老人へのビタミンDの骨格筋外効果のレビュー

老人へのビタミンDの骨格筋外効果・・・このレビューでも、心血管疾患系、死亡率、情緒、認知機能への効果が示唆されたが、残念ながら決定的な知見という訳ではなさそうである。

Extraskeletal effects of vitamin D in older adults: Cardiovascular disease, mortality, mood, and cognition
The American Journal of Geriatric Pharmacotherapy, 03/18/10


ビタミンD不足は、老人に多く、CV疾患、死亡率、うつ、認知機能障害に関連する
観察研究・実験研究のレビューで、老人において、ビタミンD不足とCV疾患、死亡率、情緒、認知などへ影響をレビュー

65歳以上の文献で、25[OH]D測定を1回以上行ったものを対象、すべての症例対照研究、コホート、ランダム化試験を含む

42の症例対照、コホート、ランダム化トライアルを同定し、レビューに含めた

65歳以上での、25[OH]D濃度 <30 ng/mLの頻度は、40%~100%

疫学的データやいくつかの小規模ランダム研究で、ビタミンD不足(<10 ng/mL)とCV疾患の関連があり、高血圧、虚血性心疾患を含めた病態との関連である。

ビタミンD+カルシウム治療に関する大規模ランダム化プラセボ対照トライアルWomen's Health Initiative Randomized Trialからの少数のサブグループ解析では血圧、心筋梗塞、CF関連死亡減少に関連は示せなかったが、介入のcotaminationのためこの知見には限界が認められた。
観察研究とRCTのメタアナリシスでは高25(OH)DとビタミンD2あるいはD3補充(平均投与量, 528 IU/d)の死亡率上のベネフィットが認められた。
観察および小規模ランダム化トライアルでは日光もしくはビタミンDのうつや認知機能症状へのベネフィットが示されたが、この知見には方法論的問題による限界が認められた。




サプリメントの宣伝により、脳がけがされる・・・そんな気がする毎日

ビタミンD 欠乏とはいえないもののビタミンD 不足の状態が長期にわたって続くと、血中副甲状腺ホルモン濃度が上昇し、骨密度が低下する。したがって、正常なカルシウム利用能が保持され、血中副甲状腺ホルモン濃度が上昇しない血中25‒ヒドロキシビタミンD 濃度を維持するのに必要な量のビタミンD を摂取することが、骨折や骨粗鬆症などの予防の観点から重要と考えられる。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4j.pdf


厚労省は・・・・いつまで、25-OHビタミンD濃度の保険適応放置を続けるつもりなのだろう

全国のビタミンD過剰摂取による中毒患者は国家賠償してもよいのでは?

by internalmedicine | 2010-03-19 10:08 | ビタミン  

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