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PARCL卒中:血圧・LDL・HDL・TGを全体的に改善することが大事

Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels (SPARCL) studyで、4つの目標軽減にて75%主要心血管イベントを減少させるという報告がなされた。
平均年齢63歳、男性60%、4,731名のLDL基礎値100-190 mg/dLの冠動脈疾患病歴なしの対象者で、atorvastatin 80mg vs placeboにて検討
4.9年フォローアップにて、プライマリ解析では卒中二次予防的効果あり(Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels (SPARCL) Investigators "High-Dose Atorvastatin after Stroke or Transient Ischemic Attack" N Engl J Med 2006;355:549-59

同時にHDL増加、血圧低下、TG低下が独立して卒中リスク低下に関連した

それで、SPARCLデータを用いて以下の値を推奨
LDL cholesterol: < 70 mg/dL
HDL cholesterol: ≧ 50 mg/dL
Triglycerides:<150 mg/dL
Blood pressure: < 120 mm Hg diastolic/80 mm Hg systoli



どれか1つ: HR 0.98 (95% CI 0.76 ~ 1.27)
どれか2つ: HR 0.78 (95% CI 0.61 ~ 0.99)
どれか3つ: HR 0.62 (95% CI 0.46 ~ 0.84)
すべて4つ: HR 0.35 (95% CI 0.13 ~ 0.96)



参考:
American Academy of Neurology
Source reference: Amarenco P, et al AAN 2009; Abstract LBS.006.





この研究で、高齢者のも重要という報告がある
Effect of atorvastatin in elderly patients with a recent stroke or transient ischemic attack
NEUROLOGY 2009;72:688-694


日本の高血圧ガイドライン(高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)について 2009年 02月 17日)においては、
最終目標は、個々の症例により異なるため、両側内頚動脈強度狭窄例や主幹動脈閉塞例をのぞき、140/90mm Hg未満とするのが妥当
という訳のわからない目標値はどうにかできない物なのだろうか?

by internalmedicine | 2009-04-30 14:09 | 動脈硬化/循環器  

genotype1/C型肝炎治療:プロテアーゼ阻害剤telaprevir追加トライアル

肝硬変なしで、肝炎有無は問わないHCV感染者に対するトライアルである。
確実に、C型肝炎に対する治療からその裾野が広がっている。


HCV特異的protease inhibitor である telaprevirを、peginterferon+ribavirin治療に追加投与したときのgenotype 1・HCV慢性感染症患者へのSVR比較RCT
PEG+RVB治療のみに比べ、telaprevir治療者は副事象治療中断例が多く、中止理由の最多は重症の皮疹。治療そのものは、持続性ウィルス学的消失率が有意である。


Telaprevir with Peginterferon and Ribavirin for Chronic HCV Genotype 1 Infection
N Engl J Med. Vol. 360:(18) 1827-1838 April 30, 2009


SVRは PR48群 41%(31/75) 比較で 
T12PR24群 61%(48/79)  (P=0.02) 
T12PR48群 67%(53/79) (P=0.002)
T12PR12群 35%(6/17)



”Viral breakthrough”発生はtelaprevirで見られた。

中断率は、3つのtelaprevirベース治療群で高く(21% vs 11% PR48群)で、主な中断理由は皮疹



Breakthroughの定義「最低値比較での、log 10単位でのHCV RNAの増加」
NS3 proteaseのcatalytic domainの治療抵抗性関連遺伝子変異の問題から検討されたようだ



治療歴のないHCV感染者に対する治験:PROVE2 Study
Telaprevir and Peginterferon with or without Ribavirin for Chronic HCV Infection
N Engl J Med. Vol. 360:(18)1839-1850 April 30, 2009

by internalmedicine | 2009-04-30 09:47 | 消化器  

豚インフルエンザ:WHO pandemic alert phase 5 ;国内 フェーズ5A(第一段階)

いわゆる“コメンテーター”のなかには力足らずと思われる御仁も多く、経歴から察するに、素人同然なのになぜか知識人としてコメントする輩も居る。テレビ各局が様々な“インフルエンザ専門家”を登場させているが、必ずしも、その内容は統一したものでなく、医学的常識を疑うようなコメントも多々ある(e.g. 本日午前8時からのフジテレビの朝のバラエティー番組内で豚インフルエンザが循環すれば“世代交代”して従来のワクチンは不要となると珍回答があった模様)。

