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乳がんマンモグラフィーは有効、しかし、40歳代では その効果は極めて小さい

包括的研究により、40-49歳のマンモグラフィー検診は乳がん死亡率減少に効果的であることが判明した。ただ、一人の生命を救うためには、1250名の女性が隔年に検診を受け続け無ければならず、6250回検診してやっと到達できる。

Hellquist BN, et al "Effectiveness of population-based service screening with mammography for women ages 40 to 49 years: Evaluation of the Swedish Mammography Screening in Young Women (SCRY) Cohort"

Cancer 2010; DOI:10.1002/cncr.25650.


研究機関において、マンモグラフィー被検介入群 730万人年に対して803名の乳癌死、対照群 880万人年に対して1238名

平均フォローアップ16年

検診参加を勧められた介入女性推定RRは0.74(95%信頼区間、0.66-0.83)、検診参加女性推定RRは0.71(95%信頼区間、0.62-0.80)





番組きっかけの乳がん検診 TBSに医師らが中止要望 2010-06-10

世の中には、公共の電波を用いて、効用の利益でなく、特定団体・特定個人の利益のためだけに、世を惑わす放送局・メディアが存在する。

by internalmedicine | 2010-09-30 16:47 | がん  

注意欠陥・多動性障害におけるヒトゲノムコピー数多型

attention-deficit hyperactivity disorder (ADHD) の、copy number variants (CNVs):ヒトゲノムコピー数多型:個人によっては一つの細胞あたりある遺伝子が一個(1コピー)しかなかったり、あるいは3個(3コピー)以上存在するといった遺伝子の数の個人差がある)のゲノムワイド研究


large (500 kbを超える) と rare ( 1% population frequency未満)のヒトゲノムコピー数多型を評価

大多数のADHDの子供はこの変異を有していないが、このcopy number variantsが、より多く、見られることは、この疾患の一部に遺伝的要素があり、この疾患が、単に行動異常疾患というだけでなく、自閉症のような神経発達的異常であることを示唆する。

これは、ADHAと遺伝子関連を直接示した初めての本格的報告という話

Rare chromosomal deletions and duplications in attention-deficit hyperactivity disorder: a genome-wide analysis
The Lancet, Early Online Publication, 30 September 2010
doi:10.1016/S0140-6736(10)61109-9Cite or Link Using DOI


ADHD366名の子供と対照1047名
large、 rare CNVsはADHD、57、対照で78
有意にADHD366名でCNVs高率(0·156 vs 0·075; p=8·9×10−5)

特にintellectual disability でCNVs高率(0·424; p=2·0×10−6)
しかし、disability のないケースでも有意に高率(0·125, p=0·0077)

chromosome 16p13.11 duplicationの過剰は、ADHD群で見られ(p=0·0008 after correction for multiple testing)、この現象はアイスランドのサンプルで再現された (p=0·031)

ADHDコホートのCNVsは有意に、自閉症 (p=0·0095) 、統合失調症(p=0·010)で報告されたlocusに多い部分でもある

by internalmedicine | 2010-09-30 10:59 | 精神・認知  

母体トランス型脂肪摂取による授乳児体脂肪増加

母体トランス型脂肪摂取による授乳児体脂肪増加

Dietary trans fatty acid intake and maternal and infant adiposity
European Journal of Clinical Nutrition European Journal of Clinical Nutrition , (8 September 2010) | doi:10.1038/ejcn.2010.166


トランス型脂肪酸4.5g/日摂取を超える場合、それ以下にくらべ2倍の新生児の体脂肪増加を示す。

母体のトランス型脂肪酸摂取がが新生児体脂肪に影響を与える。しかもその影響はその子供の将来に永続的に関わる可能性があり、人生の他の時期の摂取量より数倍も影響を与えるのではないかと考えられている。


日本ではトランス型脂肪酸の摂取量が少ないとされてきているが、ファーストフーズ好きの若い妊娠可能女性にも普遍的にいえるとおもってるのだろうか?・・・行政に再考をお願いしたい。

by internalmedicine | 2010-09-30 10:14 | 糖尿病・肥満  

慢性C型肝炎患者におけるスタチン使用

リピトールの添付文書見ると、禁忌は、いつも通り、過敏症と、”肝代謝能低下”・”妊娠・妊娠可能性”、原則禁忌は腎機能異常患者にフィブラート併用の記載がある。

以下の記述を見ると、NCEP-ATP IIIでは肝疾患そのものが禁忌となっているようだ。

C型肝炎患者は心血管リスクそのものが増加している。しかし、NCEP-ATP IIIではスタチンの安全性に関して絶対的禁忌として活動性・慢性肝疾患がリストに挙がっている。

