ペニシリン・アナフィラキシー既往歴のある患者でも、セファロスポリン系薬剤の耐用性ある

日本でかつて行われていたのは、ペニシリン系薬剤の薬剤アレルギー既往に関わらない全例対象の皮膚反応試験。そして、プリック試験でなく、皮内反応であった・・・という、とても乱暴な事がなされていた。

ペニシリン過敏の可能性がある場合、使用が考慮されるならペニシリン系薬剤の皮膚反応はやはり行われるべきである。

日本では既往と無関係にセファロスポリン系を含むキノロン系まで全種類の抗生剤の皮内反応を半ば義務的にさせていたのだから・・・恐れ入る。



以下の記事は、ペニシリン過敏症既往患者の術前セファロスポリン系薬剤の安全性の問題。Mayo Clinicは、セファロスポリン系の皮膚反応試験1960年代から継続されていたそうな。


Li J, et al "Patients with a History of Anaphylaxis to Penicillin Can Receive Pre-Operative Cephalosporins Safely" AAAAI 2010; Abstract 250.



術前の皮膚プリック試験がペニシリンアレルギー患者の予防的セファロスポリン投与安全性を担保するかもしれないという報告

ペニシリンのアナフィラキシー既往を持つが、皮膚反応のない患者では、98.8%が術前にセファロスポリンに対して後顧的検討で耐用性があるという、Mayo Clinic のJames Liらの主導研究


研究中の唯一の副事象イベントは、plastic surgery施行後の研究での関節・筋痛で、1/80、1.25%だったと、American Academy of Allergy, Asthma, and Immunology meetingで報告。

セファロスポリンは構造的にペニシリンと類似し、ベータラクタム系である。ペニシリンアレルギー報告患者では、pre-emptively使用は、 vancomycin (Vancocin)で、副作用を多く有するものであった。

様々な生命危機観戦の重大な原因ともなるバンコマイシン耐性の問題が取りざたされ、ペニシリンアレルギー患者の88%がセファロスポリンの皮膚反応陰性であり、薬剤変更可能であるということ。vancomycin使用を減らすことは価値のあることである。


チャート・レビューでは、10名の患者に1名でインシデントなしのセファロスポリンとのequivocalな皮膚反応がみられた。陽性の4/12で、手術状況外で、セファロスポリン耐用可能だった。


情報ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAAAI/18732

by internalmedicine | 2010-03-01 14:41 | 感染症  

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