新感染症法第7章に
第十六条の規定による情報の公表を行うほか、病原体であるウイルスの血清亜型及び検査方法、症状、診断及び治療並びに感染の防止の方法、この法律の規定により実施する措置その他の当該感染症の発生の予防又はそのまん延の防止に必要な情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により逐次公表しなければならない
と国の役割として、この情報提供が書かれており、まともな人を報道官選定しなければならないのだ。今の野放図な状況は法律違反でさえある。

表題のこと、あらためてふれることもないだろうが・・・日本においては、このphase 5Aであることが大事である。自国内感染者発生と未発生ではその対応が異なる。ただ、このまま日本だけがこのまま感染者無しってことはおそらくない・・・故に、いつか“5B”に変わる可能性は高いのだ。

ついに、"The current WHO phase of pandemic alert is 5."



Swine influenza
29 April 2009

 ↑
Swine influenza
27 April 2009


Swine influenza
25 April 2009


動画:http://video.who.int/streaming/SWINE_FLU_PRESS_CONF_29APR2009_INTRO.wmv


WHO news via RSS


一昨日付で、所属医師会からの資料
 コミュニティレベルでの発生を継続させる力がある新しい亜型のインフルエンザウイルスが、ヒト-ヒト感染している状態。(日本国内では、確認されていないが、今後発生する可能性がある。)
※国の行動計画におけるフェーズ分類と発生段階との対応表

【フェーズ分類】       【発生段階】
フェーズ1、2A、2B、3A、3B → 【前段階】 未発生期
フェーズ4A、5A、6A → 【第一段階】海外発生期
フェーズ4B → 【第二段階】国内発生早期
フェーズ5B、6B → 【第三段階】感染拡大期、まん延期、回復期
後バンデミック期 → 【第四段階】小康期


国の新型インフルエンザ対策行動計画において、このWHOの定義に準じて6つのフェーズに分類し、さらにフェーズごとに国内で新型インフルエンザが発生していない場合(国内非発生、「A」を併記する)と国内で新型インフルエンザが発生した場合(国内発生、「B」を併記する)に細分化して定められている。(http://www.city.tondabayashi.osaka.jp/contents4/category24/hoken/pdf/04.pdfから改変)


◎新型インフルエンザ疑い(要観察例)の症例定義 ※海外発生期
国外流行地からの帰国者で、現地において新型インフルエンザ患者との接触
が疑われ、かつ下記のいずれか少なくとも一つを満たす者
・38℃以上の発熱等インフルエンザ様症状がある者
・原因不明の肺炎若しくは呼吸困難のある者
・原因不明の死亡者
※症例定義については、国が示す基準により随時変更する



第一段階(海外発生期)
◆基本的な取り組み
・国内発生に備えての全庁的な体制整備

◆主な対策
・『新型インフルエンザ対策本部』の設置(国、都道府県の状況も考慮)
第二段階(国内発生早期)以降に備えた全庁的な体制と対策の構築
・国内外の情報収集の強化
・市内の医療機関に対して、新型インフルエンザ疑い(要観察例)に該当する
症例について報告の要請
・市民への新型インフルエンザに関する情報提供及び注意喚起
・都道府県が実施する医療従事者等へのプレパンデミックワクチン接種への協力
※都道府県の要請により、必要に応じて
・感染防護品等必要な物資の確保
・発熱相談センター設置
・発熱外来開設の準備
・抗インフルエンザウイルス薬予防投与者の検討
・患者搬送体制の確認
・火葬場処理能力の確認
◎新型インフルエンザ疑い(要観察例)の症例定義 ※海外発生期
国外流行地からの帰国者で、現地において新型インフルエンザ患者との接触
が疑われ、かつ下記のいずれか少なくとも一つを満たす者
・38℃以上の発熱等インフルエンザ様症状がある者
・原因不明の肺炎若しくは呼吸困難のある者
・原因不明の死亡者




豚インフルエンザ・流行マップ http://maps.google.com/maps?q=google+map+swine+flu&oe=utf-8&client=firefox-a&ie=UTF8&hl=en&ll=8.928487,-90&spn=176.841454,360&z=0&source=embed(今頃タグを埋め込めないブログってのも・・・)

