ICU選択的消化管・口腔咽頭除菌は耐性菌増加
2010年 02月 26日
選択的消化管除菌(Selective digestive tract decontamination(SDD))
選択的口腔咽頭除菌(Selective oropharyngeal decontamination (SOD))
一時期、積極的になされ、それ以降、下火になったが、再び 2004年頃議論されてきた、この予防策
通常これら薬剤のペーストの口腔内塗布も併用される。従来,SDDはICU入室患者における感染症発症率を有意に減少させるが,死亡率は低下させないというのが定説であった。また,予防的抗菌薬使用による耐性菌誘導という問題点があった。しかし,最近のRCTやメタ・アナリシスにより,SDDを抗菌薬の全身投与と併用することにより,感染症発症率のみでなくICU死亡率を有意に低下させることが報告された(Chochrane Library, Issue 2, 2004)。
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0521.htm
再び、耐性菌増加という問題で・・・問題視へ
Decontamination of the Digestive Tract and Oropharynx in ICU Patients
N Engl. J Med. Vol. 360:(1) 20-31 Jan. 1, 2009の続報に相当
Ecological Effects of Selective Decontamination on Resistant Gram-negative Bacterial Colonization
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 181: 452-457. First published online December 3 2009
SDD中、ceftazidime、tobramycin、ciprofloxacinに対するGNB耐性平均比率は5、7、7%
介入後、15、13、13% (P < 0.05)
SDD/SOD中は、呼吸器系の耐性頻度は6%を超えないが、次第に増加 (for ceftazidime; P < 0.05 for trend) し、3種で10%のレベルに達する (P < 0.05)。
SDD regimen はde Jonge らの方法(Lancet 2003;361:2068-2077)に従い、口腔咽頭への6時間ごとペースト( 2%濃度の、それぞれ polymyxin E, tobramycin and amphotericin B)と100mgポリミキシンE+トブラマイシン80mg+アンフォテリシンB500mg含有液を10ml経鼻胃管経由で投与
SOD はSDDと同じペーストを口腔咽頭に用い、気管内・口腔咽頭ぬぐい液を入院時、週2回その後採取
ref. ICU患者の消化器系・口腔咽頭除菌効果 2009-01-02
by internalmedicine | 2010-02-26 15:03 | 集中・救急医療