内科レジデント:カルテなど記載に要する時間が2/3を占める

臨床記載とクラーク的デューティーが内科レジデントの大事な仕事。2/3のレジデントが入院患者診察で4時間以上の超過時間を(カルテなどの)記載で時間を消費してしまう。実質の患者との接触時間は38.9%に過ぎない。
レジデント、プログラムディレクター(PD)の大多数は、レジデント記載のフィードバックは、時間で50%未満と思い込んでいる。


Perceived time spent daily on patient care documentation (n = 15 889) and face-to-face contact with patients (n = 15 417) by internal medicine residents on inpatient services.



Time Spent on Clinical Documentation
A Survey of Internal Medicine Residents and Program Directors
Amy S. Oxentenko, MD; Colin P. West, MD, PhD; Carol Popkave, MA; Steven E. Weinberger, MD; Joseph C. Kolars, MD
Arch Intern Med. 2010;170(4):377-380.

臨床記載と事務的デューティーが内科レジデントで重要な仕事内容となっている。故に、内科レジデントの、文書記載と直接患者ケアに関わる時間を包括的に把握しようと試みたもので、患者関連の記述のフィードバックの自覚回数と重要性に関しても調査。

2006 US Internal Medicine In-Training Examinationで、内科ローテーション中のレジデントの自発完遂調査で、直接患者接触する平均時間数と、クラーク的仕事に関する質問調査。
レジデントとプログラムディレクターに、施設traineeの専門科目毎の患者関連記載内容のフィードバックの頻度と重要性について 調査した。

16402名(85.9%)の被訓練者と、235(61.7%)のPDsで調査完遂
記載に1日4時間の超過時間を費やすレジデントが67.9%で、直接患者接触に費やす時間は、わずか38.9%。
レジデント(56.5%)とプログラム・ディレクター(63.0%)の多くは、記載に関するフィードバックは50%未満であると信じ込んでいる。
プログラム・ディレクターは記載のフィードバック閲覧を最重要とレジデントより考えている (73.2% vs 58.6%; P < .001)



行政は、”電子カルテ”と”レセプト電子化”を混同させて、ミスリードさせているのだが、真の診療補助的な電子化が欲しい。中途半端なオーダリングシステムを電子化として、使いにくく、診療の邪魔でしか無い不実などのシステムは時に邪魔でしか無い。

ところで、カルテ記載時間がまるで無駄・無益のように捉えられたら困ると思う。カルテ記載しながら、経過や検査結果の整理などが行われるわけで、重要な診療構成の一つ。

この論文ちょっと・・・変

by internalmedicine | 2010-02-23 10:46 | 医療一般  

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