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Restless abdomen: むずむず腹症候群 3例

Restless abdomen
A phenotypic variant of restless legs syndrome
Neurology September 27, 2011 vol. 77 no. 13 1283-1286

日本語訳見いだせないが”むずむず腹症候群”?

”Unpleasant abdominal symptoms emerged at night during periods of rest and were accompanied by an urge to move and temporized by movement”

”不快な腹部症状が、静止状態の夜間現れ、動きまわったり、一時的に体を動かすことで不快感を軽くしようとする”状態

3名の症例報告

・腹部症状により、入眠時、睡眠維持異常を伴う腹部症状を伴う。
・腹部画像検査は正常
・睡眠時周期性四肢運動 periodic leg movements of sleep (PLMS)、D2-D3ドパミンアゴニスト pramipexole (商品名:ビ・シフロール)による劇的な症状改善が見られるなどの所見がある
・2名は貧血
・一人は通常のRLS,処方量増加後改善
・BTBD9遺伝子の最頻RLS/PLMS関連リスクalleleのhomozygousであった



RLSは比較的遭遇するがこちらは遭遇したことない・・・RLSと思われるとき腹部症状問診も、また、腹部症状の時にこういう”所在無き症状”を訴えるならこの病気も考える必要があるのかもしれない。

by internalmedicine | 2011-09-30 14:53 | 中枢神経  

韓国:短時間差動型ニフェジピンと卒中リスク

韓国では、短時間作動ニフェジピンは高齢者高血圧で処方されてるとのこと、心血管イベントへ悪影響は警告はされている。
16069名の卒中患者:平均年齢(±SD) 68.3±2.1歳、うち女性 8573(53.8%)を検討
一度でも短時間作動ニフェジピン処方されたケースは1.9%、301患者
7日以内の短時間作動ニフェジピン処方と卒中リスクは増加(補正OR 2.56;95% CI 1.96-3.37)
7日以内の新規処方ではOR 4.17(95%CI  2.93-5.93)


Short-acting nifedipine and risk of stroke in elderly hypertensive patients
Neurology September 27, 2011 vol. 77 no. 13 1229-1234


ニフェジピン、商品名アダラートの発売 1976年10月12日


ニフェジピン舌下投与禁止の流れ:

http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/030410html/index_3.html

by internalmedicine | 2011-09-30 14:40 | 中枢神経  

1日15分運動を付加するだけでも運動しないよりは寿命のばす ・・・ さらに多い方が良いが・・・

レジャー時間身体活動性の健康上のベネフィットはよく知られているが、推奨150分運動より少ない運動で寿命延長効果認められるか不明であった。
約42万人の台湾での標準検診プログラム参加者データの前向きコホート研究で、自問アンケートで週毎の運動量評価し、5カテゴリー分類し死亡リスクを各群で比較

Minimum amount of physical activity for reduced mortality and extended life expectancy: a prospective cohort study
The Lancet, Volume 378, Issue 9798, Pages 1244 - 1253, 1 October 2011

運動強度は、light (eg, walking)、 moderate (eg, brisk walking)、 medium-vigorous (eg, jogging)、 high-vigorous (eg, running)に分類

無運動群に比較して、低運動群である週92(95% CI 71-112)分平均、一日15分(SD 1.8)は14%の全原因死亡率減少をもたらす (0.86, 0.81—0.91)、これは寿命3年分に相当する。

さらに15分追加すると4% (95% CI 2.5—7.0)ほど全原因死亡率減少し、全癌死亡率は1%(0.3—4.5)減少する

このベネフィットは、全年齢群、両性別ともに共通し、心血管疾患リスクと関連する。

低運動量に比較して無運動群は17%(HR 1.17, 95% CI 1.10—1.24ほど死亡率リスク増加する


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無運動群に比較した運動量と死亡率
Bar: 95% CIs



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日々運動量と全原因死亡率


1日15分、週90分でもベネフィットを認めるという結論



by internalmedicine | 2011-09-30 10:28 | 運動系  

NVA237(ノバルティス)、aclidinium bromide、スピリーバ

NVA237(ノバルティス)が、スピリーバのライバルとしてはより有望か?

Novartis' Respiratory Ambitions Are On Track
September 28, 2011
http://seekingalpha.com/article/296398-novartis-respiratory-ambitions-are-on-track

Spirivaは、急性悪化減少効果が示され、処方箋ラベルに記載が許されている。
差し止め訴訟によりトライアル比較が禁止されたが、Glow 1データは大きなインパクトを有する者であった。
より長期のGlow2研究は、1年を越えて行われ、スピリーバのopen labelとの比較でより意味をもつ比較となるだろう。スピリーバに完全に打ち勝てなかった肺機能改善効果のため、、残り1年のデータが重要となるだろう。12週時点での108ml増加効果というのは意味を持つこととなるだろう。ただし、スピリーバもpIIIトライアルの一つには140mL増加がある。
NVA237は急性増悪・耐用性評価において優越性が示されて初めてNVA237に対抗できるだろう



