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慢性特発性便秘: 回腸胆汁酸トランスポーター A3309 治験


A Randomized Placebo-Controlled Phase IIb Trial of A3309, A Bile Acid Transporter Inhibitor, for Chronic Idiopathic Constipation
Am J Gastroenterol 2011; 106:1803–1812; doi:10.1038/ajg.2011.162; published online 24 May 2011




A3309 is a minimally absorbed ileal bile acid (BA) transporter (IBAT) inhibitor.


A3309は回腸胆汁酸トランスポーターを抑制することで胆汁酸の再摂取を調整する。これによって結腸部位に胆汁酸の濃度が高まることになり、結果として液体分泌物と結腸の運動量が増加する。これら生理学的な反応は、消化器官の他の部位に何らの影響も与えずにCICとIBS-C患者に恩恵をもたらす。
asianetnews.net/Download.asp?ID=140713

by internalmedicine | 2011-05-31 15:07 | 消化器  

"polypill" ランダム化トライアルにて、効果期待ほどでなく、副作用・中断率予想より多し

"polypill"、この治験の場合は、”aspirin 75 mg, lisinopril 10 mg, hydrochlorothiazide 12.5 mg, simvastatin 20 mg”という内容。

このトライアルのプライマリアウトカムは、イベント発生比較ではなく、12週後の収縮期血圧とLDLコレステロールの報告であるため、インパクトは低い。

”polypill"は、収縮期血圧を下げ、LDLコレステロールを下げるが、6名に一人副作用
推定より死亡率低下は軽度で、副作用率が高かった。

副作用は、介入群 58% v プラセボ群 42%、中断率は23% v 18% 、いずれもプラセボの副作用・中断率が多く、この差をどう考えるかは議論となりそう。

5年推定だと18名に一人の心血管イベント予防効果、-7.5%と推定できるそうだが、中断率を考えると微妙

PILL Collaborative Group (2011)
An International Randomised Placebo-Controlled Trial of a Four-Component Combination Pill (‘‘Polypill’’) in People with Raised Cardiovascular Risk.
PLoS ONE 6(5): e19857. doi:10.1371/journal.pone.0019857





by internalmedicine | 2011-05-31 09:12 | 動脈硬化/循環器  

米国栄養ガイドシンボル:ピラミッド型からプレート型へ

2010 米国人のための栄養ガイドラインに基づく、新たなシンボルが、ピラミッド型からプレート型に変わり、木曜日発表らしい(http://www.goupstate.com/article/20110528/ZNYT01/105283013/1026/jobs?p=1&tc=pg)

20年間健康食のシンボルとされた、”food pyramid”を捨て、"simple, plate-shape symbol"で、基本となる食品群をくさび状に分けて、半分を果物野菜でみたす。4つの色で果物、野菜、穀類、蛋白からなり、ひとにより少々変化させる。乳製品の小さい円を加える、低脂肪乳やヨーグルトカップなど。




The Food Guide Pyramid
http://kidshealth.org/kid/stay_healthy/food/pyramid.html





http://www.choosemyplate.gov/

by internalmedicine | 2011-05-31 08:52 | 糖尿病・肥満  

がん自己申告4割は誤り 

癌に限らず、聞き取り調査による”病名”は、疫学上の判断の誤りを生じることになる。

「がんにかかった」自己申告の4割は誤り-国立がん研究センター
医療介護CBニュース2011年5月27日(金)18:30
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/medical/cabrain-34374.html

国立がん研究センターはこのほど、疫学調査のアンケートで「がんにかかった」と回答した人のうち、4割が実際にはがんにかかっておらず、誤った申告をしていたとの研究結果をまとめた。

 岩手、秋田、茨城、新潟、長野、大阪、高知、長崎、沖縄各府県の10保健所地域の住民約9万3000人を対象に、2000年から04年にかけて行ったアンケートの回答とがん患者の登録症例を照合した。アンケートで「過去10年間に何らかのがんにかかった」と答えたのが2943人、実際にがんにかかり、登録されていたのは3340人だった。

 照合結果によると、「がんにかかった」と回答した人のうち、本当にがんにかかっていたのは60%。残る40%は、誤って申告していた。一方、がんにかかった人のうち、アンケートにも「かかった」と回答していたのは53%で、47%は申告していなかった。こうした自己申告とのずれについては、がんを告知されているかどうかに加え、がんであることを言いたくない、または自分はがんではないかと疑うといった心理が影響していると考えられるという。
 一方、米国やスウェーデンの調査では、がんになった人の約8割がアンケートにも正しく回答しているといい、「社会や文化、宗教などの背景の違いが関係しているのではないか」と分析している。

