eGFR報告で、腎臓科受診増加・・・透析などへの移行を予防可能?
2010年 03月 24日
Nephrology Visits and Health Care Resource Use Before and After Reporting Estimated Glomerular Filtration Rate
Brenda R. Hemmelgarn; Jianguo Zhang; Braden J. Manns; Matthew T. James; Robert R. Quinn; Pietro Ravani; Scott W. Klarenbach; Bruce F. Culleton; Richard Krause; Laurel Thorlacius; Arsh K. Jain; Marcello Tonelli; for the Alberta Kidney Disease Network
JAMA. 2010;303(12):1151-1158.
Community-based cohort study (N = 1 135 968) の time-series analysis
カナダ・アルバータ州の2003年3月15日から2007年3月14日間(eGFR報告は2004年10月15日導入)
eGFR報告にて、CKD(eGFR <60 mL/min/1.73 m2)患者受診の腎臓科初診比率は、月あたり、1万人の受診あたり、(95% 信頼区間 [CI], 16.5-18.6)で、ベースラインの68.4%増加に相当
CKDなし患者では、eGFR報告と腎臓科初診比率の相関はない
eGFR<30 mL/min/1.73 m2の患者においては、初診 1万受診あたり134.4 (95% CI, 60.0-208.7) の月当たりの増加。この増加は主に女性で、86歳以上と46-65歳で同様で、高血圧、糖尿病、合併症でも同様
eGFR報告は、内科・GP受診増加とは関連せず、CKDやたんぱく尿患者でのACE阻害剤/ARB使用増加、糖尿病患者限定のサブグループとは相関しない。
日本の馬鹿役人どもの悪行はこの分野でも発揮されている。
すなわち、厚労省のメタボ推進の影で、透析患者への移行を少しでも抑制するはずの、グローバルなCKD啓発運動が日本ではほとんどなされなかった。
検診や日常診療において、eGFRを、検査値に印刷することを義務化するだけで、この分野の啓発に役立つと思う・・・このことはことある毎に、私は周囲の専門家?たちに、主張し続けてきたのだが・・・
by internalmedicine | 2010-03-24 09:52 | 動脈硬化/循環器