eprotirome (KB2115):甲状腺ホルモン・アナログのスタチン治療併用効果
2010年 03月 11日
LDL値低下が認められた。
Use of the Thyroid Hormone Analogue Eprotirome in Statin-Treated Dyslipidemia
N Engl. J Med. Vol 362:(10) 906-916 Mar. 11, 2010
プラセボ vs eprotirome(25, 50, 100 μg/日)+スタチン治療12週にて
LDL平均値:141mg/dl→127, 113, 99, 94 mg/dl(平均減少:7%, 22%, 28%, and 32%)
血中apol B、TG、Lp(a)も、同様に減少。
副事象は心臓、骨に影響関連なし。
血中thyrotropin や triiodothyronineの変化認めず
だが、サイロキシン値はeprotirome投与患者では減少がみられた。
序文をみると、新しい薬剤であるezetimibeやtorcetrapibは、動脈硬化性疾患のセカンダリエンドポイントの付加的減少効果が見られず、予期せざる副事象が今検討されているところであるそうだ。
甲状腺機能低下症患者における、甲状腺ホルモンのコレステロール低下作用が1930年報告されており、肝臓のLDL受容体遺伝子の過剰発現による肝臓のクリアランスに影響を受けた減少効果である。
齧歯類において、thyromimetic compoundsは、HDL受容体・ scavenger receptor B1 (SR-B1)を増加させ、コレステロール7-αhydroxylase活性を増加させ、糞便中へのコレステロールや胆汁酸排泄を亢進する。甲状腺ホルモン代謝産物の活性類似物およびアナログにて、コレステロール低下作用が確認された。一時、ホルモン関連の副作用、tirratricolによる骨への影響、D-thyroxineによる心臓死の可能性のため開発は中止された。
Eprotirome (KB2115) (Karo Bio) は、triiodothyronineに比べ2つの臭素を含み、非肝臓組織へは取り込みが、ごく少なく、甲状腺ホルモンの脂質低下作用を介する働きをするtriiodothyronine receptor (TR) β isoformに軽度高親和性があるもの
ゼチーアが鳴かず飛ばずどころか・・・期待はずれの薬剤のため、代わる、スタチン付加的薬剤は必要と思う。eprotiromeは甲状腺ホルモン類似作用なので、やはり副作用は気になる。
ref.
ZETELD:スタチン+ゼチーア>スタチン増量 2010-02-27
by internalmedicine | 2010-03-11 09:59 | 動脈硬化/循環器