Neglect of social, work, or recreational activities
・Continued alcohol use despite physical or psychological problems


International Classification of Diseases (ICD10)
・Strong desire or compulsion to use alcohol
・Inability to control use
・Withdrawal syndrome
・Tolerance to alcohol
・Neglect of pleasures or interests
・Continued alcohol use despite physical or psychological problems


Alcohol dependence is defined as three or more of these criteria in a 12-month period.


・Alcohol use disorders identification test (AUDIT):
(関連話題:メタ解析:不健全な飲酒を検出するのに3つの質問で十分か? Ann Int Med.

重度飲酒のマーカー
・γGTP > 35 u/L
・CDT(Carbohydrate deficient transferin) > 20 G/L or > 2.6%
・ALT > 67 u/L
・AST > 65 u/L



遺伝子と依存症

・アルコールへの感受性増加故にアルコール代謝に関連する遺伝子の変化(多形型:polymorphism)がアルコール関連疾患のリスク低下と相関する。少なくとも一つのALDH2*2 alleleが有ればアルコールへの嫌悪反応を生じやすくなる。

・衝動性、脱抑制、sensation-seekingさというのが、type 2、type B疾患の人々で薬物使用・アルコール疾患に成りやすい。アルコール摂取のコントロール低下をもたらす、ミスの判断・学習欠如に夜物であろう。
明かな多形型は、γ-aminobutyric acid (eg, GABRA2)、 acetylcholine (eg, CHRM2)、dopamine (eg, DRD2)の受容体の変化である。

・アルコールへの低反応(あるいは、低感度)の人は、飲酒疾患リスクが高い、所期効果が得られる機会が多いほど、生じやすいが、薬物依存疾患でみられない現象である。

serotonin transporter (SLC6A4)、特定のpotassium channels (eg, KCNMA1)、 variations in γ-aminobutyric acid receptors (eg, GABRA6)、 second messenger systems (eg, AC9)、glutamate receptors (GRM3)に影響を与える遺伝子変異なども関与


遺伝子メカニズムがさらにわかれば、ドパミン報償系を調整する治療もできるかもしれない


治療に関しては、「identification → Intervention(・motivational interview、 Brief intervention) → Detoxification(必要なら) → Rehabilitation(Cognitive-behavioural core、Drug) → Prevention of Relapses」となる。

Detoxificationの記載
Detoxification can begin with 25 mg chlordiazepoxide every 4—6 h for 1 day, deleting a dose if the patient is sleeping or resting comfortably, along with a supplementary 25—50 mg if a severe tremor or autonomic dysfunction is seen about 1 h after the scheduled dose.
Higher doses of benzodiazepines can be used if needed, depending on the level of autonomic dysfunction.
Over the next 5—7 days, the dose used on day 1 should be decreased by 15—20% each day, or maintained at the same dose if symptoms worsen.
If a shorter-acting benzodiazepine (eg, lorazepam, 2—4 mg, four times a day) is used, it must be given on a strict schedule to avoid a higher risk of withdrawal seizures if concentrations of benzodiazepine in blood fluctuate.
The average patient with a stable social situation, no severe medical problems, and no previous history or indicators of impending delirium or seizures can usually be treated with similar outcomes but less cost as an outpatient.
Alternative approaches include higher doses on day 1 and more rapid decreases, and a more fluid sliding scale with doses triggered by direct scoring of symptoms, but these are more complex and might be better reserved for specialists.



それにしてもひど判決でてしまった・・・たとえば、たばこ裁判やいわゆるきちがい判決などで裁判官の馬鹿ぶりがひろまったわけだが、それを阻止するため、司法のネット言論封じこめ?官僚の暴走もだが、司法の暴走はとまらない
 ↓
ネット中傷「反論できると限らず」、会社員に逆転有罪判決
1月30日21時29分配信 読売新聞

by internalmedicine | 2009-01-31 09:37 | 精神・認知  

Alcohol and genetic polymorphisms

Druesne-Pecollo N, et al "Alcohol and genetic polymorphisms: effect on risk of alcohol-related cancer" Lancet Oncol 2009; 10: 173-80.