一般住民でのスタチンの安全性に関する文献は少ない、しかし、臨床的にはC型肝炎患者でのスタチン使用者と非使用者の肝毒性の証拠やアミノトランスフェラーゼの差は報告されて名い。
安全性データの不足故、そして、薬剤代謝が重度に傷害されている以上、スタチンの進行期終末期肝障害での使用は避けなければならない。
スタチン治療は、慢性、安定期C型肝炎の患者では、心血管疾患リスクや心血管イベント既往の場合は使用可能であろう。

Use of Statins in Patients with Chronic Hepatitis C
Southern Medical Journal:October 2010 - Volume 103 - Issue 10 - pp 1018-1024



この記述では範囲外なのだろうが、非アルコール性脂肪性肝炎の時にスタチン使用できないというお馬鹿な仕様を残していることとなる・・・なんだか、メタボの時にも思ったが、NCEP-ATP IIIってお間抜け!

by internalmedicine | 2010-09-30 09:35 | 消化器  

変形性関節症:ヒト神経成長因子モノクローナル抗体 tanezumabの効果

ずいぶん高い変形節関節症の治療薬になりそうだけど・・・あとは問題は、手術療法などとの対比、功利的効果の検討などだろう。

受傷および炎症組織の神経成長因子の発現増加により、疼痛増加をもたらす。
神経成長因子結合・阻害するヒト化モノクローナル抗体 tanezumabの安全性と鎮痛効果を確認のための検討で、第三相試験

Tanezumab for the Treatment of Pain from Osteoarthritis of the Knee
N Engl. J Med. September 29, 2010 (10.1056/NEJMoa0901510)

450名の変形性膝関節症患者をプラセボと tanezumab (投与量10, 25, 50, 100, 200 μg per kilogram of body weight) ランダム割り付け、day 1、56投与

疼痛、 拘縮、 身体機能と安全性評価

1-16週平均で、ベースラインより歩行時膝痛は  tanezumab 45%~62%の平均減少 vs プラセボ 22% (P<0.001)

Tanezumabは、プラセボ比較で
・ patients' global assessment measure による改善効果:tanezumab 29-47% vs プラセボ 19%  P≤0.001

・OMERACT–OARSI criteriaによる反応率:tanezumab 74-93% vs プラセボ 44% P<0.001

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・副事象率 :tanezumab 68% vs プラセボ 55%
最も多い副事象は、頭痛 9%、上気道感染 7%、paresthesia 7%

by internalmedicine | 2010-09-30 08:54 | 運動系  

メタアナリシス: メタボリックシンドローム ± 糖尿病 に関わらず、心血管疾患リスクと関連

改めて思うが、メタボリックシンドロームって、”病気の早期発見・早期治療を目的”・”心疾患、脳血管疾患の発症が重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの予備軍”などと書かれ、日本では糖尿病の先行性病態として把握されてる。
ところが、日本外では、糖尿病の合併と独立して評価されているのが普通で、”The authors note that many experts hold the view that the reason metabolic syndrome is associated with an increase in cardiovascular risk is that most patients with the metabolic syndrome also have type 2 diabetes mellitus. ”とtheheartの解説には書かれ、糖尿病合併有無と独立して判定されていることがわかり、決して、糖尿病前状態として把握ではないのである。

メタボリックシンドロームの診断基準どころか、概念さえ、日本のメタボリックシンドロームってのは特殊なのである。

推進した医学専門家がそうおもってたのか、途中から、厚労省の役人がミスリードしていったのか・・・なぞだが、いまでもこの変な概念が、日本のメタボリックシンドロームを混乱に陥れ続けている。

外国の方の話にもどすが・・・

新しいメタアナリシスによれば、メタボリックシンドロームは、心血管アウトカム2倍、全原因死亡率1.5倍に増加させる・・・というSalvatore Mottillo (McGill University, Montreal, QC)の報告

