抗糖尿病薬に関する”利益相反”と薬剤心血管リスク評価に関連性あり
2010年 04月 13日
” rosiglitazone ”に関しては疑念があり(FDA 公聴会:Rosiglitazone (Avandia)は市場に残るべきとしたが・・・ 2007-07-31)・・・今度はFDA自体に疑念が持たれている始末(http://blogs.wsj.com/health/2007/07/26/fda-committee-wont-consider-controversial-avandia-study/tab/article/)
公開されているFDA議論でさえこれなのだから、非公開が原則の日本の厚労省の議論がまともであるはずもない・・・
Association between industry affiliation and position on cardiovascular risk with rosiglitazone: cross sectional systematic review
BMJ 2010;340:c1344, doi: 10.1136/bmj.c1344 (Published 18 March 2010)
製薬会社の利益相反に関して、202の文献で、108(53%)が利益相反のステートメントがあり、90(45%)は経済的利益相反を報告。
著者らは、rosiglitazoneを利する観点を有する著者らは、好ましくない観点の報告の著者の、3.38倍の経済上の利益相反を有する状態
同様に、rosiglitazone使用をこのましいとする著者は、そうでない著者らの、経済的利益供与を有する率は3.6倍
著者を解析単位として検討したときより、文献を解析単位として用いたときの方が、この相関は大きい(rate ratio [RR]=4.69)、ただの意見記事 (RR=6.29) 、rosiglitazoneの議論に関する場合 (RR=6.50) 、米国FDA警告発表(2007年)前 (RR=3.43) 、発表後(RR=4.95)もそれぞれ相関が大きい
日本の”利益相反ガイドライン:厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/rieki/txt/sisin.txt
原則として、平成22年度以降の厚生労働科学研究費補助金の交付申請書提出前にCOI委員会が設置されず、あるいは外部のCOI委員会への委託がなされていない場合には、 平成22年度以降の厚生労働科学研究費補助金の交付を受けることはできない。なお、詳細については、各年度の公募要項等を確認すること。
広義の利益相反は、「狭義の利益相反」と「責務相反」の双方を含み、「狹義の利益相反」は、「個人としての利益相反」と「組織としての利益相反」の双方を含んでいる。
「責務相反」とは、兼業活動により複数の職務遂行責任が存在することにより、本務における判断が損なわれたり、本務を怠った状態になっている、又はそのような状態にあると第三者から懸念が表明されかねない事態をいう。
「経済的な利益関係」とは、研究者が、自分が所属し研究を実施する機関以外の機関との間で給与等を受け取るなどの関係を持つことをいう。給与等」には、給与の他にサービス対価(コンサルタント料、謝金等)、産学連携活動に係る受入れ(受託研究、技術研修、客員研究員・ポストドクトラルフェローの受入れ、研究助成金受入れ、依頼試験・分析、機器の提供等)、株式等(株式、株式買入れ選択権(ストックオプション)等)、及び知的所有権(特許、著作権及び当該権利からのロイヤリティ等)を含むが、それらに限定はされず、何らかの金銭的価値を持つものはこれに含まれる。なお、公的機関から支給される謝金等は「経済的な利益関係」には含まれない。
by internalmedicine | 2010-04-13 14:19 | 医学