口腔癌、咽頭、食道、肝臓、大腸、直腸、乳ガンなどをアルコール摂取とのcausal linkがあることを、約389,100例の癌と、232,900の癌死についてアルコールの関与について示し、全ての新しい癌の3.6%、癌死の3.5%に寄与している

鍵のcarcinogenはエタノールで、cytochrome P450 2E1がacetaldehydeへのbreak downに関与し、動物、ヒトのcarcinogenicとしてはたらくacetaldehydeはacetateに変わる。
2つのコモンなアルコール脱水素酵素、ADH1BとADH1Cについて調査し、ADH1Bの多形型が癌リスクをmodulateすることが判明した。
たとえば、ADH1B*2のmutant alleは通常の酵素型より40倍の酵素subunitsを生じる
こうのようなmutant alleleは上気道の癌予防的に働く

逆に、ADH1Cの研究は、反論を含み、決定的な結論はない。アジアジンでデータが少ない。

アジア人は40%程度変異alleleをを持つが、ヨーロッパ・アフリカ人は5%程度で、2つのコピーを有するヒトの癌リスク増加が知られている。

2コピーをもつ大量飲酒者は、他のgenotypeの非飲酒者に比べ食道癌のリスクが7倍近く
(オッズ比 6.84 95%信頼区間 2.39 ~ 19.6, P<0.001).

P450 2E1をコードする遺伝子の多形型の影響は結論的ではないし、葉酸代謝と関連する他のmethylene-tetrahydrofolate reductaseについても同様

by internalmedicine | 2009-01-30 17:38 | がん  

禁煙・節酒に「太め」 メタボ健診に疑問…厚労省 (毎日新聞)

以下の記事の原著を捜してみた。米医学誌電子版って・・・雑誌名をちゃんと書いてほしいものだ

Projecting the probability of survival free from cancer and cardiovascular incidence through lifestyle modification in Japan.
Tanaka S, Yamamoto S, Inoue M, Iwasaki M, Sasazuki S, Iso H, Tsugane S; for the JPHC Study Group.
Prev Med. 2008 Nov 20.
個別化確率のプロジェクションに従って、禁煙、過剰飲酒、高BMIにて、10年疾患無し生存率は50歳-54歳・男性、女性において、それぞれ81.4%→92.9%、88.0%→94.3%と増加する。
住民平均リスクにおいて、禁煙と・過剰飲酒が大きなインパクトをもち、BMI減少はリスク状態のある人には小さなインパクトしか持たない



2009年1月30日 12時09分 ( 2009年1月30日 13時08分更新 )
<長生き>禁煙・節酒に「太め」 メタボ健診に疑問…厚労省
 がんや心筋梗塞(こうそく)などの循環器疾患を起こさないで今後の10年間を生きる可能性が最も高いのは、「禁煙、月1~3回の飲酒、BMI(体格指数)25~27」の人であることが、厚生労働省研究班による約9万6000人の調査結果に基づく推計で判明した。禁煙や節酒の取り組みは生存率を向上させるが、BMIだけ下げても変化はなかった。

 主任研究者の津金昌一郎・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長は「がん、循環器疾患を減らすには、肥満対策より、まず禁煙、節酒を推進することが重要。国民全体の健康対策として取り組む場合、肥満中心の手法は適切ではない可能性がある」と、肥満改善を重視する現在の特定健診(メタボ健診)に疑問を投げかけた。米医学誌電子版に発表した。

 調査は、全国8県に住む40~69歳の約9万6000人が対象。生活習慣に関するアンケートをし、約10年追跡した。

 調査対象年齢の人が、10年間にがんか循環器疾患を起こすか、死亡する可能性が最も高いのは、男性が「1日40本以上喫煙、週に日本酒2合相当以上の飲酒、BMI30以上」、女性が「喫煙、同1合相当以上の飲酒、BMI30以上」だった。

 たとえば50~54歳の男性で、最も不健康な条件の人が10年間にがんを発症する割合は、健康な条件の人の2.8倍、循環器疾患は4.8倍に達した。がん、循環器疾患にならないで生存している割合は81%にとどまった。

 一方、BMI30以上の人が同25~27に下げても、平均的な生活習慣の男性の生存率とほとんど変わらなかった。ところが、禁煙や節酒の取り組みを組み合わせると、大幅に向上した。【永山悦子】



JPHC study(厚生労働省がん研究助成金による指定研究班「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」(主任研究者 津金昌一郎 国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長))の一環らしい・・・厚労省助成金なのに、身内からでたメタボ検診・指導反論ということで意味が大きいかもしれない。新聞記事がこの研究者たちの意思にそっているならだが・・・(毎日新聞なので・・・)


Self-reported stroke and myocardial infarction had adequate sensitivity in a population-based prospective study JPHC (Japan Public Health Center)-based Prospective Study.
Yamagishi K, Ikeda A, Iso H, Inoue M, Tsugane S; for the JPHC Study Group.
J Clin Epidemiol. 2008 Dec 23.

