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Stevens-Johnson Syndrome:薬剤性とマイコプラズマ肺炎菌による病態の違い

生命危機や重篤な副作用を伴う、非常に頻度が少ない疾患は、その記載は貴重である。

M pneumoniaeによるStevens-Johnson syndromeは、薬剤性のものに比べ軽症

Clinical, Etiologic, and Histopathologic Features of Stevens-Johnson Syndrome During an 8-Year Period at Mayo Clinic
Mayo Clinic Proceedings February 2010 vol. 85 no. 2 131-138

現実的には、マイコプラズマ感染症で、この疾患が疑われた場合でも、抗生剤継続は断念せざる得ないだろう。早期にわかる、明確な鑑別基準があれば、ずいぶん、精神的に楽になるのだが・・・

<hr>M. pneumoniaeによる‘incomplete Stevens–Johnson syndrome’
Stevens–Johnson syndrome without skin lesions
Journal of Medical Microbiology (2007), 56, 1696–1699
pdf





医者はこの病気に対して過敏になっている。それはこの判決によるところが大きい。
最高裁第2小法廷;発疹出たらSJS疑うべき、高裁判決破棄、(02年11月8日)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/sjssaikousai.htm


スティーブンス‐ジョンソン症候群では主に口の中、眼、腟などの粘膜に水疱が生じ、発疹が集まった部分ができます。中毒性表皮壊死症でも粘膜に同様の水疱ができますが、スティーブンス‐ジョンソン症候群ではさらに、皮膚の最も外側に位置する表皮が、体の広い範囲で大きくはがれます。どちらの病気も命にかかわります。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec18/ch203/ch203e.html


重篤副作用疾患別対応マニュアル :中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)
(ライエル症候群、ライエル症候群型薬疹(pdf

薬剤服用、特に、抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬などでみられ、また総合感冒薬(かぜ薬)のような市販の医薬品でもみられ、「高熱(38℃以上) 」 、 「目の充血 じゅうけつ」 、 「くちびるのただれ」 、 「のどの痛み」 、 「皮ふの広い範囲が赤くなる」がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
・・・ことを患者に周知せしめることが必要となった。

by internalmedicine | 2010-01-31 12:13 | 感染症  

毎日新聞ロックオン : ワクチン接種後 死亡 「因果関係あり」

”主治医は報告の中で、注射で血圧低下などの過敏反応を起こす「アナフィラキシー・ショック」と、突然の不整脈や肺塞栓(そくせん)などの可能性が同程度考えられると説明”・・・と書いてあるのに、因果関係ありと断定の見出し


新型インフルエンザ:ワクチン接種後、80代女性が死亡 「因果関係あり」初
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100130ddm012040061000c.html



 厚生労働省は29日、新型インフルエンザのワクチン接種を受けた新潟県内の80代女性が急死し、主治医から「接種との因果関係あり」との報告があったと発表した。ワクチン接種後の死亡は27日までに117件確認されているが、他はすべて「因果関係なし」か「評価不能」で、「関係あり」の報告は初めて。厚労省は専門家に検証を依頼している。

 厚労省によると、女性は26日ワクチン接種を受け、副作用が出ないことを確認して30分後に医療機関を出発。約10分後、路上で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は不明。女性には高血圧や心臓の弁の働きが弱い持病があった。

 主治医は報告の中で、注射で血圧低下などの過敏反応を起こす「アナフィラキシー・ショック」と、突然の不整脈や肺塞栓(そくせん)などの可能性が同程度考えられると説明している。厚労省は「接種から数時間で急死したケースはこれまでもあり、因果関係は即断できない」としている。【清水健二





Google cache(*)
新型インフルエンザ:ワクチン接種後、死亡者100人超す 8割が70歳以上

 厚生労働省は28日、新型インフルエンザワクチンの接種後に死亡した人が100人を超えたと発表した。25日現在、医療機関から1899件の副作用報告があり、入院相当以上の重篤が294件、死亡が103件含まれていた。この間の推計接種者は1492万人で、死亡の報告頻度は0・0007%だった。

