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The Indian Polycap Study(TIPS):Polypillの有効性証明 ・・・ 長期効果確認必要

ACC 2009: First Polypill Data Show Promise; Larger Trials Next Step (heartwire)にも詳しく掲載されている。



"Polycap"について、TimesOnline(http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6004996.ece)
スタチン、アスピリン、3種降圧剤を含む"polypill"が心臓発作・卒中を減少させたという報告

フロリダのAmerican College of Cardiologyでの発表

5つ薬剤、コレステロール低下薬剤、3種降圧剤、アスピリンの組み合わせ
インドで2000名(45-80歳)を対照とした”magic bullet" pillがもっとも包括的研究としてなされていた。

Polycap、5剤polypillを、有効性・安全性評価項目での組み合わせで比較し、高血圧・肥満・喫煙のリスク要因の少なくとも一つある健康成人を対象に検討し、心臓発作、卒中、他の心血管問題を半減した。

研究者は死亡率計算してないが、数千人を毎年救うことになる計算になる。(イギリスでは)毎年約20万名が心臓・動脈疾患で死亡し、75歳までの男性死亡の五分の一、女性死亡の10%が心血管疾患によるもの

比較的リスクの低い人たちで、polypillが有意に実際的にインパクトがあったことが示された。55歳以上でおおむね適しており、複雑な検診の必要がなく、医師受診アポイントメント数を減らし、日々1ポンド未満で可能である。


・・・

高リスク対象者群では、約75%も心臓発作・卒中を減少させる


Indian Polycap Study(Salim Yusuf, of McMaster University in Hamilton, Ontario)はインドの50センター、2053名を対象に異なる薬剤組み合わせで、12週間トライアルを行い、100mg Polycap錠毎日と、アスピリン・スタチン・降圧剤単独群、降圧剤±アスピリン投与群比較を行った。結果、単独での働きより組み合わせの方が効果があり、スタチン・シンバスタチンはpolypill導入時よりコレステロール低下作用は減弱したが、その際は境界域であった。副作用が増加するというエビデンスはない。


Lancetのearly onlineによると、Polycapの血圧への降下は心臓発作リスクを4分の1減少し、卒中を3分の1減少させた。

ただ、より適切にコントロールされたアウトカム研究が必要で、5-6年の研究が必要とBritish Heart FoundationのdirectorであるPeter Weissbergは述べている。Harvard Medical SchoolのChristopher Cannonは、The Lancetに「Would the availability of a single magic bullet for the prevention of heart disease lead people to abandon exercise and appropriate diet? Would this make two of the major root causes of heart disease worse? Hopefully not, but the medical profession would need to help ensure that this would not happen.」と書いている。




The Need to Test the Theories Behind the Polypill: Rationale Behind the Indian Polycap Study
Denis Xavier; Prem Pais; Alben Sigamani; Janice Pogue; Rizwan Afzal; Salim Yusuf; on behalf of The Indian Polycap Study (TIPS) Investigators()


高ホモシステインは必ずしも冠動脈疾患と関連しない・・・出版バイアスの可能性 2005年 11月 04日

by internalmedicine | 2009-03-31 10:17 | 動脈硬化/循環器  

ACC.09 JUPITER

ACC.09 におけるPRIMASTICH trial報告

それ以外の羅列

JUPITER trial: Rosuvastatin cuts venous thromboembolism risk by 43%
The lipid-lowering drug rosuvastatin nearly halves the risk of symptomatic venous thromboembolism in apparently healthy people, a new analysis of the JUPITER (Justification for the Use of statins in Primary prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin) trial has found.



HORIZONS-AMI: Stent thrombosis predictors revealed
Predictors of early and late stent thrombosis after percutaneous coronary intervention for ST-elevation myocardial infarction vary, according to the latest findings from the HORIZONS-AMI (Harmonizing Outcomes with RevascularIZatiON and Stents in AMI) trial.

AGIR-2: No benefit of prehospital over cath lab tirofiban for primary PCI
Giving high-dose tirofiban to patients with ST-elevation myocardial infarction while they are en route to hospital for primary percutaneous coronary intervention resulted in no better outcomes than if high-dose tirofiban was given upon arrival at the cath lab.