いつまで、愚にもつかない事をやりつづけるつもりか、厚労省・・・ほんと馬鹿官庁だなぁ・・・



(厚生労働省保険局長)  水田 邦雄って役人が「厚生労働委員会」で答えている・・・
水田政府参考人 お答えいたします。

 この内臓脂肪症候群、メタボリックシンドロームでございますけれども、これに着目した健診それから保健指導を効果的、効率的に実施することによりまして、糖尿病あるいは高血圧症などの発症を予防する、さらには脳卒中あるいは心筋梗塞などへの重症化も予防する、そのことが可能である結果として、医療費の適正化が図られるもの、このように考えてございます。


後年、この愚策は、無駄遣いが明らかになるはず・・・年を追う毎に・・・そのとき、この役人さんは責任を問われないのだろうか?

by internalmedicine | 2009-01-30 14:32 | メディア問題  

産後鬱病への積極的介入の2つの報告

Edinburgh postnatal depression scale (EPDS) という、産後鬱病のスケールがある。

産後鬱病への積極的介入の2つの報告


上記スケールの使い方や心理学的インフォームド・アプローチトレーニング(認知行動・クライエント中心原則に基づくセッション)をうけた訪問者介入が効果的であった

Clinical effectiveness of health visitor training in psychologically informed approaches for depression in postnatal women: pragmatic cluster randomised trial in primary care
BMJ 2009;338:a3045





産後鬱病の電話ベースのpeer supportは高リスク状態では予防的に働く
Effect of peer support on prevention of postnatal depression among high risk women: multisite randomised controlled trial
BMJ 2009;338:a3064




上の論文で、訓練に使われたもの
・認知行動療法:Clark DM, Fairburn CG, eds. Science and practice of cognitive behaviour therapy. Oxford: Oxford University Press, 1997.
・クライエント中心:Sanders P. Mapping person centred approaches to counselling and psychotherapy. Person Centred Practice 2000;8:62-74.

by internalmedicine | 2009-01-30 11:55 | 精神・認知  

鍼を評価する事の難しさ:プラセボ効果を掘り下げたシステマティックレビュー

プラセボ効果が全て悪いわけではないだろうが・・・"経絡"や”気”などを客観的に考えることは必要だろう。あらたなQuackeryを生まないためにも・・・

鍼は除痛治療として用いられることが多いが、緊密な患者・施行者関係に基づくことが示唆され、トライアルとして盲目化が様々されている。この報告では、鍼の除痛効果は少数で、やはり盲検化が不十分であるための効果ということが判明した。
プラセボである、偽鍼の除痛効果は中等度だが、その程度にばらつきがある。
鍼の効果として報告されているその程度は、対照として用いられた偽鍼の種類には無関係の結果であるようだ。



このレビューの説明として、
鍼治療は疼痛治療のため多く用いられているが、"meridian" や vital energy "Qi" と言う概念など独特な鍼のポイントがある。"gate control theory"や内因性オピオイドなどがそのメカニズムとして提唱されている。2005年2つの大規模、質の高いトライアルが行われ、頭痛にて軽度の差が認められたが、プラセボ鍼と非鍼施行群に差がなかった。
この結果は、プラセボ鍼の、それまでの中等度から小程度の効果を認めた大規模システマティックレビューとと異なるもので、未治療群の盲目化ができないことによるレポーティング・バイアスと区別困難となった。鍼・偽鍼の麻酔効果に関する研究として、プラセボの種類により効果が異なるかを見ることが必要となった。