 死亡者のうち80人が70歳以上で、持病を持つ優先接種対象者だった。【清水健二





http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091023-00000122-mai-soci

<新型インフル> ワクチン接種調査 4人に入院相当の副作用
10月23日20時41分配信 毎日新聞

 厚生労働省は23日、医療従事者約2万人を対象にした新型インフルエンザワクチンの副作用調査で、4人に一時的な歩行困難など入院相当の異常が見られたと発表した。ワクチン接種との因果関係はいずれも不明で、全員回復している。季節性のワクチンと異なる副作用はないという。

 19日から医療従事者約100万人への接種が始まり、うち国立病院機構の67病院にいる2万2112人に副作用の報告を求めた。重い副作用とされたのは▽両足の筋肉痛による歩行困難▽嘔吐(おうと)▽脈拍の上昇▽発熱と意識低下--の4例。他にショック状態など軽い副作用報告が3例あった。2万人以外の医療従事者からも25例の報告があったが、すべて回復しているという。

 季節性のワクチンでは、毎年4000万~5000万人への接種で百数十例の副作用報告がある。今回の重い副作用の率は0.02%でそれより高いが、厚労省は「調査方法が違うので、新型のワクチンに副作用が起こりやすいとは言えない」としている。【清水健二


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この清水建二というひと・・・”ワクチン接種禍”を創り上げようと必死のよう・・・・・・・・・・・・・・・・・


最初から、”ワクチン=有害”という一方向でのみ、報道しつづける・・・こういう報道の仕方はいかがなものか!





対して、読売は・・・・
山積みワクチン 専門家「流行備え接種を」
新型インフル 「忘れ去られた」
新型インフルエンザ用ワクチンが残る製薬卸会社の倉庫(22日、仙台市で)=池谷美帆撮影
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20100129-OYT8T01394.htm
 新型インフルエンザワクチンの9回目の配分が29日、全国一斉に始まり、県内分として国産ワクチン約11万回分が供給される。ただ、県内の製薬卸業者には約19万回分のワクチンが既に在庫となっており、業者らは対応に苦慮している。最近は接種予約のキャンセルも相次ぎ、余剰気味のワクチンを使い切る見通しは立っていない。専門家は「これから流行が再来する可能性もある。今からでも接種を」と呼びかける。(今川友美、高倉正樹)

・・・・・・

 在庫がなかなか減らない原因の一つが10ミリ・リットル入りの「大瓶ワクチン」。1本で接種18回分に相当するが、24時間で使い切る必要があり、患者の少ない診療所は使いづらい。

・・・・・・

 厚生労働省によると、新型インフルエンザワクチンは国が一括購入し、卸業者を通じて各医療機関に届く。返品はできない決まりで、厚労省血液対策課は「予算がなく、余ったとしても引き取らない」としている。県は「健康な成人への接種は需要がある。まだ余剰とは言い切れない」としている。

 在庫は、本県を含む37都道府県で計654万回分に達することが、本紙の取材で判明している。

 東北大の押谷仁教授(ウイルス学)は「子供の感染者が減少したが、成人の間では流行が続き、年明け以降も週10人以上の死者が出ている。1万人以上が死亡した米国のような大流行が日本で起きないとも限らない。国や自治体は医療機関や業者任せにせず、接種を呼びかけるべきだ」としている。
(2010年1月30日 読売新聞)

by internalmedicine | 2010-01-31 11:26 | インフルエンザ  

アジアの糖尿病

SNPがらみの研究成果とともに、まとめられている。

Diabetes in Asia
The Lancet, Volume 375, Issue 9712, Pages 408 - 418, 30 January 2010