ATTAIN Phase III study : 2011年9月27日アムステルダムでのERS年次講演会での報告

aclidinium bromide 200、400μg×2投与にてFEV1測定気道閉塞の有意な改善を示した

中等度から重度COPD患者828名の6ヶ月継続研究で、公表は今回が初

24時間症状改善
・Transitional Dyspnoea Index (TDI)
・EXAcerbations of Chronic Pulmonary Disease Tool (EXACT)
評価で効果あり

QOL測定
・St George’s Respiratory Questionnaire (SGRQ)
・EuroQuol questionnaire (EQ-5D)

Aclidinium bromide 400 μg はまた、24週目でプラシーボに比べ有意に EQ-5D (weighted index and VAS score)改善。

1日1回用法の治験の効果は結局認められなかった?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/82885.php

1日1回投与の"NVA237"のGLOW2試験のほうが注目行くだろうが・・・

by internalmedicine | 2011-09-30 09:54 | 呼吸器系  

FDA初承認 小児用空気感染予防マスク

Kimberly-Clark Pediatric/Child Face Mask

5-12歳用で、成人と異なり無理矢理呼吸させるのを納得させられない。
院内使用・医療施設使用用にデザインされたもので、子供特有な構造・成長に合わせ製造されているという。

FDAで気流やマスクのフィルター効果を確認

ただ、息切れ、胸痛、胸部圧迫感、下部肋間腔陥凹、意識混濁などでは使用してはならない。

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm273491.htm



製造会社のQ&A
http://www.kchealthcare.com/productpromosite/disney/www/Index.asp?action=FAQs&id=3408

by internalmedicine | 2011-09-30 09:09 | 感染症  

たばこ会社は40年にわたりポロニウム210内部被爆を隠避という報道

たばこ会社は、たばこにポロニウム-210という放射性物質を含有することを知っていたが、40年ほど公表しかなったという・・・報道

”the levels of radiation in cigarettes would account for up to 138 deaths for every 1,000 smokers over a period of 25 years. ”

それは、その間の喫煙者1000名あたり138名もの死亡数に相当するとのこと。

By CARRIE GANN, ABC News Medical Unit Sept. 29, 2011
http://abcnews.go.com/Health/tobacco-companies-hid-evidence-radiation-cigarettes-decades/story?id=14635963


WHO:lonium-210: basic facts and questions
http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/polonium210/en/index.html

α崩壊、ラジウムの5000倍の強力な放射性を有する
半減期は138日
内部被爆にて相当なダメージ、細胞死をもたらす

原子力技術研究所 放射線安全研究センター
ポロニウム210に関する情報
http://www.denken.or.jp/jp/ldrc/study/topics/20061212.html
10Poの毒性について


ポロニウムは、骨親和性を示す他のα核種とは異なり、多くの軟組織に蓄積するという挙動を示します。したがって、「決定器官」は全身とされ、特別の「標的器官」はありません。


ポロニウムの毒性を示す実験例として、ラットに1.45 MBq/kg(体重)を静脈注射すると、14-44日の間に全数死亡したとする、亜急性の致死に関する報告があります。この1.45MBq/kg(体重)を、比放射能166TBq/gを用いて質量に換算すると、8.7 ng(210Po静脈注射投与量)/kg(体重)で全数が死亡したことになります。これはラットにおける結果ですので単純な比較はできませんが、成人男性の体重70kgあたりとして仮に換算すると、610ngあれば亜急性の死をもたらす可能性があるということになります。


化学的には、ビスマスやテルルなど一般の重金属と同様の毒性を持つと考えられますが、比放射能が非常に高いため、考慮する必要がないと考えられます(比放射能がポロニウムの1/10万程度であるプルトニウムにおいても、放射性毒性が化学的毒性を数万倍も上回るとされています)。


What is polonium-210?
BBC Last Updated: Friday, 8 December 2006


”劣化ウラン弾”と違い、そのものの毒性より被爆の害の方が大きい。

by internalmedicine | 2011-09-30 08:53 | 喫煙禁煙  

喘息:吸入ステロイド治療不応性関連遺伝子

ステロイドの反応性の家族集積性・遺伝的傾向が報告されてきており、遺伝子ベースの検討が進んできている。

候補遺伝子として、肥満やアルツハイマー関連の新しい領域との関連なども新しい話題。Childhood Asthma Management Program (CAMP)研究を使った家族ベースのスクリーニングアルゴリズムを用い検討。

機能的glucocorticoid-induced transcript 1 gene (GLCCI1)のgenotypeと吸入ステロイド反応性の比較したもの。

GLCI1変異遺伝子2つを有する場合、通常の遺伝子に比べ、ICS不応性の可能性が2倍を超える影響。

Genomewide Association between GLCCI1 and Response to Glucocorticoid Therapy in Asthma
Kelan G. Tantisira et. al.
N Engl J Med 2011; 365:1173-1183September 29, 2011


