死亡1年前の障害経過の軌跡・・・突然死や認知症以外では予測不能

Trajectories of Disability in the Last Year of Life
Thomas M. Gill, M.D., Evelyne A. Gahbauer, M.D., M.P.H., Ling Han, M.D., Ph.D., and Heather G. Allore, Ph.D.
N Engl. J Med. Vol. 362:(13) 1173-1180 Apr. 1, 2010


とつぜん死亡する人の多くは障害無く、進行認知症で死亡するひとは重度障害を有する。しかし、他の原因で死亡する人たちの多くは、障害の臨床経過について予測不能であるという結論の報告。


以下の5つの軌跡にわけて、人生最後の1年における、長軸研究
・no disability
catastrophic disability
・accelerated disability
・progressive disability
・persistently severe disability


754の地域居住老人を含む、383名の死者データ、研究開始時には障害誰も有さず、10年を超える月ごとのインタービューで障害の程度を評価


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Trajectories of Disability in the Last Year of Life among 383 Decedents.

障害の重症度はactivities of daily living (ADLs)平均数により示される
実線:観察された軌跡、波線:予測軌跡
Iバーは、観察下95%信頼区間
観察下の予測同等確率が0.7未満(0.51-0.69)は、わずか37名(9.7%)のみで、37名全員が、次の0.21-0.49範囲にあった。2/3(23)が重症からの回復エピソードありだったが、約20%(7)が、死亡前1ヶ月一つの活動性指標で以前無かった障害をみとめた。


”compression of morbidity”仮説とは、もし障害発生を遅らせることができるなら、死亡前障害期間を先延ばしできるというもので、この仮説は、障害率減少が死亡率減少をもたらしたといういくつかの報告で支持されている。住民レベルの情報では明確ではなかった。死亡前の障害について、死亡直近の年数での検討がなされてなかったのである。

この論文の報告では、死亡直前の障害経過によってはその後の死亡状況を推測できず、認知症高齢者以外においては、社会資源の配分を」いかに行うかには解答を与えてないように思える。

死に方と、死亡直前の障害の経過も、人それぞれ・・・認知症などは経過が比較的予測できる方である。

by internalmedicine | 2010-04-01 09:21 | 医学  

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