2型糖尿病がnativeおよび移民的アジア人に急増。白人より若年で特に増加が著しく、合併率・死亡率とも増加。この増加と心血管リスク要素の増加とともに、心血管障害リスク増加が著しい。
糖尿病の病因遺伝的要素とその閾値がいくつか明らかとなり、糖尿病による経済的、社会的、国家的に問題となっている。この疾患の公衆衛生的警告や、標準治療改善、一次予防プログラムが国家的戦略として差し迫って重要となっている。



アジア人種では、糖尿病発見のための空腹時血糖および糖化ヘモグロビン(HbA1c)濃度は、食後2時間食後血糖より、感度が著しく低い。DECODA研究で、糖尿病の半数以上が食後高血糖を有し、心血管疾患、早期死亡のマーカーとなっている。

アジア人種の早期発症傾向は、長期間合併症リスクにさらされることになり、、高収入世帯より、都市部貧困層で、糖尿病頻度が多く、コントロール不十分となりやすく、心血管合併症の頻度が多くなる。
2型糖尿病の推定30%程度は網膜症を有し、北アメリカで白人よりアジア人種で終末期腎疾患頻度がたかくい。膝切断率は60-69%低く、心血管疾患は24-33%少ない。末梢血管合併症はアジアインド系では少ないというが、下肢合併少数が多いためでは無かろうか?神経障害頻度、下肢感染頻度は高い。
WHO Multinational Study of Vascular Disease in Diabetesで、糖尿病中国人の冠動脈疾患リスクはきわめて少ないが、有意に増加。網膜症、腎症は多い。MAP研究の結果、腎症が多く、微量アルブミン尿40%、顕性アルブミン尿20%。

日本人が関係すると銘記してあった遺伝子変異:KCNJ11(11)、TCF7L2(10)、SLC30A8(8)、CDKAL1(6)、HHEX(10)、IGF2BP2(3)、CDKN2A/CDKN2B(9)、KCNQ1(11)
(染色体ナンバー)

a0007242_1192999.jpg


Pancreatic β-cell genes associated with type 2 diabetes are in italics. G6P=glucose-6-phosphate. Adapted from Florez JC. Newly identified loci highlight beta cell dysfunction as a key cause of type 2 diabetes: where are the insulin resistance genes? Diabetologia 2008; 51: 1100—10, by kind permission of the author and Springer Science + Business Media.


以前のNEJMの報告
Clinical Risk Factors, DNA Variants, and the Development of Type 2 Diabetes
N Engl. J Med. Vol. 359:() 2220-2232, Nov. 2008
TCF7L2, KCNJ11, PPARGの3つの変異が2型糖尿病と関連が当初、指摘。2007年、新しい変異が見いだされ、染色体9のlocusのCDKAL1, IGF2BP2、近傍の、CDKN2A/CDKN2B, FTO, HHEX, SLC30A8, WFS1で再現性も確認された。メタ解析モデルでJAZF1, CDC123/CAMK1D, TSPAN8/LGR5, THADA, ADAMTS9, NOTCH2・・

この論文では、”TCF7L2, PPARG, FTO, KCNJ11, NOTCH2, WFS1, CDKAL1, IGF2BP2, SLC30A8, JAZF1, HHEX”が特に有意とされた。

β細胞機能に影響を与えるgenotypeの多くは、増殖、再生、アポトーシスに影響を与え、BMIの時間的増加、インスリン感受性減少、インスリン抵抗性増加をもたらすことと関連しているのかもしれない。FTO , PPARG は、TCF7L2 , KCNJ11とともに、β細胞機能減衰に基づく、肥満・インスリン抵抗性と関連する可能性




書き起こしシェーマきたなすぎ



by internalmedicine | 2010-01-30 11:24 | 糖尿病・肥満  

レビュー:アルツハイマー病のバイオマーカーとしてのアミロイドβ・アミロイドβ蛋白前駆体

Review
Amyloid β and APP as biomarkers for Alzheimer’s disease
Experimental Gerontology, 01/29/10


