利益相反の情報開示の問題は、日常臨床にも迫っている
2010年 04月 27日
それで調査・・・
利益相反の情報開示の問題は、日常臨床にも迫っているようだ。
The Impact of Disclosing Financial Ties in Research and Clinical Care
A Systematic Review
Adam Licurse, BA; Emma Barber, BS; Steve Joffe, MD; Cary Gross, MD
Arch Intern Med. 2010;170(8):675-682.
6561の引用をスクリーニングし、244の利用可能なアブストラクトを抽出
11の研究でFTsとqualityの認識評価
臨床において、患者は経済的つながりが質を低下させると考え、ケアのコストを増加させると考える。
研究において、経済的つながりは研究の質の認識に影響をあたえた。
2つの研究から、ジャーナル記事の質の読者認識は経済的つながりのdisclosure後低下した。
8つの研究で経済的つながりの受容評価。患者は、professional giftに比べ、医師へのpersonal giftsを非認容的ととらえている。
10研究中6つで、情報開示の重要性を評価し、多くの患者・研究被験者は経済的つながりについて情報開示すべきと信じている。他の4つでは、約1/4が経済的つながりを開示すべきと考えているというもの
被験者の意志評価に関する7研究では、約1/4が経済的つながり開示後、意欲低下すると答えている。
受診している医者や、参加している治験でその関係者がメーカーべったりだと、まぁ、患者や被験者は、不審を感じるのは当然だろう。
一般医師側にとって、今の時代、メーカーからの心動かされる個別ギフトなんて、ほとんど存在しない。
だが、日常臨床ではすべての情報アンテナを閉ざすわけにもいかない。で、製薬メーカーが積極的にくんでくれる講演会はありがたい存在。でも、そのスポンサーに遠慮するせいか、内容に偏りがあるのが通常なのも事実。MRさんたちのもってくるパンフレットは、その業界で顔が売れている医者たちのバイアスに満ちた情報満載。自分で探し求めた情報だけが真実と信じても、アンテナは広げていたい。だから、製薬会社の情報を無視するわけにもいけない。
公的に金を出さない限り、ただでさえ費用が膨大と成った大規模となった臨床研究、その費用はどこがが出すのかと言えば・・・特定の利益団体とリンクせざる得ない。
公的に、具体的に言えば、税金から、開発費用を出すかと言えば、全員が No!・・・というに決まってる。
by internalmedicine | 2010-04-27 09:10 | 医療一般