鍼と偽鍼の効果の違いを検討し、プラセボ鍼の種類で鍼の効果の影響を与えるかの検討

鍼と偽鍼のトトライアルで種類の違いにて1-5というランクをもうけて、生理学的効果の可能性を評価したもの


Acupuncture treatment for pain: systematic review of randomised clinical trials with acupuncture, placebo acupuncture, and no acupuncture groups
BMJ 2009;338:a3115

13のトライアル (3025 名)で疼痛程度様々。割り付けは8つのトライアルで適切に行われており、鍼・偽鍼治療のマネージングはブラインド化されてない。70名のあきらかに外れたトライアルは除外した。

鍼vs偽鍼で小程度の差異: 標準化平均差 –0.17 (95% 信頼区間 –0.26 ~ –0.08)で、 4 mm (2 mm ~ 6 mm)に相当(100 mm VAS)
統計学的に有意でないheterogeneityが存在 (P=0.10, I2=36%)

Meta-analysis of acupuncture versus placebo acupuncture


プラセボ鍼vs鍼なしの差は中等度:標準化平均差 –0.42 (95% 信頼区間 –0.60 ~ –0.23)
だが、heterogeneityが存在 (P<0.001, I2=66%)、すなわち、大規模トライアルほど小さく、プラセボの影響が大というものであった

偽鍼の種類と鍼の効果に関する関連は認められなかった(P=0.60)


Meta-analysis of placebo acupuncture versus no acupuncture


鍼といわゆる"sham"、偽鍼:"placebo acupuncture”の、麻酔効果比較で、小さな麻酔効果が見られ、臨床的な明らかさをもたず、バイアスと区別できない。
鍼の真のポイントに打つことが治療
偽鍼は、表面的で、ポイントを外したものだが、これでもまだ生理学的影響がある可能性があるというエディトリアルの記載。
偽鍼の影響を解釈することで答えが導かれるだろうという。


Qiとは、”気”で良いのだろうが、Meridian:子午線だろうが、経絡のことだろうか?

by internalmedicine | 2009-01-30 09:34 | 運動系  

リレンザ処方後転落死

まぁ、予想された事態・・・単一の薬剤による薬害的副作用でなく、インフルエンザ薬に関わる現象だろう・・・今後開発の抗インフルエンザ薬も同じ宿命を持つと思う。シンメトレルのインフルエンザ処方が増えたときも、親御さんから、おかしな行動があったという報告もあったし・・・

”タミフル脳症”などとラベリングしている御仁がいるが・・・軽薄なラベリングが世の中をおかしな方向に導いている・・・今でも異常行動をする人を見るにつけ「タミフルでも飲んでるんちゃくか?」という若者もいて一度なされたラベリングは撤回はできない、なんと罪深きマスコミ&薬害利権グループと・・・


転落死の高2 リレンザ処方


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抗インフル薬「リレンザ」処方後に転落死、厚労省が注意喚起


1月29日20時58分配信 読売新聞

 長野県松本市で27日に団地から転落死したとみられる高校2年生の男子生徒(17)について、厚生労働省は29日、事前に抗インフルエンザ薬「リレンザ」が処方されていたと発表した。

 同薬を販売するグラクソ・スミスクライン社の報告で明らかになった。実際に服用したかどうかを含め、異常行動と薬との因果関係は不明としている。

 この事故を受け、厚労省は同日、リレンザのほか、アマンタジンやタミフルといった抗インフルエンザ薬の服用者と、インフルエンザに感染した未成年者について、少なくとも発症から2日間は1人にしないよう改めて注意喚起するよう製薬企業に通知した。

 今冬は全国でタミフルが効きにくいウイルスが流行しており、代わりにリレンザを処方されるケースが増えている。薬剤を服用していなくてもインフルエンザ脳症によって異常行動が起こるケースもあるが、厚労省は同様の事故が起こるのを防ぐため、注意喚起の徹底を決めた。




・・・この問題に関連する当方ブログの一部履歴・・・
タミフル服用者、日本で12人死亡=製造元に情報提供要請-米FDA  2005年 11月 18日
異常言動との関連みられず タミフルで厚労省研究班 2006年 10月 29日
日本のタミフル処方の現状(インフルエンザ診断=タミフル処方という考え方)は反省すべきことは確かであろう。・・・よくよく考えてみればこのようなタミフル乱用を吹聴していたのは、もともとマスコミではなかったか?