 同センターの研究班は、「インフォームド・コンセントが普及してきた最近においても、がん罹患を自己申告から正確に把握するのは難しいことが判明した」と指摘。さらに、「自己申告のデータによる研究では、信頼性の高い結果を得ることができない」とし、がんをはじめとする生活習慣病の実態把握や予防法解明のためには、法的に整備された疾病登録が必要だとしている。

 詳しくは、多目的コホート研究のホームページで。


現在までの成果 がんの自己申告の正確さについて
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2716.html

がんの自己申告の正確さは高くない

これらの結果を照合した結果、何らかのがんにかかった人全体のうち、アンケート調査でも「がん」にかかったと自己申告していた人は、53%でした。また、「がん」にかかったと自己申告していた人のうち、本当にがんにかかっていた人は60%でした。これを言い換えれば、47%の人はがんにかかってもそれを知らないか言いたくないなど、何らかの理由で「がん」にかかったことを自己申告しない、また、40%の人はがんではなかったのに「がん」にかかったと誤って申告したことになります。

がんについては、予後の良悪に伴う告知の状況などの違いにより、かかったかどうかを自己申告する割合が異なってきます。本調査では、何らかのがんにかかった人全体のうち、アンケート調査でも「がん」にかかったと自己申告していた人の割合及び「がん」にかかったと自己申告していた人のうち、本当にがんにかかっていた人の割合はそれぞれ、胃がんで62%と52%、大腸がんで38%と47%、肺がんで57%と46%、肝がんで42%と31%、乳がんで82%と58%、子宮がんで59%と22%でした。この結果から、部位によって異なるにしても、自己申告によってがんにかかったことを正確に把握するのは、比較的最近においても難しいことが判明しました。
がんの自己申告の正確さは、欧米の同様の調査からも報告されていますが、米国やスウェーデンではがんになった人の8割程度が自己申告によってがんになったと回答しています。その正確さの日本との差は、アジアにある日本の社会や文化、宗教などの背景が欧米と異なることにより起こってきていると考えられます。


この研究結果からわかること

多目的コホート研究では、がんや脳卒中、心筋梗塞について、保健所を通して、病院や主治医の先生方のご協力を得ながら可能な限り正確な情報を収集するように努めています。そして、5年後や10年後に実施したアンケートの結果だけで対象者の方が病気に罹ったかどうかを判断するという方法はとっていません。もし仮に、アンケート調査による自己申告のデータを採用して研究を行ったならば、がんにかかった人の約5割は見落とされ、しかも「がん」にかかったと申告した人のうち4割は、実際にはかかっていなかったという状況で結果を分析していたことになります。これでは、原因とがんなどの疾病との関連について、信頼性の高い結果を得ることができません。
がんなど生活習慣病の予防法の解明や実態の把握のためには、法的に整備された疾病登録が望まれます。また、研究を行う際には、病気にかかったかどうかの情報の収集は自己申告に頼ることなく、綿密に計画された疾病登録を行うことが必要です。そうしないと、正確な研究成果を得るのは困難です。




by internalmedicine | 2011-05-30 10:06 | がん  

心筋梗塞後患者に対するBerlin Questionnaire (BQ)は睡眠呼吸障害スクリーニングになり得るか?

Diagnostic Accuracy of the Berlin Questionnaire in Detecting Sleep Disordered Breathing in Patients with a Recent Myocardial Infarction
chest.10-2625 CHEST May 2011 102625


様々な住民のSleep disordered breathing(SDB)高リスク患者を見つけるために使われているが、心筋梗塞後患者での有効性は確認されてなかった。
99名の患者で65%、65名で、高リスクとされ、overnight PSGにて 73%、73名SDBと診断

感度、特異度は 0.68、0.34で、PPV 0.68、NPV 0.50
尤度は陽性1.27、陰性 0.68

ある程度の感度はあるが特異性が低く、理想的とは言えない


見逃し3割・・・しないよりはましの気がするが・・・やはり簡易スクリーニングが無難と思われる。

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by internalmedicine | 2011-05-30 08:57 | 動脈硬化/循環器  

非侵襲的人工呼吸デバイス:トータル・フェイスマスクと標準的口鼻マスクは同等の使用しやすさ、効果

非侵襲的人工呼吸時の、total face mask (TFM)とstandard oronasal mask (ONM) は同等の、”つかいやすさ感”、同等の使用時間。早期非侵襲的人工呼吸中断率、バイタルサイン、ガス交換、挿管、死亡率も同等。

