コントロール不良喘息患者でのSDM:shared treatment decision makingの有用性
2010年 03月 11日
Shared Treatment Decision Making Improves Adherence and Outcomes in Poorly Controlled Asthma
Better Outcomes of Asthma Treatment (BOAT) Study Group
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 181: 566-577.
治療に関して、sared in making decisionを行ったpoorly controlled 喘息患者では、有意に、2つの対照条件である被験者よりコントローラーやLABAアドヒアランスがよかった。
薬物選択と治療アドヒアランス両方の結果として、1年間のSDMは抗炎症治療累積投与量が多かった。
通常ケアと比べて、SDMは有意に喘息関連QOLを改善し、喘息関連受診を減らし、救急薬剤量をへらし、well-controlled asthmaの状態の尤度を高め、肺機能を改善した。
患者サイドに立場を置く、臨床意思決定ってのは、言葉通りにとらえれば、”情報だけ提供して、あんたたちだけで決めなさい”という話で、”冷たい”だの、”意味がわからない”だの言われて、日本ではたいがい不評なの
shared decision makingといわれると、患者にずっと付き添って、情報の解釈などともにおこなってことかよ!・・・それに費やされる時間とコストを考えれば非現実的と思うのだが・・・
Shared Decision Making
Two definitions of shared decision making:
1. The process of interaction with patients who wish to be involved with their health care providers in making health care decisions
2. Involvement of patients with their providers in making health care decisions that are informed by the best available evidence about treatment / screening / illness management options, potential benefits, and harms, and that consider patient preferences.
http://people.dbmi.columbia.edu/~cmr7001/sdm/html/shared_decision_making.htm
これを見ると、バズワード的なのだが・・・
一般的にもっとも引用されているshared decision-makingの特性定義はCharlesら(Soc Sci Med. 1997 Mar;44(5):681-92.)もの
治療決定において患者からのインプットが少ないことは臨床の現場では存在する。絶対的ベスト治療がない生命危機状況下の場合特に、患者側の考慮が重要であることは一般的に認められており、ベネフィットとリスクのtradeoffが存在する。
”Shared treatment decision making” あ、医師と患者の、意思決定プロセスで、関心は増加しているものの、いくつかの理由で未だとらえどころのない存在である
患者と医師においてその類型化、程度にばらつきが甚だしい
定義が要求されない、self-evidentなものと思われ、それぞれ個人の解釈のばらつきにおいて決定するものと思われている。
結果この用語に混乱が生じた。
3つの主な理由に基づき、この言葉の意味合いがことなる
患者に意思決定を任せ、医師の役割はiputを行わず、情報を提供するに過ぎないというものから、様々なプロセスを含むものである。
たとえば、Eddy(JAMA 263:441–443, 1990)は、SDMプロセスの議論により、医師が患者に、治療のベネフィットとリスクの情報を与える課程ととらえ、患者が、自身の価値観に従う、自身の情報に基づく治療意思決定を行うことができる
この定義に従えば、医師の役割は、患者は情報提供に限られており、患者にiputを行わないこととなる。この課程そのものが、医師・患者の立場で、その仕事を分離するものとなる。
Charles ら(Soc Sci Med 44:681–692, 1997、Soc Sci Med 49:651–666, 1999)は、医師患者が同時に意思決定プロセスの相互過程としてのSDMとしてレビューし、すべての過程で、同時に参加し、治療組み込みをnegotiateすることとしている。
他の著者らは、Charlesの言及した関与を一部、すべての状況ではなく、その読者の用語のとらえ方で解釈の違いが生じている。
by internalmedicine | 2010-03-11 12:10 | 呼吸器系