アタマジラミに対する イベルメクチン経口 vs マラチオン局所

アタマジラミに対する イベルメクチン経口 vs マラチオン局所で、前者治療効果優勢

Oral Ivermectin versus Malathion Lotion for Difficult-to-Treat Head Lice
N Engl. J Med. Vol. 362:(10) 896-905 Mar. 11,2010

他施設、クラスターランダム化・二重盲検二重ダミー対照化トライアル

・oral ivermectin (at a dose of 400 µg per kilogram of body weight)
・ 0.5% malathion lotion
day 1 と day8で投与

事前2-6週間局所insecticide使用にて除去できなかった、生きたしらみを有する患者

クラスターは家庭毎として、寄生は、微細な歯の櫛にて(infestation)を確認し、モニターする。
患者は2歳以上で、15kg以上

エンドポイントは、 day 15の生きたシラミの存在

812名(家庭 376)をランダムに2群に割り付け

ITTでは、 イベルメクチン投与を受けた95,2%が day 15でシラミなし
対して、マラチオン群では85.0%(絶対差 10.2%;95% 信頼区間[CI] 4.6-15.7;P<0.001)

per-protocol では、イベルメクチン群は day 15でしら見なし97.1%
対して、マラチオン群では89.8%(絶対差 7.3%;95% CI,2.8-11.8; P=0.002)

副事象に関して2群間で、有意な差はない。



スミスリンなどが用いられることが多い(http://www.kincho.co.jp/gaichu/sirami.html)わけだが・・・

殺虫剤抵抗性が話題になっているようだ・・・・国立感染症研究所:http://www.nih.go.jp/niid/entomology/headlice/headlice.html(平成22年1月14日 昆虫医科学部 第三室)

アタマジラミ対策パンフレット等 :東京都福祉保険局

現時点では、イベルメクチンは疥癬にやっと適応拡大しただけ、アタマジラミに対して適応拡大が望ましいだろう。


世界的には、年間1億人が感染し、世界的なヒトへの感染症で、発展途上国では3-11歳の子供が多く感染し、2007年Cochraneレビューまで、1995年のシステミックレビューが利用され、 pyrethroid insecticide permethrin (1% formulation)が唯一の薬剤で、治癒率は90%の95%信頼区域下限で、しかし、抵抗性出現のため、マラチオン(0.5%製品)が新しく代替的に、再び使用されてきた。
局所的な殺虫剤は、ローション使用で、高濃度であり、十分な量を投与できる訳だが、厳格なアドヒアランスが求められている。卵を産み付けるまでに再投与が厳格に求められていた。

by internalmedicine | 2010-03-11 08:31 | 感染症  

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