1. Cardinal features of Alzheimer pathology
2. Alzheimer’s disease causation – what is the evidence for amyloid β as a central molecule in the disease process?
3. Aβ-related proteins as core neurochemical markers of AD
4. Limitations and pitfalls
5. Conclusions and future research directions



アルツハイマ-型痴呆(DAT)脳におけるアミロイド形成には、アミロイドB蛋白前駆体(APP)の異常、特にプロテア-ゼ阻害領域が挿入されたアミロイドB蛋白前駆体(APPI)の関与が示唆されている(*


APPは,695から770個のアミノ酸からなる1回膜貫通型蛋白でC末端の99番目からAβがコードされている。APPはAβのN末端で切断される分泌型APPと膜に残されたC末端側(CTF)に分けられる。CTFは,さらにAβのC末端側で切断され Aβ1-40,Aβ1-42,Aβ1-43,P3(Aβ17-40,17-42)として代謝される。それぞれの部位で働く酵素は,α-,β-,γ- secretaseと想定されている。PS1ノックアウトマウスでAPP CTFが蓄積していたことは,PS1がAPP CTFのγ-secretaseによる代謝(γ-cleavage)に関わっていることを意味する(http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1999dir/n2331dir/n2331_05.htm)。


Schematic representation of amyloidogenic APP-processing.

In brain, three major isoforms (APP770, APP751 and APP695) exist due to differential splicing of exon 7 that contains the Kunitz protease inhibitor domain (KPI) and exon 8 that contains the OX2 antigen domain.
BACE1 cleaves APP after residue 671, which causes the secretion of sAPP-β and the retention of a 99 residue C-terminal fragment (CTF).
This fragment can undergo further cleavage by γ-secretase to release 40 or 42 amino acid long Aβ fragments.
Cleavage of CTF by γ-secretase releases the APP intracellular domain (AICD) into the cytoplasm.




Fig. 2. Proposed model of Aβ-induced synaptotoxic effects and synapse elimination in AD. Aβ is released from vesicles in the presynaptic terminal in an activity-dependent manner.
Increased release or defective clearance results in Aβ oligomerization.
Aβ oligomers activate postsynaptic intracellular pathways through a putative Aβ receptor, leading to AMPA and NMDA receptor internalization.
The postsynaptically silent synapse is a prerequisite for the subsequent retraction of the presynaptic terminal and the postsynaptic spine, eventually leading to elimination of the synapse.

by internalmedicine | 2010-01-30 10:12 | 精神・認知  

無症候性脳梗塞は腎不全予測因子

いわゆる、無症候性脳梗塞(silent cerebral infarction:SCI)は、MRIで観察されるが、その所見が、2型糖尿病患者の腎不全を予測することとなると日本人研究者の発表(http://www.medpagetoday.com/Nephrology/Diabetes/18195

Cerebral Microvascular Disease Predicts Renal Failure in Type 2 Diabetes
Uzu et al. J Am Soc Nephrol.2010; 0: ASN.2009050558v1-ASN.2009050558

現行では、アルブミン・クレアチニン比が標準的目安だが、2型糖尿病患者のmicroalbuminuriaの非存在下でも腎不全予測が可能となった。ただ、高価すぎて、予後検査としては不適切。腎内・腎外微小血管疾患の存在の決定手段として何らかの別の簡便な方法の開発が必要。

608名の2型糖尿病患者で、脳血管、心血管、あきらかな腎疾患のない対象者で、平均年齢約60歳で、Hb A1c 8.6%程度。ベースラインの脳MRIで、177のsilent cerebral infarctionあり、この定義は、最小3mm直径のlocal lesionで、T1強調低シグナル、T2強調高シグナル。拡張血管周囲スペースをproton density scanで鑑別し、病歴患者を除外。
ベースラインのsilent infactionの存在患者はやや高齢(63 vs 57)で、糖尿病病歴が長い(9.8年 vs 7.6)で、血圧高値(145.8 mmHg vs 136.5 mmHg)で、喫煙歴が多い(58% vs 46%) (すべて P<0.01)
一方ベースライン血糖や糖化ヘモグロビン値は、silent infactionを有する患者の方が低値: 血糖: 平均 163 mg/dL versus 176 、 HbA1c 8.3% versus 8.7% (P≤0.01 for both)

