前向きコホート:ロサルタン+HCTZ有無比較:メタボリックシンドローム高血圧患者比較

メタボリック・シンドロームを有する高血圧患者で、”ARB+HCTZ vs ARB-HCTZ”の、血糖要素、糖尿病発症リスクへの影響を52週多施設前向き、p-IVオープンラベルコホート研究でみたもの


A 52-week prospective, cohort study of the effects of losartan with or without hydrochlorothiazide (HCTZ) in hypertensive patients with metabolic syndrome
Journal of Human Hypertension advance online publication 11 February 2010; doi: 10.1038/jhh.2010.3


1897名の研究被験者のうち、1714がクライテリアを満たす
52週治療期間中、空腹時血糖(FBG)とHbA1cは有意に変化なし
収縮期血圧、拡張期血圧は臨床的に意義ある、統計的に有意な差を認めた
SBP 16.95 mmHg(P=0.001)
DBP 9.84 mmHg(P=0.001)

77.3%が目標血圧<140/90到達



ARB+HCTZで、血糖・HbA1cに影響を与えなかったという報告らしいが、1年はあまりに短すぎるのでは?

"Thiazide-Induced Dysglycemia"(Hypertension. 2008;52:30.)

2つの仮説







傍証としては、サイアザイド系利尿剤擬似的病態から、耐糖能異常の可能性が少ないことが類推差れている。
Thiazide Effects and Adverse Effects(Hypertension. 2009;54:196.)

Gitelman syndrome (GS)の血管拡張作用の存在により、サイアザイド性の血管拡張作用が全身雄autoregulationに、腎機能を通しての調整が関わるという可能性が、薬剤直接作用の可能性はありながらも、議論された。GS患者の高血糖が無いことは、NCC( Na-Cl cotransporter )の影響に無縁に、サイアザイド治療期間耐糖能が存在する可能性がある。
一方、サイアザイドは、ラットでは投与後構造変化を認め、種特異的で、尿細管に限局した作用で、ヒトでは作用がヒトではない可能性がある。

by internalmedicine | 2010-02-23 14:20 | 動脈硬化/循環器  

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