社会階層と死亡率の関連は生活習慣で説明可能・・・喫煙だけはなかなか手強い

先進国の中で社会階級固定化が顕著とされるイギリスにおいて、1985年からの British Whitehall II longitudinal cohort study(10308名の公務員、35-55歳、ロンドン在住、男 9590名、20009年4月30日まで死亡率フォロー)の検討


Association of Socioeconomic Position With Health Behaviors and Mortality
Silvia Stringhini, MSc; Séverine Sabia, PhD; Martin Shipley, MSc; Eric Brunner, PhD; Hermann Nabi, PhD; Mika Kivimaki, PhD; Archana Singh-Manoux, PhD
JAMA. 2010;303(12):1159-1166.

社会経済的地位が最高のクラス()と最下層では1.6倍の全原因死亡率の差があり、差は1000人年で 1.94


この相関は、ベースラインの健康行動で42%(95% 信頼区間[CI], 21%-94%) 減弱
時間依存的共役要素で72% (95% CI, 42%-154%) 減弱

心臓疾患死亡率は、同様に、29% (95% CI, 11%-54%) 、 45% (95% CI, 24%-79%)減弱
非がん、非心臓血管疾患は61% (95% CI, 16%-425%) 、 94% (95% CI, 35%-595%)減弱

ベースラインと反復評価健康行動の差は、食事の説明要素パワー(全原因死亡率 7% ~ 17% )、運動 (全原因死亡率 5% ~ 21% )、アルコール (全原因死亡率 3% ~ 12% )が主である。

喫煙の問題点がもっとも解析上強力なmediatorで、ベースラインと反復評価で差がなかった(全原因死亡率 32% ~ 35% )


食習慣てのは、まだ、喫煙習慣よりは修正可能性があるようだ・・・

by internalmedicine | 2010-03-24 10:14 | 医療一般  

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