救急部門での発熱幼児:重度細菌感染診断症状と兆候:医師判断は感度も特異度も低い
2010年 04月 23日
既往・症状・兆候・身体所見・検査所見などをスコア化してそれに従い、抗生剤処方を決める・・・という方法に変わるかもしれない。
The accuracy of clinical symptoms and signs for the diagnosis of serious bacterial infection in young febrile children: prospective cohort study of 15 781 febrile illnesses
BMJ 2010;340:c1594, doi: 10.1136/bmj.c1594 (Published 20 April 2010)
【目的】 5歳未満の発熱・診断疑診治療施行下の幼児の現行のプロセス評価
重度細菌性感染とself limitingな非細菌性疾患の鑑別に関する多変量モデルの開発・試験
【デザイン】 2年の前向きコホート研究
【セッティング】 Westmead、オーストラリアのED
【被験者】 熱性状態の5歳未満の幼児(2004年7月1日から2006年6月30日)
【介入】 病院の電子記録保持システムへ、40の臨床的特性自発的登録を行った標準化臨床評価が医師により行われ、重度の細菌戦感染症確認、除外をレントゲン・微生物試験、フォローアップで確認
【主要アウトカム測定】 3つの重度細菌感染(尿路感染症、肺炎、細菌血症)診断、臨床的意思決定モデルと診断時臨床的判断の正確性
【結果】 15781名のうち、観察期間 インスタンスフォローアップ93%
三つの被検感染症(尿路感染症、肺炎、細菌血症)の組み合わせ頻度は7.2% (1120/15 781, 95% 信頼区間(CI) 6.7% ~ 7.5%)尿路感染症診断 543 (3.4%) 例 (95% CI 3.2% ~ 3.7%)、 肺炎 533 (3.4%) 例 (95% CI 3.1% ~ 3.7%)、細菌血症 64 (0.4%) 例 (95% CI 0.3% ~ 0.5%).
重度細菌感染のほぼ全員(>94%)が適切な検査、尿細菌検査、胸部レントゲン、血液培養を受けていた。
抗生物質は、尿路感染 66% (359/543) 、肺炎 69% (366/533)、細菌血症 81% (52/64)で投与
しかし、細菌性感染なしの小児の20% (2686/13 557)が抗生剤処方を受けていた
臨床的評価のデータと確定診断から、診断モデルを多次元的ロジスティック回帰モデル手法を用いて開発。
細菌感染医師診断は、感度が低く (10-50%)、特異性が高い (90-100%)
臨床的診断モデルは、感度・特異度とも、広範な価値をもつ
【結論】 ED医師は、発熱幼児の重度細菌性感染症の尤度を過小評価し、抗生剤投与に関するundertreatmentをもたらす。
臨床的診断モデルを用いることで、重症細菌感染の感度を高める意思決定が可能となり、早期治療を改善することにつながる。
尿路感染症:臨床的指標、多次元モデルからのオッズ比ログ表示
肺炎:臨床的指標、多次元モデルからのオッズ比ログ表示
細菌血症:臨床的指標、多次元モデルからのオッズ比ログ表示l
by internalmedicine | 2010-04-23 09:50 | 感染症