“Why Is Swine Flu A Killer Only In Mexico?”(http://www.cbsnews.com/stories/2009/04/27/health/main4970352.shtml
米国のキューバ旅行乳児死亡例を含めメキシコ関係のみ・・・というのが最大の疑問だが、この記事をみると、医療体制とその背後の国の対応に問題があるようだ。
・・・それにしても、いまだに、ビタミンCを勧める医師もいることに驚く


日本国以外にこれほど広がると、長期的に見れば、日本に入ってこない方がおかしいし・・・通常の季節性インフルエンザ化するのか、そのまま消滅するのか・・・わからないが、今後国内体制をいつまで続けるかが問題になるだろう。

各立場に応じて、WHO alert ”post peak"/"post pandemic"も考慮にいれて、十分対策する必要があるだろう。


(ワクチンの勇み足をのぞけば)日本政府の対応は迅速で、良好
だが、アメリカの腰抜けぶりが・・・気になる

55のブランドを持つ1大コンツエルン Smithfield Foods社 の子会社の養豚場が 発生源 といううわさ
Pictures of Granjas Carroll de Mexico: Subject of Swine Flu Rumours
2009 April 28


これから、この会社についてはいろいろ詮索されていくことだろう・・・

Granjas Carroll(a subsidiary of the U.S. pig farming giant Smithfield Foods)
があるが、SIRSの時の方が多くの情報が入ったような気がする。


単剤治療は“耐性豚インフルエンザウィルス”と導くのではないかという恐れ
IVW: 'High Risk' of Resistant Swine Flu, Researcher Says
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/SwineFlu/13983





Super spreder探し・・・・
Swine flu: Was first victim a modern Typhoid Mary?
Swine flu: Was first victim a modern Typhoid Mary?
Authorities admit that census taker transmitted the virus door-to-door
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-wellbeing/health-news/swine-flu-was-first-victim-a-modern-typhoid-mary-1675807.html

税務署職員が戸別訪問?チフス様下痢・呼吸器症状・糖尿病基礎疾患・・・


SARSの時のような“謎の病原体探し”によるネットでの情報相互提供やCarlo Urbani博士のような英雄などいまのところ聞こえてこない・・・なにか、もっさりした進行・・・




早期発見を目的として、全ての医療機関に対し、感染症と思われる患者の異常な集団発生(※)を確認した場合、保健所を通じて都道府県に電話等を用いて迅速に報告いただきたい旨、併せて医療機関に周知徹底(http://www-bm.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090429-03.html
【臨床的特徴】
 咳や鼻水等の気道の炎症に伴う症状に加えて、突然の高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛等を伴うことを特徴とする。
なお、国際的連携のもとに最新の知見を集約し、変更される可能性がある。

【疑似症患者届出基準】
 医師は、38度以上の発熱又は急性呼吸器症状(注1)があり、かつ次のア)イ)ウ)エ)のいずれかに該当する者であって、インフルエンザ迅速診断キットによりA型陽性かつB型陰性となったものを診察した場合、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

 ただし、インフルエンザ迅速診断キットの結果がA型陰性かつB型陰性の場合であっても、医師が臨床的に新型インフルエンザの感染を強く疑う場合には、同様の取り扱いとする。

ア)10日以内に、感染可能期間内(注2)にある新型インフルエンザ患者と濃厚な接触歴(直接接触したこと又は2メートル以内に接近したことをいう。以下同様。)を有する者

イ)10日以内に、新型インフルエンザに感染しているもしくはその疑いがある動物(豚等)との濃厚な接触歴を有する者

ウ)10日以内に、新型インフルエンザウイルスを含む患者由来の検体に、防御不十分な状況で接触した者、あるいはその疑いがある者

エ)10日以内に、新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在もしくは旅行した者

注1:急性呼吸器症状とは、最近になって少なくとも以下の2つ以上の症状を呈した場合をいう
  (1)鼻汁もしくは鼻閉 (2)咽頭痛 (3)咳嗽 (4)発熱または、熱感や悪寒
注2:感染可能期間内は、発症1日前から発症後7日目までの9日間とする

by internalmedicine | 2009-04-30 08:25 | インフルエンザ  

前立腺癌PSA検診ガイドライン アップデート2009

American Urological Associationのガイドライン

WebMDで取り上げられている。
PSA Screening Guidelines Stir Debate
American Urological Association Calls for PSA Screening at Age 40 to Help Detect Prostate Cancer
(WebMD:http://www.webmd.com/prostate-cancer/news/20090427/psa-screening-guidelines-stir-debate