10年まで、平均7.5年フォローアップで、プライマリアウトカムをESRD(終末期腎疾患)もしくは死亡として、セカンダリアウトカムをsCrの倍加と透析複合エンドポイントとした。


silent infaction存在・非存在 Kaplan-Meier カーブにて、プライマリエンドポイントは最初の4年は同率で、その後急激に乖離。8年後、非梗塞群で約6%がプライマリアウトカムに達するのに対して、silent 梗塞群では21% (P<0.0001)
セカンダリアウトカムは、3年から乖離。8年で6% vs 30%となる(P<0.0001)

包括的には、ベースラインsilent cerebral infarctionの存在による、プライマリアウトカムのハザード比は 2.44 (95% CI 1.36 to 4.38)
死亡単独では、低下(1.61, 95% CI 0.71 to 3.62)で、プライマリアウトカムのかなりが終末期腎疾患と関連することが示唆された。



無症候性脳梗塞(silent cerebral infarction:SCI)
http://www.jsts.gr.jp/guideline/075-075.pdf

無症候性脳梗塞の予防に、高血圧をはじめとする危険因子、関連病態 (心房細動、内頸動脈高度狭窄など) の管理が推奨されるが、それにより症候性脳梗塞の発症が予防できるか否かには十分な科学的根拠に乏しい (グレードC1)



・・・かくれ脳梗塞などとあおる医療関係者・メディアがあるのだが、上記報告が悪用されませんように・・・

偶発的なMRI異常 2007-11-03

by internalmedicine | 2010-01-29 11:32 | 糖尿病・肥満  

CKD+うっ血性心不全患者の低カリウムの予後影響

基本的に後顧的かつサブグループ研究なので、あくまで現象説明にすぎないのが悲しい・・・だが、低カリウム血状態を放置することは好ましくないだろうと考える。


慢性心不全患者への経口カリウム剤投与が余命に影響をあたえないという報告もある
Oral potassium supplement use and outcomes in chronic heart failure: A propensity-matched study
Int J Cardiol. 2009 Jan 8.


CKD+うっ血性心不全患者に、K補正の病態特異的意義があるか?・・・今後の課題だろう。

Hypokalemia and Outcomes in Patients with Chronic Heart Failure and Chronic Kidney Disease: Findings from Propensity-Matched Studies
Bowling et al. Circ Heart Fail.2010; 0: CIRCHEARTFAILURE.109.899526v1-CIRCHEARTFAILURE.109.899526


心不全、CKDにおける低カリウム血症の影響は不明
7788名の Digitalis Investigation Group トライアルの被験者のうち、2793名がCKD(定義 eGFR  <60 ml/min/1.73 m2)
このうち、527名が低カリウム血症(血中K<4 mEq/L)で、2266名が正常(4-4.9 mEq/L)

低カリウム血症 Propensity scoreを522名の低カリウム血症と正常カリウム血症患者でbalanced cohort

57ヶ月フォローアップで、全原因死亡率 低カリウム血症 48% vs 正常カリウム 36%(マッチ化ハザード比 {HR} 低カリウム vs 正常カリウム血症, 1.56, 95% 信頼区間 {CI}, 1.25-1.95; P<0.0001)

マッチ化HRは、心血管死亡率、心不全死亡率、全原因死亡率、心血管入院、心不全入院で、低カリウムと正常カリウム比較で、それぞれ、1.65 (1.29-2.11; P<0.0001), 1.82 (1.28-2.57; P<0.0001), 1.16 (1.00-1.35; P=0.036), 1.27 (1.08-1.50; P=0.004) and 1.29 (1.05-1.58; P=0.014)

