慢性疲労症候群の原因としての・・・XMRV否定報告

Xenotropic murine leukemia virus-related virus (XMRV) は2006年に分離されたもので、家族性・散発性の前立腺がんとの関連が報告され、その後慢性疲労症候群との関連が報告されたが、追試で否定的となってきている。

そのような論文の一つ
ということになるだろう


慢性疲労症候群は、またの名を” myalgic encephalitis”という、明らかな身体的原因のない、6ヶ月以上続く身体的disablingと心的疲労で特徴付けら得る。hallmarkは、衰弱性疲労でmyalgia、睡眠障害、集中力低下、咽頭痛、リンパ節症などが存在することがあり、その程度はばらつきがある。女性が2/3をしめ、多くに感染症の役割が示唆されてきた。実際、急性流感症状や伝染性単核球症の回復不十分な状態と類似している。慢性感染や免疫状態の変容の役割が考えられている。多くはsporadicだが、集団発生も記載されてきたが、原因感染源は結論づけできず、免疫学的異常も症状確立もされてないといえる。
Scienceの、Lombardiらの報告(Lombardi VC, Ruscetti FW, Das Gupta J, Pfost MA, Hagen KS, Peterson DL, et al. Detection of an infectious retrovirus, XMRV, in blood cells of patients with chronic fatigue syndrome. Science 2009;326:585-9)で、xenotropic murine leukaemia virus-related virus (XMRV)—というヒトガンマ・レトロウィルスで、前立腺癌患者の腫瘍組織で同定され、慢性疲労症候群患者の末梢血単核球細胞でも見いだされたというもの。XMRVは67%(68/101)の患者にPCRで同定され、健康者では4%(8/213)であった。XMRVの交代は患者血中で同定されたが、対照では同定されなかった。
Lombardiらは、XMRVが患者の臨床的材料かららT細胞に感染、transmitされ、permisive cell lineを形成することが可能と示した。
XMRVの遺伝子配列は、前立腺癌患者にほぼ同定されるもので、マウスrの白血病ウィルスのコンタミネーションといよりはヒトのウィルスと考えるべきであると彼らは主張している。


Prevalence of xenotropic murine leukaemia virus-related virus in patients with chronic fatigue syndrome in the Netherlands: retrospective analysis of samples from an established cohort
Published 25 February 2010, doi:10.1136/bmj.c1018
Cite this as: BMJ 2010;340:c1018


どのassayでも、患者、対照ともに、XMRX配列を検知できず。

real timeもnested polymerase chain reactionも高感度で、105の末梢血単核球細胞ごとに、最低10コピーのXMRV配列を認めた。

Dutch cohortにおける慢性疲労症候群患者では、末梢血単核球細胞にXMRVの存在を見いだせなかった。XMRVが多くの慢性疲労症候群患者と関連すると言うことはできない。




頑固な疲れの原因“物質F”やFF ・・・ って、結局なんだ? 2009-11-08



頚性神経筋症候群の診断基準

1. 頭が痛い、頭が重い
2. 首が痛い、首がこる
3. 肩が張る、肩がこる
4. かぜをひきやすい
5. めまいやふらつきがある
6. 振り向いたときや歩行中に不安定感がある
7. 吐き気がある
8. 夜、寝つきが悪い。途中で目覚める
9. 血圧が不安定
10. 温かい場所に長時間いられない
11. 異常に汗をかく
12. 静かにしていても心臓がドキドキする。動悸がする
13. 目が見えにくい、ぼやける
14. 目が疲れる、目を開けていられない
15. まぶしい、目の奥が痛い
16. 目が乾燥する、涙が出やすい
17. 唾液が出やすい、出過ぎる
18. 微熱が出る
19. 胃腸の調子が悪い、腹部膨満感がある
20. だるくて横になりたくなる
21. 疲れやすい、全身に倦怠感がある
22. やる気が出ない
23. 天気が悪い日やその前日は症状が強い
24. 気分が落ち込む
25. 集中力が出ない
26. 不安感
27. イライラする
28. 根気が出ず仕事に影響が出る
29. のぼせ、手足の冷え、しびれ
30. 胸の痛み、圧迫感、しびれ

※該当する項目が5つ以上で治療の適用、10以上なら要治療、17以上は最重症(作成は松井孝嘉・東京脳神経センター理事長)
http://medical-today.seesaa.net/article/37547393.html




Functional Somatic Syndrome,機能性身体症候群(FSS) 2007-03-17

by internalmedicine | 2010-03-05 09:33 | 感染症  

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