直腸診+PSAの両者使用

American Urological Association (AUA)から公にされた、前立腺癌平均リスク対象男性に対する改訂ガイドラインでは、それまでの否定的知見(結果的にovertreatment)により、全男性に、PSA検査を一律に推奨することなく、より必要とする対象者に絞る方向となっている。医師患者にアクション前に検診の予測されるベネフィット・リスクについて重み付けを行うことを要求している。

PSA検査に関して2つのトライアル(Schroder 2009, Andriole 2009)が出版されたが、これを含めて信頼できる研究が無く、よりベネフィットをもたらすであろうというところに重きが置かれているとのこと

以前の研究は“pseudo epidemic”なもので、無駄な治療がたくさんなされた

Prostate-Specific Antigen Best Practice Statement: 2009 Update

40歳から開始してベースラインPSA血液検査を要求し、個人に応じた検査頻度を勧め、60から毎年行うPSA検査に置き換わった。

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by internalmedicine | 2009-04-29 15:34 | がん  

電子化ツールで投薬・処方ミスを防ごうとする米国 vs 医療機関負担電子請求にミスリードする日本

医療用電子カルテと、レセプト伝送をmisleadする厚労省&経団連&経団連主導政治家たち
他業種なら、これほどの強制なら補助金がでるはずなのにそれも行わず、医療機関への持ち出しを強制する・・・違憲性があるという主張も頷いてもらえるだろう。


医療ミスとかを軽減する目的なら、“potential adverse drug events [PADEs]”に注目した電子的システムが合理的であり、それを補助するのが本来の厚生行政であるはず

“computerized medication reconciliation tool and process redesign”
・・・コンピュータ化された医薬仲介ツールとプロセス再構築・・・で良いのかな?

結果はある程度の効果はあるようだが・・・結局、その活用システム次第ということ

介入により28% PADEs低下 (補正相対リスク [ARR], 0.72; 95% 信頼区間 [CI], 0.52-0.99)

病院毎にベネフィットの有意性にばらつきあり

簡単に言えば、システムのばらつきに依存と言うことになるだろう


Effect of an Electronic Medication Reconciliation Application and Process Redesign on Potential Adverse Drug Events
A Cluster-Randomized Trial
Arch Intern Med. 2009;169(8):771-780.



コンピュータ化しただけで、医療ミス根絶なんて、誇大妄想もいいところ! ・・・ ってのは真実(日本の経団連主導型政治では正義は通らないみたいだが・・・)

by internalmedicine | 2009-04-28 09:28 | 医療一般  

循環器系外来患者への薬剤副事象・医療過誤の薬剤師の役割

調剤側からいわせれば処方側にもっと苦情があるのかもしれないが・・・

副作用羅列した薬剤情報を一律に渡し、それをもらった患者は、薬物に対する恐れを抱き、adherenceを著しく低下させる経験はなんどもある。テレビ番組何度で薬剤の副作用が取り上げられた後は特にこういう現象が目立つ。・・・特に、チェーン薬局などでは責任の所在もはっきりせず、こちらのクレームも通じない。
むしろ、処方側から口出しされる覚えはないと、電話を一方的にきる輩もいる始末。

厚労省はチーム医療と言いながら、門前薬局を否定し、調剤薬局と医療機関の関係を断絶させた・・・そのあげくが、処方側と調剤側の没交渉推進

本来の薬剤師の機能として、副作用イベントや過誤予防に関する効果があるはずである。チーム医療として互いに問題点を整理していく必要性があるのに、“処方”・“疑義照会”といった一方的な情報提供のみ

心血管系薬剤に関して、外来で薬剤師の役割をあらためて示した報告


Effect of a Pharmacist on Adverse Drug Events and Medication Errors in Outpatients With Cardiovascular Disease
Arch Intern Med. 2009;169(8):757-763.
800名の被験者(平均年齢[SD] 59 [10]歳、484(90.5%)と258(97.4%)が12ヶ月完遂