イレッサ開発治験の時に真っ先に取り上げていたのは読売新聞、夢のような新薬と持ち上げ、それを信じた癌患者及び家族が厚労省に「なにやっとるんだ、早く商品を出せ」と吹聴したのはマスコミ。その後、重篤な肺障害例が出現して、イレッサをなんで認可したんだとすごむのもマスコミ。確かに効果ある事例があるにも係わらず、市場から撤収するようにすごむ薬害オンブス・・・(参考)

マスコミのくず情報に右往左往しない、メディア・リテラシーを
マスコミが“薬害”を作り上げる過程 2007年 03月 13日

服用せず異常行動も11人 2人はリレンザ使用 2007年 04月 29日
ヨーロッパにてタミフル耐性株H274Y・インフルエンザ広がる  2008年 02月 13日
FDA・タミフル神経精神症状アップデート 2008年 03月 13日

by internalmedicine | 2009-01-30 08:21 | インフルエンザ  

クレストール週1回投与法

クレストール:ロスバスタチン(http://med.astrazeneca.co.jp/product/PI/CRS_PI.pdf
通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。・・・



これを週1回投与したときの、有効性をしらべたもの

Once-a-Week Rosuvastatin (2.5 to 20 mg) in Patients With a Previous Statin Intolerance
The American Journal of Cardiology Vol. 103 (3) 393-394 1 Feb. 2009



週1回 2.5mg→20mgにて、4ヶ月±2ヶ月後、総コレステロール 17%、TG 12%、HDL 5%増加(all p < 0.001)

この代替投与レジメンは心血管イベント減少を示すものではないが、一つのオプションとして使える?

by internalmedicine | 2009-01-29 17:10 | 動脈硬化/循環器  

抗うつ薬同士の比較:メタアナリシス

ジェイゾロフトの宣伝のようのになっている、あと、escitalopram(Lundbeck & 持田製薬)が有望ということになる。

Comparative efficacy and acceptability of 12 new-generation antidepressants: a multiple-treatments meta-analysis
The Lancet, Early Online Publication, 29 January 2009
Mirtazapine(Organon & 明治製菓)、 escitalopram(Lundbeck & 持田製薬)、 venlafaxine(Wyeth)と sertraline(ジェイゾロフト錠)が有意に、以下の薬剤、duloxetine (odds ratios [OR] 1.39、 1.33、 1.30 と 1.27、 fluoxetine:プロザック(1.37、 1.32、 1.28 と 1.25)、 fluvoxamine:デプロメール・ルボックス (1.41、 1.35、 1.30、 と 1.27)、 paroxetine:パキシル(1.35、 1.30、 1.27 と 1.22)、 reboxetine (2.03、 1.95、 1.89、 と 1.85)より有効

Reboxetine は、他の検討された抗うつ薬にくらべて有意に有効性が少ない

Escitalopramとsertralineは受容性について最良の特性をもち、有意に、duloxetine、fluvoxamin、paroxetine、reboxetine、venlafaxineより中止例が少ない。

by internalmedicine | 2009-01-29 16:19 | 精神・認知  

帝王切開によるこどもは8歳時点で喘息リスクが高い


Asthma at 8 years of age in children born by caesarean section
Thorax 2009;64:107-113
帝王切開出産の8歳児は喘息が多い

8歳での喘息は12.4%(n=362)

帝王切開は喘息リスク増加(OR 1.79; 95% CI 1.27 - 2.51)

帝王切開頻度8.5%で、喘息のリスク増加と関連(OR 1.79; 95% CI 1.27 - 2.51).

この相関は、アレルギーを有する両親のこども(OR 2.91; 95% CI 1.20 - 7.05)やアレルギーを有する片親のこども(OR 1.86; 95% CI 1.12 - 3.09))は、非アレルギー性の両親を有するこども (OR 1.36; 95% CI 0.77 - 2.42)より強い。

8歳時点での帝王切開と感作の相関は非アレルギー性両親のこどものみ有意 (OR 2.14; 95% CI 1.16 - 3.98)


生下時免疫系の発達と関連しているという考察
帝王切開が、出生時点での、特定の微生物への曝露が妨げられているという、衛生仮説を利用した説明がなされている

by internalmedicine | 2009-01-29 15:10 | 呼吸器系