肝性脳症治療へのリファキシミン治療

”Rifaximinは吸収がほとんどない抗菌剤で、胃・腸管に集まり広域スペクトラムでグラム陽性・陰性好気的・嫌気的細菌に効果があり、細菌の抵抗性誘導リスクが少ないとされ、ランダム化研究で非吸収性disaccharidesより有効性が高く、急性肝性脳症治療として他の抗生剤より明らかに優れているという報告もあった。最小の全身性のbioavailabilityであることより、rifaximinはより長期に使用しやすいとされている。”・・・というのが序文なのだが、耐性起こしにくい・・・というのはちょっと説明が必要なのでは?、また、過敏性腸症候群でも利用されているよう。


Rifaximin Treatment in Hepatic Encephalopathy
N Engl. J Med. Vol. 362: (12) 1071-1081 Mar. 25, 2010

Rifaximin は有意に、6ヶ月間 肝性脳症のエピソードを減少 (rifaximinハザード比, 0.42; 95% 信頼区間[CI], 0.28 ~ 0.64; P<0.001)
肝性脳症のbreakthrough episodeは、Rifaximin群 22.1%、プラセボ対照群で、45.9%

肝性脳症入院は、Rifaximin群 13.6%、プラセボ群 22.6%
ハザード比  0.50 (95% CI, 0.29 ~ 0.87; P=0.01)

lactulose治療併用を90%超で行われ、副事象イベントは両群同等


http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch170/ch170m.html
リファキシミンはリファンピンの誘導体で,経口投与後の吸収は不良で,97%は糞便中に主として未変化で回収される。リファキシミンは主にエンテロトキシン産生性および腸管凝集性大腸菌により起こる,旅行者下痢の経験的治療に使用する。大腸菌以外の腸内病原体による下痢に対するリファキシミンの効果は不明である。成人および12歳を超える小児における用量は200mg,8時間毎,3日間である。有害反応には悪心,嘔吐,腹痛,および鼓腸である。リファンピンと同様,リファキシミンにもリファンピン耐性変異の発現を引き起こす傾向がある。



カナマイシンを想起させるが、google scholar(http://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&q=kanamycin+hepatic+encephalopathy&lr=&as_ylo=2008&as_vis=0)検索しても、このrifaximinを凌駕するエビデンスはなさそうだ。

by internalmedicine | 2010-03-25 10:11 | 消化器  

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