イベントリスクは対照群に比べ34%低下(リスク比, 0.66; 95% 信頼区間 [CI], 0.50-0.88)
薬剤副事象イベントは35%低下(リスク比, 0.65; 95% CI, 0.47-0.90)
予防可能な薬剤副事象イベントは58%低下(リスク比, 0.52; 95% CI, 0.25-1.09)
潜在的な薬剤副事象イベントは30%低下(リスク比, 0.70; 95% CI, 0.40-1.22)
medication errorsは37%低下 (リスク比, 0.63; 95% CI, 0.40-0.98)

by internalmedicine | 2009-04-28 08:53 | 動脈硬化/循環器  

季節性インフルエンザワクチン製造中止:厚労大臣とその周辺の勇み足・・・・馬鹿すぎる

暴走してますね・・・一番冷静でいなくてはならない、厚労大臣およびその周辺がいちばんパニック状態になってるのでは?通常の季節性インフルエンザ対策を無しにしてどうするの!・・・こいつら、毎年のインフルエンザによる超過死亡(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1955.html)ってのがどの程度あるのかしらない。


クチン、豚インフル用製造なら「通常用」は全面中止
特集 豚インフル
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090426-OYT1T00004.htm
 厚生労働省は25日、豚インフルエンザに対応したワクチンを作る場合、通常の季節性インフルエンザワクチンの製造を中止する方針を固めた。

 季節性のワクチン製造をとりやめると、高齢者を中心にインフルエンザによる死者が増える恐れもある。

・・・・・・・(略)・・・・・・

 その場合、国内だけで年間1500万人近くが感染し、多い年には1万5000人の死亡に影響を与えている季節性インフルエンザの予防策がおろそかになる恐れがある。

 感染研インフルエンザウイルス研究センターの田代真人センター長は「豚と季節性のインフルエンザのどちらが致死性が高く、感染力が強いか、よく見極めて被害を最小限に抑える選択をする必要がある」と話している。
(2009年4月26日14時36分 読売新聞)


The Director-General has raised the level of influenza pandemic alert from the current phase 3 to phase 4.


報道にある通り、“The Director-General has raised the level of influenza pandemic alert from the current phase 3 to phase 4.”(WHO:http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2009/h1n1_20090427/en/index.html)となった。


(http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/phase/en/index.html)

農水大臣は日曜(25日)の段階で、テレビ出演し、豚肉そのものからの感染はまず考えられないこと、タミフルなどの治療可能性などわたしらからみても適切なコメントで国民を安心させていた。
だが、この桝添は・・・(この人を総理にって人 見る目 なさ過ぎる)


Phase 4 is characterized by verified human-to-human transmission of an animal or human-animal influenza reassortant virus able to cause “community-level outbreaks.” The ability to cause sustained disease outbreaks in a community marks a significant upwards shift in the risk for a pandemic. Any country that suspects or has verified such an event should urgently consult with WHO so that the situation can be jointly assessed and a decision made by the affected country if implementation of a rapid pandemic containment operation is warranted. Phase 4 indicates a significant increase in risk of a pandemic but does not necessarily mean that a pandemic is a forgone conclusion.

Phase 5 is characterized by human-to-human spread of the virus into at least two countries in one WHO region. While most countries will not be affected at this stage, the declaration of Phase 5 is a strong signal that a pandemic is imminent and that the time to finalize the organization, communication, and implementation of the planned mitigation measures is short.


ほんとはphase 5のはず・・・だが、メキシコ外のケースが軽症のためと、メキシコでの実態が明確でないという理由で、慎重になっているのだろうと報道から類推



日本でもっとも血迷った言動をした人間である・・・厚労大臣 その人の本日の宣言

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「新型インフル発生」舛添厚労相の宣言全文
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090428-OYT1T00489.htm

 新型インフルエンザ発生に関する舛添厚労相の宣言は以下の通り。

           ◇

 日本時間の昨日23時、WHOにおいて専門家による緊急委員会が開催され、その結果を踏まえて公表されたWHO事務局長のステートメントの中で、継続的に人から人への感染がみられる状態になったとして、フェーズ4宣言が正式になされました。