Mottillo S, Filion KB, Genest J, et al. The metabolic syndrome and cardiovascular risk. A systematic review and meta-analysis. J Am Coll Cardiol 2010; 56:1113-1132


2001 National Cholesterol Education Program (NCEP) と
2004 revised National Cholesterol Education Program (rNCEP) 定義のメタボリックシンドローム

87研究、約95万人 (NCEP: 63 研究, 497,651 人; rNCEP: 33研究, 453,432 人)

NCEPとrNCEP定義に関して心血管リスクのバリエーション少ない。

両定義をプール化させたとき、メタボリックシンドロームは心血管疾患リスク増加と関連 (CVD) (relative risk [RR]: 2.35; 95% confidence interval [CI]: 2.02 to 2.73)
同様に、心血管疾患死亡率 (RR: 2.40; 95% CI: 1.87 to 3.08)、全原因死亡率 (RR: 1.58; 95% CI: 1.39 to 1.78)、心筋梗塞 (RR: 1.99; 95% CI: 1.61 to 2.46)、卒中 (RR: 2.27; 95% CI: 1.80 to 2.85)リスク増加と関連

メタボリックシンドローム、糖尿病なしでも、心血管疾患リスク維持されていた。


糖尿病ありなしにかかわらず、メタボリックシンドロームは、心血管リスクと関係ありますという・・・

by internalmedicine | 2010-09-29 16:40 | 動脈硬化/循環器  

ロコモと脅すだけなら転倒リスクが増える?:転倒リスク自覚増加ほど転倒増加

オーストラリアの地域サンプル研究

転倒に関して、住民個人の、転倒に対する考えが、その後の本当の転倒リスクに関わるというおもしろい報告。
多くの老人は、転倒リスクに関して、過小評価・過剰評価されている。
リスクに関する自覚と生理学的な機能とのかい離がその後の実際の転倒リスクと関連する。

老人では、客観的生理的リスクと自覚とを把握した上で、テーラー化介入すべき

Determinants of disparities between perceived and physiological risk of falling among elderly people: cohort study
BMJ 2010; 341:c4165 doi: 10.1136/bmj.c4165 (Published 20 August 2010)

多変量ロジスティック回帰分析にて、自覚的・生理的転倒リスクは両者独立して転倒予測因子となり得る。
クラス分け3分析にて、4つの群にサンプルを、vigorous(元気はつらつ群)、 anxious(不安いっぱい群)、 stoic(リスクなんて関係ないという平然とした群)、 aware(リスク自覚群)分け生理的・自覚的転倒リスクの不均等に基づく検討。
自覚的転倒リスクは、vigorous群 (144 (29%)) 、aware群 (202 (40%))では生理学的転倒リスクと一致
anxious群 (54 (11%))では、生理学的転倒リスクは低い。しかし、転倒リスク高自覚者ほど、うつ症状 (P=0.029)、神経症的人格特性 (P=0.010)と関連する。

stoic群 (100 (20%))は生理的リスクを有するが、リスク自覚は少ない、そして、転倒に対して防御的減少であり、生活においてポジティブな局面をもたらす(P=0.001)。そして、身体活動・コミュニティー参加も維持される (P=0.048)




”ロコモ症候群”と脅すだけなら・・・かれらが脅すほど実際の転倒をふやしているだけかもしれない。


「ロコモ」・・・いい加減にしてくれないか カタカナ概念 2009-03-05

骨減少老人女性の居宅規則的運動プログラム:平行・歩行機能・気分など改善、骨折減少へ 2010-09-29

by internalmedicine | 2010-09-29 10:53 | 運動系  

FDA:マウスウォッシュ(洗口液)の歯垢除去・歯肉炎予防コマーシャルに警告

FDAは、マウスウォッシュ(洗口液) メーカー3社:Johnson & Johnson、 CVS Corporation、 Walgreen Companyに警告


FDA warns three companies to stop making unproven claims on mouth rinses
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm227522.htm



これらの製品が、歯肉疾患予防や歯垢除去に役立つという誤解を生じる宣伝に対してである。


sodium fluorideは、空洞予防に対して承認しているが、プラーク除去や歯肉疾患予防としては承認しておらず、過剰宣伝の疑いがある。


FDA Says No to Mouthwash Makers' Gum Health Claims
http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/FDAGeneral/22465