453名の、心不全、CKDでバランス化されたペアで、全原因死亡は47% vs 38%で、マッチ化HRは  1.31, 95% CI, 1.03-1.66; P=0.027

eGFR<45 ml/min/1.73 m2値対象バランス化169ペアで、低カリウム血症の正常カリウム血症比較で、全原因死亡は、57% vs 47% (マッチ化 HR, 1.53, 95% CI, 1.07-2.19; P=0.020)

by internalmedicine | 2010-01-29 10:39 | 動脈硬化/循環器  

セイヨウオトギリソウはオキシコンチンの血中濃度を半減する

オキシコドン・・・商品名:オキシコンチン経口剤は、セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)により、血中濃度AUC半減

St John’s wort greatly reduces the concentrations of oral oxycodone
European Journal of Pain, 01/28/10(free full text)



オキシコドンに関しては、cytochrome P450 3A (CYP3A)とCYP2D6が関連するとのこと


RxList(http://www.rxlist.com/oxycontin-drug.htm)には"No specific interaction between oxycodone and monoamine oxidase inhibitors has been observed,"と書かれているが、サプリメントなど検討が必要だろう。


セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)には、覚えきれないくらいの相互作用がある。”インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬の効果が減少”程度は覚えておかないといけないのだろう。
これに、オキシコドンが加わった。他のμ受容体作動薬はどうなのだろう?

by internalmedicine | 2010-01-29 10:01 | がん  

Mandometerを用いた子供への食行動訓練の効果

食行動は習慣化がベースにあり、その習慣を”retraining"することで、好ましい習慣を再取得させること、これは、食行動異常を含めた治療介入の基本であろう。一方、一般になされている食事指導は、"BMI SDS"のトレンドを書かせ、自覚させることだが、これをみせても子供には影響与えがたい。

Mandometer が、スウェーデン・ストックホルムの、Section of Applied Neuroendocrinology and Mandometer Clinicで開発され、これは、コンピュータにプレートから食物除去したグラフ、食品のグラム数を縦軸に、横軸に時間(分)をプレートに示すもの

http://www.indavideo.hu/video/Mandometer





”feedback device"の重要性が証明された。”Retraining eating behaviour with a feedback device ”なるものの開発普及が今後小児の肥満指導などに役立つ可能性がある。

Treatment of childhood obesity by retraining eating behaviour: randomised controlled trial
Anna L Ford, Cecilia Bergh, Per Sodersten, Matthew A Sabin, Sandra Hollinghurst, Linda P Hunt, Julian P H Shield
BMJ 2009;340:b5388
全参加者のうち、利用可能なデータを用いた場合(n=106)、Mandometer群は有意に標準ケア比較で 12ヶ月後、平均BMI SDSは低かった (ベースライン補正標準平均差 0.24, 95% 信頼区間 0.11 to 0.36)
同様な結果が、91例を加えた、per protocolでも見られ (ベースライン補正平均差  0.27, 0.14 to 0.41; P<0.001)、18ヶ月後もその差は維持された(0.27, 0.11 to 0.43; P=0.001) (n=87)。
Mandometer群の平均食事サイズは45g(7-84g)低下
ベースライン補正平均体脂肪SDSは有意に12ヶ月で低下(0.24, 0.10 to 0.39; P=0.001)
Mandometer群はまたHDLコレステロール濃度を有意に改善した(P=0.043).


Fig 3 Graphic representation of final and initial BMI SDS with Mandometer and standard care showing greater improvement in Mandometer group


Fig 4 Change in BMI over 12 months (per protocol) against age (top) and BMI at first assessment (bottom). Dashed and solid lines are Loess "smoothers" for standard and Mandometer groups, respectively