 こうした事態を受け、厚生労働省としては、メキシコ、アメリカ、カナダにおいて、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に規定する新型インフルエンザ等感染症が発生したことを、ここに宣言します。今後は、同法や検疫法に基づき、新型インフルエンザのまん延防止のため必要な措置を講じていくとともに、「新型インフルエンザ対策行動計画」等に則って、関係省庁と密接に連携しながら、国民の生命と健康を守るため、万全の対策を講じていくこととしております。

 まずは、ウイルスの国内への侵入を阻止するため、水際対策の徹底を図っていくことに万全を尽くします。

 厚生労働省においては、メキシコ便を中心として、検疫体制の強化を図ってまいりましたが、今後は検疫法等による強制措置の実施や、検疫所と各地保健所の連携による徹底した健康監視を実施してまいります。

 また、国民等に対する相談体制については、各地方公共団体等でも、保健所等において相談窓口がほぼ設置されております。更に、厚生労働省内には、既にコールセンターを設置しており、国民の皆様の不安解消に努めているところです。

 加えて、この際、国民の皆様に申し上げたいことは、

 第一に、なんと言っても正確な情報に基づき、冷静に対応していただくことが最も大切であるということ、

 第二に、メキシコ等の発生国への渡航を避けることを検討されたいこと、

 第三に、感染防止の基本は、マスクや手洗い、うがい、人混みを避けるといった日常的な個人予防策が極めて重要であることであります。

 今後とも、適時的確な情報提供を行い、国民の皆様と一体となって、必ずこの危機に打ち勝つべく、全力を挙げてまいりたいと思います。
(2009年4月28日11時45分 読売新聞)

by internalmedicine | 2009-04-28 08:16 | インフルエンザ  

医者は裁判を批判してはいけないそうです

そうですか・・・医者は、判決に対して異論を言ってはいけないですか・・・そうですかぁ

ネット上で判決批判 加古川市民病院、医療過誤敗訴 

 兵庫県内の弁護士でつくる兵庫医療問題研究会は二十四日、二〇〇七年四月にあった医療過誤訴訟の神戸地裁判決をめぐり、「インターネットのブログ上に、医師を名乗る匿名の利用者らから誤った書き込みが相次いでいる」として、公正な議論を求める声明を出した。

 同研究会によると、この訴訟は、加古川市民病院(加古川市)が、心筋梗塞(こうそく)の救急患者に適切な対応をせずに死亡させたとして、遺族が損害賠償を求め、病院側の転送義務が争点になった。

 判決は医師の過失を認め、「早期に転送すれば救命可能性があった」とし、病院側が敗訴した。ところがその後、複数のブログでこの判決に対する批判が噴出。「転送要請をほかの病院に断られているうちに、容体が悪化した」など裁判所の認定と違う内容や、原告を中傷する書き込みが相次いだという。

 声明では「裏付けもせず、非難中傷を発信することは、患者家族の名誉を侵害する」と指摘。同会代表の泉公一弁護士は「医療側と患者側の対立は、医療の安全に向けての議論を妨げる」と、冷静な対応を呼びかけた。

l神戸新聞(4/25 09:56)

魚拓:http://s04.megalodon.jp/2009-0425-1254-52/www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001856456.shtml



そもそも裁判てのは、被告・原告側主張があり、その正当性を戦わせる場である。

医師側主張に同調し、意見表明したら・・・即、“非難中傷・患者家族の名誉”という乱暴な意見を見逃しにできない。

そもそも、裁判の無謬性ってのは担保されているのだろうか?

裁判・裁判長が無謬なら、医師はいらないだろう・・・これから病気は裁判長に診てもらえばよろし・・って書くと、名誉毀損とみなされるのかな?