リステリンに関しては連峰地裁レベルでcm差し止め判決の報道があったと思う。


こういうスポンサーサイドの不利な報道・・・日本のテレビ・ラジオは絶対に報道いたしません。
公共の電波を安く使ってるくせに、公益性を無視し続ける日本の電波メディア・・・もうちょっと電波使用料金たかくすべきだろうに・・・

by internalmedicine | 2010-09-29 09:27 | メディア問題  

虐待ネグレクト・マウスモデル:MSEW・母からの早期矯正分離で、過活動・不安行動を長期もたらす

マウスにおいて、母親から早期に離れさせると、その後、長期間の”hyperactivity and anxiety ”を増加させるという報告。

”Maternal separation with early weaning' (MSEW) model”

Maternal separation with early weaning: a novel mouse model of early life neglect
Elizabeth D George, Kelly A Bordner, Hani M Elwafi and Arthur A Simen
BMC Neuroscience (in press)
http://www.biomedcentral.com/imedia/8547662623739425_article.pdf?random=383789



このモデルは、80匹のオスマウス群で検討されたもので、虐待・ネグレクトのモデルとしても考えられる。
分子メカニズムなど不明だが、今後この種の行動学的影響の研究に利用される可能性がある。

生後day 2-5に4時間ほど母親から分離し、day 6-16で8時間離し、day 17で、完全分離する。
この処置をされたマウスは、対照マウスに比べ、矯正水泳・迷路試験で、過活動・不安を示す。
栄養に関しては観察された行動差異に影響を起こすほどの差はなかった。


結論:"MSEW is a novel paradigm with excellent face validity that allows for in depth examination of the behavioral and neurobiological effects of maternal separation"


母親のネグレクトがドパミンシグナルを変容(PLoS ONE. 2008; 3(4): e1974. をもたらす。ただ、ADHDという病態がネグレクトから生じているという確信が持てるほどの論文はないと思う。
誤解が暴走しないことを願う。・・・馬鹿な脳科学者がテレビで跋扈する現在その危惧を持つ。

だが、ネグレクト・虐待された場合の心理的機序に関して、この実験系は役立つだろう・・・というような話だと思う。

by internalmedicine | 2010-09-29 09:08 | 精神・認知  

骨減少老人女性の居宅規則的運動プログラム:平衡機能・歩行機能・気分障害など改善、骨折減少へ

自宅を中心とした規則的運動プログラムにより、バランス、歩行、機能の改善をもたらし、結果、骨折を減少させる。高齢女性で、骨粗鬆症リスクを有する人たちの、長期フィンランドの研究

Long-term Outcomes of Exercise

Follow-up of a Randomized Trial in Older Women With Osteopenia

Raija Korpelainen, PhD; Sirkka Keinänen-Kiukaanniemi, MD, PhD; Pentti Nieminen, PhD; Jorma Heikkinen, MD, PhD; Kalervo Väänänen, MD, PhD; Juha Korpelainen, MD, PhD

Arch Intern Med. 2010;170(17):1548-1556. doi:10.1001/archinternmed.2010.311


170名のosteopenia(軽度骨密度減少を定義)女性に対して、運動プログラムに従った人たちは、姿勢の動揺が少なく(P=0.005) 、有意に下肢筋力が改善 (P<0.001)した。
歩行スピード、距離、機能試験、気分などすべてが運動群で良好(P=0.02 ~ P<0.001) 。



解説記事:http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Osteoporosis/22453



グループとして集めての介入が日本では盛ん?・・・対照群をとった前向き研究がほとんど日本では見られず、結論先にありきの対照報告や症例的報告で国策が影響されまくっていることに落胆するばかり。


「ロコモ」・・・いい加減にしてくれないか カタカナ概念  2009-03-05

よくわからん、"ロコモ”という概念・・・地道な研究報告があればいいのだが、なんだか、政治的なにおいだけがする・・・

パワーリハ(ビリテーション)なんて、ほとんど、一団体に独占されている・・・これって、最初厚労省関与してたよね・・・根が深いこの”カタカナ”リハビリテーション命名利権

by internalmedicine | 2010-09-29 08:39 | 運動系