PROTECT AF: WATCHMAN device might be effective alternative to warfarin for stroke prevention in atrial fibrillation
Results from the PROTECT AF trial suggest that the novel, implantable WATCHMAN device holds promise to replace warfarin for the treatment of patients with atrial fibrillation.

SYNTAX: CABG cost-effective for complex coronary lesions, PCI for less complex coronary anatomy
A quality-of-life and cost-effectiveness analysis of the 1-year SYNTAX trial results reveals that the choice of PCI or CABG depends on angiographic complexity.

by internalmedicine | 2009-03-31 08:22 | 動脈硬化/循環器  

STICH Hypothesis 2 研究: 外科的心室再建は臨床アウトカム改善せず



うっ血性心不全は、先進国での死亡原因・合併症トップのひとつで、冠動脈疾患が心不全の原因として主なもので、左室機能、症状、臨床的アウトカム改善を目指す治療が、RCTにてベネフィットを有するACE阻害剤、ARB、β遮断剤、アルドステロン拮抗剤、心臓再同期療法とともに用いられている。
しかし、冠動脈疾患に特異的治療として、虚血性心筋症や心筋梗塞に注目した治療法はない。
Coronary-artery bypass grafting (CABG)は、症状改善として用いられ、今は生存率改善として、選別された虚血性心疾患患者に用いられていたが、PCIの治療アウトカムが改善したことで、CABG施行数が減少してきていた。しかし、CABGは、LMTや3枝病変では標準治療であり、CABGによる再建術は、心筋還流を改善するが、梗塞部位の機能を回復できない。かつては、心筋梗塞で見られた心室瘤性の心筋梗塞部位は今では再還流により減少した。しかし、心筋機能障害の部位はいまだに多くみられ、心臓の李モデリングや心不全発症を生じるもととなっている。

機能障害を有する心筋部位への再建、左室の再建の手術は “surgical ventricular reconstruction”(外科的心室再建)として知られ、その手術は選択的になされ、一般にはCABGとともに行われている。


以前の報告で、ランダム化されたものはなく、また単独センターのトライアルや、他施設でも観察研究であった。


Coronary Bypass Surgery with or without Surgical Ventricular Reconstruction
www.nejm.org March 29, 2009 (10.1056/NEJMoa0900559)
【方法】 2002年7月から2006年1月まで、左室駆出率35%以下で、CABG・この手術に適した冠動脈疾患の総数1000名
・CABG単独 (499 名)
・CABG + 外科的心室再建(501 名)

プライマリアウトカムは、全原因死亡・心臓疾患入院
フォローアップ中央値は48ヶ月

【結果】 手術的心室再建は収縮期週末容積指数を19%減少させ、CABG単独では6%であった。

心臓症状や運動耐容能のベースラインからの改善は2群で同等

しかし、プライマリアウトカムにおいて有意な差は認められず(CABG単独  292 (59%) vs CABG+左室再建 289名 (58%) ハザード比 0.99;95% 信頼区間  0.84 ~ 1.17; P=0.90)


外科的心室再建(Surgical ventricular reconstruction)も、バチスタ手術も、派手な割にはアウトカム改善にはつながらない?(バチスタ手術 2006年 04月 13日

Batista procedure
During this surgical procedure, to treat heart failure, the surgeon cuts out a piece of the patient's enlarged left ventricular muscle. The intention is to reduce the size of the left ventricular cavity, improve left ventricular function and reverse congestive heart failure. This procedure is not performed at the Cleveland Clinic Heart and Vascular Institute at this time because long term results revealed a significant failure rate, however, this procedure has led to better surgical techniques to treat those with heart failure(照)



by internalmedicine | 2009-03-30 14:24 | 動脈硬化/循環器  

STEMI患者:clopidogrelのPCI前投与量 600mgが望ましい?