一般には医学知識のない裁判官が、証人の医学的信憑性について判断を下すことの愚かさ・・・(やめておこう・・・うったえられでもしたら・・・)

by internalmedicine | 2009-04-27 12:13 | 医療と司法  

介護保険発足のおさらい

ほぼ連日、マスコミで、“介護保険”の問題点が連日、報道されている。この制度はもともと新たなる国民への財源負担創出が主であり、決して統一した理念でなされたものではないし、“走りながら考える”制度であり、矛盾が大量に出現するのは必然なのである。各種団体・組織の意見や考えがこの制度をごちゃごちゃにしていった。

介護保険法に基づく介護保険制度は、2000年(平成12年)4月1日から施行された。

この介護保険の発足当時に話をもどすと、高齢化社会に対する公的負担の見直し・・・すなわち、“措置にするか、公的保険にするか”が主眼であった。当時の政府の新たなる財源確保の道として、保険制度による新たなる財源確保という側面が大きく、副次的効果として、新たな事業の創出・従来の医療法人や福祉法人以外の新規事業者参入・インフラ整備による建設業などの産業促進などがあげられた。

負の側面は、元厚生事務次官、岡光序治(のぶはる)にかかわる汚職<厚生省・汚職事件(彩福祉グループ贈収賄事件)>、コムスン・グッドウィルグループのスキャンダル<nikkei BP net コムスン事件>などが後年問題となった


他の制度と同様に、制度開始まで、長い助走の段階があった。(あくまで私感だが、政府官僚たちの思いとは別に、))現実を直視しない北欧理想化思想が、一部煽動するマスコミとともに、市民にあり、これが、この制度開始に大きな流れになったような気がする。“なぜ日本にだけ寝たきりがいるのだ”・・・これは医療制度が悪いに違いないという方向に煽動していった人たちがいた。
大熊由紀子などはいつからこの制度にかかわったのだろう?
『「寝たきり老人」のいる国いない国――真の豊かさへの挑戦』 大熊 由紀子 19900920 ぶどう社,171p

(参考:大熊氏に思う・・・マスコミ出身者の放言の責任と立場 2008年 09月 12日
栃木県医師会抗議 ; 大熊氏の根拠無き医者への誹謗中傷 2008年 12月 11日


医療施設・長期入院がねたきり老人の発生源であるという、かれらの意見が、一方的に、採用されつつ、コスト削減のための“在宅医療推進”が官僚の思惑に合致し・・・日本の実態と乖離した制度が強化されていく。


激しい医師・医療機関バッシングのころで、医療福祉などの専門家の意見を軽視する一方で、財界の意見が国の医療福祉施策に重きをなす流れがこの頃から決定的となっていく。


「高齢者保健福祉推進十ケ年戦略」(ゴールドプラン)

(厚生白書(平成5年版):http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz199301/b0028.html)



平成4年、厚生省は「介護費用に関する関係課長会議」(例の岡光が中心)

平成5年2月末に大臣官房審議官クラス以上が集まった最高幹部会議がありこれを契機に新介護システムの省内検討チーム

給付の物差し設定:高齢者データセット(MDS)およびRAPS,RUGⅢの有効性の検討

財源、制度論を優先させたい経済団体側と、サービス供給論を重視する医療、福祉側

平成7年7月4日に政府の社会保障制度審議会が公的介護保険制度の創設を勧告
(参考:http://www.tokai.or.jp/syuzenziclinic/Kaigohok.html



“介護保険制度を走りながらつくってきた経緯”(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/shingi/syakai/txt/1022-1.txt)を制度造った人たち自身が認めている。


保険者となった市区町村、各保険事業者(福祉法人、医療法人など)、従業者たち・・・、なにより利用者および家族に、この“走りながら考える”深慮無き施策に振り回されている。

by internalmedicine | 2009-04-27 09:05 | 医療一般  

豚インフルエンザ診断治療について

同日(4.26)厚労省より担当部局あて事務連絡にて日本語訳が出ている。
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090426-02.html

故に、以下の情報の大半は上記厚労省の資料にて日本語訳確認できる。<以上、4/27追記>


豚インフルエンザ 2009年 04月 25日に続いてだが

Statement by WHO Director-General, Dr Margaret Chan
25 April 2009
によれば、結論から言えば、
The Committee further agreed that more information is needed before a decision could be made concerning the appropriateness of the current phase 3.
ということで、現状把握が十分でないことなどのため、phaseの変更を即断しなかった。

私には賢明な判断だと思える

米国やメキシコからの帰国者に遭遇する場合は別だが今すぐに臨床上役立つ機会はまずないだろう
なんせ対象者は
1. Live in San Diego County or Imperial County, California or San Antonio, Texas or
2. Have traveled to San Diego and/or Imperial County, California or San Antonio, Texas or
3. Have been in contact with ill persons from these areas in the 7 days prior to their illness onset.
だから
一応検体は、気道系ぬぐい液を採取、冷却器に保存し、検査センターに(米国では)

だが、その辺の人たちに医師としての知識を試されることもあるかもしれないため知識の整理をしておいた方が良いのかもしれない。

現時点では信頼できるサイトは、Human Swine Influenza Investigationくらいか?