やはり小児のBMI評価というのは、大人と違って、実に大変・・・ということがわかる論文。
あの手この手で、図表化、統計化している。安直な”小児メタボ”日本人研究者たち(小児メタボリックシンドローム  2007-06-22、 小児のメタボリックシンドロームは決して増えないという矛盾 2006-12-15)って英論文書くときはまともなのか?・・でなければ、まともな論文でアクセプトされることは永遠にないだろうに・・・

by internalmedicine | 2010-01-29 09:29 | 糖尿病・肥満  

在宅 vs センターベース 心臓リハビリテーション

Home based versus centre based cardiac rehabilitation: Cochrane systematic review and meta-analysis
Hasnain M Dalal, Anna Zawada, Kate Jolly, Tiffany Moxham, Rod S Taylor
BMJ 2010;340:b5631

心筋梗塞後・血管再建後のイベント低リスク患者では、在宅とセンターベースの心臓リハビリテーションは、臨床的・健康関連QOLに関して同等



Fig 2 Exercise capacity with home based and centre based cardiac rehabilitation (CR) at 3-12 months of follow-up




Fig 10 Mortality with home based and centre based cardiac rehabilitation at 3-12 months of follow-up



Fig 3 Systolic blood pressure with home based and centre based cardiac rehabilitation at 3-12 months of follow-up



Fig 4 Diastolic blood pressure with home based and centre based cardiac rehabilitation (CR) at 3-12 months of follow-up

2アプローチ間の、患者のadherenceと医療コストの差のエビデンスが存在しないことで、”Heart Manual”のような、エビデンスに基づく在宅リハビリテーションプログラムのprovisionが必要であろう。
従来のsupervised centre basedなやり方をとるか、在宅プログラムをとるかは患者の選択が反映されるべきだろう。


心筋梗塞後、血管再建後のCardiac rehabilitation は、回復を補助し、心血管イベントを予防し、身体的健康改善と合併症・死亡率減少をもたらす。
このことは2つのシステミックレビュー、48のRCTで全原因死亡率20%減少、心臓死亡率27%減少ということで示されている。
このリハビリテーションは、運動、教育、行動変容、カウンセリング、サポート、戦略により、心血管リスク要因をターゲットにしたものである・・・と序文から。


ref. システミックレビュー:
・Jolliffe JA, Rees K, Taylor RS, Thompson D, Oldridge N, Ebrahim S. Exercise-based rehabilitation for coronary heart disease. Cochrane Database Syst Rev 2001;1:CD001800.[Medline]
・Taylor RS, Brown A, Ebrahim S, Jolliffe J, Noorani H, Rees K, et al. Exercise-based rehabilitation for patients with coronary heart disease: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Am J Med 2004;116:682-92.[Medline]


ref. heart manualに関する論文
Lewin B. Effects of self-help post-myocardial-infarction rehabilitation on psychological adjustment and use of health services. Lancet 1992;339:1036-40.



heart maual: http://www.theheartmanual.com/

by internalmedicine | 2010-01-29 08:56 | 動脈硬化/循環器  

ダイクロトライド錠・・・2ヶ月の寿命

バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg 薬価 139.30円
バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg 薬価 137.80円


バルサルタン錠 80mg 薬価:136.20円 


ダイクロトライド錠25mg 6.20円


合剤の方がお得・・・しかも、ダイクロトライド錠は、2010年4月1日 薬価削除(www.banyu.co.jp/pdf/content/hcp/productinfo/.../interim-measure09111.pdf)

なんで、ダイクロトライド錠の薬価削除なんだろう?

”降圧利尿剤を第一選択にさせないぞ!”という、製薬会社と官僚の思惑としか思えないのだが・・・




ちなみに、HCTZが、もっとも優秀な降圧利尿剤かというと・・・疑問が呈されている。

降圧治療: HCTZ ≠ chlorthalidone・indapamide ・・・ HCTZを第一選択にするな! 2009-06-16

ナトリックス錠剤1mgは13.2円(http://www.okusuri110.com/cgi-bin/dwm_yaka_list_se.cgi?2149012&%83C%83%93%83_%83p%83~%83h

by internalmedicine | 2010-01-29 08:24 | 動脈硬化/循環器