GLCCI1 rs37972 のgenotypeと、吸入ステロイド治療FEV1の変化相関
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53万超のSNPマーカーの検討で、13SNPsを同定し、functional rs37973は complete linkage disequilibrium (i.e., perfectly correlated) を示し、GLCI1発現をdown-regulateし、内因性ステロイドに補完的影響を与え、B細胞系のglucocorticoid-induced GLCCI1 expressionは吸入ステロイドの反応と強く関連する。

by internalmedicine | 2011-09-29 16:24 | 呼吸器系  

ビタミンB12:認知機能、脳MRI所見へ複雑に関与

ビタミンB12欠乏は発展途上国ではよく見られる栄養不足。老人では萎縮性胃炎に伴うなどで認める。
Chicago Health and Aging Project (CHAP)で行われた121名の高齢者(65歳超)で、ビタミンB12及びビタミンB12関連マーカーを測定。
血中総ビタミンB12は真のB12の保存分を反映しておらず、holo TC、メチルマロン酸(MMA)、ホモシステインがより高感度テストである。ホモシステイン 1mmol/L増加毎に認知機能は0.03 standard unit減少。


Vitamin B12, cognition, and brain MRI measures: A cross-sectional examination
Neurology September 27, 2011 77:1276-1282

ビタミンB12欠乏のマーカーであるメチルマロン酸は、脳の容積減少に伴う認知に関連する
一方、ビタミンB12欠乏に非特異的なホモシステインの認知機能パフォーマンスへの影響は、白質高密度増加、脳梗塞増加に関連している。ビタミンB12状態は多メカニズムを通して脳に影響を与える。

by internalmedicine | 2011-09-29 14:46 | ビタミン  

ACCORD MIND: 強化治療の方が総脳容積保たれるが・・・機能的には差はない 

ACCORD studyにおけるMemory in Diabetes (MIND) study

認知機能のプライマリアウトカムとして、Digit Symbol Substitution Test (DSST) score
構造的プライマリアウトカムとして、total brain volume (TBV)
ベースラインと20、40ヶ月時点で測定

強化治療の方が総脳容積が標準治療より大きく好ましい結果になったが、死亡率増加のため推奨は現時点では出来ない。

Effects of intensive glucose lowering on brain structure and function in people with type 2 diabetes (ACCORD MIND): a randomised open-label substudy
The Lancet Neurology, Early Online Publication, 28 September 2011
doi:10.1016/S1474-4422(11)70188-0Cite or Link Using DOI


認知機能解析では、20-ヶ月、40-ヶ月のDSSTスコアでは、強化治療 1378、標準治療1416
ベースラインMRI614名のうち、230名が強化治療、273名が標準治療に割り付け、MRI解析では40ヶ月時点で行われた。

平均40-ヶ月DSSTスコアは有意差無し(difference in mean 0·32, 95% CI −0·28 to 0·91; p=0·2997)

強化治療群は標準治療群より平均TBVが大きい(4·62, 2·0 to 7·3; p=0·0007)

by internalmedicine | 2011-09-29 11:25 | 糖尿病・肥満  

STarT Back trial:リスクによる層別化腰背部痛管理は症状改善、コスト節約的に有効

Keele STarT Back Screening Tool (http://www.keele.ac.uk/sbst/)を用いた層別化



Comparison of stratified primary care management for low back pain with current best practice (STarT Back): a randomised controlled trial
The Lancet, Early Online Publication, 29 September 2011
doi:10.1016/S0140-6736(11)60937-9Cite or Link Using DOI



【背景】腰痛は全世界中でプライマリ・ケアの問題である。
検討されてない一つのモデルが、患者予後を低、中等度、高リスクに分けて行う層別化マネージメントであり、今回の報告は臨床的有効性・コスト効果を戦略的プライマリ・ケア(介入)、対照として非層別化現行最善治療を用いて比較する
【方法】1573成人(18歳以上)背部痛(根性異常の有無を問わない)
英国の10名のGP受診し評価クリニック受診を勧め、コンピュータ作成ランダム割り付けで、2:1に介入群と対照群に割り付け
プライマリアウトカムは、12ヶ月時点での Roland Morris Disability Questionnaire (RMDQ) スコアでの治療効果
経済評価は、漸増的QALYs、背部痛関連医療コスト
ITT解析
【所見】介入群(n=568)、対照群(n=283)の851名割り付け

全体的には、RMDQスコアの補正平均変化は、4ヶ月後有意に介入群が対照群に比べ高い (4·7 [SD 5·9] vs 3·0 [5·9], between-group difference 1·81 [95% CI 1·06—2·57])、さらに12ヶ月後  (4·3 [6·4] vs 3·3 [6·2], 1·06 [0·25—1·86])、それぞれeffect sizeは 0·32 (0·19—0·45) 、0·19 (0·04—0·33)
12ヶ月時点で、層別化ケア

層別化ケアは全般的健康ベネフィット平均的増加と関連 (0·039 additional QALYs) し、コスト節約的(£240·01 vs £274·40) であった。
【結論】 この結果、層別的アプローチは、マッチ化による予後スクリーニングを用いると、プライマリ・ケアの将来のマネージメントとして重要な意味合いを有する。


日本でも、何かと腰背部痛ケアが問題になっているが、国全体で、戦略的なアプローチを考えるべき時期なのではないかなぁ・・・

by internalmedicine | 2011-09-29 11:13 | 運動系