CDC:Interim Guidance on Antiviral Recommendations for Patients with Confirmed or Suspected Swine Influenza A (H1N1) Virus Infection and Close Contacts
診断:
1. real-time RT-PCR
2. viral culture
3. four-fold rise in swine influenza A (H1N1) virus-specific neutralizing antibodies



疑う事例:
Clinicians should consider swine influenza A (H1N1) virus infection in the differential diagnosis of patients with febrile respiratory disease and who 1) live in areas in the U.S. with confirmed human cases of swine influenza A (H1N1) virus infection or 2) who traveled recently to Mexico or were in contact with persons who had febrile respiratory illness and were in the areas of the U.S. with confirmed swine influenza cases or Mexico in the 7 days preceding their illness onset.



薬剤抵抗性:
This swine influenza A (H1N1) virus is sensitive (susceptible) to the neuraminidase inhibitor antiviral medications zanamivir and oseltamivir. It is resistant to the adamantane antiviral medications amantadine and rimantadine.



通常のinfluenza A陽性例で、季節循環性インフルエンザH3やH1陰性例では治療をすべき

小児にアスピリン投与禁止(ライ症候群など)




Swine Influenza A (H1N1) Infection in Two Children --- Southern California, March--April 2009
On April 21, this report was posted as an MMWR Early Release on the MMWR website (http://www.cdc.gov/mmwr).
Initial testing at the clinic using an investigational diagnostic device identified an influenza A virus, but the test was negative for human influenza subtypes H1N1, H3N2, and H5N1.



2名の患者のウィルスでは、amantadine、rimantadine抵抗性で、neuraminidase阻害剤であるoseltamivir、zanamivirの感受性に関しては試験中
"The viruses in these two patients demonstrate antiviral resistance to amantadine and rimantadine, and testing to determine susceptibility to the neuraminidase inhibitor drugs oseltamivir and zanamivir is under way."


Swine Flu and You Apr 24, 2009
What is swine flu? Are there human infections with swine flu in the U.S.? …

Swine Flu Video Podcast Apr 25, 2009
Dr. Joe Bresee, with the CDC Influenza Division, describes swine flu - its signs and symptoms, how it's transmitted, medicines to treat it, steps people can take to protect themselves from it, and what people should do if they become ill.

Key Facts about Swine Influenza (Swine Flu) Apr 24, 2009, 5:45 PM ET
How does swine flu spread? Can people catch swine flu from eating pork? …

部分訳:現時点ではCDCは、治療and/or予防にoseltamivirやzanamivirの使用を推奨 At this time, CDC recommends the use of oseltamivir or zanamivir for the treatment and/or prevention of infection with swine influenza viruses.





“現在使われている迅速キットで診断可能か?”
いずれのキットもインフルエンザA型ウイルスであれば、鳥や動物由来のものでもヒト由来のものでも、H5N1を含め検出します。しかしながら、これらは薬事品ですので、ヒトの診断以外の使用を考えている相手に積極的に使用を勧めないでください(某検査キットの会社:http://www.bdj.co.jp/pdf/48-avianflu-Q&A.pdf

・・・一般の季節性インフルエンザと同じ反応を示すだろうということ(結果に関しては検討されてないから当然誰も責任はとれないだろうが・・・)



BBC newsの”Mexico flu: Your experiences ”が話題となっている。
アメリカの情報と異なり、“The truth is that anti-viral treatments and vaccines are not expected to have any effect, even at high doses.”という・・・Antonio Chavez, Mexico Cityという人の話

“I understand the government doesn't want to generate panic, but my personal opinion is that they issued the alert too late. Still now, the population is not getting the information they need.”という医師たちの主張を信じるべきなのか・・・

by internalmedicine | 2009-04-26 07:15 | インフルエンザ