ST-segment elevation MI へのPCIに対し、clopidogrel(プラビックス)事前投与の投与量設定のトライアル

韓国からの報告のようで、用量設定として参考になるのでは・・・300mgより600mgのloading dose設定が望ましいという話

Clopidogrel pretreatment before primary percutaneous coronary stenting in patients with acute ST-segment elevation myocardial infarction: comparison of high loading dose (600 mg) versus low loading dose (300 mg)
Coronary Artery Disease:Volume 20(2)March 2009pp 150-154


日本では、
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)の場合
通常、成人には、投与開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口投与し、その後、維持量として1日1回75mgを経口投与する。

by internalmedicine | 2009-03-30 10:13 | 動脈硬化/循環器  

トライアスロン心臓リスクはマラソンの倍

マラソンに関しては、若年競技アスリートの運動可否ガイドライン 2008年 12月 22日で触れた。” Italian Pre-Participation Screening Program for Athletes”程度しか、エビデンスがないのが実情。

トライアスロンに関する情報は・・・より限られている。

Study: Triathlons can pose deadly heart risks
Yahoo News AP通信



表題のテーマは、American College of Cardiology conference からの話らしい

週末の戦士たちへの警告ということで、水泳・自転車・ランニングの組み合わせのトライアスロンはマラソンに比べ、少なくとも2倍の死亡リスク増加
主な問題は水泳のパートでの心臓問題がほとんどで、リスクは少ないとはいえ、100万参加者のうち約15で、無視は不能。

毎年約1000のイベントが行われ、数十万のアメリカ人が参加する。

Abbott Northwestern Hospitalの Minneapolis Heart Institute のDr. Kevin Harrisは、心臓疾患除外のためのmedical checkupなしに参加することの危険性、プールでの水泳記録タイムによる準備、川・湖で異なるなど考慮部分が多いと述べている。


東京マラソンでのタレントの心肺停止事故に関して、情報が欲しいところである。メディカルチェックが必要十分であったのか・・・こういうメガマラソンは、運動という競技の安全性に関する研究フィールドでもある。
都が、メディカルチェックの検証など前向きに行えば、この方面に関して重要なエビデンスが得られたであろうに・・・医療に理解のない都知事だから・・・まぁ期待しても無理か


マラソン低ナトリウム血症を理解しよう  2007年 06月 16日


マラソン競技の低ナトリウム血症 : のどが渇く前に飲む ~> のどが渇いたら飲むへ 2005年 04月 20日



大規模マラソンは社会的に見れば安全(交通事故死減少のおかげ) 2007年 12月 21日


アスリートは激しい運動で感染症増加(open windows theory)・趣味程度なら心配いらない 2005年 10月 30日

by internalmedicine | 2009-03-30 09:34 | 運動系  

PRIMA研究:重度呼吸苦救急患者へのBNPルーチン測定は推奨できない?

ACC.09報告分

救急外来重度呼吸苦患者に対するBNP測定は臨床的アウトカムや医療サービス利用に関して明らかな効果がみられない。この所見により、EDでの、重度呼吸苦患者へのBNPのルーチン使用は支持されない。

B-Type Natriuretic Peptide Testing, Clinical Outcomes, and Health Services Use in Emergency Department Patients With Dyspnea
A Randomized Trial Ann Int Med. Vol. 150 (6) p 365-371 17 Mar. 2009


意外な結論だが、軽症事例は除外され、重度の場合は、ほかの所見、既往・身体所見などで明らかで、当たり前なのではないだろうか?

by internalmedicine | 2009-03-29 18:46 | 動脈硬化/循環器  

SEAS関連: コレステロール低下治療は癌を増やすか?・・・否定の報告

Yahoo! News に書かれていたもの・・・"Ezetimibe and Ezetimibe/Simvastatin Combo Pose No Increased Cancer Risk, Study Shows"

Simvastatin and Ezetimibe in Aortic Stenosis (SEAS) トライアルで、癌発生リスク増加が報告され、関心が高まっていた(コレステロール低下療法でガンは増えるか? 2008年 09月 25日