Evaluation of the Total Face Mask for Noninvasive Ventilation to Treat Acute Respiratory Failure
Chest May 2011 139:5 1034-1041

by internalmedicine | 2011-05-30 08:26 | 呼吸器系  

超悪玉コレステロール : ”MGmin-LDL”

”超悪玉LDL”= ”small dense、ねばねばLDL” ="MGmin-LDL"

Glycation of LDL by Methylglyoxal Increases Arterial Atherogenicity
A Possible Contributor to Increased Risk of Cardiovascular Disease in Diabetes
Published online before print May 26, 2011, doi: 10.2337/db11-0085 Diabetes May 26, 2011

”MGmin-LDL”:modification of LDL by methylglyoxal (MG)は、”potent arginine-directed glycating agent”として働く
LDLのメチルグリオキサールは、(メイラード反応を介してAGEsを増加させ)動脈硬化を増加させる、small, denseなLDLを形成し、動脈硬化LDLの新しいルートとして、糖尿病の心血管系リスクや、メトホルミンの心血管防御作用の説明要素となりえる。



メチルグリオキサールとグリコールアルデヒドによるLDL糖化
Glycation of low-density lipoproteins by methylglyoxal and glycolaldehyde gives rise to the in vitro formation of lipid-laden cells.
Diabetologia. 2005 Feb;48(2):361-9. Epub 2005 Jan 20.



解説: 'Ultrabad' cholesterol identified
Friday 27th May 2011
http://www.nursinginpractice.com/article/25662/%27Ultrabad%27_cholesterol_identified

メトホルミンは、この"normal"LDLからMGmin-LDLへのtransformation阻害効果があるとのこと。


Super-Sticky 'Ultra-Bad' Cholesterol Revealed in People at High Risk of Heart Disease ScienceDaily (May 26, 2011)

British Heart Foundation (BHF)資金により、MGmin-low-density lipoprotein (LDL)が2型糖尿病や老人で多く検出され、"正常LDL"より、より"sticky"で、血管壁プラークに接着しやすく、冠動脈性心疾患原因となる危険な脂肪プラーク形成を促進することが分かった。
研究室でのヒトMGmin-LDL合成による発見であり、これは特徴的な物質であり、他の重要な生体内分子との相互作用としても重要である。
"正常LDL"に糖鎖をくっつけて作られるもので、いわゆる糖化であり、LDLをより小さく、密度が高い。形状の変化をもたらし、LDL表面の新しい領域が糖からさらされ、結果的に、粘っこくなり、脂肪性プラーク形成を促進し、血管狭窄、そして、血流阻害を生じ、破裂をもたらし、心発作・卒中のトリガーになる
メトホルミンがなぜ2型糖尿病で心血管疾患リスクを減少させるかの説明にもなり、すなわち、メトホルミンは血糖後作用以外にこの"ねばねば"MGmin-LDLへの変換阻害作用を有する。




糖尿病により血糖が増加すると、ぶどう糖の自動酸化、蛋白質のアミノ基との共有結合形式を介して、グリオキサール、メチルグリオキサール(MG)、3-デオキシグルコソンが生成する。糖尿病患者では、これら時カルボニル化合物の血中濃度の上昇が認められている。これらの化合物は、グルコースと比較して反応性が高く、メイラード反応を介して終末糖化産物 AGEs(advanced glycation end-products)の形成を促進する。このことが、糖尿病の網膜症、神経症(神経障害が正しいと思う)、腎症などのいわゆる三大合併症に結びつくことが考えられている。(http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/128_10/pdf/1443.pdf)


AGEsは、糖と蛋白質が非酵素的に結合する糖化(メイラード反応)により生成されます。糖化(メイラード反応)は、糖とアミノ酸の酵素を介さない反応で、その反応は2段階で起こると考えられています。

先ず、糖のアルデヒド基とタンパク質のアミノ基が結合し、可逆的なシッフ塩基が形成されます。シッフ塩基はアマドリ転位によって安定なアマドリ化合物になります。ここまでを初期反応と呼びます。後期反応ではアマドリ化合物に脱水、縮合、酸化、転位などの複雑な多数の反応によって3-デオキシグルコソン(3DG)、メチルグリオキサールなど反応性の高いジカルボニル化合物を産生します。さらに多数の反応経路を経て、不可逆的な最終産物であるAGEsが生成します。

