青森県保険医協会・青森市医師会の”地域医療貢献加算の算定の届出はやめましょう”に賛同したい
2010年 03月 24日
青森県保険医協会ならびに青森市医師会の”地域医療貢献加算の算定の届出はやめましょう”に賛同したい
”この算定を届け出た医療機関は、過去に 受診した人も含め、全患者に24時間365日体制で対応することが求められて います”・・・というだけでなく、”応召義務”と会わせれば、”全く受診したこともない人”に対しても、24時間365日体制を敷かなければならないことになる。
厚生労働省・・・って、確か、労働に関する省庁じゃなかったのか?
医者の過労に、まったく無配慮というのが恐ろしい。
実際、自分のところでは、連休明けの日の、午前1時半に”眠れない”という全く受診歴のない患者からの相談の電話があったわけだが・・・相談にのっても、相手が電話先であり、受診料を請求できず、翌日は睡眠中断による判断能力に悩まされ、一般の外来診療に支障が生じた。
こういう事態を、勤務医の経験しかない足立政務官は、おそらく一人科長も経験してないのだろう、全く理解しようともしてないのだろう。
各病院で一人科長を経験した勤務医・開業医なら理解してもらえるだろうが、いつ呼び出されるかわからない状況下のストレスはすさまじいものがあるのだ・・・車のバック音さえ、ポケベルに聞こえる。
青森市の医師会は、安易な算定届け出を警告している。
・「明細義務化」による「地域医療貢献加算3点」の明示と応召義務によりトラブル増加予想
・即時対応不能のトラブル時には個別指導・自主返還・監査やマスコミ発表の上の謝罪が必要とされる可能性
・24時間、365日対応による過重労働常態化による医療崩壊
足立氏などは準夜帯に集中した対応を述べていたような気がするが、実際に出てきたのは、24時間、365日対応・・・”一人科長”以外の勤務医では考えられない勤務医以上の疲弊を開業医に求めているのである。
より過酷な労働条件を、たった30円で、強いようとしている厚労省・民主党政権
開業医には、健全な労働環境を得る資格はないというのだろうか?
青森県・保険医協会は考えられるトラブル(個別指導に直結する)として以下をあげている
1. 対応できない場合
○ 旅行中、学会出席中、飛行機内....連携医師、医療機関が必要
○ 誤って携帯の電源が切れていた
○ マナーモードで気づかなかった
○ 枕元に携帯電話をおいて寝なかった
○ 夜間睡眠中で気づかなかった
2. 医師の飲酒中の対応
飲酒中は連携医師、医療機関が必要と考えられます。
3. 緊急時の対応にも問題があります
「緊急の対応が必要と判断された場合には、外来診療、往診、他の医療機関との連携又は緊急搬送等の医学的に必要と思われる対応を行うこと」となっています。
○ 医師が「救急車を読んでください。」と指示した場合向かう先を医師が準備するのか?救急隊に任せるのか?連携先か?
救急病院が受け入れ不可能の時に「診察の義務」があるか?(応召義務)
○ 精神科救急......ほぼ対応不可能か?
「これから自殺する」「深夜になっても眠れない」という電話対応は可能か?
○ 患者さんが旅行先等から電話してきた場合はどうするのか?
4. カルテを見ないで診察の問題点
○ 最悪の結果になった時に法的にどのように判断されるのか?
○ 医師賠償責任保険は使えるのか?
5. 飲酒患者への電話対応は断れるのか?
6. 他人が本人に「なりすまして」個人情報を取得しようとした時は見抜けるか?
これを算定した開業医は、絶対飲酒もできず、常にカルテを持参して、携帯電話の電波の入らないところにいくことはできず(山登りなどや田舎の散策、飛行機・潜水艦利用、電波の入らない地下にいくことも不能)、、風呂・トイレにも携帯電話持参・・・・・30円の代価としては大きすぎます
届出書:http://www.medsus.jp/shiryou/chiikiiryoutodoke.pdf
地域医療貢献加算
1 地域医療貢献加算に関する施設基準
(1) 診療所であること。
(2) 標榜時間外において、患者からの電話等による問い合わせに応じる体制を整備するとともに、対応者、緊急時の対応体制、連絡先等について、院内掲示、連絡先を記載した文書の配布、診察券への記載等の方法により患者に対し周知していること。又は、当該診療所の職員が対応に当たる場合であっても、医師に電話を転送できる体制を備えていること。
(3) 複数の診療所が連携してあらかじめ当番医を定めて対応に当たる場合には、当該当番医の担当日時や連絡先等について、あらかじめ患者に周知していること。
2 届出に関する事項
地域医療貢献加算に係る届出は、別添7の様式2を用いること。なお、当該加算の届出については実績を要しない。
以下のQ&Aの”留守番電話の内容を聞いたら速やかに対応するということでよいか”に惑わされている医療機関も多いようだが、留守電で翌朝対応なんてことが許されるわけもない・・・誤解を生じさせるQ&Aと思う
↓
平成22年度診療報酬改定 『Q&A』 (その1) 2010/3/4日本医師会
※ 本件についてはすべて厚生労働省当局に確認済みのものである
【再診料】
《地域医療貢献加算》
Q.この加算は診療所の再診料引下げを補填する目的に創設されたのか?
A.地域の身近な診療所で患者からの休日・夜間等の問い合わせや受診に対応することで、休日・夜間に病院を受診する軽症患者の減少、ひいては病院勤務医の負担軽減につながるような取組を新たに評価した点数である。
Q.この加算を算定しない診療所は地域医療に貢献していないことになるのか?
A.そのようなことはない。
Q.診察券に記載された時間外の連絡先に連絡があったが、留守番電話による対応だった場合、留守番電話の内容を聞いたら速やかに対応するということでよいか?
A.よい。
Q.施設基準に「当該保険医療機関の表示する診療時間以外の時間において、患者又はその家族等から電話等により療養に関する意見を求められた場合に、対応できる体制にあること」とあるが、携帯電話への転送等でもよいか?
また、学会出張等の場合の取り扱いはどうか?
A.携帯電話への転送でもよい。
また、学会等への参加のため、電話連絡等に対応できない場合には、連携医療機関の連絡先を患者に知らせることでもよい。
Q.患者からの問い合わせはメール対応でもよいか?
A.電話での対応が原則であるが、患者の同意を得ていれば、速やかに応答することを条件に携帯メール等を併用してもよい。
Q.時間外の連絡先について、電話の転送サービス等を活用するなどして、必ず医師が対応する必要があるか?
A.時間外の連絡について、診療所職員が対応に当たり、患者からの電話の後、速やかに医師に連絡を行い対応することでもよい。
Q.電話再診料の場合でも地域医療貢献加算は算定できるか?
A.算定できる。
地域医療貢献加算:あなたのために30円で24時間働かすことのできるコンシェルジュ制度ができました 2010-02-17
by internalmedicine | 2010-03-24 15:22 | くそ役人