米国:医師定数議論:医師労働時間の推移
2010年 02月 24日
現行・将来の医師数について、アメリカの医師のworkforceに関する多くのリサーチと政策debateがなされている。しかし、医師の労働時間数の変化、医師workforce needsの予測への影響についてはあまり知られてない。 US Census Bureau Current Population Survey (1976-2008)からのデータ解析にて、Staigerらは、1996から2008年の週ごとの医師労働時間数の確実な減少があることを示している。
これは、一時的、地理的な医師のfeeの低下と相関していた。
Trends in the Work Hours of Physicians in the United States
Douglas O. Staiger, PhD; David I. Auerbach, PhD; Peter I. Buerhaus, PhD, RN
JAMA. 2010;303(8):747-753.
Mean Self-reported Hours Worked per Week by Physicians Between 1977 and 2007
インフレーション補正医師報酬
日本の医師需要数などの議論は、後顧的、犯人捜しになってしまいそれで終わってしまうことが多い。前向きの議論が行われず、財政至上でめさきの診療報酬体系のちょっといじっておしまい。
そもそも、死者さえ医師数としてカウントしている厚労省(参考)がまともに、医師の労働実態を把握しているとは思えない。泊まり込み当たり前の昔の労働形態が現状で以前より是正され、また、医学部学生の男女比が狭まり、一人あたりの労働時間数は日本でも減少しているはず。労働条件として最悪の伝統である”主治医制”により隠れ労働が存在している。就労時間外の休日・夜間でも呼び出しがかかり、完全なオフ・タイムが確保できない医師たちが多いのである。一人科長という立場におかされている医師たちは実質労働365日というのも少なくない。日本の医師必要数議論の場合、まず、客観的な医師の籠城状況の現状把握がなされるべき。
何事にも、拙速さの目立つ民主党・・・乱暴に医学部新設すると、将来に禍根を残すことになるだろう。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26489.html
医学部新設と急激な定員増は慎重に―医学部長病院長会議
全国医学部長病院長会議(会長=小川彰・岩手医科大学長)はこのほど、医学部の新設と急激な定員増に慎重な対応を求める要望書を鳩山由紀夫首相らにあてて提出した。臨床教員が不足している現状で、地域医療の中核を担う 30-40歳代の病院勤務医が教員になれば、医療崩壊に拍車を掛けるとして、新たに医学部を増設することは「百害あって一利なし」と訴えている。
日本政府・マスコミ、国民各位は、今、プライマリケア医を超軽視しているが、周回遅れで、開業医たたきを続けていると、いずれ、日本も、プライマリケア医不足にあえぐこととなるだろう。
最後は人手だよ・・・二階さん、桝添さん・・・そんなこともしらないで大臣やってんの? 2008-11-11
医師数がふえても患者満足度は変わらない? 2008-04-17
by internalmedicine | 2010-02-24 09:34 | 医療一般