Ezetimibe, and the combination of ezetimibe/simvastatin, and risk of cancer: A post-marketing analysis
Journal of Clinical Lipidology Volume 3, Issue 2, Pages 138-142 (April 2009)
ezetimibe 、 E/Sを、simvastatin、atorvastatin、rosuvasatin服用報告と比較
“cancer” もしくは “malignancy”をリスト化


5億5900万処方(ezetimibe 約5200万、E/S 約5500万処方)で、癌の発生報告は2334総数

ezetimibeとE/S処方の100万あたり癌発生イベントは2.9と1.3
被疑薬剤として考慮したときの所見は同等

全服地賞イベント報告の報告リスト癌比率はezetimibe、E/Sで2.0%、1.9%で、他薬剤の1.3%-3.9%と同等


J-LIT サブ解析なんて・・・あほの極みだったが・・・前向き研究でもサブ解析は時に人を迷わす・・・

by internalmedicine | 2009-03-28 09:43 | 動脈硬化/循環器  

アスピリン予防投与 75-81mgが最適?


アスピリン1日投与量100mg以上の場合アスピリン単独の場合はベネフィットが、clopidogrel服用患者では有害な可能性がある。
1日投与量75-81mgが、長期予防、特に二剤服用の場合、有効性安全性で最適と思われる。

Aspirin to Prevent Cardiovascular Disease: The Association of Aspirin Dose and Clopidogrel With Thrombosis and Bleeding
Ann Int Med.Vol. 150 (6) Pages 379-386 17 March 2009

by internalmedicine | 2009-03-28 08:58 | 動脈硬化/循環器  

LABAの抗炎症効果否定だが、アルブミン漏出予防効果あり:システミック・レビュー、メタアナリシス

長時間作用性β2刺激薬(LABA) は、慢性持続型喘息にadd-on治療として推奨されている。
LABAのin vivoの抗炎症効果については議論が分かれていて、メタ解析にてLABAがin vivoの抗炎症作用を有するかどうか、プラセボと比較して検討し、ICSにLABAを加えることによる抗炎症性効果のsynergy効果があるかどうか?

LABA治療は臨床的に重要な抗炎症、抗炎症前効果を明確には示せていない。ただ、LABA治療がBAL(気管支肺胞洗浄)中のアルブミン値を減少させていることで、微小血管漏出に対して何らかの影響が示唆されている。

32研究(n=1105名)の検討で、メタ解析の炎症性アウトカムの平均治験数・平均研究数は、113.1(46.2)と3.5(1.3)。
成人・小児において、喀痰、BAL、粘膜炎症細胞へのLABA治療の効果はなかった。
LABA治療は呼気NO濃度、BAL中のアルブミン値を成人では減少させた。小児では、LABA治療は喀痰中の好酸球とIL-4のわずかな減少と関連した。

Antiinflammatory Effects of Long-Acting β2-Agonists in Patients With Asthma
A Systematic Review and Metaanalysis
Published online before print March 2009, doi: 10.1378/chest.08-2149

肺胞内へのアルブミンの漏出予防効果はいったいに何を表すのか・・・今後の課題だろう。

by internalmedicine | 2009-03-27 09:18 | 呼吸器系  

血中プロカルシトニン/胸水プロカルシトニンによる予後推定のの可能性

血中プロカルシトニン(S-PCT)は、胸水中のPCT(RF-PCT)より、胸水随伴性肺炎(PPPE)と非PPPEを鑑別の正確性において優れているが、PF-PCTもS-PCTもPPPE患者の重症度評価に有用で、PF-PCT/S-PCT比が胸腔チューブドレナージが長引くかどうかの推定に役立つかもしれない。

Diagnostic and Prognostic Values of Pleural Fluid Procalcitonin in Parapneumonic Pleural Effusions
Published online before print March 2009, doi: 10.1378/chest.08-1134

日本では、PCTの迅速検査体制が問題のような気がするが・・・

肺炎の著名な専門家の講演を視聴する機会があったが、あいかわらず、CRP一辺倒で・・・この方面の論文は軽視・無視している。・・・保守的すぎる感想を持ったが・・・

by internalmedicine | 2009-03-27 09:03 | 感染症