EPICOR 研究:GIと食事全糖摂取量:女性においては冠動脈疾患と関連

以前、”いわゆる低インスリンダイエットの否定 : 低glycemic load食は必ずしも減量に有効でない 2007-05-06”と、Glycemi indexやloadに関して否定的論文を紹介したことがある。

今回は、肯定的というか、女性において・・・冠動脈疾患に関する限定的現象を報告している。

Glycemic index (GI)
Dietary glycemic load (GL)

EPICOR study にて、このGL・GIと冠動脈性心疾患(CHD)との関連を、イタリア人男女の大規模・heterogeneous cohort(47 749 名のボランティア (男性 15 171 、女性 32 578) )で検討


Dietary Glycemic Load and Index and Risk of Coronary Heart Disease in a Large Italian Cohort: The EPICOR Study
Arch Intern Med. 2010;170(7):640-647.

フォローアップ期間中央値 7.9年、463名(女性 158、男性 305名)発症

炭水化物摂取最高4分位女性は最低4分位女性に比べ有意にリスク増加(RR, 2.00; 95% CI, 1.16-3.43)
男性では有意な相関認めず (P = .04 for interaction).

GI食事からの炭水化物摂取増加ほど、女性ではCHDリスク増加(RR, 1.68; 95% CI, 1.02-2.75)
しかし、低GI炭水化物摂食増加では相関認めず


最高GL 4分位女性では、最小4分位女性に比べ、CHDリスクが有意に高い (RR, 2.24; 95% CI, 1.26-3.98)
しかし、男性では有意ではなかった (P = .03 for interaction)

高GI食からの炭水化物量の多い食べ物は、冠動脈性心疾患のリスク増加を女性ではもたらす。男性ではその証明はできなかった。
食事性炭水化物の役割はその種類に依存し、高GI食からの炭水化物でリスク増加する。

高glycemic dietの女性での副事象は、性別により異なり、リポ蛋白やブドウ糖代謝による違いと想定される。




参照:過体重・肥満若年者に対する糖負荷4種類の比較 Glycemic Index 2006-07-25

by internalmedicine | 2010-04-13 09:16 | 糖尿病・肥満  

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