小児思春期ワクチン接種で、地域のインフルエンザ半減
2010年 03月 10日
ワクチン接種者が、集団内で多いと、集団的予防効果が認められる。特に、小児・学童などへの影響は大きい・・・クラスター前向きランダム化研究で、実証した報告
子供は、インフルエンザの伝播に関して重要な役割を果たす、インフルエンザワクチンの小児接種がその広がりを予防できるか、そして、非ワクチン接種者まで予防するかの検討をLoebらが、カナダ西部のコロニーで、3-15歳の子供を対象に、クラスターランダム化トライアルで行った。
かなり結びつきの強い田舎のコミュニティーで、アナバプティストの60-120名が住む地域に不活化インフルエンザワクチンと対照としてA型肝炎ワクチンを投与を2008年秋口に行ったもの
著者らは、不活化ワクチンのワクチン接種者がインフルエンザに対する非ワクチン投与者も防御的に働き、インフルエンザワクチン接種してないコロニー住民へも不活化ワクチン接種を児童に行うことで、対照コロニーに比べ、コロニー内の数として半数となったことを示した。
Effect of Influenza Vaccination of Children on Infection Rates in Hutterite Communities: A Randomized Trial
Mark Loeb; Margaret L. Russell; Lorraine Moss; Kevin Fonseca; Julie Fox; David J. D. Earn; Fred Aoki; Gregory Horsman; Paul Van Caeseele; Khami Chokani; Mark Vooght; Lorne Babiuk; Richard Webby; Stephen D. Walter
JAMA. 2010;303(10):943-950.
2008年12月28日から2009年6月23日までのフォローアップ
cluster randomized trial
・947名の36ヶ月から15歳のワクチン接種
・2326名のワクチン接種されてない住民
コミュニティーをランダムに割り付けし、盲験的に、不活化3価インフルエンザワクチン、対照としてA型肝炎ワクチンの標準投与を用いる。
RT-PCRにと血清HI抗体でインフルエンザA・B感染を確認
ワクチンのcoveage平均は、インフルエンザワクチンコロニーで 83%(53%-100%)、A型肝炎ワクチン・コロニーで79%(50%-100%)
非投与者で、RT-PCR確認インフルエンザ罹患インフルエンザワクチン・コロニーで、39/1271(3.1%)
A型肝炎ワクチンコロニーで80/1055(7.6%)
予防効果は61%(95%信頼区間[CI], 8%-83%; P=.03)
ワクチン投与に関わらないすべての研究被験者とすしてはRT-PCR確認インフルエンザ疾患
インフルエンザワクチンコロニー群 80/1773(4.5%)
A型肝炎ワクチンコロニー群 159/1500(10.6%)
ワクチンコロニーでは、RT-PCR確認インフルエンザ疾患で、59% (95% CI, 5%-82%; P = .04)の包括的予防効果
重篤なワクチン副事象は見られない
今回の新型インフルエンザワクチン接種、罹患確率が高く、伝播性が高かった、小児・学童・中学・高校生を先にすべきではなかったのか・・・とつくづく思う
それと、かつてなされていた、学童義務接種・・・廃止したのが実に悔やまれる
そして、廃止に追い込んだ要因は一体何だったのか?・・・前橋レポートを利用し反プロパガンダにいそしんだ、マスコミ、市民団体、一部医師集団、北教組・日教組(ref. 日教組、インフルエンザワクチンにも反対している(http://www.nishoren.org/statement/statement-contents/bunshoXX-010917-koizumi.html))。
Science誌:最適なインフルエンザワクチン配布 2009-08-24
インフルエンザワクチン:Driftでの有効性、学校での集団接種の有効性 2006-12-14
根拠無き反ワクチン・キャンペーンがどの程度の有害性を国民にもたらすか? 3-8万人の死者を生む
2005-01-17
by internalmedicine | 2010-03-10 09:35 | インフルエンザ