AGEsは糖化(メイラード反応)による最終生成物の総称で、その生成過程の性質から単一なものではなく多様なものであると考えられており、その同定が進行中です。今までに提唱され、比較的研究が進んでいるものとしてカルボキシメチルリジン(CML)、ペントシジン、ピラリンなどが同定されています。


(転記:http://ebn.arkray.co.jp/disciplines/anti-aging/glycation-01/)


"small dense LDL"(SLDL):小粒子LDLプロファイル(Small,Dense LDL Profile)って、”HD発症リスク低下を目的とした減量指導、あるいは薬物療法における効果判定、コンプライアンスの確認にも有用”といううたい文句だが、臨床の場であまり計測する機会はなかったと思う。”血清中のLDLが主に正常粒子径のもので構成される場合を表現型type A、小粒子LDL優位の場合をtype Bとすると、type Bはtype Aに比べCHDの発症頻度が約3倍高いことが報告されている。また、血清LDLが100mg/dLを超える群ではCHD発症の相対危険度が4~7倍高まるという”こと(転記:http://www.medience.co.jp/research/01_01.html)が伝えられてきた。”SLDL=MGmin-LDL"なのかどうか、また、今後のマーカーとしてあるいは治療ターゲットとしての見通しなど解説が待たれる。


メトホルミンってやっぱり良い薬剤だ! 日本の糖尿病の医者って数年前までいったい何をやってたんだろうか?

by internalmedicine | 2011-05-28 09:33 | 動脈硬化/循環器  

3-5歳時点の睡眠不足は、7歳時点の過体重と関連する

こどもの睡眠不足は過体重リスク増加をもたらす
その体重増加は脂肪蓄積そのものであり、脂肪以外の成分の増加を伴わないものである

Longitudinal analysis of sleep in relation to BMI and body fat in children: the FLAME study
BMJ 2011; 342:d2712 


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多くの共役要素補正後、3-5歳時点の睡眠時間付加は、7歳時点の BMI 0.48 (95% 信頼区間 0.01 ~ 0.96) 減少、過体重(BMI 85パーセンタイル以上)を 0.39  (0.24 ~ 0.63)と関連
さらに3歳時点のBMI補正にてこの関連は増強される

で、このBMIの差は、脂肪外成分指数 (−0.21, −0.41 ~ −0.00).より脂肪量指数の差により説明出来る   (−0.43, −0.82 ~−0.03)


子供を睡眠不足にしないよう、注意しましょう。

by internalmedicine | 2011-05-28 08:53 | 糖尿病・肥満  

米国: 仕事上の運動量低下 以前の100カロリー以上 → 肥満・糖尿病などへのリスク懸念

米国において、50年、日々の職業関連エネルギー消費量は100カロリーを越えるほど、低下している。この減少は、米国男女の体重増加などに影響を与えているかもしれない・・・という話

Trends over 5 Decades in U.S. Occupation-Related Physical Activity and Their Associations with Obesity
Church TS, Thomas DM, Tudor-Locke C, Katzmarzyk PT, Earnest CP, et al.
PLoS ONE 6(5): e19657. doi:10.1371/journal.pone.0019657


米国でも、農業・製造業が少なくなり、サービス業が多くなっている




軽労作(2.0-2.9 METS)程度からほぼ動かない労作(<2 METS)の就業者増加し、中等度労作は激減

by internalmedicine | 2011-05-27 14:49 | 糖尿病・肥満  

HDLターゲット治療への疑念再燃: AIM-HIGHトライアル効果認めず中止

32ヶ月フォローアップの時点で、心血管イベント減少示せず、AIM-HIGH トライアル中断・中止

緊急ニュース扱い:http://www.theheart.org/article/1231453.do


徐放ナイアシンをスタチンに加える治療により、フォローアップ 32ヶ月時点で、心血管イベント減少示せず、NIHが早期中断・中止を勧めた。
HDLターゲット・アプローチはACCORDでも、フィブラート系薬剤add-onによる明確なイベント抑制効果を示せていない。


この一連の結果が、HDLターゲット治療無効の話に発展するかどうか?



HDLさんが、「人様(物質)を勝手に善玉扱いしやがって、ヒト(物質)にはいろんな面があるだよ」と主張してるような気もする・・・

最も、「外人さんは、ナイアシンなんてよく飲めるよなぁ」というほど、ラッシュなどの不具合あるから、アドヒアランス確認されてるんだろうか?

by internalmedicine | 2011-05-27 11:13 | 動脈硬化/循環器